物語る亀

ネタバレありの物語批評

映画『KUBO クボ 日本の弦の秘密』感想 ストップモーションでしか表現できない意義に溢れた作品!

カエルくん(以下カエル)

「今回取り上げるのは、世界中で話題となっているライカの新作アニメーションの『KUBO』です!

 アメリカから日本へのラブレターだ! という人もいるね」

 

ブログ主(以下主)

「ストップモーションアニメーションは日本でももっと盛り上がってもいい分野だと思うんだけれどね」

 

カエル「日本はアニメ大国なんだけれど、なぜかストップモーションアニメーションはそこまでも盛り上がっていないんだよね。

 それこそ、子供のころからNHKで『ピングー』『ニョッキ』などのクレイアニメーションだったり、『チェブラーシュカ』のようなドールアニメーションを観ているはずなのに、中々お目にかかれない印象があるかな」

主「それこそ『クレヨンしんちゃん』のOPのクレイアニメーションだけじゃないかな?

 結構好きなんだけれどなぁ……まぁ、手間がかかるから忌避されるのはわかる話なんだけれどね」

 

カエル「海外ではちょこちょこ見るんだけれど、もしかしたらデジタル作画とはいえ手書きのアニメと労力などがそこまで変わらないというのもあるのかもね」

主「恥ずかしながらライカのアニメーションは初めてみるからさ、アメリカがどのような作品を作り上げているのか、すごく興味がある。しかも舞台は日本でしょ?

 外国人が描く日本像って笑っちゃうところがあるけれど、それが却っていい味になる作品もある。

 『ブレードランナー』とかね。本作はどんな作品に仕上がっているのかすごく楽しみだよ」

カエル「では感想記事のスタートです!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 本作の制作について
    • ノイズの味
  • 以下ネタバレあり
  • 2 本作のテーマ
    • 本作の構造として〜クリエイター論〜
    • 現実と虚構
    • 子供の成長譚
    • 最後に

 

 

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映画『GODZILLA 怪獣惑星(アニゴジ)』感想 アニメのゴジラは初挑戦! 迫力は満点だけれど……

カエルくん(以下カエル)

「いよいよアニメ映画のゴジラの新作が公開だよ!」

 

ブログ主(以下主)

「……まあ、期待半分、不安半分ってところかなぁ」

 

カエル「もちろん、このブログでもシンゴジラは扱っていて、みんな同じことを思っているだろうけれど、公開初日にあげた感想記事では最も熱く、最も深い記事を書いたという自負があるぐらいにハマったから、その次のゴジラということでハードルはメチャクチャ上がっているけれどね!」

主「シン・ゴジラは今の邦画ができる映画表現の中でも完璧な作品だったと思うんだよ。

 もちろんエンタメとしても面白いけれど、それと同時に恐怖感もある。そして原発や東日本大震災という日本が抱える大きな社会問題を内包する、メッセージ性のある娯楽映画に仕上がっていた。

 それは初代ゴジラが戦争や原爆をテーマにした作品であり、その衝撃を約60年ほど過ぎて再現したという点でも評価が非常に高い、邦画史上に間違いなく残る名作だったな

 

カエル「そのあとに続くゴジラということで、誰もが期待するところだよね」

主「ただ、面食らったところはあるけれど、アニメというのは却ってよかったかもしれない。これがまた実写だったり、特撮だったらたった1年だし間違いなく比べれられることになる。

 シンゴジラは初代ゴジラを見事に現代に復活させたけれど、ゴジラって子供向け映画の要素もあり、また怪獣たちが戦うメチャクチャさも魅力の1つなんだよ。そういった色々な要素がある中で、まだ挑戦されていなかったのがアニメでもある。

 不安はあるよ。だけれど、期待もある。

 アニメだからこそのゴジラを期待したいね

カエル「では感想記事のスタートです!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • スタッフについて
  • 以下ネタバレあり
  • 2 技術と物語
    • 中盤までについて
    • ゴジラとは何か?
    • CGである必要性
    • 最後に

 

 

 

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テレビ業界は衰退していくだけなのか? 映画『We love Television?』と萩本欽一から考える

カエルくん(以下カエル)

「では、今回はドキュメンタリー映画である『We love Television?』から、日本のテレビ業界の未来について考えてみよう! という企画です」

 

亀爺(以下亀)

「この映画を見ておらんでも理解できるような記事になるように、頑張っていこうかの」

 

カエル「実際、この映画を見なくてもどんな作品なのかはなんとなく想像できると思うんだよね。

 萩本欽一は誰もが知る有名人だし、監督は『電波少年』などの土屋敏男だと聞くと、テレビ界を作ってきた人たちの映画だというのがわかってもらえるとも思うけれど……そう言って今の若い子たちがどれだけわかるのかなぁ?

 もうアラサーくらいじゃないのわからないのかも……」

亀「電波少年だって終わったのは何年も前の話じゃし、しかも夜もそこそこ遅い時間にやっていたテレビ番組じゃから、いい子は寝ておったじゃろうしの。有吉はともかくとして、なすびや坂本ちゃん、ドロンズを知る10代がどれほどおるのか……」

 

カエル「テリー伊藤がテレビの演出家だと聞いても、どんなテレビを担当していたのかってのはわからない人も多いよね。単なるタレントにしか見えないし……」

亀「それも時代の流れを象徴することなのかもしれんの。

 では、少し萩本欽一などの解説を加えながらテレビ業界の未来とこの映画について語っていくことにするかの」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 萩本欽一という伝説
    • 先人の教え
  • 2 これからのテレビ界とその終焉
    • 業界の衰退にいかに抗うのか?
  • 3 視聴率の下落とネット
    • テレビ文化の終焉を見た?
    • 最後に

 

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映画『ゴッホ 最期の手紙』『劇場版はいからさんが通る 前編 紅緒、花の17歳』感想

カエルくん(以下カエル)

「今回も2作品合同の記事になります。

 組み合わせ自体は似たような時期に公開されたアニメ映画というだけで、特に他意はありません」

 

亀爺(以下亀)

「『はいからさん』に関しては後編が公開したらそちらとセットにするかもしれんの」

 

カエル「セットで語る作品の組み合わせについてもいろいろと考えてはいるんだけれどね……

 そして今回は舞台挨拶付きの上映に行ってきました!

 主演の早見沙織を始め、梶裕貴、瀬戸麻沙美、櫻井孝宏にようる舞台挨拶でした!」

亀「司会も松澤千晶だったからの……わしも最初に登壇してきた時に、思わぬ人が出てきたもので少しだけテンションが上がったもんじゃよ」

カエル「……まあ、登壇者は当然予告されるけれど、司会者まで予告されることはあまりないけれどさ……そこで有名な司会者が出てきたら、ちょっと嬉しいのはわかるけれど……」

 

亀「特に美女が出てきた時は嬉しいの。また声も凛としていて美しいし、聞き取りやすすくて、さすがはアナウンサーだと感心したものじゃ。

 特に今回は女性陣に品があって美しかったのが印象に残ったの

カエル「実は今年早見沙織を見たのが3度目? くらいになるはずなんだけれど、舞台挨拶を終えた時に舞台から降りる時のお辞儀がとても美しいんだよね。

 声だけじゃなくて、所作が美しいというのはファンになっちゃうところだよね。

 もちろん梶裕貴はいつも通り可愛らしいところもあったし、櫻井孝宏のベテランのマイペースな挨拶で笑いも多くあって、とても楽しい舞台挨拶でした!

 では、作品の感想に入りましょう!」

 

 

 

 

劇場版 はいからさんが通る 前編 紅緒、花の17歳

 

小説 劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~ (KCデラックス)

 

 

作品紹介・あらすじ

 

 1975年に連載され、テレビアニメや映画、ドラマ化などの映像かも何度もされた、大和和紀による少女漫画を、前後篇の劇場版作品として制作された。本作はその前編にあたる。

 監督・脚本には『るろうに剣心 追憶編』や『機動戦士ガンダムUC』などの監督を務めた古橋一浩、総作画監督には『ケロロ軍曹』などの総作画監督も務める小池智史。

 また、主演の花村紅緒役には早見沙織、相手役の伊集院忍(少尉)には宮野真守など人気キャストを多く起用している。

 

 時は大正、17歳の花村紅緒は年頃になっても結婚する気などまったくなく、しとやかさのない元気いっぱいなじゃじゃ馬娘ではあったが、その明るい性格で人気者でもあり学校生活を謳歌していた。

 そんな紅緒に突如父親が用意した縁談が伊集院忍との縁談であった。祖父母の代から決められた許嫁ということを聞かされて、結婚なんてする気もなく縁談を破談にしようと騒動を巻き起こすのだが、忍はむしろそんな紅緒を気に入ってしまう。少しずつ心を近づけていく2人だったが、時代は少しずつ影を落としていくのだった……

 


映画『 劇場版 はいからさんが通る 前編』本予告【HD】2017年11月11日(土)公開

 

 

 

 

感想

 

 

カエル「まずは、何と言ってもまだ前編なので全体評価はまだ下せないというのは先に言っておきます。やっぱり終わってから前編と印象が変わることは良きにしろ悪しきにしろ、多いことなので……」

亀「まずは原作のカットが多い映像化において、スタートからラストまでを映像化しようという心意気に賛美は送られるべきじゃろう。これまで映像化は多くが中盤までで終わってしまったことが多いようじゃが、本作は最後まで描くということを宣伝でも語っておる」

カエル「この原作を映像化するときには量は多いよね」

 

亀「そのために、お話としてはかなり急展開であったり、走ってしまった部分はある。わしははいからさんの物語自体が初見なのじゃが、少しばかりキャラクターの心情の変化などに唐突な印象を受けた。

 例えば少尉が遠くに出向するわけじゃが、そのときに荒くれ者の部下と対峙し、仲を深めていく描写などであったり、また紅緒と少尉に大きな変化が訪れた時の紅緒の心情の変化がさすがに急展開すぎるようには見える。まあ、不可解と言うほどでもないし、上記の理由から察せられることではあるのじゃがな」

 

カエル「まぁ、でもつまらない話ではないけれどね」

亀「本作は後編もあるし、むしろ何度も映像化もされている前編は少しダイジェストにして後編で巻き返そう、ゆっくりと描写しようという狙いがあるのかもしれん。その意味でも、まだ最終評価は下せそうにはないかの。

 ただ満足度が低い作品ではないし、観に行く価値は十分にある作品じゃろうな

 

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袴姿にブーツで颯爽と桜の中を走るはいからさんの魅力がたくさん!

(C)大和和紀・講談社/劇場版「はいからさんが通る」製作委員会

 

本作の味

 

カエル「見どころとしては、まずは何と言っても花村紅緒の魅力だよね!

 袴姿にブーツという出で立ちからして、活発でカッコイイ部分を残しつつも、でも女性らしい可愛らしさもあって!

 キャラクターデザインでちょっと賛否は分かれているようだし、それはわからない話でもないけれど、でも現代風になっていてとてもいいんじゃないかな?」

亀「特に早見沙織の快演が光る。

 昨年も主演女優賞に選ばせてもらったが、暗い演技から今作のように快活な演技に至るまでなんでもこなすことができる、素晴らしい声優じゃな。特に活弁士のような歯切れのいい言葉使いが、聞いていて快感になってくる。

 特に乱暴な物言いをしても、声質からどこか気品や凜とした雰囲気を感じさせてくれて、不快にはならないという絶妙な演技であり……ケチのつけようがない演技じゃな

 

カエル「紅緒は士族の生まれで教育も受けているから、決して乱暴なだけではないもんね。そこいらの町娘とは違うよ、というのがよく出ていたよ!」

亀「もちろん他の役者陣も文句なし。キャラクターの問題もあるじゃろうが、かなりアニメ的な演技にしておったが、お馴染み感もあって安心してみていられる。

 特に梶裕貴の両性を演じ分ける技術も見事で、典型的なオカマ演技ではなく、不快感を持たれない女形の色気が含まれておって、こちらも快演といってしかるべきものになっておった

 

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古橋監督の代表作であり、アニメ史に輝く名作

 

カエル「作品の演出面については?」

亀「まず、わしはこの作品を古橋一浩監督作品という意識で見に行っておる。

 追憶編の大ファンなのでな。時代劇として優れており、アニメとしてもレベルの高い1作であった。

 今作にもその影響を感じる部分は若干あって、スタートがその色が濃いの。

 大島ミチルの音楽とともに、クラシック調であの時代を描き始めるという試みは追憶編を連想させる。その意味でも古橋節が効いており、一気に引き込まれるし、この先を期待したいものでもあったの」

カエル「予告編でも使われている紅緒の自転車での疾走などもアニメとしての快感もあったし、これは後編に期待したい作品だよね!

 僕はあまり詳しくないけれど、おそらく当時の情景そのまま映像化しているんだろうし……凝っている作品になっているんじゃないかな?」

 

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もちろん少尉を始めとする男性陣も魅力たっぷり!

(C)大和和紀・講談社/劇場版「はいからさんが通る」製作委員会

 

時代を映す『はいからさん』

 

カエル「では、ここからはちょっとだけ作品論に入っていきます」

亀「まず大事なのは少女漫画の歴史から考えていくことじゃな。

 少女漫画の主題は今も変わらず『恋愛作品』が非常に多いが、そうなっていったのは背景がある。1970年代は女性はまだ社会的に自立して生きるのが難しい時代であるし、家が決めた相手と結婚する、あるいはお見合い結婚がまだ根強く残っていた時代でもある。

 そこで女性が自分の人生を大きく変えるための革命……それが『自由恋愛』であった

 

カエル「もちろん、これより前の時代はもっとガチガチで、70年代になると自由恋愛の風潮が出てくるけれど、ちょうどそれが夢物語にならずに特に女性が憧れる希望の象徴になる時代なんだろうね。たくさんの少女漫画がここで生まれて、現代に続く雛形になったわけだし……」

亀「少年漫画でバトルものが多いのが、男の子にとって革命とは戦って勝ち取るものだったらじゃろう。その戦い方がファンタジーのようなものであったり、ボクシングなどの格闘技であったり、スポーツであったりというものがあったわけじゃな。

 そして女性は恋愛になる。

 だから、今でも少年漫画はバトル、少女漫画は恋愛が王道となっておる

 

blog.monogatarukame.net

少女モノ作品が変換した象徴としてのウテナ

 

 

カエル「そしてはいからさんの話になるけれど……」

亀「その社会情勢を見事に反映させた作品でもあるの。

 花村紅緒は大正時代に自由恋愛を求める女性であるが、多くの理由により結婚を迫れられる。それは家の都合であったり、運命的なものであったり、そして当時の社会情勢を考えても理にかなっておる。現代で見ると紅緒の言い分は最もなように聞こえるが、当時の価値観で考えれば、むしろ周囲の大人たちの意見の方が真っ当である。

 それらの『女性を束縛するもの』からの打破を描くのが、紅緒のキャラクターである

カエル「でも紅緒は少尉に少しずつ惹かれていくよね?」

 

亀「もちろん物語上の都合もあるじゃろうが、そういった運命や親との縁で結ばれた相手も愛は生まれるということを描いておることもあるのじゃろうな。

 皿を割ってしまうところに代表されるように旧時代からの脱却と、女性の社会進出、そして運命の恋愛を描いたところに人気の秘密があるのじゃろう

カエル「なるほどねぇ……」

亀「さて、これで記事は半分じゃが……うん? 電話がかかってきたの。では、少しだけ席をはずすとするかの……」 

 

 

 

 

ゴッホ 最期の手紙

 


映画『ゴッホ ~最期の手紙~』日本版予告編

 

作品紹介・あらすじ

 

 世界的に高い評価をされている印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホの絵画を素にアニメーションとして動かした長編油絵作品。

 俳優が演じた映像をデジタル技術で映し出し、それをゴッホの画風で模写し、約6万5000枚に及ぶ絵画を120人を超える画家が分担して描いている。

 監督はドロタ・コピエタとヒュー・ウェルチマンが務める。

 

 郵便配達人ジョゼフ・ルーランの息子アルマンは、自殺した画家のゴッホが弟テオに当てた手紙を託される。そこでゴッホの死の真相に疑問を抱いたアルマンは調査を開始していくうちに、衝撃の事実が浮かび上がる……

 

 

 

感想

 

 

カエル「では、続きましたガラリと印象の変わる作品ですが、ゴッホの最期の手紙の感想といきます」

主「これさぁ、色々と言いたいことがあるのよ……」

カエル「……あれ? 亀爺から変わっている……」

主「細かいことは置いておいてさ、まずはこのゴッホの油絵のアニメーションを作ろうという意図はとても素晴らしい。それだけでこの作品は賞賛されるべき作品だし、その素晴らしさは多くの人に伝わるだろう。

 例えば浮世絵を動かした『百日紅』などの作品もあったけれど、もちろん全編ではない。そんなことは相当難しいし、コストもかかりすぎるから中々やらないよ。

 でも、それを実際にやってしまった。

 こういうとちょっと語弊があるけれど、素晴らしさがわかりやすいアニメーションだよ

 

カエル「物語としてわかりやすい、とかではなくて、この映画がどのように画期的なのかわかりやすいという意味だね」

主「世界初の油絵アニメーションと言われるとロシア人のアニメ作家、アレクサンドル・ペトロフなどもいるわけで、なぜ『世界初』がつくのか? と少し疑問に思ったけれど……多分長編アニメーションだからだろうな」

 

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ペトロフの代表作

本作と『老人と海』が特に有名

 

主「ではそのペトロフの作品と比べると、自分は本作の方が見やすい印象があった。

 今作はロトスコープと呼ばれる手法を使っていて、これはウォルト・ディズニーの時代から使われている手法でもあるけれど、実際に演じた役者などを下敷きにして、その上からアニメーションの絵を描くという手法である。

 そのおかげもあるのか、人物がすごくしっかりとしているんだよね。動きなどにも違和感がなく、しかも2コマ打ち(1秒間に12枚のコマを使い、なめらかな動きになる)らしいからさ、かなりヌルヌル動くのよ。

 そのおかげで相当見やすい映画になっているように受け取った」

 

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ゴッホの絵が動く、これだけでも魅力がわかりやすく通じるでしょう
(C)Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.

 

アニメーションの快楽

 

カエル「結構世間では評判がいいよね。主も絶賛なの?」

主「……まず、言っておくけれどさ、自分は絵画に関しては全く詳しくない。ゴッホなんて全然わからないし、印象派の絵画はその魅力もちんぷんかんぷんだ。好きな画家はフェルメールぐらい、あとは浮世絵とか、そんなものをたまに見に行くくらいの門外漢であることは先に言っておく」

カエル「本作はゴッホが好きかどうかによって評価が分かれそうだからね……」

 

主「そんな人間からすると本作は『絵画』としては素晴らしくても『アニメーション』としてはそこまで素晴らしいとは思えなかった。

 これはロトスコープの影響もあるんだろうけれど、役者の演技をなぞっているだけのように見えてしまったんだよね。

 当たり前の話だけれど、集められた画家は連続した絵を描くというアニメーションの専門家ではない。

 同じ『描く』という行為の専門家だとしても、求められることは全く違うんだよ

 

カエル「アニメーションって絵や筆致を真似しながらも、連続して動きを作るものだから、画家とはまた違う難しさがあるよね」

主「本作はロトスコープの元になる役者の演技が結構いい。

 そしてこの筆致もあって……ここまで描くならば、もはやアニメーションでなくて実写でいいのではないか? という思いが芽生えてしまった。

 アニメーションで本作を作る意味ってなんだろう? ってね」

 

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アニメーションの快楽性が高い名作の1つが『父を探して』

 

 

カエル「ロトスコープってただなぞるだけじゃないの?」

主「全然違うよ!

 ロトスコープの味を見たければ、ディズニーの『白雪姫』とかさ、a-haの『teke on me』のPVであったり、それこそ『君の名は。』の神楽舞のシーンを見て欲しい。どのように演出し、どのように動きを選択するのか……そこにアニメーションの快楽がある。

 映像的に豪華だから快楽性が伴うわけではないんだよ。

 その意味では本作はアニメーションとしての快楽性は弱いように思ったかなぁ……

 それと、120人の芸術家が描きました、とは言ってもさ、アニメって基本的にそういうものだし。

 みんなが見ているテレビアニメも数十人がかりで描いていることもザラだし、劇場作品ではもっと多くなるだろう。そしてペトロフなどの1人でアニメーションを描いてしまうことも、それもまたすごいことなんだよ」

カエル「もともと『父を探して』とか、今期でいうと『少女終末旅行』のEDとかのシンプルなアニメーションが好きなこともあるだろうけれどね」

 

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このような絵画が動き出すシーンは快楽性があるモノの、それがずっと続くと飽きてきちゃうところも……

(C)Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.

 

映画として

 

カエル「そして1作の長編映画としてはどうだったの?」

主「う〜ん……ここも微妙だったかなぁ。

 今作の感想をいくつか読んでみたけれどさ、どれもアニメーションとしての絵については語っているけれど、物語に触れているものは少なかった。

 個人的には結構退屈に感じてしまった印象だな」

カエル「そこまで派手な物語ではないというのもあるのかもしれないけれど……」

 

主「まず、油絵が主体だから画面が見辛いというのはある。

 セル画のアニメーションが主体になったのは安いからだけれど、やはり鉛筆などだと線が主張しすぎないから見やすいんだよね。その意味では本作は……というか、油絵は相当目がカチカチしてしまう。

 そして人物の見分けも……これは個人の問題かもしれないけれど、そこまで見分けやすいとも思わなかったかなぁ。混乱するほどではないにしろ、ね」

カエル「油絵の問題点かもね。

 ペトロフの作品も絵画としての美しさはあっても、見やすいアニメーションではないのかな?」

 

主「全体的に今作はゴッホということもあるのか、色彩が暗めだったのも気になったかなぁ。

 本作の印象としては『かぐや姫の物語』とか『レッドタートル ある島の物語』に近い印象がある。

 作品としての挑戦する精神性であったり、意義というのはよく分かるし偉大なアニメーションと言える。

 だけれど、娯楽作品としてはエンタメ性に特化したというわけでもなく、見る人を選ぶという欠点がある。

 芸術作品だ、というならそれでいいかもしれないけれど……万人に受ける作品でもないし、オススメできる作品でもないとは感じたかなぁ。ただ、本作の素晴らしさはわかりやすいから、その意味ではバランスがいいのかも……

 短編向きの作品だったし、30分だったら自分も大絶賛していたかもね

 

 

 

 

最後に

 

カエル「というわけで、この2作品の感想の記事でした」

亀「……到達にわしの出番が削られたの」

カエル「あれ? そういえば主は? どこ行ったの?」

亀「好き放題話したら満足してどこかに去って行ったわい。大方、また何かの映画を見に行ったのかもしれんがの」

 

カエル「……ちなみに、亀爺はどこにいたの?」

亀「急に主から電話が来て呼び出されたら『ちょっとお使い行ってきてくれない? お釣りはお駄賃にしていいからさ!』などと言われて、コンビニに肉まんとピザまんを買いに言ったわい」

カエル「……本当に子供扱いされていたんだね……」

 

 

blog.monogatarukame.net

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『新海誠展』感想 新海ファン必見! それまで作品と足跡を網羅した展覧会!

カエルくん(以下カエル)

「では! 今回はいつもと趣向を変えまして、美術館に行ってきたのでその感想をあげていきます!」

 

ブログ主(以下主)

「……まるでどこかの美術ブロガーみたいだなぁ」

 

カエル「でも見に行く題材がやはりうちのブログらしい内容です!

 『新海誠展』に行ってきました!」

 

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主「……ついに国立の美術館でアニメ監督の展覧会が行われるようになったのかと思うと、クールジャパンもとんでもないところまで来たなぁ、という思いがあるよ。

 でも国立新美術館以外でも、例えば『EVAと刀剣』みたいな展覧会であったり、アニメ監督の展示などもあるんだけれどね。

 国立の美術館で単独のアニメ監督の展覧会は初らしいけれど

 

カエル「以前にも国立新美術館に来たことがあるけれど、その時はゲームの展示だったり、漫画やアニメの歴史についてまとめた展示だったから、実はちょこちょこオタク系の展示の実績もある場所なんだよね」

主「たくさんの名アニメ監督がたくさんいて、もちろんもっと大御所のアニメ監督もたくさんいる。

 その中でも新海誠を選んだというのは、それだけ意味が深いことなんだよ。

 その辺りも含めて注目していきたいね」

カエル「では記事の始まりです!」

 

  • 国立新美術館と新海誠
    • 入場、特別OPへ
  • ほしのこえ
    • 新海誠の衝撃
  • 雲の向こう、約束の場所
    •  スタッフとともに……
  • 秒速5センチメートル
    •  作品としての秒速
  • 星を追う子ども
    • 作品としての星を追う子ども
    • その他の作品たち
  • 言の葉の庭
    • 作品としての言の葉の庭
  • 君の名は。
    • 男性らしさ、女性らしさ
  • EDムービー
    • 新海誠の展覧会の意味
    • 『2回』の奇跡を起こした新海誠
    • 最後に

 

 

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日本の短編アニメたち! おすすめしたい傑作短編アニメを紹介していくよ!

カエルくん(以下カエル)

「今回は趣向をいつもより若干変えて、ネット上やCMなどのアニメ表現について考えていきましょうか」

 

亀爺(以下亀)

ご存じのように、日本はアニメ大国である。

 近年はそのクオリティの高さもさることながら、デジタル技術によってアニメーションを作るハードルは下がっておる。

 海外のアニメ映画などはそれによって様々な短編、長編作品が生まれておるが……では日本はどういう流れがあるのか? ということを考えてみようという記事じゃな」

 

カエル「今やアニメを使ったテレビCMもたくさんあって、それこそ新海誠だって手がけているほどで……しかも、その作品が新海誠のフィルモグラフィーを読み取るのに重要な位置付けにあったりするんだよね。

 企業側も女優やアイドルと違ってスキャンダルや加齢がなく、しかも人気をはくせば企業の象徴的存在にもなるといういうことで注目度が増しているようだね

亀「しかし、今の日本のアニメを語る際にテレビアニメや劇場アニメは語っても、そういった短編は語られずらいという一面がある。

 なので、アニメ表現に関してなんでも口を出したがる主が立ち上がったということじゃな」

 

カエル「……まあ、簡潔にいえば備忘録です。

 ちなみに今回はプロ、アマチュア問わず選定している上に、ここ数年適当にネットサーフィンして引っかかったものを選んでいるため、実は今ではとても評価されていたり、あるいは有名な動画であったりするかもしれませんが、作者の事以外は特に調べずに羅列しているので悪しからず」

亀「日本のアニメ表現の幅広さに驚くことになると思うの。

 では、早速記事を始めるとするかの」

 

  • CM作品
  • 音楽系作品
  • 個人製作作品(プロ編)
  • 個人制作(アマチュア)
    •  最後に

 

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木根さんの1人でキネマ(既刊4巻)感想 映画あるあるに満ちた映画ファン必見の作品!

カエルくん(以下カエル)

「久々の漫画レビューだよね」

 

ブログ主(以下主)

「特に本作は映画について語ったレビュー漫画だから、色々とこのブログと親和性はそこそこ高い作品になっているな」

 

カエル「……絵が描けたらまた色々と変わってくるんだろうね」

主「Twitterとかでも映画の感想を漫画にしていると目を引くからなぁ。まあ、絵が描けたらブログも色々と書き方が変わるんだろうけれど」

カエル「文字だから色々とかけるというのはあるよね。

 絵だと4コマ漫画みたいなのでも時間がかかっちゃうし、情報量も詰め込めずらいし。でも絵の方がすぐに読めて好きだって人も多いだろうね」

 

主「……誰かこの絵を描いてくれないかなぁ」

カエル「自分で描いてみたら? できないことをできるようになるのが成長なわけだし、できないって言っているだけじゃ何も変わらないし」

主「人に見せられるものになるのに何年かかるんだろうね……」

カエル「それでは、今回の漫画はこちら!」

 

木根さんの1人でキネマ 1 (ジェッツコミックス)

 

 

主「映画ファンのあるある話をまとめた漫画だよね。よし、じゃあ個人的あるある話を絡めながら、紹介していこう。

 なお、この記事は2巻の発売時に書いたものを加筆修正しておりますので、2巻の感想だけ厚いですが気にせずにいてください。

 どの巻も面白いです!

 

  •  登場人物紹介
  •  全体の感想
  • 2巻の感想とあるある話
    • ジブリ映画に思うこと
    • 吹き替え問題
    • 『オススメの映画』問題
    • マッドマックス 怒りのデス・ロード
  • 3巻の感想
  • 4巻の感想
  • 最後に

 

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