物語る亀

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物語愛好者の雑文

迷家-マヨイガ- 6話までの感想と考察……フーム、わからん!!

 迷い家の6話を鑑賞したので、その感想などを挙げていきたい。

 それにしても、これだけキャラの数が多くても、ある程度は覚えるものだなとSHIROBAKOの以来の驚愕である。ただ、あの時は名前と顔が大体一致したものの、今回はまだ半分くらいしか覚えていないが、何の問題もないだろう。

(公式サイトのキャラクター一覧を見ても、何人かは「こんなやついたっけ?」なんて状況でも問題無し)

 

目次 

 

 前回の記事はこちら

 

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 1 謎が謎を呼ぶ……というよりも……

 前回の記事から少し引用させて欲しい。

 

 個人的にはミステリーでいてほしいので、犯人は真咲あたりにして少しホラーちっくに仕上げてくれたら嬉しい限りである。

 

 と前回の記事で書いていたが、5話を鑑賞後の私の気持ちをそのまま書くならば、「あっ(察し)」といったところだろうか。

 

 水島努監督といえば、数々の名作を世に送り出してきたのと同時に、数々の迷作も世に送り出してきた。私が5話を見た後で思い出したのは「これ、BLOOD-Cルートに入った?」というものだった。

 確かに明るい青春物を描かせても、ギャグを描かせてうまい監督であるが何でも出来るが仇になるのか、時々わけのわからないものを作ってしまう監督である。(BLOOD-Cはドン引きだった)

 この作品のジャンルがミステリーであると思っていた私の予想が外れて、この作品はトンデモオカルトホラーになるのかな? という予感するしていたのである。

(ジャンル自体がミスリードってあまりないよなぁ) 

 

ホラー? ミステリー?

 だが、それもまた一転して6話を鑑賞した後には逆に「ここまでオカルトが強いと逆にミステリーなのか?」という思いが生じてきた。

 

 ホラーで推していくのであれば、相手となる幽霊のような存在というのは極力姿を見せないほうがいい。幽霊など知覚できないものが、ある瞬間、急に襲ってくるから怖いのであって、相手の正体を認識してしまったら、その後はそれから逃げるか戦うかのサスペンス調に話は変わっていく。

 だが、今回のようにトラウマを持つ相手の姿を持ち、みんなを追い回したそれらは、はっきりと姿を現した割には特に攻撃をするということもなかった。ということは、これはホラーのように敵が襲ってくるわけではなく、ただ単に幻覚だったのではないのか、ということになる。(メタ推理)

 

 

2 何も起きない『事件』

 迷家を6話まで鑑賞して思うのが、事件と呼べるようなことが起きているようで何も起きていないことだろう。

 例えばよっつんの川流れが第一の事件に当てはまるかのようであるが、あれは確かに人のようにも見えるものの、よっつんのような服を着せた人形やカカシを流しているだけかもしれない。暗い川で、しかも流れる姿をはっきりと視認することは難しく、それがよっつんであるという証拠はどこにもない。

(テレビでも一度見ただけではよくわかりづらいような、暗いカットだった)

 

 そして謎の声のこともあるのだが、それも人によっていうことがバラバラで、おそらくは風切り音などをそれぞれが怖いと思うものの声に聞いてしまっただけなのではないだろうか?

 運転手が見た娘の姿というのも、この作品の場合『個人が見た姿』というのは当てにならないのである。第三者と共に、明らかに存在しているといういうもの以外は全て幻想や見間違いだと考えたほうが良い。

 

 こう考えてみると、6話という1クールの折り返しであり、節目の話数であるにもかかわらず、個人の揉め事を除いてこの作品は不思議なほど『事件』が発生していない。今の所、単なるイタズラで終わるレベルのことだけである。

 

 だが、そうなるとミステリーとしては少々問題があるようにも思えるのだ。大体のミステリー作品というのは第一の事件が発生してから、その後に起こる推理合戦とさらに捲き起こる惨劇というのがメインになってくるが、この作品は『事件』が発生していないのだから、名探偵がいたところで何も推理することがない。

 せいぜい村に隠された謎を解き明かすだけである。

 

 そう考えると、この作品はフェアなミステリーとして成り立っているのか疑問があるので、正直なところである。

 そうなるとやっぱりホラーになるのか? 

(このまま中途半端だと最後まで締まらない作品になりそう……)

 

 

3 なぜみんな違うものを見たのか?

 さて、6話でみんなが見たものの正体とはなんだろうか?

 それはおそらくトラウマに基づいた幻であると考えられるのだが、なぜそんなものを見たのだろう。

 私は『火事の煙』にその答えがあると考えた。

 

 つまりあの煙を長く吸ってしまった光宗には幻は大きなもののように見える。

 他の面々も煙を吸い込んだことにより、幻を見るようになってしまったとするならば、あの煙は幻覚物質が含まれているものだったのではないか?

 

 そう考えるとあの村の正体もなんとなく見えてきて、麻薬のような幻覚物質を生成する植物が自生しているか、あるいはそれを栽培することにより生計を立てている村なのではないだろうか?

 光宗はそれが特に効きやすい人間で、さらに長く吸ってしまったために幻覚を見たのである。

 1話において光宗が時限爆弾の幻覚(夢?)を見るシーンがあるが、これは村が近づいたことにより幻覚物質を含む植物が多くなり、それにより軽い錯乱状態に陥ったのではないか?

(隣にいる颯人は寝ているので気がつかなかった?)

 

怪しい真咲

 そんなことをあれこれ考えれば考えるほどに、真咲が怪しくなってくる。バスの席でも後ろにいるのは真咲とリオンであるし、幻覚を見る前にパーキングエリアで休憩中に光宗と話したのも真咲である。

 そして5話の時点ででかいペンギンを見る光宗に対して、真咲はキョトンとしたような顔をしている。真咲が仕掛けた火事といい、幻想を見ていないことといい、もしかしたらこの幻覚物質に強い体質なのかもしれない。

 

 ただ、これだけ怪しいと逆にミスリードの可能性もある。つまり誰かがバスの中に何らかの幻覚作用をもたらす物質を紛れ込ませたのだが、唯一吐いた真咲だけ無事で比較的まともな状態にあるのかもしれない。

(バスの中で何かが充満したことが原因だとするならば、バスに乗っていない、こはるんも幻覚を見ないということになる)

 

 う〜ん……わからん!!

 

好きなことを言えてしまう 

 結局のところ、今の段階だと何でも好きなことを言えてしまうように思うのだ。

 私が先に『ミステリーとしてアンフェアかもしれない』と書いた要因である。

 例えば足を滑らせた美咲が帰ってきたのに対して、同じように滑り落ちたジャッジネスが帰ってこないのか……などの謎もある。そもそも事件が起きていないのだから、今のところはこはるんにメールを送った、おそらく存在するであろう第三者を想像するしかないのである。(そして第三者を推定する情報はあまりない)

 

 できればこのままミステリーとして話を展開してもらい、「これは想像できなかった!」となって欲しいのだが、この情報化社会でテレビアニメでミステリーは難しいもかも。

 ホラーに寄らずに終わって欲しいというのが私の思いではあるが、果たしてどうなるのか、楽しみにしていきたい。

 

 

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