物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『劇場版 艦これ』テレビシリーズ未見の感想 明らかに予習は必要だったなぁ…… 後半ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「主は艦これってやっとことないよね?」

 

ブログ主(以下主)

「ないねぇ……アニメも見たことがないし、ゲームもやったことないね」

 

カエル「あれだけブームになったのにね」

主「もちろん、発表されてから一躍大ブームになって、登録すらできない時期があったというのは知っているし、その時期にも『やらないの?』と訊かれたよ。

 だけど、やらなかった」

カエル「……それはなんで? 相性が悪そうだから?」

主「逆だね。好きそうだから辞めといたの

カエル「……あまのじゃく?」

 

主「イヤイヤ……元々FEとかシュミレーションゲームは大好きだからさ、艦隊がやられたら生き返らないシステムとか、むしろ慣れてるくらい。そんな人間が課金システムもある艦これに手を出したら、それこそ大変なことになりそうでしょ?

 ゲームに時間も取られるし、だからやめておいた」

カエル「ということは、艦これに関しては何もしれないのと同じくらいの知識量なの?」

主「さすがに金剛とか加賀とかは知っているよ。鹿島が今すごい人気なんでしょ?

 あとは声優陣が若手人気女性声優ばかりだから、そっちの面でも結構注目を集めているしね。主演は一応上坂すみれだし」

カエル「……そういうオタク知識はあるからね。

 じゃあ、感想記事を始めようか」

 

 

 


『劇場版 艦これ』本予告

 

 

1 初見のネタバレなしの感想

 

どれくらいの知識か説明します

 

カエル「まずは初見であることをアピールするけれど、主はどれくらい艦これについて知っているの?」

主「そうね……旧日本軍とかの艦隊がたくさん出てきて、それが女の子に擬人化されていて、海で戦う……レベルの知識かな? あと、プレイヤーは提督になって、お気に入りの鑑娘と結婚できるとか……

 あとはテレビアニメ版が結構批判されていることとか

カエル「にわか知識レベルだけど、余計なことは知っているというね……何でそんな人が見に行こうと思ったのさ?」

 

主「単純に言うと、劇場アニメはなるべく見に行こうとしているから。特に、ヒット作の総集編とか、続編は話の筋がわからなくても、なぜ人気になったのかはなんとなくわかるでしょ?

 今年でいうと『劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~』とかさ、あとはガルパンの劇場版もテレビシリーズを見ないで行ったら、すごく楽しめたし。

 そういう映画の楽しみ方もあるんだよ」

 

カエル「でも、それだと面白みがわからなくても文句は言えないよね……」

主「だから今回はあくまでも映画として面白いか、どこが良くてどこが悪かったということを語るつもり」

 

初見の感想

 

カエル「ではようやく感想に入るけれど……どうだった?」

主「う〜ん……評価に困るよね。

 特に登場キャラクターが非常に多いし、おそらくテレビシリーズの続編だから、テレビシリーズを見ていない人間にはあまりにもついていけない内容だった。

 アニメ自体はそこそこの数を見ているし、オタクだからさ、テレビシリーズを見てなくても大まかな流れはわかると思うんだよ。現にガルパンとかはわかったし。今回だと千早……じゃなかった、如月が沈没した鑑なんだなってのはわかる。

 だけど……やっぱり初見にはキツイ内容だったね

 

カエル「やっぱり登場キャラクターが多いからさ、にわか知識だと『誰が主役なんだ?』ってわからなくなるよね」

主「主人公が誰だかわからないのが一番痛いと思う。ゲームが元だからさ、明確な主人公って提督以外にはいないだろうなってのは予想ができる。

 だけど、それならそれなりに映画の主役を決めて、その子をピックアップしてあげないとね。わかりづらくなるだけだと思うよ」

カエル「鑑娘に愛着があるファンなら楽しめると思うけれどね。というか、おそらくこの映画の作り手側は、原作ゲームやアニメなどを知っている人を対象にしているだろうし」

 

カエル「その意味では失敗だよね。いや、スタッフが、ということじゃなくて、自分が見に行ったのがさ。

 初見でも楽しめるかというと、それは難しいと言わざるを得ないね」

 

以下ネタバレあり

 

 

 

2 ネタバレありで感想

 

 

登場キャラクターの多さ

 

カエル「どうしてもガルパンの劇場版と比べてしまうけれど……差が大きく目立った形になったかな?」

主「あちらも『兵器(ミリタリー)』と『萌え』の融合という、非常に面白い組み合わせだったわけだ。あちらは陸で、こちらは海というね。ミリタリーアニメブームの火付け役と言ってもいいんじゃないかな?

 もちろん、この2作品だけではないけれど、とは言っておくよ。

 そして、その差としてあるのが……まあ、これは設定上仕方ない部分でもあるけれど、明確な主人公の不在なんだよね

 

カエル「今回は誰に注目をしていいのか、わからなかったもんね……」

主「最初にたくさんのキャラクターを登場させるけれど、それがみんな等しく扱われてしまった。もちろん、それはファンの好みも様々だからという理由はわかるよ?

 しかもああいうタイプの、明確な主人公のいない、キャラクターがたくさん出てくるタイプのゲーム……例えば『アイドルマスターシンデレラガールズ』とかでも、たくさんのキャラクターを、限られた尺でいかに活躍させるかというのが悩みどころなのも重々承知。

 だけどさ……じゃあ、この映画の主役って誰なのよ? って話で」

 

カエル「一応吹雪みたいではあるけれど……」

主「だったらスタートから吹雪をもっと活躍させたり、前に押し出さないと! 殆ど出番のない鑑娘たちは少しだけ脇に置いておいて、この映画で重要そうな……吹雪、大和、睦月、如月、赤城、加賀などをもっと前面に出してスタートから説明させた方がよかったんじゃないかな? 

 特に今回のような短い尺での映画こそ、キャラクターの取捨選択ってしないといけないと思うけれど……

カエル「まあ、劇場版というお祭りだから、仕方ないのかも」

 

 

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戦闘描写について

 

カエル「ある程度迫力はあったけれど……どうしても気になる点があったね」

主「なんで2戦とも夜戦にしちゃったのかな? これが CGアニメだったら絵面の問題というのもわかるけれど、そうでもないしね。

 爆発をより良く見せたいとか、駆け引きの良さというのを重視したのもわかるけれど、2戦とも夜戦にしちゃったのはねぇ」

 

カエル「夜戦だと何が悪いの?」

主「基本的に絵が見づらいんだよ。暗い劇場の中で、目を凝らして見なければいけないでしょ? しかもファンなら違いがわかるかもしれないけれど、たくさんのキャラクター達を交互に出してあげてさ。

 それだけたくさんのキャラクターが出たから、今の戦線がどういう状況なのかも把握できなんだよね。今、この部隊の状況はどうなっているの? こっちは? あっちはどれだけやられたの? 

 そういうところが見えてこない」

 

カエル「後方指揮するトップがいて、その人への報告などがあればもっとわかりやすかったけれど、そうじゃないしね」

主「戦況の状況の把握が一切できないから、これで何が起きているか理解するのも難しい。だから、結局はドンパチやっている絵に見入るしかない。あれだけ作戦説明した意味とかがあるのかな? って疑問になってしまったよ」

 

3 提督が出ない影響が!?

 

カエル「あとは……やっぱり、提督というか、男性キャラクターが出ないというのもどうかと思うよね」

主「壊れていくと肌が露出していくとか、萌え要素も根強い人気の理由じゃない? その鑑娘たちが、プレイヤーという提督に少しずつ顔を赤らめたりとかさ、そういう描写があるからこそ、この作品って人気があると思うんだよ。

 だけど、男性キャラクターが出てこないからさ……女の子の可愛らしい一面があまり強調されずに、シリアス一辺倒になっちゃった気がする」

カエル「ここも難しいところだけどね……」

 

主「こういったブラウザゲームというか、大量のキャラクターが出てくる作品を映像化するときの課題点がはっきり見えてしまったよね。

 可愛い女の子がたくさん出てくる、萌え重視の作品にするのか、原作の持つシリアスな面を強調するのか。今回はその設定が失敗しちゃった印象かな?

 ここは結果論だと思うけれどね」

 

 

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脚本について

 

カエル「最後に脚本について語るとしようか」

主「う〜ん……やっぱりキャラクターが多くて飲み込めてないのもあると思うけれど、イマイチだったようにも思う。

 何がと言うと、如月関連の敵と艦娘たちの関係性の話と、敵を攻める吹雪の話が微妙にリンクしていないように見えちゃったからかな?

 これは原作ゲームをやっていたり、アニメを見ていれば補完される内容なのかな?」

 

カエル「どうだろうね? 少なくとも、初見ではよくわからなかったかな」

主「まあ、ファン映画だからさ。初見で見に行ったこちらが悪いというのも理解できるし、そういう人間にも理解できるような映画というのは難しいと思うけれど……

 一作の映画としてみた場合は、そこまでいい評価にはならないかな? 

 でも、見に行く価値のないゴミ映画だ! というつもりはないよ。ファンなら当然見に行くべきだし、それだけの価値はあるんじゃない?」

 

カエル「結構ファンの中でも賛否はあるようだけど、アニメ版に比べるとおもしろいって評価も多いよね」

主「それが褒め言葉なのか、そうではないのかはわからないけれど……」

 

 

最後に

 

カエル「やっぱり初見で見るときつい映画もまだまだあるね」

主「こればっかりは仕方ないよなぁ……アニメ版も放送した上で、劇場を公開するときのターゲットの設定ってすごく難しいと思う。

 総集編ならまだ作りやすいけれど、初見でも理解できてファンも満足な映画ができれば、誰も文句ないけれど、そんなの難しいし」

カエル「人気作品だし、予習くらいはしておいたほうがよかったかもね」

 

主「だけどそういう人間にも、大和の戦闘描写はすごい! と思わさせられたし、劇場版にした意味はあったんじゃないかな?」

カエル「やっぱり萌えに特化したバージョンとシリアスに特化したバージョンの2作品を作れれば、それが一番だったのかな?」

主「原作の形もこういったゲームのアニメ化ってあまりないし、仕方ない面も多いと思う。これから色々と作っていく中で、どのような制作スタイルが浸透していくのか……そこも楽しみだな」

 

 

 

 

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