カエルくん(以下カエル)
「さあ! 今週もリトルウィッチアカデミアの感想記事いくよ!」
ブログ主(以下主)
「今週は雰囲気もまた変わったよなぁ……でも先週も今週も魔女のお話っぽくて面白いけれど」
カエル「先週も感動路線はそうなんだけど、やっぱりドタバタとコメディ感が強かったしね」
主「今週はもっとわかりやすく派手なのが来るかなぁ? という思いもあったけれど、そうではなかったかな。
ちょっとだけ予想と違ってびっくりした」
カエル「それもあって、今週の感想記事は少し軽めになりそうだね」
主「前回で9話も書くと言っていなければ書いていないかもしれないね。
ただ、毎週何千文字書いていても疲れるから、これくらいの分量の時も時々は入れて行った方がいいのかな? なんて思ったり……」
カエル「それじゃ、感想記事スタート!」
1 今週は校長先生の回!
カエル「まずは今週のお話について軽く触れておこうか」
主「まさかといえばまさかの校長先生の深堀りの回だったな。
少し驚いた。だけど、これによって少し見えてきたものもあった印象かな」
カエル「見えてきたもの?」
主「今週は伏線を張りにいった回じゃない?
ここからの1クール締めのために、そしてここから先の2クールのために伏線を張ってきたという印象でさ。
だから、この話自体は特に大きく語るようなことはあまりない気がする。
その中でも印象に深く残ったのは……やっぱり間の取り方かな?」
カエル「今石作画回のこれでもかと詰め込んだ破天荒な回の次だから、余計にそう思うよね。今回は結構間をとることを意識していたよね」
主「走る作画などで迫力を出しながらも、例えば墓場のシーンでおじさんを追いかけていく際にゆっくりと歩くスーシィとかの間の取り方が独特だなぁと思ったよ。これでテンポを作っているんだろうね」
カエル「お話としても王道の魔法少女ものでもありながら、ほっこりとする回でもあって評判もいいし、ハズレがないという意味でもやっぱりすごいお話だよねぇ」
骨になってもわかる関係性にほっこり
© 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
今回の伏線で感じたこと
カエル「今回の伏線というと?」
主「1つは当然魔女狩りなどの歴史だけど、これは後述するね。
あとはやっぱり『アミュレット』に関するものだよね。ここで帰りたいと思うもの、大事なものを預けることで、元の世界に戻ってくるという……これは後々重要なものになるんじゃないかな?
もちろんアッコもそうだけど、特にロッテは4話のやり取りがあるから、この後に大きな騒動が起きた時にナイトフォールの伏線が一気に効いてくる可能性が高いと思うね」
カエル「まあ、それは多分そうだろうね! あれだけ大々的に『大切なもの』を見せているのだから、そういう展開にはしてくるだろうね」
主「あとは……今回ってさ、校長先生のキャラクター性を深く掘り下げた回じゃない? これって考えてみるとなかなか不思議なんだよね。
例えばアッコに関連しそうな人物でいうと、6話でちょっと触れたとはいえ、ライバルにあたるダイアナに関してはまだそこまで触れられていない。あとは重要人物でいうとアマンダもそうだよね。
だけど、なぜ校長を先に深く掘り下げたのか?
で、このことについて色々と今回は考えてみた」
カエル「ここから先は全て主の憶測であり、ネタバレでもなんでもないということは先に言っておきます。あと、あんまりこういう先測系が嫌な人はあまりこの先を読まないほうがいいかも……」
主「オリジナルアニメのネタバレって不可能だからね。当然アニメ関係のスタッフでもなんでもないし。本当にスタッフなら、こんなブログやっていられないし」
2 アッコとアーシュラ先生の関係性
カエル「それで9話で明らかになってきた関係性ってなんなの?」
主「先にも述べた通り、今回は校長先生にピックアップした話を入れてきたわけだよね。ここまでのLWAのテレビシリーズの構成って結構計算されてきたということは過去にも述べてきた。
例えば1〜3話は学園とキャラクター説明、それからこの作品の裏テーマも見せてくれていたわけだよ。その裏テーマに関しては過去の記事を読んでね。
で、4〜6話が描いてきたのは学園を取り巻く状況と魔女の扱いについて、世界観の説明だった。
そしてこれは裏テーマについて考えると、即ち『アニメーターを取り巻く状況』に対する言及だったわけだ。このアニメーターと手書きアニメの置かれた状況を見ても、まだアッコは『アニメを作りたい』というまでの物語でもあった。
なんでこんな解釈になるのかは以下の記事を読んでね」
カエル「簡単に一言で表すと『魔法=手書きアニメ』であり『魔女見習い=新人、若手アニメーター』という構図になっている、というのがこのアニメの特徴としているわけだよね」
主「それだけ計算されていた本作が、ここで1つの破綻……とまでは言わないけれど、テーマが見えてこなかったんだよね。もちろん、これは自分が見落としているだけかもしれないけれど……」
この4人が重要な物語?
© 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
7〜9話の役割
主「で、色々と考えたんだけど……簡単に言えば7〜9話はキャラクターの深堀りに使ったと思うんだよ」
カエル「確かに
7話=アーシュラ先生と
8話=スーシィ
9話=校長先生
と考えると、キャラクターの深堀になっているよね」
主「でさ、これで考えるとスーシィはなんで深堀したのかわかりやすいじゃない? だって親友の1人であり、主要人物なんだから、むしろ8話まで深堀しなかったことが不思議なくらい。
そしてアーシュラ先生もわかる。もうはっきりと断定しちゃうけれど、シャリオ=アーシュラ先生なわけだし。それは声優から何から、否定する方が難しい」
カエル「これで違かったら驚きだよね……」
主「で、何でここで校長なのか? という疑問が発生するわけだ。だって他に重要なキャラクターはたくさんいるじゃない? だけどスタッフはこの1クールのラスト前にわざわざ1話使って校長を深堀してきた。
で、その理由はこうなるわけよ」
3 整ってきた人間関係
主「一言で語ると、2つの師弟関係がここで明かされているんだよね」
カエル「……2つ?」
主「そう。1つは当然のようにアーシュラ先生とアッコ。この2人の絆を、わざわざ『馬鹿です!』なんて強い言葉を使ってまで表現したのが7話だったわけよ。この師弟関係は説明しなくてもわかると思うけれど……
で、もう1つの師弟関係が校長とアーシュラ先生なわけだ」
カエル「この9話の中でも校長はその正体を知っているようなそぶりを見せていたよね」
主「で、これがもしもそうなると、ここで1つ面白いことが浮き彫りになってきて……
おそらく、本作の裏主人公ってアーシェラ先生なんだよね」
カエル「……裏主人公?」
主「主人公と対になる存在っていうのかなぁ? 自分はよく『対偶の存在』なんて呼んでいるけれど……
主人公が成長すると同時に成長する人だったり、もしくは主人公のもう1つの可能性だったり……ガンダムUCのバナージとリディとか、聲の形の将也と硝子とかがそうなるんだけど。
片方が成長(変化)することで、もう片方も成長、ないしは変化を迎える関係のことだ」
カエル「? もうちょっとわかりやすく言って」
主「そうねぇ……例えばARIAなんかはそういう関係性がはっきりと出ていると思うんだよ。
灯里とアリシアって確かに師弟関係ではあるんだけど、あのお話って灯里の成長話ではあるのは間違いなけれど、同時にアリシアの成長のお話でもあるわけだ。
つまり、灯里が一人前になって新しいステップに上がることで、アリシアも挑戦して新しいステップに進むという関係。
この2人の成長にはお互いが絶対に必要だったわけ」
カエル「まあ、言いたいことはわかるかも」
主「で、ARIAでいうと『グランマ→アリシア→灯里』という系譜があるわけじゃない? これが師匠と弟子の関係として続いていく。その原動力は『ウンディーネ』に対する憧れであり、さらに言えばARIAカンパニーを継ぐという継承の物語でもある。
で、本作も同じなんじゃないの? というのが自分の予想」
何かを知る2人。こちらも師匠と弟子なのだろうか?
© 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
この先の展開の予想
主「つまり『校長→アーシュラ→アッコ』という継承の物語でもあるんじゃないかな? ということでもある。
ここで校長の深堀をしたのは『アッコにとっての師匠であるアーシュラ先生』という構図とは別に『アーシュラ先生にとっての師匠である校長』という構図を出したかったからだと思う」
カエル「そうなるとどんな意味があるの?」
主「つまり、アッコの成長=アーシュラ先生の助けという構図にもできるし、同時にアーシュラ先生の成長=校長の助けという構図にもできる。
そうなると、アッコの成長の意味が多重的なものになるんだよね。単なる成長だけじゃなくて、アッコが成長することによって、アーシェラ先生も覚醒するような展開になる」
カエル「う〜ん……わかるようなわからないような……」
主「説明が難しいなぁ……
じゃあいつもの論理展開でいくとアーシュラ先生って何? というと、老いて時代についていけないアニメーターなんじゃないかな? 夢や熱意を失くしたアニメーター。
で、いつものようにSHIROBAKOに例えると、杉江ポジションだよね。杉江も時代に追いついていないスーパーアニメーターだったけれど、その覚醒には宮森の熱意と走り回った努力、そして絵麻の苦悩があったからこそだ。
ここでは宮森の直接の師匠ではないけれど、杉江→絵麻の師匠と弟子の関係と見ると似たようなもので……この2人が相乗効果でいい影響を与え合っているわけだ。
それと同じような構図になると思う」
2つの師匠と弟子の関係
カエル「う〜ん……それってどうなの?」
主「いや、あくまでも予想だからね? 自分の予想の斜め上をいくかもしれないし……というか行く可能性の方が高いと思うけれど。
でも、この関係で杉江とアーシュラ先生の違いがあるとすると、杉江には弟子しかいないけれど、アーシュラ先生には校長という師匠がいるわけだ。だから、もう一歩高い部分を目指す成長、ないしは覚醒するパターンがあると思う。
そしてSHIROBAKOに例えるともう1つ思うことがあって……」
カエル「SHIROBAKOを知らない人、ごめんなさいねぇ」
主「ラストの校長の『魔法頑張っていたら校長にまでなっちゃったし』という言葉がある。これってさ、SHIROBAKO好きからすると、背景のベテランである大倉の『気がつくと今ここにいる、それだけ』と同じ言葉に聞こえるんだよね。
つまり、この2人の立ち位置というのは『がむしゃらに突っ走ってきたら、いつの間にか高い(評価される)地位まで上り詰めた』という点で一致しているんだよ。
結局、アニメについて語ろうと思ったら、同じようなことになるんじゃないかな?」
カエル「ふ〜ん……まとめると『校長→アーシュラ』という師弟関係と『アーシュラ→アッコ』という師弟関係の2つを用意して、それを描くことで2人の成長を描くと……
そしてアーシュラ先生の成長のために、校長が必要だったわけだ」
主「おそらくね」
4 今後の障害は?
主「そして成長のためには必ず障害が必要なわけだよ。バトルものでは強敵の存在だったり、お仕事のものではトラブルや納期、自分の力量などだね。
そしてその障害にあたるものが何なのか? ということを予想すると……これは今回のラストに関わってくるだろう」
カエル「どういうこと?」
主「今回のラストで『科学と魔法』に関することが言及されていたじゃない?
『昔は魔法黄金期なんて言われていたけれど、全てを魔女がやらなければいけないから面倒くさかった』とかさ。
あとは象徴的なのはロッテの『科学が溢れていても魔法にしかできないことって確かにあるし』という発言。
これは何か? というと、つまり『CG(デジタル)と手書きアニメ』の言及なんだよ」
カエル「科学がCGで、魔法が手書きといういつもの論理だね」
主「そうそう。
SHIROBAKOでも宮森と矢野が
宮『手書きってなくなるんですかね?』
矢『なくならないよ。手書きを活かした表現ってたくさんあるし』
という会話があったんだよ。矢野の発言と同じことをロッテは言っている。
これに対してアッコは『魔法だらけの世界の方が絶対楽しいよ!』と言っている。
これは手書きアニメを愛好しているアニメーターならでは発言だよね。現代において全てを手書きで書くということは基本的にありえなくて、CGも多く使われている。だけど、ロッテ=ある程度現実を知る若手アニメーターに言わせると、全てを手書きで書いていたらめんどくさいよ! という話になる。
だけどアッコは手書きを愛しているから、手書きの方が絶対楽しい! という話になる。
この会話で9話という1つの節目を終えることって意味深だよね」
ラストシーンが示すものとは?
© 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
科学と魔法
カエル「ということは……やっぱり科学VS魔法の戦いになるということ?」
主「単純なバトルにはならないだろうけれど、そういう感じにはなるだろうね。6話において魔法は時代遅れだ、みたいな話があったじゃない? 科学が普通に発展していて、おそらく魔法は時代遅れの産物になりかけている。
その中で『魔法は果たして必要か否か?』そして『科学でどこまでできるのか?』というお話になっていくだろうね」
カエル「そうなると、やっぱり多いのは学校の廃校問題かな?」
主「それが一番わかりやすい1つのピンチだし、学校=アニメ会社の危機を描くことでこの作品のテーマである『手書きアニメの存在価値』というのも見えやすくなってくるんじゃないかな?
そして、何よりも先ほど話したようにアーシュラ先生が覚醒することによって、学園の危機が1つ去るという……ベテランアニメーターの復活=アニメの危機を救うということができると思う」
カエル「なんかプロデューサーの話を読むと、今後新キャラが出てくるらしいね」
主「それがSHIROBAKOでいう庵野秀明を基にしたキャラクターポジションになるんじゃないかな? アーシュラ先生復活のきっかけになる人」
カエル「さて、主のこの予想はあたるのかどうか! 来週以降もお楽しみに!」
最後に
カエル「冒頭に軽くするって言ったのに、LWAでは過去の感想記事でもしかした最長じゃない?」
主「なんか、すっごいSHIROBAKOを意識しているような気がするのは、自分の見方が歪んでいるから?」
カエル「そうじゃない? ずっと『アニメに対して語ったアニメだ!』 って意識していたからそう見えてくるのかもね。
柳の木も幽霊に見えるってやつだよ」
主「う〜ん……テーマが似たようなものだから自然に似てくるとは思うけれど、結構自分で考えていても類似点が多くてびっくりしたんだよね。
例えば『手書きアニメとCG』って結構序盤にSHIROBAKOでも語っていたじゃない? それを踏襲しているような気がしてさ……」
カエル「もしかしたらどこかで繋がっているのかもね。あんまりスタッフに詳しくないから、調べてないけれど、実は同じ人がやっています! ということもあったりして……」
主「……ふと思ったけれど、この予想って当たった方が面白いのかな? 外れた方が面白いのかな?
なんか期待を裏切ってほしい思いもあるし、だけどここまで語ったからには大ハズレだったら赤っ恥だし……」
カエル「あ、この上記のお話、すべて妄想ですからねー。信じるか信じないかはあなた次第ですからねー」
主「ああ……当たってほしい……いや、でも外れた方が楽しめる……?」
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