物語る亀

物語る亀

物語愛好者の雑文

漫画『四月は君の嘘』全巻の感想と実写映画公開直前に思うこと 

カエルくん(以下カエル)

「いよいよ『四月は君の嘘』の映画が今週末公開だね!」

 

亀爺(以下亀)

「世間の評判も楽しみ半分、不安半分というところじゃろうな。映画化して嬉しいファンも多いじゃろうが、漫画の実写化に疑問の声も上がる……いつもと同じかの」

 

カエル「漫画の実写化だけで文句を言う人も多いからね。そこまでファンタジーやSF要素も少ない現代劇だから、違和感はないと思うけれど……

亀「単なる恋愛ドラマであればそれもいいのじゃが、この作品の肝は『演奏シーン』であるからな。それがどこまでリアルな描かれておるか……

 予告編を見る限りにおいては少し不安もあるがの、同じ広瀬すず主演の作品でいうと『ちはやふる』も予想に反して中々いい映画じゃったなぁ。それから、同じ広瀬すず主演の漫画原作というと『海街diary』も良かったからの、もしかしたら意外と良作の可能性はあるとわしは思うが……

 

カエル「海街は是枝裕和作品だからね、漫画原作という意味合いは弱いかも。問題はキャラクターをリアル寄りにするのか、漫画寄りにするのかだよね。そういうところで浮いちゃったりするから……

 で、今回は漫画版の、原作の『四月は君の嘘』について語っていこうかな」

亀「原作も終了しておるからの。ラストについてのネタバレも込みで語っていくが、そこは了承してほしいの」

 

  •  1 恋愛作品の『壁』
    • 『死』や『病気』が壁になる時代
    • 草食系男子の流行
  • 2 音楽漫画として
  • 3 母の肖像
  • 4 ラストについて(劇場版はどうなるか?)
    • 最後に

 

 

blog.monogatarukame.net

 

続きを読む

映画『奇跡の教室〜受け継ぐ者たちへ』感想と評論 なんか騙されている気がする?

亀爺(以下亀)

「さて、今回は現在公開中のアウシュビッツと歴史教育を描いた映画『奇跡の教室』を扱うが……」

 

ブログ主(以下主)

まずはじめに言っておくけれど、今回は酷評します。

 だからこの映画が大好きとか、どんなレビューがあるんだろう? って人には向いていないと思う」

 

亀「……いきなり酷評宣言から入るのは珍しいの」

主「基本的に映画に限らず、表現の良い所を見つけて、そこを語っていきたいタチではあるのよ、これでも。だけど、今回は……良いところがなかったとは言わないよ? 生徒の女の子は可愛かったし、男の子もカッコよかったし。だけど、そういうレベルじゃなくて気に食わない部分があったから、酷評する」

亀「あんまり燃えないようにオブラートに包んでの

 ……ふふふ、その様子じゃと、主もすっかり騙されおって……

主「……え?」

 

注意 以下ネタバレあり!

 さらに途中批判が多めです……が、

 最後まで読むと、あなたもこの映画の評価がひっくりかえる……かも?

 

  •   1 ナチスものの映画
    • クリント・イーストウッドの『バランス』
  • 2 教師と生徒の関係
    • 『プロパガンダはいけない』と言いながら
  • 3 ……もしかして、騙されている?
    • ラストのメッセージ
    • 最後に

 

 

続きを読む

映画『千年女優』感想と評論 『虚構』の中に潜む『真実』を暴いた映画

カエルくん(以下カエル)

「今回は今敏の千年女優について語っていくんだね」

 

ブログ主(以下主)

「ちょっと前に今敏について語った際に、千年女優を語ってみたいなって思ってさ」

 

カエル「もう何年前の作品だっけ?」

主「2002年公開だから、もう14年前か。パーフェクトブルー』から数えて、2作目に当たるな」

カエル「これだけ前だと、考察としては素晴らしいサイトもあるよね。今更語ることもそんなに多くないと思うけれど……」

主「今回は完璧な考察をしているサイトもあったから、どちらかというと感想が多くなるかな。ちなみに、そのサイトのURLを貼っておくから、それも参考にして欲しいね」

カエル「じゃあ、少し前の作品だけど、感想記事を始めようか」

 

映画の考察はこちら

harutorai.hatenablog.com

 

  •  1 映画に対する愛
    • この映画の主題
  • 2 事実と嘘と真実
    • 坂口安吾の『自伝的小説』
  • 3 リアリティの中に潜む嘘
    • 最後に

 

続きを読む

映画『Planetarian〜星の人』感想と簡単な評論 (プラネタリアン)

カエルくん(以下カエル)

「今週のアニメ枠は、Keyの最新映画だね」

 

ブログ主(以下主)

「この映画を見るために映画館に行ったら、すごいことになっていたよ」

 

カエル「すごいこと?」

主「君の名は。がさ、あと1時間で上映開始の回は売り切れ、その次の回もほとんど売れちゃって、前のほうしかないの。こんなに人気なんだなぁって横目に見ながら映画館に入ったのね」

カエル「やっぱり人気だね。上映館数が少なすぎるって話もあるくらいだからね」

主「そっちに入るのは普段アニメなんて見ないようなウェ〜イなカップルとかでさ、『あ、これはアウェーかなぁ』と思いながらプラネタリアンに入ったらオタクばっかの完全ホームだったから、あの瞬間の安心感は他にないよね

カエル「そりゃ、まあ客層は全然違うだろうねぇ」

 

  •  1 全体感想
  • 以下ネタバレあり
  • 2 詳細な感想
    • 目的と動機について
    • 派手な演出
    • 細かい部分について
  • 3 批評パート
    • 名前の意味
    • 荒廃した世界の意味
    • 最後に

 

続きを読む

小説『海の見える理髪店(荻原浩)』感想 

カエルくん(以下カエル

「少し前に芥川賞作品を語っていたけれど、今回は直木賞作品にも手を出したんだね」

 

亀爺(以下亀)

「元々主は純文学よりも大衆文学のほうが好きじゃからな。主は芥川賞よりも直木賞のほうが興味はあったはずじゃ」

 

カエル「で、今回もブックオフで立ち読みしたのかな?」

亀「主も当初はその予定じゃったようじゃが、さすがにこの文量の作品を立ち読みで読むのは不可能じゃと思ったのか、すぐに買ったらしいぞ」

カエル「ブックオフで?」

亀「いや、そこはちゃんと新品を買ったらしいの」

カエル「……怪しいなぁ

亀「まあ、主のことはどうでもいいじゃろう。それよりもじゃ、世間一般は『面白い小説が読みたい』と言いながら、芥川賞にばかり注目するのはなんとかならんかの? 普通に考えれば、純文学よりも一般大衆向けの直木賞の方が大衆の望む『面白い』作品に……」

カエル「はい、感想スタート!!

 

  • 1 作品の全体感想
    • うますぎるが故に……
  • 2 各作品の感想
    • 海の見える理髪店
    • 空は今日もスカイ
    • 『いつか来た道』と『遠くから来た手紙』
    • 時のない時計
    • 成人式
    • 最後に

 

続きを読む

2016年9月度のオススメ映画をざっくり紹介

 これまであまり感想記事を上げる予定の映画を告知等はしてこなかったが、2016年9月度に感想記事をアップ予定の映画を書いていきたい。

 もともと9月度は夏アニメの最終月であり、10月から始まる秋アニメに向けての準備など話題が豊富な月ではあるが、さらに映画の方も注目作が非常に多い!!

 これは今月は相当忙しくなりそう……

 なお、あげた作品を必ず観に行くわけではないので、そこは容赦願いたい。

 

 基本的にアニメ映画は優先的に観に行こうと思っているので、アニメが多目になるものの、総集編ものはどうしようか迷うなぁ……

 

  • 9月1日公開
  • 9月3日公開
  • 9月10日公開(激選区!)
  • 9月17日公開(激戦区!!)
  • 9月24日公開
    •  最後に

 

 

続きを読む

宮台真司のシンゴジラ評に異議を唱えてみた

亀爺(以下亀)

「今回もシンゴジラの話題かの。飽きずによく続くのぉ」

ブログ主(以下主)

「それだけ魅力的な話題が多いってことだよね。社会現象と言われるだけのことはあるわ」

 

亀「今回はおそらく、初めて人の評論の内容に言及していくが……」

主「他のブログでも面白い記事などは言及したい時もあるけれど、あまりやりすぎるとね……あとはさ、これだけ知名度も評価も高い宮台真司だったら、自分ごときが何を言っても絶対に影響しないし、逆立ちしても勝てるわけがない。

 だから安心して噛みついていけるよね。これがブロガー同士だと何とも言えない泥試合になりそうだし……」

 

亀「まあ、宮台真司からしたらわしらは夏場の蚊のようなものかもしれんからの、『鬱陶しいな』くらいにも思わんじゃろう」

主「……人間を一番殺している生き物は蚊だけどね……ふふふ」

亀「わしらなんぞ、殺虫剤を撒くまでもなく瞬殺じゃな

 

宮台真司のシンゴジラ評はこちら

宮台真司の『シン・ゴジラ』評:同映画に勇気づけられる左右の愚昧さと、「破壊の享楽」の不完全性|Real Sound|リアルサウンド 映画部

 

このブログのシンゴジラ評論はこちら

 

blog.monogatarukame.net

 

 

  •  1 宮台真司のシンゴジラ評を何となく解説
    • 『破壊の享楽とは?』
    • リアリティの中に根付く『嘘』
  • 2 日本の縦割り行政と『エヴァ』
    • エヴァに対する認識の違い
  • 3 宮台真司の論調に意見を
    • 『破壊の享楽』について
    • 映画の見方
  • 4 まとめ
    • 最後に

 

続きを読む