娘が、朝帰りをしてきた。
いや、別にわかってはいるのだ。もう既に20歳を超えている大学生の女性であって子供ではないし、昨日は雨とはいえハロウィンだった。きっと至るところでパーティなどの催し物があったことだろうし、友達との付き合いもある。その中で少しくらい遅くなることだってあるだろう。
私だって同じくらいの年頃の時は、大学の同級生たちと集まって朝まで酒を飲みながら、麻雀をしていることはよくあった。
よく、妻にも怒られる。
『あなたは子供に甘すぎる』と。
それは自分でも重々承知しているのだが……どうしても女の子ということもあり、そして遅くに生まれた子供ということもあって、甘やかしてしまうところがある。
『お父さんは楽よね、甘やかすだけなんだから……躾するのはいつも母親で、嫌われるのも私だけ』
そう妻に愚痴を言われるのだが、夫を差し置いて2人で外にご飯を食べに行くなどして、寂しい思いをさせているのはどちらだというのか。そう反論するとやれ『帰りが遅いから』だの『女の好みと違う』だの『味オンチ』だのと言われるから、黙っていることにする。私が黙っていれば妻も上機嫌で娘も色々と心置きなく楽しめるだろう。
だが、やはり初めての朝帰りはやはりダメージが大きかった。
とりあえず外に出て適当にブラブラする。どこを歩いていてもハロウィン一色で、お化けやモンスターの類だけでなく映画やアニメのキャラクター、特撮ヒーローに扮した人がたくさんいて、それはそれで面白かった。小さな子供を連れた家族連れは、娘に不思議の国のアリスや白雪姫などの格好をさせながら買い物に興じている。
今、娘が小さかったら私も同じことをさせたのかなぁ……
どうしても娘のことが頭から離れずに、少しでも考えなくていいようにと映画館へと足を運んだ。
今日は、私のもう1人の娘に会いに行こう。
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