では、久々の恋愛スイーツ映画と行きましょう!
今作は役者陣も豪華じゃな
カエルくん(以下カエル)
「浜辺美波に竹内涼真が主演だもんねぇ、若い子がたくさん行くんだろうなぁ」
亀爺(以下亀)
「特に夏休みシーズンにふさわしい作品と言えるのではないかの?」
カエル「デートにも友達と観るにも、この手の作品は重宝するもんね」
亀「……これを一人で見にいく人もいるということは、伝えておきたいの」
カエル「流れがやばいことになりそうなので、早速感想記事を初めて行きましょう!」
作品紹介・あらすじ
幸田もも子による少女漫画を実写化した作品。
監督は『君の膵臓を食べたい』などの若者向け恋愛映画を多く手がける月川翔が手がけ、脚本は『リベンジgiri』などの吉田恵里香が手がける。
主演はキミスイで月川監督とタッグを組んだ浜辺美波が3度目の共演を果たし、相手役の高校教師には人気急上昇中の竹内涼真が演じる他、佐藤大樹、川栄李奈などが脇を固める。
告白7連敗中の女子高生、佐村あゆは(浜辺美波)はひょんなことからイケメン青年である弘光由貴(竹内涼真)と知り合う。実は彼はあゆはの通うクラスの担任であった。
最初は嫌いながらも少しずつ惹かれていくあゆはだが、由貴の態度はそっけないママで振り向いてくれない。
そんな日々にヤキモキしながらも、少しずつ距離感を詰めていくのだが……
映画『センセイ君主』<TWICE主題歌>予告【8月1日(水)ボンババぼん公開!!】
感想
では、いつものようにTwitterの短評から始めましょう!
#センセイ君主
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2018年8月2日
有りか無しかで言えばあり
下手すればただの凡庸なストーリーになりそうな物語をギャグと派手な演出と役者の魅力で乗り切る
浜辺美波の新しい面も見られるし、ファンならば一見の価値アリでは? pic.twitter.com/1STwJXA57a
まあ、これはこれでアリではないかの?
カエル「最近の恋愛スイーツ映画って、どれも派手な演出を競い合うようなところもあるからねぇ。それが映画好きからすると、派手すぎて合わないなぁ、という作品があるのも事実で。
今作もその派手な演出が非常に多いので、好みは別れそうな作品です」
亀「普段映画に見慣れていない若い人たちが、わかりやすいように派手な演出や説明的な脚本を書いているだけと言えるかもしれんがの。
特に、本作は原作が少女漫画だから、そのように演出したという部分もあるかもしれん」
カエル「じゃあ、それがはまっていたかというと……まあ、悪くはないのかなあ? という玉虫色の答えになります」
亀「悪くはなかったと思うぞ。
特に、今作の女子陣はアニメや漫画が大好きということであるが、オマージュとなるギャグ描写も多かった。桜木花道から進撃の巨人まで、多くの年代の人に届きそうなギャグを入れておる。
わしなどはそのギャグが面白かったから普通に笑っておったが、笑いのツボが合わない人は見ているだけで嫌になるかもしれんの」
カエル「……う~ん、なんとも言い難い作品だよねぇ」
亀「極論を言うようじゃが、この手の若者向けスイーツ恋愛映画は全てシナリオは同じようなものじゃ。
その中でどのように物語を魅せるのか? と言うのが重要になってくる。
このシナリオに対しての映像演出は、相当頑張っておったし、役者も熱演しておったと思うぞ」
月川翔監督について
カエル「そういえば、うちは月川翔監督作品を扱うのもこれで3作目だね。
『君の膵臓を食べたい』が興行的にも大ヒット、世間評価も結構良いものの、個人的には合わない部分もあって……そして『となりの怪物くん』は世間評価や興行的にはちょっと伸び切らなかったけれど、でも悪くはない作品だったと言う、なんともいえない評価ばかりだけれど……
ちなみに次回作の『響』も間違いなく観に行きます!
ただ、原作が苦手なので評価がどうなるかわからないけれど……」
亀「その最大の特徴は役者を美しく、魅力的に撮る監督ということじゃろう。
キミスイの浜辺美波は絶世の美少女であり、あの子に人生を狂わされるほどのトラウマ級の恋愛感情を抱いてしまうのは理解できる。
そして『となりの怪物くん』では、土屋太鳳と菅田将暉という人気者を魅力的に撮影し、物語を盛り上げておった。
この手のスイーツ映画は若い人に人気の役者を魅せることが多いが、それにもってこいの監督と言えるのではないか?」
カエル「キミスイの監督と考えると、今作の挑戦は面白いよね。
正統派の透明感のある、儚い清純派の美少女であった浜辺美波を、今作ではハッチャケた、下手すればウザいだけの嫌われかねないオタク女子に変貌させているわけでしょ?
その挑戦だけでも、浜辺美波ファンは観に行く価値があるんじゃないかな?」
亀「わしは本作を鑑賞している時『銀魂』などの監督を務めている福田雄一を少し連想したかの。あそこまでハッチャケてはいないが、その分、物語としてまとまっている印象も受けた。
ここまでの3作品ではどれも違う引き出しを使っており、それはそれで面白い監督じゃな」
役者について
では、最大の注目ポイント? の役者についてです!
各役者の新たな魅力が出ていたのではないかの?
カエル「まず、主演の浜辺美波だけれど、それまでは清純派の正統派美少女の役が多かったように思うんだよね。薄幸の美少女という形容詞が似合う、透明感のあるキラキラした女優さんでさ
でも、今作はその要素がほぼ一切なかった!
これはこれですごいよねぇ」
亀「わしが福田雄一を連想したのは、橋本環奈が『銀魂』で神楽を演じ、汚れた演技も披露したことを連想したから、というのもある。
所々で変顔を披露したり、それまでのイメージを払拭するような、ファンであればちょっとどうかと思いかねないような顔をしたりもしておるが、それでもどこか可愛らしい。
そんな彼女の魅力が発揮された作品じゃったかの」
カエル「そしてその相手役の竹内涼真くんですが、やはり彼はカッコいいよねぇ……観ている最中で何回『こんなん惚れてまうやろ!』って言いたくなったことか」
亀「『帝一の國』などもそうであったが、涼しげな爽やかイケメン青年をうまく演じるの。その動きに一切の嫌味がない。
本作の役自体も、下手すればただの嫌な先生になるところを、本作は竹内くんの涼しげな演技でちょっと冷めているように見えて、実はいい先生というのが伝わってくる演技じゃった。
彼の魅力が発揮されたと言えるのではないかの?」
カエル「そして触れておきたいのが、脇役に置いておくと最高の面々、川栄李奈と矢本悠馬の2人でさ。
矢本悠馬は役名もないんだけれど、彼が出ると物語に笑いの風が吹いて、ほっこりするんだよねぇ」
亀「この2人は脇役に置いておくと素晴らしい演技をしてくれる、欠かせない役者じゃな。特に矢本悠馬は、若手イケメン役者に人気が集中する一方で、この手の等身大のほっこりさせてくれる役者があまり目立たない部分もある。
おそらく、彼は今後も多くの映画やドラマで名脇役として活躍してくれるのではないかの?」
カエル「そして、最後に触れておきたいのは綺麗どころで、個人的には初めましてだった新川優愛です!
浜辺美波は役に年齢が近い18歳で、やっぱり子供っぽいところがあるけれど、彼女は20代半ばの大人の魅力を発揮していて、強力な恋のライバルになっていました!」
亀「あれだけ美しい女性がいたら、そりゃ高校生には目がいかないというのも納得、むしろわしはホイホイとすぐについて行くの」
カエル「……高校生の純情な感情はそんな簡単じゃないの!
今作はモブの子に至るまで美男美女ばかりなので、目の保養になる映画でもあります!」
以下ネタバレあり
作品考察
演技には絶賛も……
では、ここからはネタバレありで語って行きましょう!
まずは少しダメ出しから始めるかの
カエル「えっと、あれだけ称賛していたのに、役者の演技にダメ出しがあるの?」
亀「というよりも、少し違和感じゃな。
本作はオタク要素の強い女子が恋をするという話であるが……まあ、悪くはないものの、冒頭からの暴走がかなり目立ってしまったの」
カエル「まあ、常識はないよねぇ。少し痛々しい女の子だし……
正直、見た目もコスプレ感は拭えないから『またこの手の映画かぁ』となりがちだしさ」
亀「それが序盤は大きく引っかかってしまった。
特にこの作品はオタク描写がイマイチよくわからん。
親友の葵は明確に腐女子という描写があるが、主人公のあゆはは微妙なところじゃな。それでいて、急にオタクの笑いが登場するから、よくわからない部分もあった。
本作は『オタク女子が恋をする』という話でいいのかの?」
カエル「そこいら辺はふわっとしていていいんじゃない?
でも、特徴的な演出も含めて、序盤のあゆはを始めとした各キャラクターの行動は、誇張している部分もあるんだろうけれど、ちょっと目に余るものもあって……
物語の冒頭という重要な場面において、このような演出をされるとちょっと考えるところはあるかなぁ」
常識を疑ってしまう冒頭のシーン
ただ、このシーンで身長差もあって『彼を見上げる(憧れの予兆)』のカメラワークなどは○
(C)2018 「センセイ君主」製作委員会 (C)幸田もも子/集英社
演出について
カエル「アニメーションを使った演出や、ハートが実態化したCGを用いた演出なども目立ったよね!
特にハートが会話をする演出はとても面白かった! 派手な演出にはちょっと辟易とした部分もあったけれど、あそこまで貫いたら味になるよね!」
亀「先にも述べたように、本作はオタク(と思われる女子)の物語じゃ。
その2次元世界にある脳内妄想をどのように3次元として表現するか? というのが重要になってくる。
これが非常にうまくいったのが、近年の邦画だと『勝手にふるえてろ』になるが……あれは松岡茉優の快演もあっての演出じゃったの。
本作も絶賛とまではいかんが、彼女のオタク的な妄想2次元成分を3次元で表現するという試みは成功しているのではないかの?」
カエル「特に降りしきる雨が全てハートになる、という演出はどれだけ心がときめいているのか、ということを象徴していて、なるほど! と思わず膝を打つ演出だったね」
亀「他にも中盤、あゆはがとてもやる気を出しているシーンがあるが、そこはリアリティラインが明らかに虚構寄りになっておる。この辺りを考えても『2次元と3次元の壁を越える映画』として見所があった。
先に言ったように、今作は特別特徴のある脚本ではなく、恋愛スイーツ映画では良くある物語になっておる。
それをカバーするための演出としては、これはこれでありだったのではないかの?」
若干のコスプレ感もあるものの、モブも含めて魅力的な人ばかり!
浜辺美波のための映画
カエル「ちょっと不思議だったのが、今作って本当にちょっとした役で驚くべき人が出ているんだよね。
まあ、大女優というほどでもないけれど、でも間違いなく現代を代表する美女で……
一応シークレットらしいからここでは名前を明かさないけれど、あまりにも飛び抜けた美女だから一目で気付くと思います」
亀「結局は浜辺美波のための映画だった、ということじゃろう」
カエル「……どういうこと?」
亀「ほんの少しの場面であるが、そのシーンで浜辺美波とその女優はハイタッチをしており、少しだけコーチのようなことをしておる。
あまりネタバレはできんが、キミスイでは浜辺美波とその女優は共演することはできなかった。その女優から、新たな若き期待の新星への激励のハイタッチだった、ということかもしれんの」
カエル「監督自体も浜辺美波を撮るのは3作品めということだし、かなり注目度も上がっている女優で、間違いなく今後も中止しなければいけない女優さんだしねぇ」
亀「彼女の意外な表情、新しい顔を出しながらも最後の最後でいつものように透明で可愛らしい浜辺美波で物語を魅了してくれた。
やはり、本作は浜辺美波のために作られた、浜辺美波ファン向けの映画だったのかもしれんの」
カエル「あ、もちろん竹内涼真くんも良かったですよ!」
まとめ
ではこの記事のまとめです!
- 演出は派手派手、人を選ぶ部分も!?
- 役者陣の新たな魅力を発見できる!
- サプライズゲストの出演もあり、浜辺美波のための映画に!?
役者を観たい! という人にはうってつけの映画じゃな
カエル「ちなみに、僕が気に入ったのは先生と生徒の関係が簡単には崩れないところで、あのラストも好きだったなぁ」
亀「わしくらい歳をとると、高校生と先生の恋愛はあまり観たくないからの。
もちろん年齢による恋愛の障害はない方がいいし、リベラル理性の面の自分はプラトニックな恋愛ならば問題ないだろう、と言いたくなるが……倫理的云々の前に、大人の男が女子高生と恋愛するのは、感情の面で流石にどうかと思ってしまう」
カエル「ええ? 僕なんかは『早くくっつけばいいのに!』って思っていたのに!」
亀「10代の女の子はわしにはもう幼すぎるからの。制服姿は可愛いと思うが、中身には興味がない。
理想は制服を着た20代半ばくらいかの、そんな子がいたらもう目はクギ付けに……」
カエル「はい、大人のお店に行ってください! 記事をおしまいにします!」