物語る亀

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物語愛好者の雑文

『劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel I. presage flower』(映画Fate HF 第1章)感想 

カエルくん(以下カエル)

「さぁて! 今月のアニメ映画では1番のビックネームじゃないかなぁ!?

 誰もが待ち望んだ、Fateシリーズの最新作がいよいよ公開だよ!

 

ブログ主(以下主)

「発表からなんやかんやで3年くらい待ったのかねぇ? UBWが2014年に放送開始、本作の製作開始が発表されたのもその前後だから……大体3年越しのプロジェクトということだね」

 

カエル「いやー、Fateは人気が一向に衰えないからね! スマホアプリゲームも好調だし、CMもガンガンやっているし!」

主「配信当初はどうなるかと思ったけれど、結論から言えば大人気アプリの仲間入りだしなぁ。自分はスマホゲームはキリがないのであまり手を出さないようしていることもあって手を出していないけれど、知り合いのアニメ好きを中心にプレイしている人はたくさんいるよ」

カエル「やっぱり基本的なシステムがわかりやすいのは大きいよ。古今東西の英雄(英霊)を召喚して、2人セットで戦うというコンセプトは面白いよね。

 あとは、今回はHFの劇場版だけれど、SNだけでも3ルートそれぞれの魅力があって!

 

主「ちなみに、自分はFateシリーズはアニメのみににわかになりますので、HFもさすがにどのようなルートか全く知らないわけではないけれど、細かいことはほとんど知らない人間なので、その視点から語ります。

 いや、せっかくなんでね……アニメでずっと鑑賞してきたから、どうせなら最後までアニメで結末を見たいじゃない?

カエル「ということは……DEEN版の第1期Fate S/Nや劇場版UBW、Fate/Zeroとufo版のテレビ放送されたUBWは鑑賞済み。あとはプリズマイリヤも鑑賞しているけれど、HFルートは、全くの無知ではないけれどほとんど知らないってことだね」

 

主「HFのためだけの原作ゲームをやるのもなぁって気持ちもあってね。ノベルゲームは話の流れを知っていると面白さ半減だし……あとは全ルートを1週目で回りたくなるから、時間がかかってしょうがないというのもある。

 まあ、とにかく! 今回のufoの超絶作画を楽しみにしていたわけですよ!

 できればUBWも3部作くらいにして劇場で観たいくらいだから!

カエル「とりあえず、話を進めると今回はHFのこの先のネタバレは当然のようにありません。というか、そもそも細かくは知りませんし、調べないようにしているので……

 ただし、UBWやzeroなどの放送済みの過去作には過度なネタバレはしないものの、触れていくことになりますので、そこはご承知のほどをよろしくお願いします。

 それでは前置きが長くなったけれど感想記事のスタート!」

 

  • 作品紹介
  • 1 感想
    • 第1作目として
  • 以下作中に言及あり
  • 2 キャラクターの描き方
    • 士郎と桜と……
    • 花の唄
    • 最後に

 

 

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日本アニメ100周年記念! 日本アニメ史を代表する10作品選んでみた! 

カエルくん(以下カエル)

今年はアニメが誕生して100年という歴史的な年でもあります。

 でも、実は意外とアニメ好きの間でもその事実を知られていなかったりして……」

 

ブログ主(以下主)

「そもそも、今確認されている日本最古のアニメーション作品が何なのかわかる人が、どれだけいるのかね?」

 

カエル「戦前にアニメなんてあったの? って思う人も多いだろうしね。それこそ、日本初のアニメーションは鉄腕アトムって答える人が過半数を超えるんじゃないかな?」

主「いま確認されている中では日本最古のアニメーションは『なまくら侍』で、こちらはフィルムが2008年に骨董市で売られていたところを発見し、今でも鑑賞することができる。誕生から90年過ぎてもフィルムを発見できたことも驚きだけれど、100年過ぎても鑑賞することができるのは、歴史的にも大事なことだね」

カエル「そんな日本アニメ史で『これは大事だろう』という作品を選定するというのが今回の趣旨だけれど……」

 

主「ちょっと前に新潮芸術という雑誌で『日本アニメベスト10』という企画があって、これが批評家が選んでいるから大体納得出来るものだったけれど、じゃあ自分なら何を選ぶだろうか? ということを考えた結果が今回の記事になります。

 はっきり言いますが、意外性は全くないです!

 そりゃそうだろう……という作品が続いているのは間違いない。多分、あれがない、これがないという意見はあるにしろ、このラインナップ自体は文句があまりないのではないかな? と」

カエル「どんな選択をしても文句が出るだろうけれど……最近よくある人気のアニメを並べました! ってだけのランキングではないよ、ということだね

主「あと、個人の好き嫌いなどは除外しています。

 では記事のスタート!」

 

  • これまでのアニメを彩る6作品
    • 1作目
    • 2作目
    • 3作目
    • 4作目
    • 5作目
    • 6作目
  • これからのアニメ史を支える4作品
    • 7作目
    • 8作目
    • 9作目
    • 10作目
  • 外れてしまった作品について

 

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映画『ソウル・ステーション パンデミック』感想と解説 世界と韓国のアニメーションの流れにそった作品

亀爺(以下亀)

「韓国のアニメーションはさすがに初めてみるの」

 

ブログ主(以下主)

「実は韓国アニメーションを見る機会って皆無ではないんだけれどねぇ」

 

亀「小劇場などで韓国の短編アニメーションを上映する催しなどもあるし、隣国ということで探せば色々とありそうじゃな」

主「ただ、どうしても短編アニメーションになってしまうんだよね。短編と長編ってまた違うもので……商業ベースにのせることを要求される長編と、作家性が遺憾なく発揮できる短編はそもそもファン層からして違う。

 どうしても個人製作のようなものになってしまうし……日本のように長編のアニメが毎月公開される環境というのは、実は世界的に見たら異常なんだよ。

 しかもやたらとクオリティが高いしさ、それでいて儲からないっていう……本当に何だろうね、日本のアニメの現状って」

 

亀「アニメ業界の質、量と市場規模があっておらんのかもしれんの。もちろん、様々な構造的問題もあるじゃろうが、それが何十年も前から叫ばれていて、未だに解決できない、もしくは悪化しているということを考えても、根本的な問題がありそうじゃな」

主「あとは海外アニメーションを見る機会も結構限られているし……日本は『アニメ大国』であっても『アニメーション大国』ではないんだよなぁ。

 名作のアニメーション映画などをもっと見たいけれど、そもそも公開してくれないことも多くて……」

亀「公開しても小規模であることも珍しくない。アヌシー受賞作や、アカデミー長編ノミネート作品を全て観られる環境にあれば最高なのじゃが、そういうわけにはいかんの。

 まあ、アカデミー作品賞ノミネート作品すら全て劇場公開するわけではないから、仕方ないかもしれんがの。

 さて、愚痴ばかり言っても仕方ないじゃろう。では映画の感想を始めるかの」

 

文字リンクをクリックすると該当作品の感想記事に飛びます

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
  • 2 世界のアニメーションの現状
    • その国独特のアニメーション
    • 日本の『ドキュメンタリーアニメ』
  • 3 本作の解説
    • ゾンビである意味
  • 以下ネタバレあり
  • 4 この映画が示したゾンビの意味
    • 最後に

 

 

blog.monogatarukame.net

 

 

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映画『アウトレイジ最終章』感想 3作のラストにふさわしい、たけし映画らしい一作!

カエルくん(以下カエル)

「さて、みんなが注目するたけし映画の最新作がここで公開だよ!」

 

ブログ主(以下主)

「当たり前のようにR15だけれどさ、この映画より暴力的な映画っていくらでもあるような気がするんだよね。映倫の基準ってよくわからんわぁ……」

 

カエル「やっぱり暴力団の話自体が教育に良くないってのもあるだろうけれど……あと、言葉使いも終始乱暴だし」

主「改め鑑賞してみると思うけれど、こういうわかりやすい暴力団の話って現代的ではないよなぁ。

 山一抗争やもっと前の戦後直後の警察組織が今ほど強力でなかった時代ならともかく、暴対法によってかなり締め付けがきつくなって現代では抗争事件そのものが少なくなっている。

 まだ見ることができていないけれど、現代の暴力団社会をテーマにした『ヤクザと憲法』などが現代の暴力団社会のリアルを描いているとしたら、やっぱりファンタジーみたいなところはあるよね」

 

カエル「もちろん、本作はフィクションであるということはわかりきっているけれどさ……」

主「実はそれがこの映画において重要な視点なのかもしれないな。

 たけしはアウトレイジは終わっても、まだまだヤクザ映画自体は続けるらしいけれど……」

カエル「いつかは全作を見たし、見なければいけない監督だろうなって評価だしね」

主「果たしてその時はいつ来るのでしょうか?

 では感想記事を始めますか」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 本作の魅力と欠点
  • 2 たけしが描いてきたもの
    • 役者について
  • 以下ネタバレあり
  • 3 ヤクザ映画と時代
    • ヤクザ映画の終焉……?
    • 最後に

 

 

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映画『レゴ ニンジャゴー ザ・ムービー』感想 子供だけじゃない! 大人も楽しめる傑作映画!

カエルくん(以下カエル)

「この作品も考えてみればテレビアニメの劇場版なんだよね」

 

亀爺(以下亀)

「しかし総集編のような形ではなくて、このように全く新規の物語としてここまで作り上げるところに、レゴの人気がうかがえるの」

 

カエル「日本だとレゴランドがあまり評判が芳しくないこともあって、劇場映画がこれで3作品目だというのが信じられないぐらい、まあちょっと人気のあるおもちゃかな? ぐらいな認識だけれど、海外では多分もっと高く評価されているんだろうね」

亀「日本はおもちゃ大国でもあるからの。

 それこそプラレールもあれば、トミカもあれば、リカちゃん人形などもあって、キャラクター物もアンパンマンやドラえもん、しまじろうなどのその年代に合わせた作品が細かくある。

 海外もそれなりに数はあるのじゃろうが、いかにレゴであろうとも既存のキャラクター商品に勝つのは難しいということじゃの」

カエル「レゴのキャラクターをどれだけ知っていますか? と聞かれても、そもそもレゴにどんなキャラクターがいるのかわからない人も多いんじゃないかな?

 象徴となるキャラクターがいないこと、その辺りがレゴランドの不評にもつながっているような気がする

 

亀「日本はキャラクター人気がものを言うところもあるからの。ブランドと考えればどこも一緒かもしれんが……

 そう考えるとレゴがこの先どれだけ受け入れられていくのか、というのは本作のようなレゴをモチーフとしたキャラクターがどこまで受け入れられるか、ということになるんじゃろうな

カエル「ではこれからのアメリカの中心とした世界のアニメーション文化にも影響を与えるであろう、レゴ作品の新作について語っていきます!」

 

 

  • 作品紹介
  • 1 感想
    • レゴシリーズの抱えるテーマ
    • アニメーションとして
  • 以下ネタバレあり
    • 2 テレビシリーズからの劇場版
    • 設定をさらりと開示
  • 3 実は過酷な物語
    • ヒーロー映画として
    • 最後に

 

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2017年9月公開映画ランキング! 今月はいい作品がありすぎて選びきれない……

カエルくん(以下カエル)

「それでは2017年度9月のおすすめ映画ランキングです!」

 

亀爺(以下亀)

「まず、ここで1つ大きな発表があるぞ」

 

カエル「発表? 何、聞いてないんだけれど……」

亀「今月はランキング記事ではあるものの、明確にランキングをつけずに5選という形になっておる

カエル「……え? 毎月書いているのに?」

亀「詳しくはこれから発表する作品を見て貰えばわかるが、多種多様な作品が並んでランキングをつけることが不可能だという判断に達したからじゃな

カエル「……毎月のことじゃない? それ?」

亀「先に言っておくと……今月は5つの作品に絞るだけでも大変じゃった。

 正直なことを言えば、毎月15作品前後を鑑賞しておるがの、実はTOP5を組むのも大変な月もある。個人的な趣味もあるじゃろうが、やはり当たりと言える作品ばかりを引くわけではないからの」

 

カエル「以前にも話したかもしれないけれど『好きじゃないけれどうまい作品』とか『うまくないけれど評価しなければいけない作品』などもあるって話だもんね」

亀「実は5位はすでに決まっておって、むしろ4位が決まらずに2作品からどちらを残して、どちらをランキングから除外するか……と考える時もある。

 やはり『好き』『うまい』『先進的、挑戦的』など、様々な評価基準がある中ではランキングをつけることは簡単ではない、ということじゃの」

カエル「……じゃあやめたら?」

亀「やめてしまったら、何よりも本人が鑑賞した映画を覚えていられんじゃろう」

カエル「公開しているメモ帳みたいな扱いでもあるんだね……」

亀「今月はその基準が全てバラバラな作品が続いておる。

 では、5選記事のスタートと行こうかの」

 

  • 対象作品
  • 1作品目
  • 2作品目
  • 3作品目
  • 4作品め
  • 5作品目
  • 総評として
    • 最後に……10月公開映画について

 

 

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映画『パーフェクト・レボリューション』感想 本作こそが愛の革命の映画である!

カエルくん(以下カエル)

「このブログだと障害、病気ものは結構高く評価する傾向があるけれど、やはりそれは趣味の問題?」

 

ブログ主(以下主)

「案外どこもそんなものだと思うけれどね。ハリウッドや各国の映画祭でも障害者を演じると主演賞などを獲得しやすいという話だし」

 

カエル「それだけ難しい役ということもあるんだろうね」

主「一方で安易に手を出すと非難されやすいジャンルでもある。

 自分は昨年『聲の形』を大絶賛して、2016年の邦画、アニメ激戦区でも1、2位を争っているし、他にも自閉症とサヴァン症候群を扱った『僕と世界の方程式』に、知的障害を扱った小規模公開邦画の『真白の恋』や、視覚障害を扱った『光(2017 河瀬直美監督)』などは2017年上半期のTOP10入りなんだよ。

 だけれど……直接作品名はあげないけれど、この夏公開の大ヒットした病気ものは正直今年ワーストを争うレベル。まあ、あれは色々なひっかかりがあったからだけれどね」

カエル「……それって小規模、中規模公開だから贔屓しているのではなくて?」

 

主「それもあるかもしれないけれど、大規模で障害や病気を扱うと感動ポルノになりがちなんだよ。世間がそれを望んでいることもあるけれど、何よりも突っ込んだ描写をして問題になるのも怖いからステレオタイプの表現になる。

 昔『『物語』と『障害者』について考えてみた 』という記事でも書いたけれど、有川浩の図書館戦争という実写映画化もされた作品があるけれど、アニメ化の条件が聴覚障害の話はテレビ放送しない、ということだったんだ。

 これを『フジテレビはクソだ』というのは簡単だけれど、それだけ慎重にならざるをえないタブーでもあるんだ」

 

カエル「……『聲の形』もヒット作だけれど、テレビ放送は難しそうだしねぇ」

主「でもだからこそ表現する価値がある。小規模、中規模でなら突っ込んだこともまだやりやすいからね。

 では本作はどうだったのか……それを語ります。

 多分長くなります」

カエル「では感想記事のスタートです!」

 

  • 作品紹介
  • 1 感想
    • 様々な障害
    •  役者について
    • 以下ネタバレあり
  • 2 序盤について
    • 頭をかち割られる
  • 3 『偏見』に満ちた作品
    • ミツについて
    • 周囲の偏見
  • 4 本作品のうまさ
    • 一方、欠点として
  • 5 ラストについて
    • 物語の意義
    • 最後に

 

 

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