物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『機動戦士ガンダムNT』ネタバレ感想&評価 ガンダムUC好きにはたまらないポイントがたくさん!

 

ついに、みんな楽しみにしているガンダムの映画が公開です!

 

まあ、劇場自体ではなんども鑑賞しているけれどね

 

 

カエルくん(以下カエル)

「今回は”宇宙世紀シリーズ””劇場版作品”が久々に公開しているという盛り上がりです。

 UCなどは一応 OVAなので除外なんだよね」

 

「いっても毎年、ガンダム自体は何らかの作品が製作されて発表されているから、久々と言われても『そうなんだ』レベルだけれどね」

 

カエル「うちはUCは大ファンで、歴代ガンダムシリーズでもトップクラスに高い評価をしています」

主「もともとテレビシリーズよりはOVA作品の方が好きなたちだからね。

 ちなみに語ると、自分の中で評価が高い順で語れば

 

  • 1位 0080
  • 2位 ガンダムUC
  • 3位 オルフェンズ or ガンダムX

 

 かなぁ。一応番外編のビルドファイターズは抜きだけれど、ありだったら3位はビルドファイターズが入る。

 初代や逆シャアは順位づけできない部分があるかなぁ。

 あと好きな作品は……ZZとかだね。でも嫌いなガンダムはそうそうない……かな?」

 

カエル「と言っても全て見ている訳ではないので、ガノタとは言えないよね。ガンダムが好きなレベルだと思ってください」

主「という訳で、UCを全話鑑賞したファンの感想になります。

 では記事がを始めましょう!」

 

 

 

 作品紹介・あらすじ

 

 2010年からOVAとして劇場公開された宇宙世紀シリーズの『機動戦士ガンダムUC』の続編。監督はサンライズ作品を中心に演出などを担当していた吉沢俊一、脚本はUCのストーリーや小説版も担当する作家福井晴敏が手がける。

 

 『ラプラスの箱』を巡る連邦とネオジオンの騒乱から一年過ぎた宇宙世紀0097年。ユニコーンガンダムなどが引き起こした事態を重く受け止め、封印されることが決定した。

 しかし、その2年前に消息を絶っていたユニコーンガンダム3号機フェネクスが再び地球圏に姿を表したことにより、新たな騒乱の火蓋が切って落とされてしまうことになる……

 


Mobile Suit Gundam NT (Narrative) Preview

 

感想

 

では、いつものようにTwitterの短評からスタートです!

 

 

人は選ぶし、完全にファン向け映画です

 

カエル「今回はOVAなどではなく、完全に独立した物語ということで、どうなることかと思っていたけれど、まさかここまでファン向けとは思わなかったかなぁ。

 これ……まあ、あんまりいないとは思うけれど、ガンダムシリーズ初見の方は当然として、UCは見ていないよって人も置いてけぼりだよね

主「その意味では、ガンダムNTといういうよりも『ガンダムUC外伝』とかの方が合っている印象がある。それくらいUCに密接に関係しているというか、あまりにもUC要素が強すぎて、ちょっと面食らった部分もある。

 でも宇宙世紀のガンダムを追いかけてきた人にとってはご褒美のような描写も多いし、ファンは感動するんじゃないかな?

 

カエル「いつも語るけれど、そこいら辺も含めてシリーズ物の劇場版作品の良し悪しだよねぇ」

主「それから、これは福井晴敏ガンダムの良し悪しがはっきりとでた部分でもあって……もともと富野監督が作り上げた歴代ガンダム作品もかなりオカルトじみた描写が多かった。

 それを福井晴敏は大胆に解釈して、さらにその世界観をわかりやすく、しかも深くしたんだけれど……いかんせん、それがSFを通り越してオカルト話になっているし、かなり抽象的な面もあるからわかりづらい。

 本作もそこは同じで、わかりづらい面は否めないかなぁ」

 

 

 

劇場版ガンダムの欠点

 

え? いきなり欠点について語るの?

 

どうしても劇場版でガンダム関連をやると、尺が足りないよねって話

 

カエル「例えば劇場版ガンダムのようなテレビシリーズを再構成したものや、00などのようなテレビシリーズの続編などは除外して、単独で公開されているガンダムに限定した話だよね」

主「本作もあと10分欲しかった。

 物語自体が悪い訳ではないけれど、どうしても尺に収めようとしたり、あるいは戦闘シーンを挟む関係もあるのだろうけれど、キャラクターの魅力などが伝わって来なくて歯がゆい思いをした部分もある。

 もちろん、脚本が福井晴敏ということも合ってある程度以上の物語としての完成度は誇っている。

 ガンダムらしい作品にも仕上がっているけれど、だからこそ余計に、ね」

 

カエル「『機動戦士ガンダムF91』なんかは最低1クールは必要な物語をギュッとしてしまったから、相当物語が早かったしねぇ」

主「本作は90分だから、さらに短いんだよね。

 ここは本当に勿体無かったなぁ……

 作品自体はよくまとまっているし、観念的なお話が多いけれど、でも物語自体はとてもわかりやすいんだよ。

 基本的に登場人物の数も抑制されていて、ヨナ・ミシェル・リタの3人にスポットライトを浴びているし。

 それだけに惜しい。

 本当に惜しい。

 どうせ劇場内でも大人のおじさんしかいないからさ、90分と言わず110分くらいにして欲しかったなぁ」

 

カエル「ちなみに初日の朝一の回では劇場が半分以上埋まったものの、ほぼ全員おじさんという異様な回でした」

主「平日の朝ということもあるだろうけれど、あそこまで女性がいない劇場もなかなか見ないレベルだったね」

 

 

 

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作画について

 

心配している人も多いだろうけれど、作画については?

 

もちろん劇評で見る意義がありますよ

 

カエル「モビルスーツの戦闘シーンをはじめ、やっぱり迫力のあるシーンがとても多かったよねぇ」

主「それもそうなんだけれど、今回は意識しているのかわからないけれど、セル画のように見える描写が多かった。

 前半はかなり最近の作品らしく派手な戦闘シーンをキレッキレに描いていたけれど、後半になればなるほど作画や演出がセル画を意識したようなものになっていっているんだ」

 

カエル「あとはガンダムファンにはたまらないシーンも豊富だよね。よくあるニュータイプ同士が感応しあうシーンでは、電波が走るように描いているし……後半の山場のシーンでは、誰もが初代ガンダムの名シーンを思い浮かべたはず!

主「その意味でもかなり往年のガンダムファンに向けられた作品だな。

 それと、UCファンだったら誰もがテンションが上がるだろう。予告編ではすでに登場しているけれど、ミネバ・ザビをはじめとした名キャラクター達が総出演だし、しかも見せ場もちゃんとある。

 あの事件のあと、登場人物達がどうなったのかというのが気になっていた人ほど楽しめる作品だよ

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

作品考察

 

もう一つのUC

 

では、ここからはネタバレありで語っていきましょう!

 

本作はもう1つのUCでもあるんだ

 

カエル「いきなり核心をつくようだけれど、もう1つのUCとはどういうことなの?」

主「基本的にガンダムは……特に宇宙世紀のガンダム作品は”選ばれしものの物語”になってしまう。

 何故ならば、NTという存在そのものがすでに選ばれしものだから。

 オールドタイプに対するニュータイプなのだから、彼らがいかに特別な存在なのかがわかる」

 

カエル「一応宇宙世紀ガンダムでも0080、0083、08MS小隊などはオールドタイプの主人公だけれど、これらはある種の番外というか、OVAなどの作品だもんね」

主「やっぱり、ガンダムの主人公というのはどうしてもニュータイプの物語になってしまう部分がある。

 アムロ、カミーユ、ジュドー、それにバナージも特別な存在であり、その周辺にいる人物やライバル的存在もニュータイプが多い。

 だけれど、本作はそちらの方面にはいかなかった……つまり”選ばれない者の物語”である訳だ

 

 

 

ガンダムUCとはなんだったのか?

 

ちょっとだけガンダムUCについて、自分なりの解釈を述べて起きましょうか

 

今作はUCの影響が非常に強いから、ここに触れないとね

 

主「自分がUCが大好きなのは、正義と悪、味方と敵という単純な二元論に逃げなかったことがある。

 つまり、連邦の正義とジオンの正義を見せつける。それが最大限いきたのが2〜4章で、自分は4章は何度も繰り返し見たし、砂漠のシーンと喫茶店でコーヒーを飲むシーンはそれこそ何十回も見るほどに大好き。

 UCはバナージという特別なニュータイプが、ジンネマンやブライトなどと交流し、背負わなければいけないそれぞれの思いを知り、その多くの考えを受けてどのような選択をするのか? という物語でもある。

 それはジオンのお姫様という”生まれつき選ばれ、多くを背負う者”であるミネバとバナージは対になっているとも言える」

 

カエル「ふむふむ……」

主「そして同時に、人工的なNTとしてバナージの対になるのが強化人間であるマリーダであり、家柄に縛られる者としてミネバの対になるのがリディである。そこにジンネマンなどが絡み合い、複雑な物語を紡ぎだしている。

 マリーダとリディに関しては、ある意味では”選ばれなかった者”あるいは”選ぶことができなかった者”という意味もある。

 そして、NTはさらにその先を……つまりバナージもミネバもいない”運命を選ぶチャンスすら与えられなかった者の物語”として機能している

 

運命の物語とNT

 

今作の登場人物は結構悲惨な設定だよね……

 

ここで話題にもなった公式ポスターに注目しよう

 

カエル「この謎ポーズは色々といじられたけれど、今にしてみると相当いい構図だよね……

 ヨナ・ミシェル・ゾルタンの3人が複雑に絡み合い、そして天にいる存在を見上げている。当然この存在はニュータイプでもあるリタだよね」

 

主「強化人間のレベルを超えずに、しかもパイロットとしての能力も特別秀でたものではないヨナ。

 同じようにニュータイプになれなかったミシェル。

 そして、フル・フロンタルになれなかったゾルタン。

 ……彼らは生まれながらにして重い運命を無理やり背負わされ、そして絶望されてしまった。その重い運命を乗り越えられた、あるいは使命を果たした過去の主人公たちとは違い、彼らはそれを為すことはできなかった。

 だから本作は選ばし者の物語として機能するガンダム、あるいは UCという作品たちとは大きく異なる作品である訳だ

 

カエル「ふむふむ……」

主「ガンダムって基本的にはニュータイプである主人公がいかに周囲を救うのか、という物語とも言えるかも。

 だけれど、今作はその逆で……ニュータイプでもなんでもない人間が、ニュータイプを救いにいく物語なんだよね。

 本作はガンダムという物語がもつテーマの裏面を描いている訳だよ。

 その描き方は、ある意味では外伝的な劇場版作品として極めて正解だと言える。

 では、その彼らがたどり着く結論はどのようになるのか? というのが、本作であるわけだ」

 

 

鳥の存在

 

今回で重要なモチーフは鳥だよね

 

鳥というのはあの世とこの世の境目にいる動物なんだ

 

カエル「押井理論の1つというか、西洋の宗教画などのモチーフ論の1つだよね。

 押井作品で鳥が多く出てくるけれど、それはあの世とこの世の境目を表している……とかなんとか

主「天使には白い羽が、悪魔には黒い羽が生えているのは、この両者が生と死の境目にいるからだ、といわれている。

 その見方を採用すると名作映画であるヒッチコックの『鳥』だって、なぜ襲ってくるのが鳥なのかがよくわかるでしょ? あれは宗教映画の一面もあるんだけれど、今回は割愛します」

 

カエル「そして本作のキーワードとして『私は生まれ変わったら鳥になりたい』かなぁ」

主「空を自由に飛び回ることから自由の象徴でもあり、白い鳩は平和の象徴でもある。まあ、あそこで出ていたのはおそらくカモメだろうけれど……それこそフェネックスなんて生死を超えた鳥である。

 これは福井晴敏がテレビでガンダムUCが放送されていた時に語っていたけれど、ニュータイプが感応する時は次元も時間も飛び越えているという話をしていた。

 あとは作中で語られていたのは『神様が本当にいたら、こんな暴挙はお許しになられない。だから神は存在しないんだ』というセリフもあった。

 生死感、あるいは宗教観を超えたその先にあるものが、ガンダムの主題になってくるわけだな」

 

 

 

まとめ

 

えー、ちょっと思考が散らかり始めたのでここで一度まとめにします

 

  • 初見さんはお断り! だけれどファンにはたまらない作品へ!
  • 初代をはじめとして歴代ガンダムの要素がたくさん登場!
  •  UCが描いた物語とは別の視点を出している!

 

もうちょっと思考をまとめないといけないな……

 

カエル「とりあえず速報として記事を書いています」

主「とてもガンダムらしくて面白いけれど、その分頭を使うからなぁ。

 また色々考えて、頭を整理して記事をまとめます」

 

 

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