物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『伊藤くんA to E』感想 意図はわかるが、この作品でそれをやらなくても……

カエルくん(以下カエル)

「今年初の恋愛実写映画の記事になります!

 今年もこの手の恋愛映画も観に行くの?」

 

ブログ主(以下主)

「行けるだけ行こうかなぁ。

 意外な傑作、良作もあるし……」

 

カエル「今回も廣木隆一監督だから観に行ったようなものだしねぇ」

主「この手の映画は同じような監督が続いていることもあるんだけれど、だからこそその監督がやりかったことが分かったりして、意外な楽しみ方もあるんだよね。役者のファンも鑑賞すること多いから、ちょっと気は使うところもあるけれど、でも面白い部分もある作品でもある」

カエル「……まあ、一般的な楽しみ方ではないだろうけれど、そういう意見もあるよってことで! 

 ちなみに今回も原作、ドラマ版は未見の感想になります!

 では感想記事のスタートです!」

 

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 廣木隆一作品として
  • 以下作中に言及あり
  • 2 本作の演出的ミス?
    • 演出の意図
    • 本来の意図とは違う?
  • 3 本作で描いた廣木監督の意図を考察する
    • 物語論としての本作
    • ここまでを踏まえての総評
    • 最後に

 

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『映画 けいおん!』感想&考察  楽曲だけじゃない! 細かい演出に込められた思いを読み解いていく

カエルくん(以下カエル)

「今回は旧作を語ろう! ということで、京都アニメーション作品であり、山田尚子監督のデビュー作である『映画けいおん!』について語っていきます!」

 

ブログ主(以下主)

「もう7年前の作品? ああ、もう嫌になるよねぇ」

 

カエル「あの時は大ヒットしたし、それこそ010年代のアニメを語るのに絶対欠かせない作品の1つだよね」

主「京アニって今でもそうだけれど、主要声優陣全員がこの時は新人を抜擢したんだよ。名前もほとんど知られていなかったのに、今や大人気声優たちばかり。しかも、5人のうち3人が既婚者だよ?

 どんだけ時間が流れているんだ、って話だよね。この間に自分は何をやっているんだろって思うと、辛くなってくるというか……」

 

カエル「うん、そこいら辺はあんまり考えないようにしようか。

 今改めて鑑賞して感じること、思うこともあるので、そこをしっかりと言葉にしていきたいね。

 あと、先に言っておきますがファンの方には若干カチンとくることも語りますので、そこはご了承下さい

主「というわけで、映画けいおんの感想&考察スタートです」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 けいおんに対する個人的な思い
    • けいおんの欠点
    • なぜ京アニは本作を選んだのか?
  • 2 映画 けいおんについて
    • 本作が描いたもの
  • 3 各シーンが示すこと
    • OP後の変化の予感
    • ロンドン編
    • たくさんの唯
    • そして日本へ
    • 全てが詰まった屋上のシーン
    • ラストのタメ
  • 4 山田尚子作品として
    • 山田尚子の映画作品に共通するテーマ
    • 最後に

 

 

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ブログ開設2周年! 2017年の反省と3年目のマイナーチェンジについて語っていきます!

 2016年の1月10日に『物語る亀』が発足し、丸2年となりました。

 多くの個人ブログが3ヶ月も持たずに終わっていき、2年継続するのは10%ほどしかないという中で、2年間も継続できたのは自分でも驚きのことでもあります。

 それもすべて、当ブログに足を運んでくださる方々の日頃のご愛好によるものであり、ここに深く感謝いたしたします。

 

 野村克也氏の言葉に『1年目に種を蒔き、2年目に水をやり、3年目に花を咲かせる』というものがあります。

 一般的にも3年目というのは勝負の年と言われており、飛躍を成し遂げる時でもありますが、そのためにも様々なことに挑戦していくことも必要になってくると思います。

 そのために色々と新しいことを始めていくつもりであります。

 

 今回はこの2年目の振り返りとともに、今年の目標や変化についても考えていきたいと思っています。

 

  • 1 2年目を振り返って
    • 映画ブログについて
    • 地力は増してきた?
  • 2 今後について
    • 新作映画、減らします
    • 旧作映画、増やします
    • Netflix参戦!
    • 最後に

 

 

 

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映画『キングスマン ゴールデン・サークル(キングスマン2)』感想 いやいや、歪みありまくりでしょ!

カエルくん(以下カエル)

「えー、今回はファンの多い大作映画を扱うということで、かなり緊張しています。

 というのも……実は最初のキングスマン、世界中でファンが多いのですが……うちでは割と酷評なんですよねぇ

 

ブログ主(以下主)

「まあ、全員から絶賛されるような表現なんて世界中にないですから」

 

カエル「今回はなぜキングスマン1のことを酷評するのか、という点についても触れながら語っていく記事になりますので、最初に言っておきますが『2はともかく1を悪くいうことは許さん!』という人は、お引き取りください。

 他のブログの方がしっかりと好意的に解説してくれていますので……」

主「逆に『キングスマン、いうほどじゃないよね?』と思うあなた! そこのあなたは仲間が見つかった! という記事になりますので、ぜひ読んでくださいね!」

カエル「……なんか炎上商法狙っているくさいなぁ」

 

主「でもこれって大事なことなんだよね。2で色々と語ることがあるけれど、なぜそうなったのか? ということは実は1にも原因がある。

 自分もそうだけれど、好きって盲目なんだよ。

 あばたもえくぼ、ちょっとした欠点は全く気にならなくなってしまう。

 これはなんでもそうだけれど、時々は自分と正反対の意見を聞いた方がいいよ。批判意見にも真っ当なこともあるし、着眼点が違うだけだから。右寄りの人は朝日新聞や毎日新聞を読み、左寄りの人は産経新聞や読売新聞を読む。そうすることで得ることも多いので……」

カエル「……という自己弁護からスタートです!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 1の批判点
    • チグハグな映画
    • それでも支持される理由
  • 以下 ネタバレあり
  • 2 ゴールデンサークルの感想
    • 政治的な配慮によって
    • 世界情勢と正義
    • 最後に

 

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映画『中二病でも恋がしたい!-Take on Me- 』感想 勇太の思いは果たして届くのか!?

カエルくん(以下カエル)

「新年1発目の新作映画レビューであり、映画館初めと参りましょう!

 その作品はもちろん、うちでは京アニ作品です!

 

亀爺(以下亀)

「なぜキングスマンなどを回避したのか、と問われたら、その理由はこの映画を新年1発目に決めていたからであるからの」

 

カエル「映画初めが京アニでできる機会なんてそうそうないからね!

 この作品のために年始も1度も映画館に行かず、じっとしていたぐらいなんだから! かける意気込みが違うよね!」

亀「……それは単に寝正月を過ごしておっただけだがの」

カエル「さて、新年1発めの新作映画レビューだよ! 張り切って行っちゃうよ〜!!」

 

亀「ちなみに、中二病でも恋がしたい! は1期は鑑賞したがほとんど忘れており、ついこの間総集編を見直した程度であり、2期は全く見ておらん」

カエル「本当は前日のニコニコ動画の一挙放送でも見て予習しようかなぁ、と思っていたけれど……デビルマンが配信開始てそちらを見ていた関係上、すっかり忘れていたというね」

亀「なので若干的外れなことを言い出すかもしれんが、それはそれでご愛嬌で。

 では、感想記事を始めるとするぞ」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • ロードムービー
    • 中二病でも恋がしたい! という作品が描いてきたもの
    • 勇太の男性像
  • 以下作中に言及あり
  • 2 本作の意義とは?
    • あの作品と対になる存在?
    • 本作から見えてくる決意
    • 最後に

 

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『DEVILMAN crybaby』感想 泣き虫デビルマンに湯浅政明が込めた願いと祈りに涙が溢れる

 Netflixで配信されているデビルマンの感想を書いていこうと思うのだが、あまりの衝撃に言葉が出ない自分がいる。

 それほどまでの作品であり、この記事を書き始めた今、どのような記事になるのか、構成なども何も考えずに書き出している。

 

 そもそも、デビルマンを語るということはとても難しいことである。

 何せ、相手は漫画史に残る名作中の名作であり、漫画の神様である手塚治虫と並ぶほどの大巨匠、永井豪の代表作でもある。そして、おそらく100年経った後でも読み続けられるであろう、文学的価値の高い作品である。

 そのような作品を現代にリメイクしようという試みだけでも、ハードルが高くプレッシャーが強かったことだろう。

 しかも手掛けるのは世界的な評価の高い湯浅政明である。

 

 まず、最初に注意しておきたいのがデビルマンのアニメ化である。

 今作は人を選ぶ。

 そして、かなりのエログロの物語となっている。

 そのために、鑑賞する際はかなりの覚悟を持ってNetflixを覗いてほしい。決してテレビでは味わえない刺激、その先にある感動があなたを待っているはずだ。

 

 

 ネタバレ含みます!

 

  • 1 デビルマンについて
    • 悪魔のデザイン
    • 本作の欠点について
  • 以下ネタバレあり
  • 2 本作が描き出したもの
    • キリスト教の影響
    • 悪と称される存在への祝福
  • 3 実写版デビルマンと本作
    • 実写版の影響
    • あの名台詞がカットされた理由について
  • 4 インターネット配信で公開される意義
    • 走ること、その意義
    • 最後に

 

 

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映画『あゝ、荒野(あぁ、荒野)』前篇後篇通しての感想 

 子供の頃から格闘技が好きで、何度もテレビにかじりつくようにその試合を観戦していた。ブラウン管の奥では筋肉隆々の男たちが、己の意地と相手への親しみと憎しみを込めながら拳を振るい、その腕を、足を、首を折るかのように関節を極めていた。

 なぜ人は格闘技に熱中するのだろうか?

 刀を持てばどんなに屈強な男でも女性にも負ける。銃ならば子供でも殺せる。原子爆弾を使えば人類が滅亡する。それほどの科学力を人間は獲得しながらも、血みどろになりながら戦う男たちの姿に熱狂し、誰が、どの格闘技が最強なのか、正解のない答えを求めて戦い続ける。

 ステゴロ最強。

 

 時々、残酷なスポーツの世界に憧れることがある。彼らがおかれた状況は過酷であり、どんな努力も、どんな才能も、どんな経歴も全て結果の前には儚く散りゆくしかない。

 それに比べると芸術や文化の世界というのは、勝敗が曖昧な分言い訳もできる。

 この記事が思ったよりも読まれなかったのはGoogleが評価しなかったからであり、その評価方法が不明である以上仕方ないじゃないか、と毒吐くことができる。このGoogleを審査員なり観客なりにすり替えてしまえば、奴らの見る目がないからだ、と吐き捨てて今日も酒を呷りに行けるのだ。

 だが、彼らはそうではない。

 審査員は己の体、倒れたら負け、倒したら勝ち。極めて単純明快で、それゆえに逃げ道のないリングである。

 

 この映画は、そんな男たちの物語だ。

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 寺山修司について
    • ボクシングと成り上り
    • 全てを憎め!
    • 寺山が愛したもの
  • 2 不完全な死体
    • 祖国をぶち壊せ!
    • 完全なる死体へ 
    • 蛇足

 

 

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