物語る亀

ネタバレありの物語批評

映画『デジモンアドベンチャー tri. 第1章「再会」』 感想 スタートとしてはまずまず

 今週末には第2章が公開となるので、第1章の感想というか、レビューを上げておく。

 もちろん今週の公開直後に観に行く予定。非常に楽しみにしている作品だ。

 

 

 

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 デジモンという作品は今の20代にはポケモンなどと並ぶ、特別な意味を持つ。その世代の人間であれば、たまごっちにバトル機能をつけたような、小さなデジタル機器にモンスターを飼い、学校に持っていって育てたり戦わせていたのではないだろうか?

 

 特に男の子にはテレビアニメもじっくりと見ていたり、デジモンカードも集めていたという人も多いだろうし、あの時代の子供達にとってはデジモンというのは一つの友達とのコミニケーションツールであった。(もちろん女の子にもデジモンファンは多く、むしろ女性ファンは一般的な男性ファンに比べて非常に熱いという印象がある)

 しかし、大ヒットはしたものの所詮はおもちゃの限界だったのか、ポケモンほどの影響力を持つことはなく次第に衰退して行ってしまった。もしかしたら、アニメ版のポケモンはずっとサトシが主人公を務めているのに対して、デジモンは主人公を交代してしまったというのも人気を失った一つの要因かもしれない。

 

 そんなデジモンが再び新シリーズを、しかも伝説的な1期、つまりデジモンアドベンチャーを主人公の八神太一が17歳という設定で製作決定と聞いた瞬間、全国のファン達が一斉に歓喜した。発表されたお台場の会場では涙を流したファンもたくさんいるという話を聞き、私もその場にいたら同じように泣いていたかもしれないと思ったりしたものだ。(私はニュース速報サイトで知った)

 それが2015年の春にスタートと告知されながらも、実際は秋口に開始されるとあって少し焦らされたものの、そんなことはお構いなしで私はワクワクしながらその日を待った。

 そして、当然のように公開初日に見に行った。

   

ここから感想

 正直なところ、ネット上の感想記事やYahooのレビュー上では意外と酷評が続いて驚いている。個人的には劇場で見終わった直後の感想は、デジモン好きなら60点はつける手堅く仕上げてきたな、というものだった。

 当然のことながら今作はデジモン(しかも一番最初のデジモンアドベンチャー)のファンのために作られた作品なので、全く思い入れがない人が見ることは想定していないだろう。もちろん私も子供時代にデジモンに熱中していたので新作制作だけで感慨深い。(ポケモンよりデジモンの方が好きなタイプ)

 その分期待値が高いために、そのハードルが非常に高すぎてそれを飛び越えることは難しくなっているように感じる。その気持ちはわかる。

 

 確かに本作は映像も特別なことをしていることもなく、脚本も取り立てて目新しいこともない。無難に選ばれし子供たちを登場させ、成長した姿と今の生活を映し、今の悩みを描き、事件に巻き込まれていく。それが退屈とか、映画なんだからもっと派手な演出でなどいうのもわからなくはない。
 特に最近はOVAの上映でもクオリティが上がっているし、値段も少しお安くなっている作品もある。

 

 これは私の想像なのだが、本来監督やプロデューサーはテレビシリーズで作ろうとしていたのではないだろうか? だが、何らかの事情があって、テレビシリーズは断念して劇場版のOVA方式に変更したように思う。

 それならばクオリティも納得がいくし、無理やり尺に収めたような作りもわかるのだ。さらに1本90分弱と考えると、大体テレビシリーズでは4話ほどになる計算だ。それが6話あるとするならば、4×6=24ということで、少し加筆すれば26話の2クール分のテレビアニメになる計算だ。

 公開時期の遅れというのも、テレビシリーズとして制作されていたものをOVA用に再編集したことも影響していると考えれば納得いくのである。

 

 様々な意見があると思うが、これはまだ何作も続く連作もので第1話が終わっただけである。次作の公開も3月と早く、公開スケジュールのテンポを上げていくために作画エネルギーを減らすのは妥当な判断でもある。

 特に登場人物が多い中、新キャラも登場させながらそれぞれを描いていくことを、限られた時間の中でやるのは非常に難儀だったろう。1話完結で終わるウォーゲームなどと比べるのは酷だろう。そもそも条件が違うのだから。

 私にしてみれば手堅い1話を作ってきたなという印象だった。


 以下は良かった部分と悪かった部分の羅列。

   


○声優陣は特に違和感なく現代風に仕上がっていた。太一とか昔の声のままなら今のビジュアルと喧嘩しただろうから、これでいいのかな。
ヤマトの細谷是正は個人的にはあまりにハマりすぎて少し笑ってしまうくらい。捻くれた男の子役なら安心して任せられる。

 

○OPでやっぱり鳥肌が立つ。EDのリミックスバージョンも合ってる。

 

○ちょっと女性ファンを意識した描写(腐の妄想が爆発しそうなカット)がそこそこあったのが気になったかな……そこまで露骨だとちょっとね……

 

○進化の部分で完全体、究極体とさらっと進化されたのは残念。そこがすごく見たかったのに……あとは再開のシーンはさらっとしすぎ。

ゴマモンの「来ちゃった」が可愛かった。あと、やっぱりオメガモンは切り札にして欲しかったという意見もわかる。

 

○現実世界とデジタルワールドが交流するきっかけを描いているのは良い。02の最終話で急にさらっと言われたから違和感あったので。

 

○次回で02の面々登場を期待していいのかな?(最初の散った子供たちは02のメンバー?)

 

○太一はやっぱりゴーグルしないとね。あと02のエピローグを知っているとなんとも言えない気持ちになる描写がちらほら……

 

 全体的にファンなら観ていて損のないもの仕上がっていると思う。

 とりあえず2章に期待する。

(でも私はファンだからか相当評価が甘くなっているだろうなと今書きながら思った。)

 

 

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デジモンアドベンチャー tri. 第1章「再会」 [Blu-ray]

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