カエルくん(以下カエル)
「いよいよリトルウィッチアカデミアも最終回を迎えたねぇ」
ブログ主(以下主)
「来週からは何を楽しみにすればいいんだ……」
カエル「と言いながら毎期何か注目作品を見つけては、全話見ているんだけどね」
主「でも2クールアニメは喪失感も大きいよなぁ……結局今期は今の所LWAしかテレビアニメ記事は書いてないし。
テレビアニメの感想記事って書くのが難しいんだよ。完結していないからそれが伏線なのか単なる遊び心なのかもわからないし、スタッフもたくさんいるけれど、インタビュー記事などは大体完成して全話放送した後、しばらくしてから書かれるからね。
だけどこの作品は例えば魔法という要素にしても意味があるし、しかも成立した過程を考えたらすごく感慨深いものがあって……」
カエル「仕事もあっていくことはできなかったけれど、劇場での先行上映も盛り上がったらしいね」
主「行った人のTwitterを見たけれど、1番物語でやり残したことを痛感しているのはスタッフ自身だというコメントがあったみたいだけど、それは伝わってきた。ヤスミンカ回はなくちゃダメだったし、できればハンナとバーバラの回も入れて欲しかった。やりたかったこともたくさんあったと思う。
だけど25話という限られた時間の中では仕方ないことも多い。予算も当然限られているし」
カエル「テレビアニメでここまで隠喩や深読みができる作品ってそんなにないよね。しかも明らかに意味深なのではなくて、表向きはきちんとした魔法少女アニメとして成立しているし、メッセージ性も強いし……」
主「最初に言ってしまうけれど、最終回まで見てちょっと不満に思うことも0ではない。あの設定はなんだったのか? このキャラクターをもっと活かして欲しかった……そんなことは外野だからいくらでも言える。
だけどそれは1番スタッフがわかっているし、続編を1番望んでいるのもスタッフなんだろう。だからこそ……本作がセールス的に成功して、なんなら総集編でもいいから劇場版を作ってさ、この先の物語をまだまだ見たい。
そのためにはスタッフさんにお願いしますもそうだけど、ファンとして何ができるのか?
円盤を買うことができないならば、ゲームはどうだろう? 漫画の単行本はどうだろう? そういうところで応援することが大事なんじゃないかな?」
カエル「……まだ記事始まってないよ?」
主「でも、大事なことだからね。これから説明するけれど、LWAはファンの熱意で成立して、それを最大限に活かしてここまで成功した作品だから」
カエル「では最終話の感想記事を始めようか」
1 暗喩に満ちたリトルウィッチアカデミア
カエル「では、うちのブログでは毎回説明しているけれど、この記事が始めましての方にLWAをどのような作品と捉えているかという話をしようか」
主「本作は魔法を扱った魔法少女アニメである。だけど、それは表のことであって実はアニメ業界を描いたアニメである。
魔法とは手書きアニメ作画のことを語っている。ルーナノヴァとは魔法使い見習い=新人アニメーターの育成学校のことであり、アッコが得意とする……のかは微妙だけど、多用する変身魔法は様々な動物を描く技術、飛行魔法は空を飛ぶスピーディな作画技術などを示す。
だからアッコが変身魔法を得意として、空を飛ぶことができないというのは動物を描く技術はあるけれど、スピーディな作画ができないという意味と考える」
カエル「そう考えると本作の『時代遅れな魔法』というのは『時代遅れな(と思われている)手書き作画』のことであり、6話などで描いた経営難というのは苦しいアニメ会社の経営事情を示しているんだよね」
主「そしてクロワ先生などの科学というのはこれから先の新しい技術、CGやFlashなどのデジタル作画である。デジタル作画を導入することによってアニメ業界は楽になることがある。
実はクロワが果たした役割というのは、そこに由来している」
カエル「その役割って?」
主「それこそ新しい技術全般、デジタルに関することだよ。最終回でもクロワが『今までとは違うやり方で新しい魔女の姿を見せる』と語っているけれど、その全く違う、新しいやり方というのを現実に置き換えるとインターネットやTwitterなどのSNSだったり、海外向けの配信サイトなどになる。
クロワがやってしまったことというのは炎上商法なんだよ。途中まではそれが制御できると思っていたけれど、もはや炎上しすぎて手のつけようがなくなってしまった。それが24話の暴走だろうね」
悪の存在しない物語
カエル「これは結構序盤から言っていて、本作ではクロワも絶対に心底悪という描写はありえないし、そもそもラスボスのような悪党は出てこないって言ってきたよね?」
主「というか、構造的にそうすることができないんだよ。本作は『アニメを語る』というのが裏テーマであるけれど、そういう作品は悪党を生み出すことが難しい。ある意味では、お仕事ものの1つの欠点でもあるかもしれない。
仕事って分かりやすい悪ってなかなかいない。もちろん分かり合えない人もいるし、ムカつく上司もいるし、使えない部下もいるし、無茶を言ってくる他部署もやクライアントもいる。
だけど、彼らを排除すればすべて解決か? というと……そういうわけじゃないじゃない? いや、解決するケースもあるかもしれないけれどさ、少なくともアニメ作りにはそれでも必要な人たちであるわけだ」
カエル「みんなが協力して作り上げていくものだしね」
主「そう考えると、本作は明確な悪を倒してハッピーエンド! にはなりづらいんだよ。クロワみたいな人も必要だし、もちろんアッコも先生もアンドリューもみんな必要だからこそ、悪党を出しておしまいにはできないという特徴を構造的に抱えている。
ラストが科学の武力の象徴、ミサイルの魔獣化だったのも、それ考慮しているからこそだろうね。本作では魔法と科学が何度も対立軸として語られていて、これはラストに倒すべき明確な悪のキャラクターが生み出せないから、という理由もあると思う。
ある意味では『ペンは剣よりも強し』という武力に打ち勝つ文化の物語にもなったし、個人的には思うところはあるけれど良い落としどころを見つけたな、という印象かな」
2 24話が示したもの
カエル「最終回前の話、24話についてちょっと触れていこうか」
主「……自分はアッコ=新人アニメーターだとしたら、じゃあアーシュラは一体なんだろうって考えたんだよ。シャリオは憧れの存在であり、アニメ業界でいうとトリッキーな作画で有名になった凄腕アニメーターだと言える。
でも問題は本作では『シャリオ』ではなくて『アーシュラ』が先生なんだよね。わざわざ偽名まで使ってさ。
これが示すのはアッコたち(新人アニメーター)を育成する指導者としてのアーシュラの姿だよ」
カエル「……どういうこと?」
主「アーシュラっていい人だけど先生としてはそこまで有能というわけではなくて、どちらかというと失敗も多い指導者としてはまだ未熟なところがある。最初は昼行灯設定なのかな? と思っていたけれど、多分そうじゃない。
本作がすごく勇気あると思ったのは、アッコ……新人アニメーターが頑張るというお話は作りやすいと思う。監督として、指導者として『俺も来た道だからな、頑張れよ』と言って暖かく見守っているよというお話を作ればいい。それで若い子たちもやる気を出すだろうし。
だけど、本作はそのような作品というだけではない。あくまでも主人公はアッコだけど……それだけじゃない」
カエル「前回の記事(22話)でアッコが魔法をなくした時にも語ったけれど、あの描写は『やりがい搾取』という意見もTwitterでもあったんだよ。アニメーターの立場ってテレビなどでよくみるけれど、決して就職してほしい職業ではない。仕事として成立しているのかも怪しいほどだよね……」
主「結局は『好き』という気持ちがないと絶対に続かない職業なんだよね。もしかしたらアニメーターだけでなくて、アニメ業界がそうかもしれない。そんな業界に魅了して若者を引き込んでしまったという責任が大人たちにはあるんだよ」
スターウォーズパロも飛び出した24話
© 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
シャリオからアーシュラへと
主「アーシュラもなんとかしようとしているんだよ。『もう何も奪わせない!』って言って、みんなを助けようとしている。ひとりの大人として責任を強く感じている。
いつかの記事でも語ったけれど、本作は確かにアッコの成長物語だ。
だけど、裏の物語として……もう1つの物語としてアーシュラの成長物語とも言える。
実は1番アッコを信用していなかったのは……真実を告げたらダメになると思っていたのは実はアーシュラだったわけだ」
カエル「アッコの力を奪うというのも、考えようによれば『アッコの未来の可能性を奪う』ということかもしれないね」
主「24話において感動的なアッコとアーシュラの会話がある。ここで注目したいのは、アッコは『憧れのシャリオ』ではなくて『大好きなアーシュラ先生』として接してお礼を述べている。その目の前にいるのはあれだけ憧れていたシャリオだけど、そんなことはもう関係ないんだよ。
憧れだったシャリオではなくて、目の前で育ててくれたアーシュラに対してお礼を言う。これが素晴らしいことだ」
カエル「確かにアッコと一緒にアーシュラ先生も成長しているんだね」
主「アーシュラの気持ちって仕事をしている人なら後輩や部下に対して、学生だったら下級生に対してモノを教えてみると痛感するんじゃないかな? 人に教えるということは、自分がやるということよりもずっと難しい。出来ないことにどれだけ我慢するのか、どのように教えていくのか、そのことをずっと考えなければいけない。
だけど、教えることでしか出来ない成長もある。『下の人間を1人育てて、やっと一人前だ』って言葉もある。
本作は『シャリオからアーシュラへの成長』つまり『アニメーターから指導者へと成長する』物語でもある」
このアッコの思いに涙
© 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
アーシュラを描く勇気
カエル「このアーシュラを描いたということを、なぜそんなに高く評価しているの?」
主「本作に関わっているスタッフたちって、もっと深く様々なことを考えているはずだよ。自分が見つけたこと、発見したことというのはほんの一部に過ぎない。ということは、アーシュラとシャリオの違いなんてわかっているはずなんだ。
じゃあさ、カエルは『自分が下の人から感謝される物語』って作れる?」
カエル「え? 自分が会社の上司として、部下から感謝される物語は……ちょっと描きづらいかなぁ。なんか気恥ずかしくって……」
主「この作品におけるアーシュラ、つまり指導者って誰かというと、やはり吉成監督であったり、あとはTRIGGERだったら今石洋之、吉成曜、すしおとかだったり……もちろん自分が名前を覚えていないようなベテランもたくさんいるでしょう。
そのベテランの人たちが、新人アニメーター、若手アニメーターをしっかりと導くことができているのだろうか? という自問自答すらも感じた。なんなら、もっと広くとってアニメ業界は後進を育てることができていますか? という問題でもある」
カエル「だけど作中でアーシュラはアッコに感謝されるよね?」
主「だからそれがすごいと思うんだよ。自分だったらそれは出来ない。そのシーンを若手アニメーターが見た時『け、あんなこと言ってやがるわ、感謝なんかしたことないよ』って言われるかもしれないじゃない?
自分が下の人間をうまく導くことができているか? というのは仕事などの上下関係がある場合では絶対につきまとう悩みであり、苦しみだよ。
だけどそれを描けるかどうかはまた別なんだよ。自分で『俺は下の人間をうまく指導できている!』と言える人じゃなと無理。そしてそれは厚顔無恥ならともかく……多くの人はそこまでの力強いことを得るまでの葛藤が大きいはずだ」
カエル「本作はたくさんのアニメ業界の闇をメタファーとして切ってきたけれど、業界を批判するだけではなくて最後に自分自身も振り返って考えてみたんだね」
主「もちろん物語的な盛り上がりもあると思う。
だけど、このアーシュラとアッコの関係性を最後に持ってきたのは『導くことができているはずだ!』という自信を力強く言えるかどうか、悩んだこともあるんじゃないかな? と外野はのんきに考えてみるよ」
3 最終話について
カエル「さて、いよいよ最終話について語るとしようか!
やっぱりTRIGGERらしく、最後は宇宙の話なんだね」
主「……正直に言えばもう少し違うカタルシスがあるのかな? と思っていた時もあったんだけど、でも冷静に考えてみると、これがLWAらしいのかな? って思いもあったよ」
カエル「え? どういうこと?」
主「本作においてアッコは『好きなものを好きだという新人アニメーター』だとしたらさ、じゃあダイアナはなんだという話」
カエル「ダイアナは……1番強調されていたのは『伝統』ということだよね。家の伝統を守るために1度は学校を退学しようとしたわけだし」
主「そう。じゃあ、本作における……TRIGGERにおける伝統とは何かというお話だ。それはガイナックスの時代から続く『決戦は宇宙で!』というものなんじゃないかな?
そう考えると本作って最後は宇宙に行くというのは規定路線だったんだんじゃないかな? その伝統の心を持ったダイアナと、好きなことを貫き通すアッコが世界中のみんなの力を借りて、強力な敵を倒す。
つまり、最終話の最後の戦いこそが、LWAであり、TRIGGERの伝統そのものだったんだよ」
カエル「あのシーンは作画技術も素晴らしかったよねぇ」
主「もちろん最終話だから本気を出したということもあるけれど、ここでショッパイ作画をしてしまったら、その TRIGGERが今まで果たしてきたことの多くを否定することにつながりかねない。アニメ制作会社ってどこも、どの作品もそうかもしれないけれど、特にTRIGGERが本作にかける意気込みって相当強いものを感じるんだよ。
多分あそこ作画はベテラン陣がやったのだと思うけれど……自分は作画の癖まではわからないからあれだけどさ。
『アッコという新人、若手アニメーター』
『ダイアナという伝統の象徴』
『なによりも雄弁な作画技術』
この三位一体した姿こそが……あの作劇こそが本作の素晴らしさとメッセージが詰まっているんじゃなんじゃないかな?」
伝統と思いと技術が集結した名シーン!
© 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
世界中の人の支援
カエル「本記事で1番語りたいことがここなんでしょ?」
主「そう!
本作って様々な指摘があるように世界中の神話や人物、作品から名前やモチーフを借りているらしい。例えばロッテの本名である『ロッテ・ヤンソン』はムーミンの作者のトーベ・ヤンソンからもらっているらしい。
スーシィはフィリピンの伝承から名前を借りているらしいし、他にもハンナとバーバラなどは有名なアニメーターでもあるハンナ・バーベラ・プロダクションの代表の2人から名前を頂戴しているし、ナインオールドウィッチはディズニーにいたナインオールドメンという伝説的アニメーターはが由来だ。
このように本作が『アニメについて語ったアニメ』であることもそうだけど、それ以上にこの国籍がバラバラな感じというのが自分は気になったんだよね」
カエル「最終話でも様々な国籍の人がアッコたちに力を与えてくれたね」
主「あれがすごく感動的な場面でさ。
有名な話だけど、LWAはもともと『アニメミライ』の中の30分アニメだったんだよ。そこで続編を作りたいからお金を集めようってことで当時はまだそこまでメジャーではなかったクラウドファウンディングを活用したわけ。すると、予想以上の集金ができて予定金額はわずか6時間で突破し、最終的にはかなり多くのお金が集まった。それを制作費にして、50分ほどの劇場アニメを制作したわけだ。
その劇場版を見ていると、お金を出した人は9割外国人(と思われる名前)なんだよ。漢字はほとんどいない」
カエル「海外の熱い支持を集めたんだよね。正直、ここまで行くとは思わなかったなぁ……」
主「この現象ってそのまんま最終回じゃない?
クロワが用意した『これまでと違う魔法(アニメ)の見せ方』で世界中の人に魔法を見てもらう。そしてその力を分けてもらって、今まで以上の魔法の力を発揮して敵を倒す……これはこの作品が辿ってきた道筋がそのまんまなんだよ」
カエル「ああ……手法とメッセージと物語が一致しているわけだね」
主「そう! この最終回は本作のすべてをギュッと詰め込んだラストになっているよ」
4 歌について
カエル「では、OPやEDについて語っていこうか」
主「本作はまさしく『アニソンらしいアニソン』になっていて……TRIGGER作品ていつもそんな気がするけれど、本作もまた素晴らしい。歌詞は直接書かないけれどね。
1つ目のOPの『Shiny Ray』はまさしく本作のOPらしく『好きなものをどんなに転んでも追いかけていく!』という強い決意の曲だ。
そのEDの『星を辿れば』は同じようなことを歌っているようでも、こちらは1日を振り返るような曲になっている」
カエル「2クール目のOPの『MIND CONDUCTOR』は以前にも書いたけれど、少し成長してこの世界でやっていこう! という決意を感じさせる曲だね。和訳すると『心をつなぐ人』って意味になるのかな?
あのOP映像の『it's showtime!』 で全員が魔法の杖を振って勢ぞろいした瞬間なんて、これからこのアニメでみんなを魅了してやるぞ! って気概も感じられて!」
主「そして最後の『透明な翼』はまさしくアッコを表した曲であって、この歌が終盤の展開などを全てネタバレしていたんだな。グレンラガンの時の『空色デイズ』と同じだ。
本作の作品と楽曲のリンクは素晴らしいよ。これだけのリンクを見せたアニソンらしいアニソンに仕上がっている」
みんなとともに途方もないことをやってみせる!
© 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
TRIGGERとカラー
カエル「最後に語るのがこのガイナックス系列の2社なの?」
主「今、アニメ業界は色々な方法で健全な形を作ろうと模索している最中だ。正社員雇用にこだわったジブリは宮崎駿が制作を中止することによって、会社は存続しているけれど正社員たちは次々と解雇して契約社員として再契約することになったと聞く。
そこでジブリを離れたアニメーターが散って、例えば『君の名は。』に動画スタッフが入ったという話もあるね。やはりアニメで正社員雇用は無理がある。それでもなんとかしようとしている会社はいくつもあって、最近だと『夜明け告げるルーのうた』のスタジオSARUが技術革新でホワイトな労働環境にしたという。
あとは噂に聞くと京都アニメーションもクオリティだけではなくて、労働環境も比較的ホワイトらしい」
カエル「真偽はわからないけれど、そういう話はちょくちょく聞くよね。知り合いの老舗アニメ会社に勤めるCGクリエイターは月100時間残業していると聞いて、うわぁって思ったなぁ。それが普通の環境だとしたら、やっぱり改善しないと」
主「その環境の改善もそうだけど、カラーの面白いところは短編アニメーションにも力を入れているんだよね。
『日本アニメ(ーター)見本市』を開いて、そこで10分前後のショートアニメを制作している。
そこで作られた『龍の歯医者』を前後篇にしてNHKで放送したり、あとは『ユーリ on ICE』の前身となった作品もある。ここから何作かはすでに制作されることが決定しているみたい」
カエル「それも新しい動きだよね。今までオリジナルアニメって『作ったけれど当たるかわからない』ってことも多いじゃない? でも、まずは反応を見て、よかったらシリーズ化という流れもできるし」
主「そういう新しい流れを作ろうというのがカラーから感じる。そしてそれは本作でクラウドを活用してテレビアニメシリーズにまで成長させたTRIGGERも同じでしょ?
成功したのかはわからないけれど『ニンジャスレイヤー』などを製作したり、色々と攻めている会社でもあるよね」
カエル「今までにあまりなかった動きが次々と生まれているんだね」
主「じゃあ、それを応援したいファンはどうすればいいのか? って言ったら、やっぱりお金を使うことでしょうと。ここで冒頭に戻るわけよ。
円盤を買うのは無理でも、グッズを買ったりさ、漫画を買ったりするとスポンサーが『このシリーズは人気があって売れるから続編も!』って言い出すかもしれないし。なんならTwitterやFacebookで『好きだ!』って言えばいいんだから」
宇宙から眺める地球の光……そこには世界中の人の思いが宿る
© 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
好きということの難しさ
カエル「本作を貫いていたテーマでもあるよね。
『好きなことを好きだという』
『信じることをあきらめない』って」
主「これって簡単なようでも難しいんだよ。
今はアニメ文化が割と一般的になったけれど、昔は『アニメが好き』っていうと変な人を見るような目を向けられた時代があった。これだけ若者が堂々と『アニメが好き!』って言えるようになったのは割と最近の話で……その意識があるかないかによってオタクらしさも変わってくると思う」
カエル「まあ、でもそれは好きと叫べるようになったのはいいことでしょ?」
主「……だけど、まだまだ好きなものを好きと言えるかというと難しいものがある。
アッコがシャリオを好き! っていうのは現代に例えるとどういうことだろう? って考えたら……多分それって『ドラえもんが好き!』とか『プリキュアが好き!』に近いのかもしれない。
子供向けだよ、それ? っていう奇異の視線を向けられるかも」
カエル「もう少し対象年齢が上がっても、大人になれば卒業するもの、それがシャリオだったようだしね」
主「だからシャリオが好き! っていうのは勇気がいると思う。学校や職場でアニメが好きです、って言えない人も多いだろうし。
だけどアッコはそれを貫いた。そしてそれを口にすることで……胸に抱くことで、ここまで成長したしてきたんだ。
だから好きなものは好きと叫んだ方がいい。全力で応援する方がいい。それがもしかしたら、あなたを遠いところに導くかもしれないから」
最後に
カエル「さすがに最終回とあって過去最長の記事になったんじゃないかな?」
主「LWA関連の記事だけで結構な数になったからねぇ。全部まとめたら本が1冊書けるんじゃない?
まあ、暇があれば『リトルウィッチアカデミアとSHIROBAKO』って記事か本でも書いてみようかな? 多分そんな暇、そうそうないけれど」
カエル「最近、評論系同人誌も止まっているねぇ。ネタがないわけではないけれど…… 『シンゴジラとキングコング』とかさ。
好きなものは好き! で全力で応援した方がいいんじゃないの?」
主「まあ、そうだけどさ……なんていうか、ほら、時間が、ね? 映画を見たり、アニメを見たりブログを書いたりしていると中々上手いこといかないもので……」
カエル「また言い訳する! 時間はみんな同じなんだからさ!」
主「……さて、来季は何を見ようかな! 早く探さないとな!」
カエル「ごまかすな!」
面白かったらブクマ、ツイート、スターなどをお願いします
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本記事で9記事かぁ……書いたなぁ……
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