泣いても笑ってもこれが最後のデジモンtryだよ!
……まあ、ハードルはもう地上にめり込んでいるけれどね
カエルくん(以下カエル)
「正直、酷評が続いたもんね……ちょっと褒めたのって3章くらい?
あとはこれから先に期待! くらいの擁護だったし……」
主
「残念なシリーズになってしまったことは否めないかな。
ここから盛り上げるのは……もう無理だと思う」
カエル「う〜ん……でもさ、もしかしたら6章がとてつもない名作の可能性だってあるから!」
主「それって歴史に残るほどの作品じゃないと不可能でしょう。
まあ、どのように着地するのか……そこだけに注目しようかな」
カエル「では、感想記事のスタートです!」
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1 感想
では、まずは6章の感想からになります……
#デジモン
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2018年5月6日
6章まで完走
正直、もっと悪いと思っていたので予想よりは良かった
でも褒められる内容ではないかなぁ……東映アニメーションの没落を示すシリーズになってしまったかなぁ
(といっても力を入れる作品は面白いけど、やる気なさすぎだよなぁ)
意外と観れたかなぁ、という印象もある
カエル「……それって褒めているの?」
主「全く。
たださ、4章と5章が本当に酷かったから……久々に映画代返せ! って思ったレベル。
それを基準にして、ハードルを極端に低くして見に行ったけれど……意外とありといえばありだったのかなぁ。
もちろん、デジモンに対して非常に甘いファン目線ですが」
カエル「全6章の中ではもっとひどい章もあったもんね。一応は決着もついたし、綺麗ではないけれど、着陸はしたということになるのかな?」
主「ただ、Twitterの短評でも書いたけれど、これが今の東映アニメーションの力だと思うと涙が出てくるよね……かつてのあの栄光はどこへ行った?
もちろん、今でもプリキュアやワンピースの映画、今年で言えば『マジンガーZ/INFINITY』なども結構アニメのクオリティも高くて面白かったけれど……このシリーズはやる気を一切感じさせない作りになっていたのが残念だったな」
カエル「東映アニメーションはそれこそアニメ業界において、最も伝統のある老舗だし、古き良き日本の、特に子供向けアニメを残すためにも頑張って欲しいけれど……ちょっと悲しい作品になってしまったかなぁ」
デジモンへの愛がない?
カエル「今シリーズで1番ダメだったのは、どこだと思う?」
主「もちろん、色々あるよ。もともとファン人気は高いけれど、過去のシリーズを新たに描きなおすのは難しいところがあるし……キャラデザも色々と言われているけれど、自分は新しいデジモン像を描くための挑戦であり、理解する。
たださ……徹頭徹尾、デジモンに対する愛が感じられなかった」
カエル「シリーズ作品の新作を作り出す上で最も大事なのが『愛』だもんね」
主「もちろん、自分もデジモンは大好きだけれど、全てを知っているほど詳しい人ではない。デジモンシリーズだって何年も前に朝アニメは終了して、正直現代でも人気のコンテンツとは言いがたくなった。
その中でデジモンブームを起こす起爆剤になってほしいという意味もあったし、この新作はそれだけの重責を担っていただろうけれど……それも重すぎたのかなぁ」
カエル「愛が感じられないというと、どういうところにあるの?」
主「全く意味のわからない設定なども多かったじゃない?
イグドラシル、ホメオスタシスなどの設定も元からあったけれど、今回はその説明もほとんどない、しかも意味不明な行動をとっている。
結局誰が何をしたかったのか、どのような陣営がどう動いているのか……それも何1つとして理解できなかった」
カエル「このあたりの設定の曖昧さは、元々デジモンという作品がそこまでかっちりと作られていたわけではないとはいえ、結構気になるとこともあったよね……」
主「作品の中ですら設定や思想が統一されているのかわからないからなぁ……」
全6章で公開する意味があったのか?
かなりストレートな物言いになるね……
この上映形態を選んだ意味があったとは思えないんだよ
カエル「近年は多くなっているこのOVAの劇場公開形式だけれど……本作はその中でも意義をあまり感じなかったというか……」
主「それこそ『ガンダムユニコーン』や『宇宙戦艦ヤマト』などもこの上映形態をとっている。劇場公開映画でもなく、テレビシリーズでもない比較的新しい形の上映方法だ。まあ、かつてのOVA形式を劇場公開しただけ、といえばそうだけれど……
でもさ、OVAと違って劇場で公開する分、かなりの金額をとるわけですよ」
カエル「実際、全6章のチケット代で約1万円以上使っているもんね」
主「それで見せられるのがこのストーリーでしょ? 作画クオリティも高いとはいえない。朝アニメであれば納得もするし、擁護もするけれど、今作はそうじゃない。
なのにここまで迷走してしまい、作画クオリティもいいとは言えず……最初は擁護していたこともあったけれど、後半はちょっとさすがに……ね」
カエル「朝アニメだったらもっと対象年齢をはっきりと子供にして、子供向けアニメとして冒険活劇などわかりやすい物語にできたと思うけれど……結局劇場に来るかつてのファンである大人に向けたのか、子供に向けたのか、とても中途半端な形になってしまって軌道修正をできなかった印象だね」
主「もちろん、いろいろな事情はあるでしょう。元々は朝アニメの予定だったのが、時間が取れなかったから劇場にしたという話も聞く。本来ならばもっと尺があるお話を、短くしてしまったからこその出来かもしれない。
そういう事情はあったにしろ……黒歴史と言われても仕方ないシリーズとなってしまったな」
以下ネタバレあり
2 何も解決していない物語
結局のところ……
かなりストレートな物言いになるね……
この上映形態を選んだ意味があったとは思えないんだよ
カエル「では、ここからは6章の感想をメインにしながらも、他の章にもネタバレありで触れていくことにしますが……まずはさ、この作品って結局全6章で何が変わったの?」
主「……何も変わってないんじゃない?
世間一般にデジモンの危険性を教えて、それでおしまいでしょう。ここから02のEDまではどう考えても繋がらないし」
カエル「……えっと、何も解決していないの?」
主「だってさ、最初からグダグダやっていたけれど、結局はメイクーモンを始末すればそれでおしまいだって、全員がそう言っていたじゃない? だけれど、それ以外の道を探していて……結局、最後はメイクーモンを倒しておしまいでしょ?
だったら最初からそうしろよ!
なんでこんなに6章も引っ張った!
1章で片付いていたじゃん」
カエル「……そこで『新しい道を見つけました!』だったらまた話もわかるんだけれどね……太一も大きく成長したとは思えないし……」
主「清濁併せ呑む大人になった……とかならわかるんだけれど、そんな描写もないし。
リブートに関してもそうでさ、リブートしたら全て片付くはずだったのに、結局何の変化もない。味方のデジモンたちが進化できなくなるというのなら、まだ理解できるけれど……結局、すぐに究極体に進化するわけだし。
そもそもデジタルワールドの世界と現実世界のデジタルが全くの別物で、現実世界のリブートが何たら……と言い出した時に、じゃあ前回のリブートは何だったの? という気持ちになるじゃない」
カエル「ツッコミどころはどうしても多いかなぁ」
とってつけたような描写
カエル「まあねぇ……結局、誰が何をしたかったのか全くわからなかったし」
主「あのラスト付近の芽心と太一のやり取りもそうでさ……02のヤマト×空のカップリングを違和感なく成立させるために、太一のカップリング相手として登場したんだろうけれど……
なんの魅力もなく、ずっとメソメソしているだけだから見ていてイライラしてくる。
そんな存在と電話で話すだけで顔を赤らめるなんてさ、ご都合主義にもほどがあるでしょ?
この中に入る新キャラクターは空以上のヒロイン力を要求されるのに、それが全く発揮されていなかったからね」
カエル「結構飽き飽きとしていたところもあったね」
主「まるで下手くそなプロレスの抗争だよ。ずっと同じことを繰り返していて、とっくに観客も飽きているのに、まだグダグダと続けている。
魅力がないキャラクター、どうでもいい謎、敵が誰だかわからない……それに勝る迷走ってある?」
カエル「この6章のOPで前作のあらすじを簡単に説明しているけれど、そこで『誰が敵なのかわからない太一たち』という言葉があって、そこで『あ、公式もそれは理解していたんだ』ってちょっと安心したよね」
主「全6章追いかけてきて、最後に敵がわからないって相当問題だけれどね……」
カエル「姫川さんがどうなったのかもよくわからなかったしね……確か過去のパートナーデジモンと再会して暗い海に沈んで行ったけれど、あれでおしまいになるなんて……」
主「あれでちょっとはやりたいことが見えたんだけれどね。
『選ばれし子供たち』と『選ばれなかった子供たち』の物語であり、そしてこの作品のラストでもある『選び行く子供たち』に成長を遂げていく、というのはいいテーマだと思う。
ただし、それがいっっっっっっっさい描かれていないことが残念だけれど」
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ここまで盛大な失敗をしてしまった理由の推察
カエル「結局敵の目的も判明せず、これでおしまいって……確実に次につなげるための前章になっておしまいという残念なシリーズになってしまうという」
主「う〜ん……全くの想像で擁護すると、結構いろいろなイレギュラーが相次いだシリーズだったのかな、という思いはある。
例えば放送時間や形態が未定なうちから話が進んでいて、二転三転するようなことがあったのかもしれない。
02メンバーをどうするのか? というのも悩みどころだったでしょう。それらか……思った以上にファンが熱くて、まだ儲かるシリーズということがわかって新プロジェクトも始まることになったとしたら?
多分、予想以上に多くの人の思惑が絡んで、まともに物語を作ることができない状況になっていて……後半のグダグダっぷりや迷走はその影響なんじゃないか?」
カエル「……おもちゃメーカーの宣伝も兼ねているから、いろいろな思惑が絡むのが朝アニメであるけれど、今作もそれが観客の予想以上にあったのでは? ということだね」
主「そうでなかったら、こんな物語には絶対ならない。そして……残念なことに、和田光司さんが亡くなることもあって、本当にドタバタしていたんだろうな。
みんなやる気があって、本気で挑んで、そしてこの物語になりました……と言ったら、それはもうどうしようもない。酷評するよ。
でもさ、元永慶太郎監督は手がけた作品も多く、近年だって『ヨルムンガンド』や『マジェスティック・プリンス』など、自分も好きな作品を監督している。
脚本の柿原優子だって、過去に手がけた作品を見るとわかるけれど、決して力がない脚本家ではないよ。
それが、こんな出来になってしまった……だからこそ一層ショックだったね」
最後に
では、数年間付き合ってきて、これが本当に最後になるけれど……何か言いたいことは?
Butter-fryは名曲だ!
主「確かに乱用されすぎている上に、かなり使いどころを間違えている感もあった。
あのデジモンの最終話で、完璧なタイミングでかかるButter-fryは、紛れもなく2000年代を代表する名シーンであり、それに比べるとなかなか酷い。だいたい、切り札は最後まで取っておくべきだし、進化バンクも乱用が目立った。盛り上がらなかった。
でも、やっぱりあのイントロがかかるだけで盛り上がるところがあって……正直、太一が帰ってきたシーンは『あれ? これ名シーンじゃない?』って気分に一瞬だけなった」
カエル「完全に音楽と思い出補正が働いているね」
主「だからこそ……もっとうまく扱って欲しかったな、という思いがある。
正直、次の新プロジェクトも観るかどうかは迷います。やらないでほしい思いもある。
でもなぁ……多分行くんだろうなぁ。
あの……数年前のイベントで本作の発表をした際に、鳥肌が立ったのも事実。
それだけ大好きな作品だからこそ……色々と複雑な気持ちを抱いてしまったよ」
カエル「……そんなファンがいっぱいいるからこそ、次はちゃんと作ってほしいという思いを込めて、ここで終わりにします」
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