物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『スーサイド・スクワッド』感想 ハーレクインが超かわいい!!

カエルくん(以下カエル)

「このブログって毎週映画感想記事をあげているけれど、意外なことにこういうCGがすごい実写系娯楽映画って実はこれが初めてだったりするんだよね」

 

亀爺(以下亀)

「それはそうじゃろうな。普段からアニメで爆発やらCGをたくさん見ている主からすると、今作のようなアニメのような映画を見たいとは思うまい」

 

カエル「じゃあ、なんで今回はこの映画を見にいったの?」

亀「単純に悪党どもが大活躍、というのが面白そうというだけじゃな。これがいつものようにヒーローが集合して悪を倒すという内容であったならば、スルーして『超高速!参勤交代 リターンズ』でも見に行ったかもしれんの。ちなみに、超高速の映画感想記事は12日の月曜日、日付が変わった頃にアップ予定じゃ」

カエル「ここでも宣伝を欠かさないんだね……」

亀「これくらいは基本じゃろう!!

 ちなみに、今回は吹き替え版を鑑賞したので、字幕版とは少しニュアンスが違うかもしれないことは、先に言っておくぞ

 

 

 ハーレクインが超かわいい!!

 

カエル「まず、何と言ってもここに尽きるよね!! この映画を見に行く人の8割はハーレクインが可愛い!! って理由なんじゃないの!?」

亀「さすがにそれは言い過ぎかもしれんが、この男臭い世界観に、出てくる女性も若い女性は少ないから余計にハーレクインが目立っておったの」

カエル「もうさ、吹き替え声優の東條加那子の声質もあったからかもしれないけれど、魅力的でさ! ダンスシーンからメイク前の素顔から、お着替え後に至るまで、もうご褒美シーンの連続だよね!!

 

亀「……そこまでテンションが上がるか。じゃが、確かに今作において一番印象に残ったキャラクターは誰かと言われたら、やはりハーレクインが票を集めるじゃろうな。なんというかの……すごく『アニメ的』なキャラクターデザインではあるがの、この映画全体がアニメ的じゃから、全く違和感がない。

 世界観がある程度統一されておるんじゃな」

カエル「そうだね。今回吹き替え版を見に行ったのも、この作品を『実写映画』として見に行こうというよりは『アニメ』を見に行く感覚で行ったからね

 

亀「その意味では今作は全てがデタラメというか、技術が現代を遥かに凌駕しておるし、ジョーカーにしろキラークロックにしろ、人間的でないキャラクターもおるが、世界観が統一できておるから漫画的な部分が浮かないの。これが日本の映画に欠けている部分じゃろうな」

カエル「それだけお金かけているしね」

 

キャストについて(吹き替え声優について)

 

カエル「もうアニメとして見に行ったから、ジョーカーはまさしく子安武人! って感じのキャラクターだったよね!

亀「そうじゃの。ハマリ役すぎて笑ってしまったほどじゃな。完璧じゃった」

カエル「それからカズレーサーだよ!! 最後まで全く気がつかなかったし、完璧だった!」

亀「まあ、役が役じゃから声が加工されておるというのもあるじゃろうが、それを差し引いても完璧な演技じゃったな。なんでもできる稀有な芸人じゃの」

 

カエル「全体的にアニメとして見に行ったからか、そんなに違和感はなかった印象かな。致命的なミスとかはなかったと思う」

亀「じゃがの……こういうことはあまり言いたくないんじゃが、今作は『悪い意味でアニメ的』になってしまった感があるの」

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

悪役を主人公にするということ

 

カエル「今回の作品の最大の特長はここだよね。悪役が主人公ということに意味があるわけで、これが普通のヒーローだったら差別化できていないから、注目度も少し落ちたかも」

亀「じゃが今作の場合、悪役が主人公でありながら、実はあまりそうなってはおらんかったな

カエル「というと?」

 

亀「あのメンバーは確かに重大な罪をいくつも犯した連中じゃ。殺されたって悲しむ者なんかほとんどいないどころか、その犯人が賞賛されるような連中じゃろう。

 じゃが、本作の描き方の中で、明らかに悪人と思えるのは頭のネジの外れたハーレクインと、あとはキャプテン・ブーメランくらいじゃろうか。

 他の面々は容姿が怪物として生まれてきてしまったり、特殊な能力があったり、職業として殺し屋をやっているだけという面々じゃ。その本質からして悪人というわけではないように描かれておった

 

カエル「そうだね。特に今作の主人公格のデッドショットは描写だけ見ると『女子供は殺さない、娘大好きな凄腕の殺し屋』って、正直悪役っぽい設定ではないもんね。それこそ『CITY HUNTER』とかに普通に出てきそう」

亀「ここの設定がうまく生かしきれてない印象はあったの。

 例えば、あいつらはなぜ危険をおかしてまで敵の本拠地に乗り込むんじゃ? はじめは爆弾の存在で説明がつくが、それも脅威ではなくなった後でも一緒についていったわけは?」

 

カエル「フラッグ大佐の思いに触発されたんじゃないの?」

亀「それこそおかしな話じゃろ? それまで、人を人と思わぬ悪逆の限りを尽くし、自らの生きたいように生きた『悪党』どもじゃろ? それがなぜ人助けをしに行く?

 この目的の先にあるのが打算や快楽であるならば、この行動もわかるのじゃ。自由になるとか、大金が手に入るとか、戦うこと自体が快楽とかの。でもそうではないじゃろう?

 つまり、本作は『悪党どもが大暴れ!!』ではなく『悪党どもが正義の味方になって戦うよ!』というアベコベなことをしてしまっておる。

 その描き方でもいいはいいんじゃろうが……カタルシスは少なかったの」

 

カエル「もっと悪党らしさが欲しかったってことね。特に後半は」

亀「あれだけ秩序が乱れた世界なんて、むしろあいつらが好きそうなものではないか。『魔女の方につく!』と言っても何ら問題はない上に、その方が自然だとすら思うがの」

 

 

blog.monogatarukame.net

 

能力の統一性

 

カエル「これは何?」

亀「簡単にいうと『強い者と弱い者の差が大きい』ということじゃな。例えばハーレクインなどは身体能力は異常じゃが、それ以外は銃やバットで攻撃する、ネジが外れておるだけの普通の人じゃ。

 キャプテンブーメランやデットショットも似たようなものじゃろう。武器の使い方がすごいだけじゃからな。

 一方でディアブロはもう異常なほど強い。むしろあいつ1人で十分なのではないかというほどに強い。あれだけ強いと活躍の場を奪いすぎるから、途中までは戦っておらんかったろう?

 その結果、能力のバランスがとれておらず、バラバラになっておる

 

カエル「これは別々のヒーローの悪役たちを連れてきたからってのもあるだろうね。そのヒーローの強さに応じて、敵の強さも変わってしまうし

亀「これが日本の悪役であれば、そうじゃの……戸愚呂兄弟、ヒソカ、DIO、クロコダイル、バーン……あとは女性の敵というと……妲己あたりが組むとしよう

カエル「ジャンプの名悪役たちだね……でもさ、その面々だと意外とバランスが取れているような気もするけれど?」

 

亀「……確かにそんな気がするの。じゃが、ここに魔人ブウを入れた瞬間にバランスが崩壊するじゃろ? 惑星丸ごと破壊する敵は組ませられん。そうなるとの、物語としてはブウに眠ってもらうしかないんじゃよ。強すぎるからの」

カエル「だからバランスというか、統一性が大事ってことね

 

キャラクターの描き方の難しさ

 

カエル「これはあれ? アメリカでおいてこの作品が炎上しているって話?」

亀「そうじゃの。これはハーレクインがあまりにも恋愛脳すぎると、古風的な女性すぎると炎上したらしいの

カエル「へぇ……原作も知らない人間からするとこんなもんじゃないって思うけれどね。これはこれでアリというか」

亀「日本人には分かりやすい話じゃが、向こうではそうではないのじゃろう。特に日系人の刀使いがいたじゃろう?」

カエル「ああ、1人だけ『ニンジャスレイヤー』から飛び出してきたような、日本人からすると違和感しかないような女性ね

 

亀「……まあいいじゃろう。その人も亡くした旦那を思ってグスグスと泣いておるじゃろう? そのシーンなどもすべて……こう、自立する女性像を目指す人たちからすると、違和感があるんじゃろうな

カエル「でもさ、それってどうなのよ? なんかそこまで批判し始めるとさ、逆に表現の幅が狭くなるじゃない?」

亀「そうじゃの。わしは原作をほとんど知らないし、この作品以外ではバットマン系も『ダークナイト』くらいしか見たことないような浅い人間じゃ。だから原作と違うという批判は、わしにはわからんが理解はできる。

 じゃが、女性の解放運動を描くだけなら当然OKじゃが、それに執着するあまりに他の古風な描き方を許さないというのは、わしは反対じゃな。差別的という意味でもないじゃろうし」

 

カエル「文化も違いもあるとはいえね」

亀「こういうところにも配慮せねばならないというのは、窮屈なものじゃの」

 

 

最後に

 

カエル「というわけでスーサイド・スクワッドの感想だったけれど、一言でまとめると……まあ、予想通りの作品ってところかな?」

亀「わしはあまりこう言った CG作品に期待をしておらんのでな。『正義と悪』という一方的な描き方はあまり好きではないし、その裏にあるものを描いて欲しいと思うからの

カエル「悪人が正義の味方をするっていう面白みもそこまで感じなかったしね……」

亀「でも、さすがはハリウッド娯楽作品じゃの。きっちりと2時間、それなりに楽しめたし、わしはこれはこれでありじゃと思うぞ。

 デートで『マジカル・ガール』を見た日には、もう一日中何も話せんからの。正当な娯楽作品ではないかの?」

 

カエル「そう考えると今週は『超高速参勤交代リターンズ』だったり『四月は君の嘘』だったりとデートムービーだったり、娯楽として軽く楽しめる作品がズラリと並んだね

亀「その中でもスーサイド・スクワッドは相当流行るじゃろう。好きなら見ておいても損はないと思うぞ」

 

カエル「じゃあ、僕たちも悪役になってさ、一回くらいレビューを書いてみようか!

『あ? レビュー? そんなもん書くわけないだろ!?』とかさ

『け! 最後はハッピーエンドかよ、折角だから景気良く核でもぶち込んでよ!!』とか書いてみようか!!」

亀「……それはレビューとして成り立たんじゃろう!!」

 

 

 

……一番下のねんどろいど、かわいいな。普通に人気が出そう。

スーサイド・スクワッド・サウンドトラック

スーサイド・スクワッド・サウンドトラック