物語る亀

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物語愛好者の雑文

物語における完成度ってなんだろう? 取捨選択のできている作品とそうではない作品の評価の違いについて考えてみた

カエルくん(以下カエル)

「ねえねえ亀爺。このブログでさ、よく『完成度』って言葉が出てくるけれど、実際完成度ってなんだと思う?」

 

亀爺(以下亀)

「……まあ、このブログで完成度という言葉を語る際は、映画が良くてテンションが上がっておることも多いからの。一週間もして改めて冷静に考えると『言いすぎたかな?』と思う部分も多々あるの」

 

カエル「よくも悪くもだよねぇ……まあ、いい方にテンションが高かったら怒られにくいからいいかもしれないけれどさ」

亀「シンゴジラなど、テンションが高すぎておかしなことになっておったからの

カエル「そうだよねぇ……冷静に考えるとツッコミどころも多々あったけれど、それでもそんな欠点を上回るほどの長所に溢れかえっていて、物語を語る難しさを感じたよね」

亀「『うまい映画』『面白い映画』はまた違うし、さらに言えば『穴は多いが魅力も多い映画』『穴はないが魅力もない映画』というものもあるからの。これは映画だけではないが、完成度だけで評価することはできんの」

カエル「じゃあ、今回はその『完成度』について考えていこうか」

亀「それでは記事の始まりじゃ」

 

 

  •  1 完成度とは何か?
    • 狙う点数と獲得した点数
  • 2 完成度とは?
    • 100点を狙って60点と、60点を狙って60点の違い
    • 最後に

 

 

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2016年の映画と震災〜『シンゴジラ』と『君の名は。』と『この世界の片隅に』〜

亀爺(以下亀)

「今回は2016年を代表する映画をまとめて批評するんじゃな」

 

ブログ主(以下主)

「やっぱりさ、今年の邦画大豊作の中でも『聲の形』も含めて、この4作品は異常だと思うんだよ。

 語り方は色々あるけれど……今回は『シン・ゴジラ』と『君の名は。』と、そして『この世界の片隅に』の3作品に注目して語っていきたいと思う

 

亀「やはりこの時期にこのような作品が出てくるというのは、結構大きい変化かもしれんの」

主「もう何度目かわからないけれど……やっぱり今年、話題になった作品は邦画界を変える力があると思うんだよね。

 それはTwitterを中心としたSNSの爆発力を利用した宣伝方法だったり、監督名などに頼らない話題性だったり……まあ、シンゴジラに関してはゴジラというビックネームと庵野秀明、樋口真嗣というアニメ、特撮界の有名人だから、少し違うかもしれないけれど……でも、その宣伝方法や予告編の作り方、作品だったりというものも特徴的だったよね」

亀「それでは感想記事を始めようかの」

 

  •  1 新たなる表現
    • 過去のイメージの踏襲と進化
  • 2 震災以降の作品として
    • 震災や戦争というどうしようもない現実
    • 恐怖のリアリティ
    • 最後に

 

 

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映画『きんいろモザイク Pretty Days』テレビシリーズ未見の感想 萌え日常アニメって完成されているんだなぁ……

カエルくん(以下カエル)

「……今週は映画鑑賞後の感情の変化が激しいね」

 

亀爺(以下亀)

「元々戦争中の広島という重い時代に暮らす人の日常をコミカルに、しっかりと描いた今年屈指の名作『この世界の片隅に』があり、グロテスクな描写が多く、こちらも重い雰囲気である『ミュージアム』をみた後に、この映画を見るわけじゃからな……」

 

カエル「相変わらず……煮物とお味噌汁でご飯を食べた後に、塩だけで酒を飲んで、さらにお砂糖たっぷりのケーキを食べるかのような滅茶苦茶な食べ合わせだね」

亀「まあ、主らしいといえば主らしいがの。特に今週はバラエティに富んだ作品が続いておるの」

カエル「しかもさ、この世界の片隅にを見たあと『シン・ゴジラ』をまた見に行っているんだよね。広島の核兵器に関する作品をみたあとに、現代における核がテーマの映画を見に行くというのも、まあすごいもんだよね

亀「そう考えると意味がありそうな、なさそうな……滅茶苦茶なことなことをしておるの」

カエル「主は『シンゴジラとこの世界の片隅にをセットでどう語ろうかな……』なんて考えてそうだけどね」

亀「……こうやって記事は量産されていくんじゃな」

 

  •  1 人気アニメの劇場版
    • テレビシリーズ未見でも大丈夫?
  • 2 この作品の強みとは?
    • 日常系アニメの形
    • 最後に

 

 

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映画『ミュージアム』感想 今話題の映画との共通点も! これがサスペンスの一つの形なのか!?

カエルくん(以下カエル)

……この映画を語るにおいて、このブログほどふさわしくて不適切なブログもそうそうないよね

 

ブログ主(以下主)

お前か! お前が犯人なのか!?

 

カエル「ち、違うよ! 僕は人畜無害なカエルだよ! 人に危害を加えたことなんて一度もないよ!」

主「嘘をつけ! 虫を食べたことはあるだろうが!」

カエル「食事すらもNGなの!?」

主「ははは……冗談だよ。お前がカエル男なわけがないじゃないか。誰もそんなこと、疑ってないよ」

カエル「主……ぅ……グス……ありがとう、人の心の温かみが嬉しいよ……」

主「お前が妻夫木聡なわけないじゃないか! 自惚れるなよ」

カエル「そっちかい!」

主「は!? それなら自分は小栗旬!? おお……あんなイケメンだったのか……」

カエル「……コントはここまでにして、映画の感想記事を始めるよ」

 

  •  1 ネタバレなしの感想
    • グロテスク度
    • 役者について
  • 以下ネタバレあり
  • 2 演出のうまさ
  • 3 構造について
    • デスノートと同じような構造
    • まとめると
  • 4 ツッコミどころ
    • 裁判の疑問
    • 事件に対する美意識
    • 『カエル男』である理由
  • 5 テーマ性について
    • 裁判員制度
    • 表現の自由
    • 詰め込まれたテーマ
    • 最後に
 

 

 

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2016年アニメ映画の革命〜『君の名は。』と『聲の形』と『この世界の片隅に』と〜

カエルくん(以下カエル)

「今回は今年の日本アニメ映画の主役とも言える、3作品を語った記事だね」

 

ブログ主(以下主)

「やっぱり今年はこの3作品が特に注目を集めた(集めている)からな。あとはプラスして『シン・ゴジラ』もセットで語りたいけれど……一応邦画だしさ、そこまで手を伸ばすとヒッチャカメッチャカになると思ってさ」

 

カエル「一応これからもアニメ映画は公開されるけれど……」

主「ほとんどがテレビシリーズの総集編とか、続編だからね。ポッピンQ』もあるけれど、年末だからさすがにどれほど名作でも語るチャンスはなさそうだしなぁ……」

カエル「まあ、ここで一度ある程度の総括をしておきたいってことね」

主「でもさ、2016年度は他にも語りたいアニメ映画がないわけではないんだよ? 『ズートピア』もあったし。あれも完成度の高さでいったら今年No,1だから。その意味でも大豊作だよね」

カエル「キャラクターものも面白かったもんね」

主「実写の邦画自体も面白かったしね。洋画があまり目立たない一年だったんじゃないかな?」

カエル「そうかもね。じゃあ、記事を始めようか」

 

  • 1 アニメ界に起きた大事件
  • 2 意外な大ヒット
    • 知名度の差
  • 3 新しい宣伝スタイル
    • 新しい集金スタイル
  • 4 新しい監督たち
    • 最後に

 

 

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映画『この世界の片隅に』批評と考察 失ったものと、得たものとは? ※ネタバレあり

亀爺(以下亀)

「では続いて、ネタバレありの批評、考察記事を書くとするかの」

 

ブログ主(以下主)

「……この件に関しては少し失敗したんだよなぁ……」

 

亀「失敗? 何をじゃ?」

主「もうさ、あまりにも評判がいい上に、元々原作大好きで……しかもアニメも当然好きだからさ。もう評判の映画になるのはわかりきっていたんよ。

 公開前日の昨日の夜から、楽しみで眠れない子供状態だよ! だからさ、ついつい……色々と調べちゃったのね。Twitterの反応だったりさ」

亀「公開前から話題になっていた映画じゃからの」

主「で、当然あの人の話題にもなるわけよ」

亀「……映画評論家の巨人、町山智浩じゃな

主「そう。普段はさ、映画の感想記事や考察記事を書く前に、事前に調べることってあまりしないのね。それをすると、作品を語るときに切り口がその人に似ちゃうから。

 だけど……本作は聞いちゃったんだよね。しかもさ、公開前なのに3回も見てるんだぜ!!

 なにそれ! そのうち1回分頂戴よ!!

 

亀「単なる映画ブロガーと一流の映画評論家を比べてはいかんじゃろう。間違いなく観客動員数もそちらの方が貢献しておるし、それこそアリと象どころか、地球と砂ほどの差があるぞ」

主「うるさい! 

 まあ、それはいいとして……なので、少し見方が引っ張られると思うけれど、それはご容赦を。いつもならばこう言う注意書きもなく、いきなりツラツラと書いちゃうんだけどね。

 逆に言うと事前情報なしでいつも書いているんだよ! すごくない!?

亀「いいからさっさと始める!」

主「はいはい……」

 

ネタバレなしの感想記事はこちら 

blog.monogatarukame.net

 

 

ネタバレありなのでご注意ください!!

 

  •  1 原作との印象の違い
    • 物語の導入
    • 海の絵
  • 2 様々な動物
  • 3 脚本のうまさ
    • 緊張と緩和の先に……
  • 4 径子の描き方
  • 5 奪われたもの
    • のんを起用した理由
  • 6 左手で掴んだもの
    • のんを起用できたこと
  • 7 音楽について
    • 余談 『広島の空』
    • 最後に

 

 

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映画『この世界の片隅に』ネタバレなしの感想 笑い声が起こる戦争映画を知っていますか? 

カエルくん(以下カエル)

「…………噂に違わぬ作品だったね」

 

ブログ主(以下主)

「…………まさかここまでとは」

 

カエル「今年の映画界は素晴らしいね。特に……趣味もあるかもしれないけれど、オタク映画というのかな? 

特撮の『シン・ゴジラ』アニメの『君の名は。』『聲の形』ときて、さらに『この世界の片隅に』が加わったね」

主「どの作品も普通の年ならば年間1位クラスだよ。それがここまで重なるとは……異常な年だなぁ。

 個人的には2013年がアニメ映画の大ヒット年だと思っていたのよ。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』に『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』の3本があって、この3作品は今でもアニメ業界のトップを走っていると思っているよ。そこにさらに今をときめく新海誠の『言の葉の庭』やあまり知名度はないけれど『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』とか、クラウドファンディングとアニメという枠では先駆的な『リトルウィッチアカデミア』が最初にアニメミライで発表された年でもある。

 だけど、2016年はこの衝撃を超えたかもしらんね……」

 

カエル「しかも、新海誠や片渕須直、山田尚子という『アニメ好きなら知っているけれど、一般には知名度がない』とされる人たちが監督をした作品だもんね」

主「ジブリとか、テレビシリーズの人気作ではなくて……もちろん原作人気や監督、制作会社の人気はあったにせよ、飛び抜けた知名度があるわけでもない中でこの大ヒットや名作を作り続けているわけで……

 アニメ界、邦画界が変わった年として語られるかもしれんな」

 

カエル「じゃあ、そろそろ感想記事を始めようかな」

主「この記事ではネタバレなしのレビュー記事を書いていくよ

 

  • 1 戦争を扱った作品
  • 2 声優について
  • 3 表現技法として
  • 4 クラウドファンディングとアニメ
    • 最後に

 

 


映画『この世界の片隅に』予告編

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