物語る亀

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物語愛好者の雑文

リトルウィッチアカデミア 最終回(25話)感想、考察 『好き』の気持ちは世界とつながる!

カエルくん(以下カエル)

「いよいよリトルウィッチアカデミアも最終回を迎えたねぇ」

 

ブログ主(以下主)

来週からは何を楽しみにすればいいんだ……

 

カエル「と言いながら毎期何か注目作品を見つけては、全話見ているんだけどね」

主「でも2クールアニメは喪失感も大きいよなぁ……結局今期は今の所LWAしかテレビアニメ記事は書いてないし。

 テレビアニメの感想記事って書くのが難しいんだよ。完結していないからそれが伏線なのか単なる遊び心なのかもわからないし、スタッフもたくさんいるけれど、インタビュー記事などは大体完成して全話放送した後、しばらくしてから書かれるからね。

 だけどこの作品は例えば魔法という要素にしても意味があるし、しかも成立した過程を考えたらすごく感慨深いものがあって……

 

カエル「仕事もあっていくことはできなかったけれど、劇場での先行上映も盛り上がったらしいね」

主「行った人のTwitterを見たけれど、1番物語でやり残したことを痛感しているのはスタッフ自身だというコメントがあったみたいだけど、それは伝わってきた。ヤスミンカ回はなくちゃダメだったし、できればハンナとバーバラの回も入れて欲しかった。やりたかったこともたくさんあったと思う。

 だけど25話という限られた時間の中では仕方ないことも多い。予算も当然限られているし」

カエル「テレビアニメでここまで隠喩や深読みができる作品ってそんなにないよね。しかも明らかに意味深なのではなくて、表向きはきちんとした魔法少女アニメとして成立しているし、メッセージ性も強いし……」

 

主「最初に言ってしまうけれど、最終回まで見てちょっと不満に思うことも0ではない。あの設定はなんだったのか? このキャラクターをもっと活かして欲しかった……そんなことは外野だからいくらでも言える。

 だけどそれは1番スタッフがわかっているし、続編を1番望んでいるのもスタッフなんだろう。だからこそ……本作がセールス的に成功して、なんなら総集編でもいいから劇場版を作ってさ、この先の物語をまだまだ見たい。

 そのためにはスタッフさんにお願いしますもそうだけど、ファンとして何ができるのか?

 円盤を買うことができないならば、ゲームはどうだろう? 漫画の単行本はどうだろう? そういうところで応援することが大事なんじゃないかな?」

カエル「……まだ記事始まってないよ?」

主「でも、大事なことだからね。これから説明するけれど、LWAはファンの熱意で成立して、それを最大限に活かしてここまで成功した作品だから

カエル「では最終話の感想記事を始めようか」

 

 

  • 1 暗喩に満ちたリトルウィッチアカデミア
    • 悪の存在しない物語
  • 2 24話が示したもの
    • シャリオからアーシュラへと
    • アーシュラを描く勇気
  • 3 最終話について
    • 世界中の人の支援
  • 4 歌について
    • TRIGGERとカラー
    • 好きということの難しさ
    • 最後に

 

 

 

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映画『ジーサンズ はじめての強盗』感想 名優じいちゃん3人の勇姿を見届けよ!

亀爺(以下亀)

「年金問題も昔ほど騒がれなくなったが、解決しない大変な話じゃな……高齢化社会を迎えて久しいが、まだまだ熟成した社会とは思えないの……」

 

カエルくん(以下カエル)

「……今回は珍しく真面目な話題からスタートだね」

 

亀「わしとしても次の世代へ迷惑はかけたくないと思いながらも、現状の生活を守るので精一杯なのが実情での。全く、世知辛い世の中じゃの」

カエル「日本は年金機構がまだ機能していて、明日から急にもらえなくなるということがないからいいけれど、アメリカなんてそういう制度が企業や保険会社任せみたいなところがあるから、結構複雑な問題みたいだね。

 高齢者にいつまで働いてもらうのか? っていう問題もあるみたいだし……」

亀「それこそ銀行強盗でもやって一山当てたいところじゃの

カエル「……それって一山当てるっていうの?」

 

亀「それにしても、本作のように高齢者が銀行を襲うという作品が年に2、3本は毎年出てくるように思うの。コメディタッチになって笑えるものであるし、悪党ではあるが若い者が悪事を働くよりも微笑ましく、弱者が行うということで暴力的な印象が減るからじゃろうが……

 それ以上に高齢者の貧困問題が世界中のどこでも問題視されているということではないかの?」

カエル「映画から見えてくる世界の事情だね」

亀「日本ではこういった作品は少なくともワシは覚えておらんが、それはもちろん犯罪に対する強い自制心があるということもあるのかもしれんが、年金機構や健康保険制度が比較的しっかりとしているということもあるのかもしれんの。餓死をする人などほとんどおらんし……」

カエル「……大丈夫? そんな真面目な話から始めて記事の中で語ることなくならない? もっとくだらない話をしておいたほうが後々楽なんじゃないの?」

亀「何を! ワシはこの映画で語ることが非常に多いのじゃ!

 ではその証拠にこれから感想を色々いっていこうではないか」

 

 

  • 1 ネタバレなしの感想
    • 役者について
  • 以下作中言及あり
  • 2 静かに紡がれる物語
    • 罪の意識の軽減
    • じっくりと練られた脚本と演出
    • 最後に

 

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映画『ハクソー・リッジ』感想 沖縄を舞台とした激戦に銃を持たない兵士がいた……

亀爺(以下亀)

「今回はハクソーリッジの話題じゃが……何だか久々の重厚な戦争映画な気がするの……もしかしたら、このブログでは第二次世界大戦の戦争描写の激しい実写映画を扱うのは初めてかもしれんな」

 

ブログ主(以下主)

「あ〜〜……確かに。好きか嫌いかで言ったらむしろ大好きで、公開していたら大体見に行っていたような気もするけれど……最近はご無沙汰だった気がする。

 まあ、面倒くさいタイプの映画だしね

 

亀「面倒くさい?」

主「第二次世界大戦なんて政治的スタンスによって全く見え方が変わるものだから、右の人からも左の人からも文句が出ないような作品を作るのは非常に難しい。あとはリアリティや史実を重視するタイプもいるし……

 特に本作は沖縄戦を舞台にしているけれど、もうこれだけでややこしい。さらに米軍関係やら基地がうんたら、地元住人が……と様々なことがあるから、自分が宣伝担当だったら出来れば断りたいタイプの映画だね」

亀「今作も宣伝が色々と物議を醸しているの。宣伝で縄の名前がほとんど出てこないとか、ダチョウ倶楽部を起用したとか……」

 

主「別にどうだっていいと思うけれどね。

 大体、宣伝に文句を言う層っていうのは何もしなくても見に行くんだよ。好きで調べて、どんな映画か何となく知っているから『イメージと違う!』って怒るわけで……

 大事なのはこの手の映画を観ない層にどう訴えかけるか? という問題で、いい作品だから売れるなんて簡単な話じゃない。

 その中でも取っつきやすいようにライトな宣伝をうつのも大事なことだと思うよ」

亀「若者がデートに映画を観に行く時に『ハクソーリッジ』を観よう! となるとしたら相当映画が好きか、歴史に興味があるかであって……普通はこの映画は選ばないじゃろうからな」

主「なんで『美女と野獣』があんな大ヒットしたのか? って言ったら、やっぱりライトな層が見に行きやすいからだよね。そういう人たちにアピールするならばダチョウ倶楽部でもいいよ。

 とにかくまずは観てもらわらないと!

 あと、沖縄の重要な日である『慰霊の日』の次の日を公開日にしたところに、やはり宣伝担当者や配給会社の人たちの思いって現れているんじゃないかな?」

亀「というわけで、そんな色々と語るのが面倒くさい戦争映画の感想記事の始まりじゃ」

 

  • 1 感想
    • 過激なグロテスクな描写
    • 監督、キャストについて
  • 以下ネタバレあり
  • 2 構成について
    • 3段構成
  • 3 デズモンドの苦悩
    • 命の価値
  • 4 信仰と命の価値
    • 信仰の形
    • 現代を振り返って
    • 最後に

 

 

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映画『セールスマン』感想 2017年のアカデミー外国語映画賞受賞作が登場!

カエルくん(以下カエル)

「今回はアカデミー外国語映画賞を受賞した作品についての感想記事だね」

 

亀爺(以下亀)

「これで2017年にノミネートされた作品は3作目の鑑賞じゃの」

 

カエル「……あれ? 今日は主はどうしたの?」

亀「ここ最近少し体調を崩しておるようじゃな。

 夏風邪はバカがひく、とはいうが……まだ夏一歩手前だからギリギリバカではないとか言い出すかもしれんがの」

カエル「いや、風邪引いているんでしょ!? そんなこと言ってないでお見舞いしてあげないと! 熱は何℃あるの!?」

亀「37,6℃じゃな」

カエル「……うん、まあ反応に困る体温だね」

亀「しかも平熱が37℃じゃからな。まあ、少し高めの平熱じゃの」

 

カエル「……え? じゃあ何が悪いの?」

亀「どうにも黄砂か埃に喉がやられたようで、咳が止まらんらしい。しかも会社に行くと悪化するらしくての……全く、難儀なものじゃな」

カエル「……なんかずる休みをしたい子供みたいな症状じゃない?

亀「しかも熱は出ないし、咳が出る以外は元気なものじゃから会社を休むに休めないというの。

 まあ、休んだところで映画館に行っても迷惑になるだけであり、結局はおとなしく本を読むかアニメを見るか、ブログを書く以外にやることはないんじゃがな

カエル「……さらにずる休みらしくなっていくなぁ」

亀「さて、ではそんな主は放っておいて映画の感想と行くかの」

 

  • 1 アカデミー外国語映画賞受賞作品
    • 映画の感想
  • 以下作中に言及あり
  • 2 本作の事件の見せ方
    • 信仰と迷い
    • 最後に

 

 

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『不良少年とキリスト』から考える無頼派としての太宰治について

カエルくん(以下カエル)

「桜桃忌も過ぎてこの記事を書くのもなんだけれどね。

 今年はいったの?」

 

ブログ主(以下主)

「さすがに平日に桜桃忌に行くのはなぁ……

 記事でも書いたけれど、昨年は日曜日であることにも加えて色々と重なった年でもあってさ。太宰の娘の津島佑子さんが亡くなったこともあって、小説好きの中では注目度もいつも以上に上がっていたんだよ」

 

カエル「あれ? 太宰ファンって毎年のように桜桃忌にいくものなんじゃないの?」

主「いや、自分は特別に太宰を贔屓しているわけではないので

カエル「……え? 太宰ファンじゃないの?」

主「いや、太宰治は普通に好きだよ? でも太宰ファンって『世界で1番太宰治が好き!』って人が結構多いんだよ。で、自分はそういうタイプではない。好きな作家だけど、熱を入れて読んだ時期は……学生時代の2ヶ月くらいかもね。

 面白い作家だけど句読点の多い文章が気になるなぁ……って思ったり」

カエル「まあ、太宰ファンって簡単に言ってしまうと『お前みたいな無知な人間が太宰ファンなんていうな!』という人もいるかもしれないしね」

 

主「自分は太宰治の盟友であり、同じ無頼派の代表格の坂口安吾の大ファンなの。

 太宰治などの批評で有名な奥野健男なんかは『太宰治は母であり、坂口安吾は父であり、三島由紀夫は兄である』なんて言っていたように記憶しているけれど……坂口安吾が父であるのは同じ。

 ただ自分の場合は太宰じゃなくて寺山修司が入ってくるかなぁ」

カエル「……まあ、どちらも文壇の破壊者みたいなところはあるしねぇ。

 で、今回はそんな人が考える太宰治像についての考察ということだね」

主「ということは『無頼派としての太宰治』を中心に考えていくことになるので、そこのところよろしく!」

 

 

  • 1 無頼派とは何か?
    • 無頼派が人気を集めたわけ
  • 2 不良少年とキリスト
    • それぞれの無頼派
    • 死した太宰と生きた安吾
    • 最後に

 

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映画『TAP THE LAST SHOW』感想 水谷豊のやりたいことは確かに素晴らしい!

カエルくん(以下カエル)

「さて、水谷豊の最新作のお話だけど……」

 

ブログ主(以下主)

「水谷豊って世代によって印象が変わる俳優の典型だよねぇ」

 

カエル「それ、よく言うよね。今の若い世代は右京さんのような落ち着いたインテリのイメージだけど、年配の人は若い頃の水谷豊を知っているから、今のイメージがびっくりだ……という話もよく聞くよね」

主「方針転換を上手くすることができたというのか、1つのキャラクターのイメージに引っ張られすぎているというのかは難しいところだな

カエル「……ちなみに主のイメージは?」

主「……あんまり印象にないんだよねぇ。相棒も全く見たことないし、考えてみたら水谷豊を意識して映画を見るのは初めてかもしれない。実は映画だと相棒を除くと、近年は特にそんなにコンスタントに出演していないんだよ。まあ、相棒やら舞台やらが忙しんだろうけれど」

 

カエル「偉大なテレビドラマシリーズだもんね。今作もテレ朝がバックについていたりして、水谷豊に対して足を向けて寝られないという噂も聞いたけれど、それも本当なんだろうね」

主「しかも本作は監督も務めるし、並々ならぬ気合を入れて作っているらしいからね……

 というわけで、本作の感想をスタートしよう」

 

  • 1 はっきりとした長所と短所
    • ドラマパートについて
    • 脚本について
  • 以下作中に言及あり
  • 2 輝いた点
    • 素晴らしいタップダンスだからこそ……
    • 最後に

 

 

 

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『当て屋の椿(既刊15巻)』感想 エロチックの中にある男と女の業

カエルくん(以下カエル)

「LINEマンガでの読めるようになったとのことなので、ここで改めてレビューを書きなおすとしますか」

 

 

ブログ主(以下主)

「しかしLINEマンガも攻めるなぁ……全年齢向けの作品ではあるけれど、結構過激な性描写の多い作品だよ? しかもアブノーマルな面も多いし……」

 

 

 

カエル「その意味では電子書籍とか向きだよね。そんなにLINEマンガを読まないからラインナップは知らないけれど、やっぱりこの手のわかりやすいキャッチーな要素が多い作品が多いのかな?」

主「まあ、この作品はエロだけじゃないけれどね。むしろ、江戸時代の風俗だったり文化を知る意味では結構わかりやすくていいかも。

 子供には絶対に読ませないけれど!

 一昔前のジャンプとか、そういうレベルのエロじゃないからなぁ……

 それにしても、今作って売れているのかよくわからんのよなぁ……14巻で100万部突破だけど、これって1巻あたり10万部以下でしょ?」

 

カエル「少年漫画がそれこそ桁違いの作品が多いからねぇ。1000万部突破とか言われるとすごい! ってのはわかりやすいけれど……

 青年誌で100万部も十分すごいんだろうけれど、ワンピースが何億部とか言われると100分の1かぁって話になるのは仕方ないかなぁ

主「過去トップの売り上げのものと比べるのがおかしいとはわかるけれどね……

 では記事を始めようか」

 

  • 1 各巻の紹介
    • 『 夜鳴く』について
  • 以下ネタバレあり
  • 2 女の業
  • 最後に

  

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