カエルくん(以下カエル)
「コナンの映画を見るのも久しぶりだね」
ブログ主(以下主)
「映画としてみたのはいつぶりだろうな? 結構感覚空いちゃったけれど、すんなりと入っていけたよ」
カエル「シリーズも長いし、今年は評判良かったから気にはなっていたんだよね。春のアニメ映画ではドラえもん、クレヨンしんちゃんと並ぶ大ヒットキャラクター映画だし」
主「そうね。まだ4月くらいの頃は映画感想を始めた辺りだったし、そこまで力を入れていなかったけれど、今なら映画館に初日に見に行くかもね」
カエル「結構ヒットしたしね。TSUTAYAで借りたけれど、新作なのは当然としても、何十本も入荷していて、すでに数本しか残っていなかったし。
20作品目ということで、結構力も入っていたみたいだし、キャラクター人気も含めてヒットは当然かな?」
主「20作も公開されるなんて、さすがの人気だわ。
それじゃ、感想記事を始めるよ」
あらすじ
警察に侵入した黒の組織の一員が世界中の警察組織の機密データを持ち出そうとするも公安にバレて失敗、逃走する。公安警察の安室透とFBIの赤井秀一の追跡によって、カーチェイスを果たした末に、スパイの車は道路のはるか下へ転落する。
次の日、東都水族館に遊びにきていたコナンと少年探偵団は、記憶を失った美女を見つけて保護をする。その美女こそ、前日に警察組織に侵入し、安室や赤井と争っていた、黒の組織の一員だった……
彼女を追う公安とFBI、そして黒の組織……その裏で進行する恐ろしい計画とは?
1 ネタバレなしの感想
カエル「今回はいつものミステリーというよりも、サスペンス風味が強かったね。殺人事件が発生して、そのトリックと犯人を推理して……とはならないからね」
主「死者は出るものの、黒の組織の犯行によるものだし、犯人を推理するというものでもない。ミステリー要素も0ではないけれど、いつもよりはだいぶ少ないし……ミステリーとして推理する余地もほとんどないと思う。
結構ヒントというか状況がわかりづらいし、難しい……というか予測不可能じゃない? っていうトリックだし」
カエル「映画の短い時間で、めまぐるしく変わる中でのトリックを考察をする余裕って中々ないしね」
主「映画だからド派手なことができるし、その意味ではこの判断は正しいと思うよ。むしろ映画特有の、爆発とか外連味たっぷりに描かれる絵の方が子供たちも喜ぶだろう」
カエル「絵はすごく動くし、評価が高いのもわかるよね! 人気キャラクターが勢ぞろいだし、黒の組織に結構接近していたし!」
主「コナン映画って毎回オールスターな気もするけれどな。
でも、細かいことは置いといて、確かに面白かったよ。声優陣もベテランばかりで安定感があるし、コナン映画が20周年ということで気合の入りようが違う。確かにこれは人気になるわ」
スタッフ、キャストについて
カエル「じゃあ、ここでスタッフ、キャストの話に入るけれど……」
主「今回はそこまで語ることはないでしょ? もう安定感抜群のスタッフ陣に、キャスト。それこそゲスト声優の天海祐希以外は語ることすらないよ。いつも通りなんだから」
カエル「天海祐希だって実績抜群で、うまいことはわかりきっている人だしね」
主「まあね。そりゃ芸能人だから本職の声優とは発声方法とかは若干異なるけれど、その違和感もあるにはあるけれど、別に浮いているってほどじゃないしね。
さらに脚本の櫻井武晴ってミステリー系の映画などの脚本を多く担当している人でしょ? EDもコナンらしくB'zだし、否定のしようがない」
カエル「手堅くきたよね」
主「強いて言うならば、ガチガチに手堅すぎて意外性がないってことだけど……コナン映画の20周年でそれを誰も望んでいないだろうからさ。この布陣で完璧。座組みの時点で大体の成功は保証されているよ」
以下ネタバレあり
2 キャラクター映画の難しさ
カエル「じゃあここから作品のネタバレありの感想になるけれど……」
主「う〜ん……キャラクター映画って難しいね」
カエル「あれ? あれだけ安定感があるって言っていたのに?」
主「当然だけど、映画になった段階である程度のオールスター映画になることは明白なわけじゃない? それこそ、怪盗キッドとか、大阪組とかを連れてきて、人気キャラクター総出演って感じにしてさ。
今回はそれが黒の組織と赤井と安室という、コナンの中でも最も核心に迫る面々だったけれど……この時点でなんとなくストーリーが見えちゃうわけだよね」
カエル「あ〜、まあね。漫画の方もあるから、あまり核心に迫るようなことも描けないけれど、映画版だからある程度描きたいしね」
主「さらに言っちゃえばさ、今作のゲストの扱いだって、メタ的に見るとどうなるかわかるわけだよ。元々黒の組織の一員で、しかも公安やらの情報を握っている。これを考えると、警察に逮捕させるわけにもいかないし、黒の組織に戻すわけにもいかない。
そうなれば選択肢は……自ずと一つしかないよね」
カエル「ゲストが天海祐希ってだけど、原作やアニメに再登場はないってわかるしね」
主「推理としては邪道だけど、やっぱりそう思っちゃう。
そう考えると、まあこの作品自体が……すでに始まった直後で終わりまで見えているから、ミステリーとしては、ね。だからこそ、今作はサスペンス風味を強くしたんだろうし、成功だと思う。むしろ、これでミステリーをしてしまったら、駄作になっていただろうね」
序盤の入り方
カエル「今作はオールスター+派手な演出も多かったね」
主「まずは序盤で赤井と安室を出したのは良かったんじゃない? ここで出し惜しみすることなく、しっかりと描くことで観客の期待感を裏切ることなく始めているし、あとはカーチェイスもさ、若干やりすぎな感もあるけれど、あれぐらいド派手な方が入り込めるし」
カエル「グルリと回り込むようなカメラワークとかも面白かったよね」
主「そうね。今作はサスペンスだから、カメラワークや演出も派手になっていた。
まあ、その分、脚本は突っ込みどころ満載なんだけど、そこもすでにコナンワールドってね」
カエル「あいかわらず事件の多い街だし、しかも遊園地で源太が落ちた時の救出方法がね」
主「ジャッキーもびっくりだよ! あんなアクションが出てくるとは……思わず笑っちゃった。しかもあんな大事故があったのにも関わらす、営業を中止せずに医務室に行くだけでおしまいにする遊園地スタッフとか、あまりに酷い!
とは思いつつも、ここで事故発生の原因究明とか安全対策とかされると話も動かなくなるから、まあこれでいいかっていうね。ここまでいくと、逆に話の粗が気にならなくなるんだよ」
カエル「ご都合といえばご都合だけどね」
主「リアリティのある作品だったら、確かにそういう部分は現実的に考えてありえないからご都合主義になる。だけど、この作品は……コナンだし、リアリティラインを相当エンタメ寄りに設定しているから、ここまで行くと何も気にならなくなる。
ほら、アニメ映画でいうと『ガールズ&パンツァー』とか『ルパン三世 カリオストロの城』と一緒。あれも相当ガバガバなんだけど、そんなことをどうでもいいわ! ってくらいに突き抜けているから面白いというね」
3 中盤以降について
カエル「そして事件が大きく動き出す中盤以降だけど……」
主「今作で良かった部分は、蘭とか少年探偵団の絡みが少なかったというところじゃないかな? 特に終盤はほとんどその場にいるだけど、メインはコナンと赤井と安室だし。
やっぱり黒の組織レベルになるとこのレベルのキャラクターじゃないと足手まといになるよね」
カエル「映画だから最後は間違いなくコナンたちが勝つ……というか、事件をある程度のところで止めるのはわかりきっているもんね」
主「それを少年探偵団とかが止めてしまうと、黒の組織に小物感が生まれてしまう。そこを赤井と安室が止めることによって『まあ、あの2人も組んで負けるなら、しゃあないか』というような格落ち感を緩和できるしね」
カエル「でもさ……なんであの2人が戦ったのか、よくわからないんだよね」
主「……え? それは黒の組織を捕まえるためで」
カエル「いや、そっちじゃなくて、なんであの2人があんな場所で乱闘を繰り広げたのかっていうさ……別に乱闘する必要性はないよね?」
主「……そこはほら、アムロとシャアみたいなものだよ、きっと。うん」
総論として
カエル「じゃあ最後のまとめに入るけれど、面白いよね」
主「キャラクター映画だし、このレベルに収まるというのはある程度予想したけれど、制約が多い中でこれほどのエンタメに特化したのが成功の要因だと思う。
語ることが多いわけではないよ? だけど、娯楽として……子供たちを連れて見に行って『楽しかったね。コナンがカッコよかったね!』で終わるかもしれないけれど、それでいいんだよ。
そういう話なわけだしさ」
カエル「この劇場版で黒の組織を捕まえたら、それこそ大ブーイングだろうし……」
主「しっかりとしたミステリーが見たいのもわかるけれど、それだと絵面が地味になりがちだし、結構ミステリーって難しいからね……今作はこれでいいと思う」
最後に
カエル「じゃあ、コナンの感想はここで終わりっと。あとさ、一つだけ……安心したというか、そうだよねって描写があるんだけど」
主「……そんな描写あるの?」
カエル「観覧車が転がるじゃない? あれでみんな大パニックになっていてさ……この前にガルパンを見たばかりだったから、観覧車が転がってみんなが大パニックになっているのを見て『それが正しい反応だよねぇ』って思った!」
主「……まあ、あれと比べちゃいかんだろうな」
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