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物語る亀

ネタバレありの物語批評

『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』感想と考察 ドラえもんとのび太のメッセージ

カエルくん(以下カエル)

「ついに主はドラえもん映画にまで手を出したんだね」

 

ブログ主(以下主)

アニメはなるべくみようの方針にしたがってだね。

 とは言っても扱っていないアニメ映画も当然あるけれど……アニメ界の優等生ドラえもん映画ぐらいは鑑賞しておいたほうがいいかな? と思って」

 

カエル「しかも公開初日の朝一の回に行くというね……」

主「こういう子供映画は、子供達の反応を見ながら楽しまないと評価が難しいのよ。

 例えば、どれほど大人が見て素晴らしいと思っても、子供が退屈したりしていると子供向け映画としての意味はないでしょ?

 今作はマナーは置いておくとして、劇場で『ドラえもん頑張れ〜』とかさ、『〇〇は悪くないよ!』とかの声が飛んできたんだよね。ということは、子供達がその映画の内容に熱中しているということがはっきりとわかるわけじゃない?

 

カエル「大人を楽しませるのが目的の映画ではないからね。子供向け映画を静かに鑑賞しようっていうなら、子供がいないレイトショーなどでもいいわけだし」

主「そうそう。もちろん、静かに観るのが基本だとは思うけれど、自分は子供むけ映画は少しくらい騒がしい方がむしろ楽しいんだよね。昔ワンピースの映画を見に行ったら、子供達でびっしりでさ。OPが流れ始めたら大合唱が始まるという……今でいう応援上映だよね。

 もちろん笑い声もたくさん、応援する声もあって……それはやりすぎかもしれないけれど、このような作品鑑賞のスタイルもあっていいと思うから」

カエル「なるほどねぇ……

 じゃあ、感想記事に入ろうか」

 

 

 

 

 

 


『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』予告編2

 

 

1 大人がドラえもん映画を見る意義

 

カエル「主は久々のドラえもん映画だったんだよね?」

主「映画館で見るのは相当久しぶり。それこそ子供の時以来。当然のように大山のぶ代ドラえもんだったから、今のわさびドラを映画館で見るのは初めてだね。

 ドラえもん映画自体も久々に見たなぁ……テレビでやっているのを時々見ていたりはしていたけれど、積極的に関わってはこなかった」

カエル「同じ長期アニメシリーズでもクレヨンしんちゃんやコナンとはまた違うしね。少し幼い子向けになるのかな?」

 

主「幼児から小学校低学年向けって印象があるかな? そこから少し成長するとしんちゃん、コナンに移行している印象がある。

 大人になってもしんちゃんとかは語る機会も多いけれど、ドラえもんは若干、観にいきづらいかな? アンパンマンとかに比べればまだ語りやすいけれどね」

カエル「大人になってもドラえもんを愛好している人というと……作家の辻村深月くらいしかパッと思い浮かばないね」

 

主「でも、世界中の人が知っているし、老人から子供まで認知されている偉大なキャラクター映画でもあるわけじゃない?

 その映画を作るということはプレッシャーも大きいだろうし、他にも色々見えてくることがある。例えば、今の大人たちが子供たちのどんなメッセージを送りたいのか、とかね。

 ハッキリ言うけれど、創作者を志す人は子供向け映画をたくさん観た方がいいよ! 

 大人向け映画よりも平均的にレベルが高いから!

 

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本作は『スノーボルアース』など教育的な面もいっぱい!

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ動画・ADK 2017

 

 

子供向け映画の難しさ

 

カエル「ここはいつも語っていることかもしれないけれど、初見の方向けにも説明しておこうか」

主「よく『子供だまし』とか『所詮子供向けでしょ?』っていう大人がいるけれど、そんなことを言う奴は何もわかっていない。

 子供を騙すのがいかに難しいか!

 大人だったら2時間弱映画館に座っているのが簡単かもしれないけれど、子供はそれすら難しい。ということは、その2時間弱、物語世界観に没頭させるように作らなければいけないわけだ。

 そうなると一瞬たりとも飽きさせない工夫が必要になってくる。子供は飽きてくると正直だよ!」

 

カエル「しかも長い時間上映もできないしね」

主「子供向け映画はほとんど2時間を切る。中には90分前後でまとめている映画もたくさんあるわけだ。大体100分前後が多いのかな?

 大人向け映画よりも尺が短めに作られている中で、キャラクターの魅力を説明して、今回の世界観を説明して、見どころを用意して、さらに子供向けのテーマやメッセージを組み込まないといけない。

 たった1つのドラマや謎でダラダラと物語を進行させる作品も多いけれど、そんなのは子供向け映画ではありえない!

 もしかしたらその子供にとっては『人生で初めて観た映画』として一生の記憶に残るかもしれないんだから! 映画を制作する側の緊張感も一際だよね」

 

カエル「誠実に、しかも暴力性やエロチック描写は抑えながらも魅力的なストーリーを作るという制約に満ちた分野でもあるよね」

主「でも、だからこそ普遍的な名作が生まれやすい分野でもある。

 自分は物語の勉強をするなら、子供向け映画をたくさん観るのも1つの手だと思うよ。発想力が素晴らしいし、時代ごとに描かれ方も違うから、そこに注目すると面白いことが見えてくる」

 

 

 

 

2 ネタバレなしの感想

 

カエル「では前置きはここまでにして、ネタバレなしの感想と行こうか」

主「すごく抑制された、面白い作品だったよ。

 子供向け映画にありがちな『冒険心を煽る』もしくは『感動を煽る』ような描写ってそんなに多くない。丁寧に丁寧に作られたら佳作、というのが自分の評価かな?

 その一方でパンチ力の弱さやストーリーに若干の粗が見えてくるけれど、それも基本的にはそこまで気にならない

 

カエル「感動もあるし、冒険もあるけれど、バランスがいいなぁって印象だよ!

 ドラえもんのオリジナルストーリーは一時期そこまで良くなかったという話を聞いていたけれど、それも今は違う! ということが良くわかったよね!」

主「変な話をするけれど、一時期しずかちゃんのお風呂シーンがなくなったということが議論になったじゃない? それは一種の表現規制だ! って。

 自分もそう思っていたんだよ。でもさ、今作を観ていると『あ、これしょうがないかも……』って感想を抱いたね」

 

カエル「しずかちゃんも今回のゲストキャラで釘宮理恵が演じるカーラもすごく可愛らしいんだよね」

主「萌えを感じるような作画になっていてさ、しずかちゃんの声優を演じるかかずゆみの声質もあって、正統派美少女になっているから確かにこれでお風呂シーンがあるとあまり良くないなぁって配慮が働くのも納得できる。それだけ可愛いよ。

 もちろんそれはのび太やドラえもんも同じで、あるシーンなんてのび太の良さが素晴らしく発揮されていて、キャラクターの魅力が最大限に発揮されていた

 

カエル「まあ、ちょっとジャイアンやスネ夫、しずかちゃんの見せ場が少なくてそこはお話が弱いかな? と思った部分でもあるけれどね」

主「このバランスって難しいよなぁ……」

 

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本作のヒロイン、カーラと博士。カーラがすごく可愛い!

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ動画・ADK 2017

 

 

作画などの挑戦

 

カエル「あんまり専門的なことは言えないけれど、アニメオタクらしく作画などに注目してみたら……どうだった?」

主「アクションシーンとかも素晴らしかったよ!

 もちろん『SAO』とかに比べるとグリグリ動くというわけじゃない。ああいうオタクアニメとはまた違う、安定したアクションシーンでさ。

 派手に動きすぎると疲れるじゃない? だけどそこはあまり疲れさせないように配慮しながらも、しっかりと魅せるところで魅せるという作画になっていたと思う」

 

カエル「……この作品では誰もが語るだろうけれど『ジブリっぽい』作画だったよね」

主「自分はあまり『ジブリっぽい』という言葉好きじゃないけれど、今作はそう称されるのもわかるというくらいジブリっぽい。

 監督の高橋敦史はジブリでキャリアをスタートして『千と千尋の神隠し』では監督助手を務めた人なんだよね。その後はジブリを離れてマッドハウスを拠点にしていたみたい。

 自分は『RIDEBACK』の監督として印象深いかなぁ……あの作品も後半の展開とかが衝撃的で、すごく面白かったから、やはり力のある監督だと思うよ」

 

 

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カエル「そういう経歴の監督だから、ジブリっぽいという評価もわからなくはないよね」

主「特に本作が始まってすぐに思ったのは『最近の映画とは違うなぁ』という印象。なんというか……専門的なことは言えないけれど、なんとなくセル画のような印象を受けたのね。

 多分、色使いとか光の量の問題だと思うけれど、はっきりとしすぎないで少しくすんでいるように見えたのよ。だから、少しだけノスタルジックな雰囲気になっていたと思う。それがいい塩梅に生きていたよね」

 

カエル「だけどある瞬間では一気にカラーが鮮やかになったりするんだよね」

主「多分……氷の世界では少し暗めに、くすむように設定して、そうじゃない世界では鮮やかに発色しているんじゃないかな? その明暗がいい味になっていたと思うよ」

 

 

ゲスト声優について

 

カエル「じゃあ、軽くゲスト声優について触れておこうか」

主「今作のヒロインであるカーラ役の釘宮理恵と博士役の浪川大輔は何も語らなくていいでしょう。さすが釘宮理恵、抜群の安定感で素晴らしい美少女になっていたよ。すごく良かった。

 それから懸念の芸能人だけど……こちらはほぼ動物の鳴き声だから、そんなに気になることもない。宣伝を兼ねた声優起用では無難なものになったんじゃないかな?」

 

カエル「本作の重要なマスコットであるパオパオの中でも、とりわけ重要な立ち位置にを占めるモフスケ、ユカタンは遠藤綾、東山奈央が演じているからこちらも問題ないし……

 声優については文句は0でしょう。とりわけ語ることもないかな」

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

3 貼られた伏線

 

カエル「じゃあここからネタバレありの感想になるけれど……」

主「やっぱり、すごくうまいよなぁっていうシーンがいくつもあった。それは伏線の張り方もそうだし、お話のテンポ感もそうなんだけれどね。

 特にラストの伏線回収はお見事に一言! さすがに内容に言及することはないけれど、この終わり方は『なぜ氷河期のお話なのか?』などといった様々な設定に対する回答になっているから、抜群に素晴らしかった!」

カエル「ここは思わず膝を叩いたもんね! こういうラストはあまり聞いた事がなかったかな?」

 

主「そしてそれを感動的に演出しなかったのが素晴らしい。あのラストがあって、平井堅のEDが流れ始めた時に『ああ、これはいい映画だったなぁ……』という思いがじわりじわりと湧いてくる。

 そして鑑賞後にはじっくりとくる思い出が残るように出来ているからね。まさしく『映画』と呼べる作品になっているんじゃないかな?」

 

 

僕の心をつくってよ

僕の心をつくってよ

 

 

 

カエル「他にも細かい伏線が色々あったよね」

主「氷に関する伏線とかは中々いいなぁと思った。なぜそうなったのか? ということに対する回答をきちんと用意してくれている。

 丁寧に丁寧に練られた作品だったよ」

 

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映画をみた後にこのポスターを見ると、感動も増していく!

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ動画・ADK 2017

 

 

雑だった部分

 

カエル「一方で全てを手放しに褒められるというわけもないのが本作の特徴かもしれないけれどねぇ……

主「基本的にはすごくよかったんだけど『ああ、雑だなぁ』と思わせるシーンも幾つかあって……

 例えばジャイアンやスネ夫の扱いだよね。途中、あるシーンであまりにも酷い言動をする場面があるけれど、そこでは子供達からも不満の声が上がっていたよ。もちろん、そう見せるための演出であるのは間違いないし、元々のキャラクター性を考えたらああいう反応をするのも納得はできるけれど……」

 

カエル「一応そのあとに救済のような活躍する場面があったけれど、それもこの失態をカバーするほどかというと、そんなことはないもんね」

主「それは他のキャラクターでも感じたなぁ……しずかちゃんもそんなに活躍しないで、ただそこにいるだけってことになりかねなかったし。

 あとは今回のゲストヒロインのカーラだけど、キャラクター性に関しては少し弱いかなぁ? という印象。

 なんというか……ドラマには関わってきているけれど、カーラの葛藤などはそこまで多くなかった印象かな?

カエル「今時の元気な女の子っていう印象だけで終わってしまったかもね。釘宮理恵の演技もあって、魅力はある女の子だったけれど……」

 

主「あと、これはしょうがない部分もあるけれどご都合主義も多かったかな? 本作のテーマの1つで……キャッチコピーにもあるけれど『リングは1つ、守りたい星は2つ』というテーマが結構ご都合になってしまったのはいただけない。

 その意味では伏線の張り方と回収とかはすごくうまい一方で、ご都合に感じられる部分もあって……惜しいなぁ、という印象だよ」

 

 

 

 

4 現代に生きるテーマ

 

カエル「テーマとしては、結構昔からありきたりのものじゃない? 友達を思う心とか、そういうことだよね?」

主「今回はポスターのキャッチコピーが優秀で……その中の1つにこんなものがある。

 

 

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(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ動画・ADK 2017

 

 『本当の友だちと、ニセモノの友だち。何が違うんだろう。』

 

 本作における重要なメッセージ性を強く感じたのは、やっぱりこのシーンだよ。こののび太たちの影が、我々観客を表しているようにも見えてくるし、考えられているよね

カエル「感動的なシーンだよね。のび太の良さがはっきりと活かされていたし、のび太だからこその選択ができていてさ!」

 

主「これは現代だかと多くの意味を持つような気がしていてね。

 近年は移民問題や、ハリウッドなどでは人種、国籍差別問題などもあったわけだ。日本だとヘイトスピーチや米軍基地問題などもある種の人種や国籍による問題ということができるかもしれない。

 そんな中で『本当の友達ってなんだろう?』ということを訴えかけてきたわけじゃない?」

カエル「あのシーンは本当に緊迫している中で、どちらかを選択しなければいけないことを要求されている場面なのにね」

 

主「そう。しかも、本当に片方のドラえもんは敵なんだよ。ということは、この場においてジャイアンなどのように『どっちが敵でどっちが味方か』という発想法は何も間違っていない。むしろ、それが正しいわけだ。

 だけどのび太は『それでもドラえもんを信じようよ』って言ったわけだよ。これがメッセージとしてすごく意義がある」

 

 

 

異文化コミュニケーションとしてのドラえもん

 

主「これは結構批評として大きく出た部分であり、もしかしたらドラえもんの本質と離れたところに言及しているかもしれないけれど……

 のび太たちとドラえもんの関係って、実は異文化コミュニケーションでもあると思うんだよ。未来の技術を持つロボットのドラえもんと、現代人……というには昭和の価値観だけど、でも現代に生きる子供の象徴としてののび太。その2人が協力して前に進んでいくというのが、ドラえもんの基本だと思うのね」

 

カエル「もちろん『なんでもできる夢のひみつ道具』とか『未来に対する希望』とかもあるけれどね」

主「ある意味、ドラえもんってあの時代だから生まれた漫画でもあって……現代だとおそらく、こういうなんでもできる夢の道具系って、未来からくるものじゃなくて現代の発明家が発明するものになると思う。もちろん、それは『未来から来たロボット』という要素がドラえもんを連想させるということもあって、差別化もあると思うけれど……

 それ以上に『未来は絶対的にいいものである』ということを信じることができた昭和の時代だから生まれた作品でもあるのね。

 だけど、現代って無条件に未来は輝いているとはあまり思えない。むしろ、昭和の時代などの方が良かったのでは? という過去への憧憬の方が強い印象がある。昔はこんなにすごい人がいました! とか、日本すごい! とかもその一環じゃないかな?」

 

カエル「話が逸れ始めたから、異文化コミュニケーションの方に戻そうか」

主「そうそう……結局、のび太とドラえもんって『人間とロボット』というどうしようもない格差があると思う。だけど、もう観客の誰も『この2人は異文化コミュニケーションだ!』っていう人はいないんだよ。

 なぜならば、それほどまでに一体化したから。もはや異文化と思わないまでに、一般的に受け入れられているからだよね」

 

 

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誰もが絆の深さを知る、異文化コミュニケーションの完成系の関係の1つ

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ動画・ADK 2017

 

 

のび太とドラえもんが教えてくれること

 

主「何が言いたいかというと、実は本作のこのテーマを実写化するとすごく重厚なストーリーになる。

 例えばさ、主人公の友人にアラブ人がいるとするじゃない? そのアラブ人と仲良くなった日本人がのび太だとする。

 そして2人のアラブ人が出てきて『テロリストはあいつだ!』と言われた時に、それでもその相手を信じることができるか? ということでもあると思うんだよ。

 普通はジャイアンのように『どっちかが悪いやつだ!』という考えになる。

 だけど、のび太は『どっちが敵って簡単に言えるの?』ということを訴えかける。これは理想論かもしれないけれど、素晴らしい考え方だと思わない? まずは相手の話を聞こう! 敵とか味方とか、簡単な2元論に陥るのはやめよう! っていうさ」

 

カエル「物語としては2元論になっちゃったけれど、ここで描かれた思いはそういうことだったのかな?」

主「多分ね。

 その2人の絆も素晴らしいけれど、それ以上に『相手を信じる、敵でも話を聞く』という姿勢が素晴らしいなぁと感じた。その意味で本作は子供向けアニメ映画として真っ当なメッセージ性なども内包していると思うし、ドラえもん映画の持つ優等生な一面がはっきりと現れたんじゃないかな?

 面白いのは、先に紹介した高橋敦史が監督を務めた『RIDE BACK』も似たようなテーマを感じるんだよ。まあ、原作があるし……ということもできるし、偶然かもしれないけれど、もしかしたらテーマとして、そういうものを抱えている監督なのかもしれないね」

 

 

 

5 作画について

 

カエル「じゃあ、改めて作画についても言及していくのね」

主「今作で多く指摘されている『ジブリっぽさ』だけど、これは監督の高橋敦史がジブリ出身だから、ということもできるかもしれない。

 その意味について色々と考えてみたけれど……アニメ映画界においてジブリってやっぱり特別な立ち位置にいて、今はほとんど解体されているような状況だからこそ、この先伝説となると思う。

 そのジブリの足跡を辿るということを、すごく意識的に盛り込んできたなぁという印象。

 冒頭のカーラが走り出す瞬間というのもジブリっぽい作画だったしね」

 

カエル「巨神兵を思わせる敵だったし、王道の冒険ものという意味でも初期のジブリっぽい部分が多かったよね」

主「あとはカーラの回想シーンがナウシカっぽかったし、食事シーンもジブリを意識しているよね。あのチーズのようなものが口から垂れるなんて、ジブリそのまんまじゃない?

 そのような色々なものがあった。もしかしたら詳しくスタッフと見ていたら、原画時にジブリ関係者が他にもいっぱいいたかもね」

 

 

ジブリの影響

 

カエル「その意義ってなんだと思う?」

主「う〜ん……なんとなくだけど、本作って作画以外にもジブリを連想するものがたくさんあるんだよね。例えばこの抑制的な演出や、自然に対する憧憬とかさ。

 あの敵のロボットもドラえもんなら倒せそうな気がするけれど、本作は『倒す』ことではなくて『鎮める』ということに注視していた」

 

カエル「それこそひみつ道具を駆使すればなんでもできるはずなのにね」

主「空気砲で戦ったり、相手を攻撃しようと思えばいくらでもできるはずなのに、そういうシーンはあまり描かない。それってどんな意味があるんだろう? と考えたら……やっぱり自然への憧憬という、ジブリが最も大事にしていたものを継承したということなのかな? って思う。

 結局は自然の脅威から逃げるしかないのかな?

 この辺りは監督のインタビューを読んでみたいなぁ……すごく意図を感じる部分だったよ」

 

 

 

最後に

 

カエル「久々のドラえもん映画もなかなか良かったね!」

主「アニメ界の優等生らしい作品になったよ。ただ、優等生すぎたという思いもあるけれど!

 すべてにおいて60点から80点はつけられるんじゃないかな? だけど、飛び抜けたものがないからパンチ力に難があるような印象も抱いてしまった。

 だけどもちろん悪い映画ではないし、むしろ『子供と行こうか迷っています』とか……あとは『今週公開でいい映画ない?』って聞かれたら、ドラえもんも結構いいよ! ってオススメする」

 

カエル「実際面白いし万人に受ける作品に仕上がっているもんね」

主「オリジナルでこれができたら素晴らしいよ。大人も子供も関係なく、是非とも鑑賞してほしい1作だね」

 

 

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