今回は『シン・仮面ライダー』の感想記事になります!
シン・ユニバースもいよいよ3作目ということになるね
カエルくん(以下カエル)
3月の注目作にして、邦画では1番人気というイメージもある作品ですが……
主
やっぱり、庵野秀明という名前は今の邦画業界の中心にいるということが、伝わってくるよね
カエル「ちなみに、先にいっておくと、昭和仮面ライダーは全く見たことがなく、知識が0に等しいです!
また、本作は徹底的に賛否が分かれています!」
主「賛否が分かれる映画って、自分の中ではいい映画だから……これで賛になれば嬉しいけれど、残念ながら先にいますと否です。
しかもかなりの辛口意見となります。
でも、合う人はとことん合う、年間ベスト級の楽しい作品になるとも思いますので、そこも含めて映画館で味わってほしい作品ですね」
それでは、記事のスタートです!
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大手レビューサイト評価(3月19日時点)
Yahoo映画
3.2
映画ドットコム
3.3
Filmarks
3.6
平均的に少し低めで賛否が分かれた内容です!
作品紹介
キャスト紹介
-
仮面ライダー1号/本郷 猛 池松壮亮
緑川 ルリ子 浜辺美波
仮面ライダー2号/一文字 隼人 柄本佑
左から一文字隼人・緑川ルリ子・本郷猛
感想
それでは、Twitterの短評からスタートです!
#シン仮面ライダー
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2023年3月17日
<辛口注意❗️>
昭和ライダーミリしら勢
とにかく合わなかった…
庵野秀明の個性はバリバリだけど全体的に同人的な二次創作感が抜けず豪華なだけに見えました
またアクションは分かりづらいし会話は小難しいけど中身空っぽに感じられてしまい悪い意味でアニメっぽさが漂うような… pic.twitter.com/e4iKlQa6R6
#シン仮面ライダー
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2023年3月17日
例えるならばシンシリーズにおけるエヴァQかなぁ
ハマる人はどハマり、ダメな人は徹底的にダメ
めちゃくちゃ庵野感が強くてある意味では裏ベストといえる pic.twitter.com/MIp0jV7uPv
個人的には、年間ワーストに入るかもしれない
カエル「……え、年間ワースト級なの?」
主「多分、ワースト10入りにギリギリってレベルであって、駄作ってわけでも個人的にイライラするってわけでもないけれどねぇ。
とことんノリが合わないってことかなぁ。
おそらく、この映画は合う人と合わない人を徹底的に選ぶ……自分は全く合わないほう。
というか、語ることもそんなになくて、ここからは”なんで合わなかったのか”を、ただ語るだけの内容になるかもしれない」
ふむふむ……ワーストだけれど、もっと酷い映画はいくらでもある、と
でも、期待された大作だと、これ以下は見つからないかもなぁ
カエル「映像的というか、ルックなどは豪華だし、しっかりとお金を使っているのは納得で、チャッチイとかではないんだよね?」
主「そもそもの昭和ライダーをミリしらだから、そこはごめんなさいだけれど……仮面ライダーは平成のやつをちょこっと入っただけで、ほとんど通ってきてないんだよね。アニメオタクではあっても、特撮オタクではないので……
まあ、ゴジラは大好きなんですけれど。
だから仮面ライダーへの愛があれば、また少し変わるかもしれないね」
庵野&ライダー要素が混ざった豪華な”二次創作”!?
今作を簡単にまとめるとどうなるの?
う〜ん……原作となるライダーを見ていないけれど、庵野さんがライダー大好きなのは伝わってきたかな
カエル「ライダーが好きというエピソードは色々なところで言われているし、そこの気持ちは間違いなくて……新しいライダーを出す時に、もっとも適した監督であるのは、間違いないよねー」
主「今作を観ていて思い出したのが、この作品なんだ」
あー、アマチュア時代に庵野監督が制作した、ウルトラマンだね
今作って、これを仮面ライダーで豪華に商業でやっただけに見えるんだよね
カエル「ふむふむ……というと?」
主「すごく好きなのは伝わってくるし、細かいこだわりも伝わってくる。
だけれどさ、こういった一種のリブート(リメイク)企画って、新しいファンを連れてくることも重要なんだよ。
結局、仮面ライダーは今でも人気だけれど、流石に初代を観ている世代って今では50代くらいになっているわけじゃない?
そういう若い人たちでもついてくる現代的なフックが必要だけれど、今作はそれが……なかったとは言わないけれど、大衆・マス向けにはなっていない印象だったかな」
好きな作品の二次創作の難しさってそこで、自分が好きな部分を詰め込んじゃうから、ファン以外がポカ〜ンとなってしまう点だよね……
それで言えば、今作はまさに庵野監督の愛が詰め込めれているのではないか
カエル「さらに言えばさ、庵野監督って『シン・ゴジラ』などのシンシリーズの監督でもあるけれど、同時に『Cutie Honey キューティーハニー』の監督でもあるんだよね……」
その意味では、極めて庵野監督らしい作品とも言える
主「だから自分としては裏ベストな気がするんだよね。
世間で受け入れられている庵野秀明という監督の作家性とは異なる作家性を詰め込んだ、賛否両論の作家性を詰め込んだのがこの『シン・仮面ライダー』でさ。
だから『エヴァQ』だったり、2000年代の実写邦画のような庵野秀明の賛否分かれる作家性が発揮された作品で……それが自分には悪い方に作用したってだけの話だと思う」
庵野秀明の空虚さ
うちとしては、何がそこまでダメだったの?
例えば『アクションが見づらい』とか『会話が意味不明』とかもあったんだけれど、1番は”語りたいことが空虚”ということだな
カエル「これって映画をどのように楽しむのかって話になると思うんだけれど……うちはアクションが面白いとかよりも、どちらかというと
- 監督・製作者が何を思って制作しているのか?
- その描写に込められた意味とは何か?
といったことを解きほぐしていくような見方が多いと自認しています」
主「それでいうと、実は庵野秀明の作品って基本的には空虚なんだよ。
庵野監督は映像面……自分はルックと呼ぶけれど、それの再現にこだわる監督。過去の踏襲を行いながら、今の自分の手法を見つけ、映像制作の未来へと繋げていく。
だからこそ、その弊害とでもいうのか……映像を通して何かを伝えるという意図はあまりないように感じられる。だからこそ、メッセージ性とか社会性とかに関しては基本的に空虚なんだよね。
実際、庵野作品って『ふしぎの海のナディア』『トップをねらえ!』などは、メッセージ性や社会性に言及されることは少ないのではないか。
だけれど、なぜだかそこに観客が勝手に意味を見出してしまう。それが『エヴァ』であったり『シン・ゴジラ』で起きた現象だと言えるだろう」
特にうちのような、意味を勝手に見出すような観客には、とてもハマりやすい&語りやすい監督なんだね
だけれど、今作は語りたいことがあまり感じられなかった
カエル「やっぱり好きな作品を扱うことが影響しているのかなぁ」
主「それもあるかもしれないし、逆にオマージュなどで詰め込み過ぎているのかもしれない。
自分の趣味やコンディションもあるかもしれないし、もしかしたら2回目を見たら……それこそ10年後に見たら、大きな意味を見出すかもしれない。
だけれど、今作に関してはただただ空虚に感じられて、そこに意味を見出せるとしたら『仮面ライダーが好き!』という気持ちだけで、自分は置いてけぼりな印象だったかなぁ」
『シン・ゴジラ』と『シン仮面ライダー』〜樋口真嗣の大衆性の重要さ〜
そうなると、うちがゴジラ好きということもあるけれど、シンシリーズではゴジラが1番良かったという話になるのかなぁ
やっぱり樋口真嗣ってとても大切だったのかもしれないって、思い始めてきた
カエル「今作では樋口真嗣監督は『シン・ウルトラマン』もあって参加していないよね」
主「樋口監督って単独監督だと、色々な人に目配せしちゃって作品の根幹が揺らいでいる部分が感じられる。
逆に庵野監督って単独作品だと、愛やオマージュが爆発しちゃって、観客が置いてけぼりになる。
この2人が組んだら……技術的にもかなり高度なことを理解しあっているし、日本のオタクランキングなんてもんがあればTOP100……いやTOP10に入るかもしれない2人だし、抜群の座組なのかもしれないね」
あとは、愛が深いというのも盲目にするのかもしれない
カエル「『シン・ゴジラ』がなぜあそこまで多くの人に受け入れられたのか、という話ですね」
主「庵野監督もゴジラはそこまでじゃないと語っているけれど、それでも特撮ファンだから一般の監督とはレベルが異なると思うんだよね。あくまでもウルトラマンとか仮面ライダーに比べるとって話で。
それくらいの距離感だから、初代ゴジラのオマージュを重ねながら、東日本大震災と原発という現代の問題を重ね合わせることができたんじゃないかなぁ」
最後に
というわけで、今回はここまでとなります
なんだか、語っているうちに、そこまで悪い作品じゃない気もしてきた
カエル「あれ!? どんな心境の変化が!?」
主「そもそも賛否両論があるのは良いことだと思っているし。
なんなら監督の愛がこれほど詰まっていて、観客に理解できないレベルの怪作って、それはもう褒め言葉なんじゃないか? と。
自分は楽しめなかったし、面食らったけれど、でも結果的には庵野秀明を起用するという意味も生まれているし、これはこれで正解だったのでは。
ただ、その正解に自分がついていけなかっただけなんだよ、きっと」