物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『スリービルボード』感想&考察 なぜ『3枚』の看板なのか? ここに隠された意味とは? 後半ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「アカデミー賞関連の作品が次々に公開される時期になりました!

 日本でも全作品公開してからだと、もっと盛り上がるんだろうけれど……」

 

ブログ主(以下主)

「まあ、日本で全作品公開される頃には発表もとっくに終わっているんだろうけれどね」

 

カエル「アメリカで1番いい映画を決める賞だから、注目度も高いしもっと興行的に盛り上がると面白いんだけれどね」

主「……う〜ん、アカデミー賞ってアメリカで1番いい映画を決める賞なのか?

カエル「え? そこから疑問なの?」

主「いや、単純な話でさ『良い映画』って色々な基準があるわけじゃない?

 それこそ面白い、泣ける、感動する、倫理的、メッセージ性や社会性が強いとか、いろいろある中で、アカデミー賞というのは『ハリウッド映画界が世界に向けて最も発信したいメッセージを含んだ作品』に贈られる賞なわけですよ。

 で、ハリウッド関係者の9割が民主党支持者層と言われている中で、うがった見方をするとどんな映画がアカデミー賞を受賞するのか、なんとなく想像ができてしまうというね」

 

カエル「……つまらない物の見方をしているわけだね」

主「それでいうと、まだ全然アカデミー賞ノミネート作品を見れていないけれど、本作は作品賞本命だと思う。

 そしてデルトロが監督賞をとって、多分バランスを取るんじゃないかな?」

カエル「……まだほとんど作品も見ていないのにそこまで言いきるとは……

 では、アカデミー賞の中でも最有力候補の呼び声高いスリービルボードの感想記事になります!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • マクドナー監督について
    • マクドナー監督が愛する日本人監督
  • 2 ミズリー州という場所について
    • 演出の注目点
  • 以下ネタバレあり
  • 3 宗教的な演出について
    • 署長の決断
    • 色の演出
  • 4 本作のテーマとは?
    • レッドの存在
    • あのラストシーンについて
    • 最後に〜ここまで褒めておきながら〜

 

 

 

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2018年1月公開新作映画ランキング! 今月はハイレベルな中、選んだ5作品はこちら!

カエルくん(以下カエル)

「2018年1発目の月間振り返り企画ですが……今月はいきなりちょっと異例のことになっています」

 

亀爺(以下亀)

「いつもは月間ランキングとしてベスト5として発表するわけじゃが……今月はいきなり5選となっておる」

 

カエル「2018年1発目からレベルの高い作品が並んでいるために、ランキングとして選ぶことができませんでした

亀「しかも、この1月でとんでもなく高い評価が飛び出したNetflix限定の『デビルマン crybaby』は当然のように除外しておっての、この作品群じゃらかの……例年では1月は新年ということもあって、そこまでビックネームは並ばないように思うが……今年はいきなりとんでもない月になったの」

 

カエル「ちなみに、今月は『長編アニメーションの新しい景色』というアニメーション映画のイベントに参加していたため、劇場公開作品は若干少なめの本数になっています」

亀「その中でも当たりの作品が多かった。

 そのイベント上映された作品は除外ではあるが、中には日本で公開される作品もあるであろうから、その時はレビューしていきたいの。

 では、記事の始まりじゃ」

 

  • 対象作品
  • 1作品め
  • 2作品め
  • 3作品め
  • 4作品め
  • 5作品め
    • 1月のまとめ
    • 最後に〜2月の映画について〜

 

 

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映画『殺人者の記憶法』感想 韓国映画がアルツハイマーをテーマにとんでもない娯楽作を生み出した!

亀爺(以下亀)

「本来、この手の作品は苦手ではあるのじゃが、それでも気になって鑑賞してしまうのが韓国映画じゃの」

 

ブログ主(以下主)

「この辺りは個人の趣味でもあるんだけれど、韓国映画のバイオレンス盛り盛りの血みどろの暴力表現って結構苦手なんだよねぇ」

 

亀「そういった映画を高く評価する人も多いし、それこそ有名なラッパー映画評論家などもそういう映画を愛する人であろうが、個人の趣味によって評価が分かれる作品かもしれんの」

主「何度か言っているけれど自分は韓国映画のバイオレンスや暴力描写で観客をひきつけるような表現ってそんなに好きじゃない。

 それでも見入ってしまうほどの特徴的な設定やうまさがあって……特に今作はあらすじだけでもすごく惹かれるんだよ!」

 

亀「こういった映画が作れるのも世界広しといえども、日本だけかもしれんの。

 では、本来この手の暴力的な映画が苦手な人間が、それでも見たくなったという韓国映画について語っていくとしよう」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 感想
    • 認知症を扱った作品
    • アルツハイマーの辛さ
    • ビョンスが頼ったもの
    • 最後に

 

 

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映画『祈りの幕が下りる時』感想 加賀恭一郎の最後はミステリー映画として見所の豊富な作品!

カエルくん(以下カエル)

「今回は大人気作家である東野圭吾原作作品を扱うけれど、新参者シリーズ最終章という触れ込みだけれど、1作もシリーズを見たことないんだよねぇ

 

亀爺(以下亀)

「そういう人でも楽しめることは大事じゃろう」

 

カエル「でもさ、大人気作家じゃない? もちろん多作の作家だから全作読んでいる人はそんなに多くはないだろうけれど、新参者シリーズも観たことがないの?」

亀「元々ドラマを見ない人じゃし……これは偏見でもあるが、東野圭吾との相性があまり良くないというのもある

カエル「……相性が? 人気作家じゃない」

 

亀「特に白夜行以降の作品がことごとく合わなかったりするものでの。

 東野圭吾自身も語っておったように思うが、白夜行以後の作品は大人向けのために……当時で日本で流行っていたような新本格ミステリーの多くが海外では子供向け作品として扱われる、と語り、そこからの脱却を図っておる。

 それがどうにも相性が合わなかったわけじゃな」

カエル「それで世界的に有名になったから大正解なんだろうけれどね。

 加賀恭一郎シリーズは白夜行以前の作品もあるけれど……」

亀「『どちらかが彼女を殺した』などは読んでおるが、加賀恭一郎でなければいけないシリーズでもないし、そこまで探偵として強く印象に残っておらんの」

 

カエル「まあ、いろいろあるんだね……

 じゃあ、そんな加賀恭一郎シリーズほぼ初対面の人間の感想の始まりです!

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 演出について
    • 役者について
    • 気になったポイント
  • 以下ネタバレあり
  • 2 作中劇との関連性
    • 一方でやっぱり気になる点も……
    • 個人的な思いとして
    • 最後に

 

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アニメ初心者にオススメしたいアニメ映画10選! まずはここから入門しては?

カエルくん(以下カエル)

「えー、ここ最近ですがTwitterで話題のサービスである『質問箱』を始めてみました」

 

ブログ主(以下主)

「なんか人気者になった気分だね! やったね!」

 

カエル「……自己顕示欲?

 そこで寄せられた質問にこんなものがあったのでご紹介します。

『アニメ初心者なのですが、見ておくべきアニメ映画はありますか?』だって」

主「よくよく考えてみたらそういう『初心者にオススメのアニメ映画!』って記事は書いていないんだよね。もちろん、好きなのもを楽しんで見ればいいけれど、初心者だと『好きに』というのも難しいものだしさ」

 

カエル「というわけで、今回は初心者にオススメのアニメ映画について紹介していくことにしますが……まずは選ぶ基準から説明していくこうか」

主「条件は以下の3つ

 

  1. 2000年以降の作品
  2. ディズニー/ピクサー、ジブリ作品は除外
  3. 単独で成立している作品(シリーズものは除外、2や3はOK)

 

 まず古い作品は手に取りにくいところがあるだろうから、2000年以降と比較的近代の作品から選びます。

 また有名なディズニー/ピクサーやジブリはそればっかりになりそうなので除外。

 そしてテレビシリーズものや事前知識が必要な作品は除外するものの、2や3と映画としての続編がある作品は対象になります」

 

カエル「簡単に言えば、最近作られた映画だけで完結している作品たちってことだね。

 それでは初心者にオススメのアニメ映画を紹介していきます!」

 

  • 1作品め
  • 2作品め
  • 3作品め
  • 4作品め
  • 5作品め
  • 6作品め
  • 7作品め
  • 8作品め
  • 9作品め
  • 10作品め
    • 最後に〜その他の候補作など〜

 

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映画『涼宮ハルヒの消失』感想&考察 長門とキョンが織り成す2時間40分の傑作アニメ映画!

カエルくん(以下カエル)

「今回はいよいよ『涼宮ハルヒの消失』について語っていきます。

 近年のアニメ映画を語る上では絶対に外せない作品だよね」

 

ブログ主(以下主)

「これで京アニの名声が固定化されたような気もするな。

 今回もまた語ることが多いから、さっさと始めようか」

 

カエル「はいはい。ちなみに旧作ということもあって全編ネタバレありで語っていきますので、そこのところはご了承下さい。

 で、今回はどんな風に語っていくの?」

主「今回語るのは3つの視点からで……

 

  1. 消失の物語について(エンドレスエイトとの比較など)
  2. 京アニ作品としての消失
  3. 社会的、アニメ界としての消失

 

 ということに着目しながら語っていきます。

 あと便宜上、わかりやすくするために『宇宙人の長門有希=長門』であり『消失世界の気弱な文学少女=ゆきちゃん』と称していきます」

カエル「というわけで、伝説的なアニメ映画である涼宮ハルヒの消失についての記事をスタートです!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 日常描写の衝撃
    • 話の構成について
    • 演出について
  • 2 消失という物語について
    • エンドレスエイトと消失
    • 消失世界からわかるキャラクター像
  • 3 京アニと消失
  • 本作に似ている物語
    • セカイ系から日常系へ
    • 退屈な日常からの変化
    • 最後に

 

 

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映画『嘘を愛する女』感想 良くも悪くも目立ったポイントが見当たらない作品? ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「では! 嘘を愛する女の感想記事です」

 

亀爺(以下亀)

「さすがに今回は何も冒頭で語ることもないの」

 

カエル「高橋一生と長澤まさみファンが観にいく映画だろうしね……監督はこの作品でデビューらしいから、作家性を期待する人もそんなに多くはないだろうし」

亀「昨年末からずっと予告を流しておったから、今月の邦画では相当な注目作ではあるんじゃろうが……果たしてどうなるかの?」

カエル「じゃあ、ちゃっちゃと感想記事に入ります!」

 

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 役者について
    • 一方で疑問に思ったキャストも……
  • 以下ネタバレあり
  • 2 感動的に思わせてはいるけれど……
    • 物語の方向性が……
    • キャラクターが立ちすぎて……
  • 3 一方で良かった点も
    •  最後に

 

 

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