いよいよ今週でさらば真選組編も大詰め、原作でここを読んだ時も非常に感動したなぁ。
むしろこのシーンを見るためにさらば真選組編を見てきたと言っても過言ではないかもしれない。
前回の記事はこちら。 OP演出などの話はこちらでしているので、興味があれば是非。
今回の記事は短め
今週は佐々木と信女の2人が話題を独占するだろう。
まず、なんといっても話の作り方が非常にうまい。
名前ネタというのはベタではあるものの、親が付ける一生を左右する極めて大事なもので、そこに込められた意味というのは非常に大きなものがある。これは漫画などでも同じで、名前から大筋のストーリーが想像できる作品もあるほどだ。(その多くが全て明かされてから気がつくパターンが殆どだが)
それをこの大事な終盤できっちりともってきて、しっかりと魅せてくれるのはやはり引きこまれる。どれだけ信女を大事に思っていたか、愛情をかけていたか100の言葉よりも雄弁に語る演出だろう。
また、途中でどうしようもないギャグを挟んでくるのもいい味を醸し出していた。ここで泣かせよう、泣かせようと感動の雨嵐だと逆に観客は引いてしまうこともあるが、ギャグをクスリと挟ませることで、余計に感動が引き立つスイカに塩のような相乗効果があっただろう。
そして数々の演出のラストのサブタイトル『信女』で私は涙腺を強烈に刺激させられてしまった。この辺りの演出はいかにもアニメらしくて、スタッフの並々ならぬ気合が伝わってくるようだ。
先週の記事でOPの佐々木が画面の右に現れて、右側に歩いていく意味は語ったと思うが、その時に言っていなかったことがひとつある。
佐々木は右に歩いて行き、そしてフェードアウトしてしまうのだ。
この演出は佐々木の先を暗示していたようで非常に興味深い。右に消えるというのは基本的に下手から上手への移動なので、反逆、意志の強さという意味もあるのだが、ここでは後退、過去という意味で考えていくと、佐々木は最後に信女との過去について考えながら空に消えていくということを暗示していたのではないだろうか?
佐々木は未来を見て消えていったのではなく、信女という娘を見ながら、その過去を懐かしみながら消えていった。その意味においては後退と言えなくもないが、これほど清々しい後退も中々ないだろう。
個人的には転落しながらの過去の回想というのは名作が多くて、非常に好きな演出である。(カウボーイ・ビバップの5話や、GUNGRAVEの伝説の神回14話など、不思議と転落するシーンというのはみんな過去を思い出しているシーンが多い)
あとはやはり声優陣の演技力も圧巻の一言に尽きる。
特に平野綾は実力だけならば当代随一と思えるが、演技以外の外野のゴタゴタもったいないなぁといつも感じてしまう。間違いなく天下を取れた逸材だったろうに。
残り1話となってしまったが、予告を見る限りでは相当作画陣も気合が入っているのが見受けられる(予告の信女だけでも際立って美しかった)
最後の1話を楽しみに待ちながら、次の長編の製作決定を心から楽しみに待っていたい。