物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』感想 本作が描き出した料理の美しさに注目! ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「実はこのブログで注目している映画のジャンルっていくつかあるんだけれど、この作品もその中の1つなんだよね」

 

ブログ主(以下主)

アニメ・ナチス・料理の3つだな。

 アニメ映画は説明する必要もないだろうけれど、子供向け、オタク向け問わずになるべく見に行くし……さすがにプリキュアやアンパンマンまでは行かないけれどさ、ナチスは戦争映画の中でも深い葛藤がある場合が多い。賛美を送ることはできない過去を持つドイツにとっては、どのように決着をつけるべきか難しい題材だからね」

 

カエル「で、料理は?」

主「……単純に好きだから。

 今でこそ映画の感想が多いブログだけれどさ、当初はグルメブログでもやろうかな? と思っていたこともあるのよ。

 少なくとも食べ歩きの結果も乗っけていこうかなって……」

カエル「なんで辞めたの? はっしーみたいになれたかもしれないのに……」

主「単純に費用がとんでもないことになるよね。

 映画って結構リーズナブルな趣味なんだよ。

 1回2時間1800円と考えると高いように思うけれど、案外割引が効くしポイントカードも多いしさ、前売り券もあって……1500円として、1時間750円で収まる趣味ってそんなに多くないよ」

 

カエル「カラオケとかネットカフェにちょっと毛が生えたような金額だもんね」

主「そして時間がかかるから上限がある。そして話題にもなるし……

 一方の料理は1食で何万と飛ぶこともあるし、安い店ばかりじゃない。当然移動費もかかるし、何よりも太る。だからどう考えても不可能だから辞めたの。多分ブログを始める上で相当コストが高いものの1つがグルメだろうな」

カエル「だけど、食事をメインにした映画ぐらいはってことか……」

主「今年はそこまで多くない印象だけれどね。

 では、大作邦画がどのように料理を扱ったのか……感想記事を始めましょう」

 

 

 

ラストレシピ END TITLE

 

作品紹介・あらすじ

 

 『料理の鉄人』を手がけた演出家・田中経一のデビュー小説を、秋元康が企画として参加し、アカデミー賞監督である滝田洋二郎が監督を務めて実写化した作品。脚本は『チアダン』『永遠の0』などの大作邦画に多く脚本を書いている林民生。

 主演には二宮和也、また二宮が追う昔の料理人の役を西島秀俊が演じ、綾野剛、宮崎あおい、竹野内豊などが脇を固める。

 

 一度食べた食材の味を絶対に忘れない、絶対味覚を持つ天才料理人である佐々木充(二宮和也)は、その完璧主義な性格が災いして店を潰してしまい、借金を作ってしまう。その返済のために記憶に残る料理を再現する料理人として各地を回っているところに、中国から依頼が届く。

 その依頼は1930年代の満州国で伝説のフルコース『大日本帝國食菜全席』のレシピを見つけ出し、それを復活させて欲しいというものだった。5000万円の成功報酬のために調査を開始する佐々木は、天皇の料理番であった山形直太郎(西島秀俊)について調べていく……

 


「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」予告

 

 

 

 

1 感想

 

カエル「では、Twitterの短評からスタートです!」

 

 

「まず、最初に欠点を述べてしまうと、これはもうどの大作邦画にも共通しているけれど説明口調があまりにも多い。その説明も、例えば料理人であれば何も知らない客に説明するならばまだ工夫がある方であり、お互いに事情を知っている2人が、それを確認しあうようにベラベラと話してしまう。

 よく言えば解りやすい、悪く言えば観客を馬鹿にしている脚本でもある

カエル「いきなり手厳しいね……」

 

主「でもね……逆に言えば、それ以外の問題点は特にないよ。

 細かいことを言い出したらあるのかもしれないけれど……綾野剛、料理人なんだから髪と髭を切れ! とかね。そういう細かいことはあるかもしれないけれど、本当にうまくできている。

 まず、何よりも素晴らしいのが『本作の主役たちの顔』なんだよね

カエル「アイドルやイケメン俳優を多く使っているからねぇ……」

主「違う!

 今作の主役、それは『料理』『食材』なんだよ!

 もちろん、この映画を見に行く人は嵐のファンも多いだろうし、イケメン俳優人が目当ての人も多いだろう。むしろ自分のように料理目的で見に行く方が少ないかもしれない。

 でもね、料理を扱う作品において1番輝かなければいけないのは、その料理なんだ!

 ここをおざなりにすると全てが崩壊する!」

 

カエル「……そんな熱く語られても」

主「実際、彼らが命をかけて、プライドを持って挑む仕事の結果である料理がしょぼいものであった場合、役者の演技そのものがどんなに素晴らしくても、それは口先だけのものに見えてしまう。

 そして本作は食材や料理の手際などが非常に美しいです! これだけで大絶賛してもいいくらいに。だからこそ、本作の物語が浮かないように、骨太なドラマになっているんだ」

 

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本作の主人公の1人、西島秀俊演じる山形直太郎
(C)2017 映画「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」製作委員会
(C)2014 田中経一/幻冬舎

 

『料理』の持つ意味

 

カエル「料理ものって色々あるけれど、一言で言い表すことができないよねぇ。色々なテーマがあって……」

主「自分は料理漫画も好きだから、それに沿って話をするけれど料理の物語のテーマは幾つかある。そしてそれは料理という行為が持つ、人間が毎日のように行うことだからこそ、重要な意味をいくつも持っている」

カエル「ふむふむ……では具体例とともに出していきましょう」

 

 

① コミュニケーションの手段としての料理

 

クッキングパパ(1) (モーニングコミックス)

 

カエル「まずはクッキングパパなどを代表するように、家族や友人などとの関係性を重要視する上での料理の面だね

主「『同じ釜の飯を食べた仲』というように、料理には同じコミュニティに属することを確認する作用がある。家族だけではなくて、例えば日本で言えば地域性の違いなどもあるし、ご当地料理もある。そのわずかな味付けの違いだけで喧嘩になることもあるだろう。

 これは毎日食べるものだからこそ重要視されるものであって……民族料理や各国の料理などはその民族に属する、その国に属するということを確認するための行為でもある

 

カエル「そして逆に言えば、その料理を食べるだけで『あなたたちと友好関係を築きたい、コミュニケーションをとりたい』というメッセージにもなるね」

主「旅でその地域の人に好かれるためには、現地の物を食べて、現地の酒を飲むことが大事だという。これはわかるよね、もてなす側が出したご馳走に手をつけなければ誰もいい思いをしないし、逆にいっぱい食べるとそれだけで心を許しちゃう。

 それに映画における食事シーンは日常であったり、彼らのコミュニティを確認する作業でもあるから、注目すると色々なメッセージ性を含んでいることにも気がつくよ

 

 

 

② 交渉としての料理

 

大使閣下の料理人(1) (モーニングコミックス)

 

カエル「続いては『大使閣下の料理人』という、ドラマ化もされた料理漫画を元に話していこうか」

主「会食、会談の席において様々な料理が出される。その1つ1つにも実は意味が込められている、というのが料理の役割の1つである。

 例えば日本とアメリカの外交官の交渉の場で、出された牛肉が日本産か米国産かの違いだけで、メッセージ性は変わってくる。日本産なら『牛肉の輸入量を増やすのは慎重です』だろうし、米国産なら『もっと輸入をしますよ』というメッセージにもなる。

 これは深読みしすぎととられるかもしれないけれど、どこの国で、どこの産地で作られたものなのか……それが大事な意味を持つこともある

 

カエル「首相が『福島の農産物はとっても美味しくて安全!』といいながら食べるのも、政治的なメッセージを含んだ行為だもんね」

主「このように料理というのは外交やメッセージ性を含んだものになってくる。

 思わぬ受け取られ方をして失敗することもあるだろうし、かといって相手の言う通りになってもいけない……そんな交渉の1つとしての側面を描いたのが『大使閣下の料理人』だね」

 

 

③ バトル、プライドのぶつけ合いとしての料理

 

包丁人味平 〈1巻〉 包丁試し1

 

カエル「ご存知? といっていいのか……古い作品だけれど、料理漫画の金字塔であり、元祖料理漫画の1つである包丁人味平だね」

主「たぶん、現代の料理漫画で1番多いのがこの手の漫画で……今なら『食戟のソーマ』とか、ちょっと前なら『焼きたてジャパン』『将太の寿司』『中華一番』などのようにこの手の料理バトル漫画はたくさんある。

 これはもちろんどちらの方が美味しいのか? というバトルとしての料理を描いているけれど……それだけじゃない。

 職人としての意地も描いているんだ

 

カエル「その料理にどれだけの情熱を込めるのか、ということが大事なわけで……」

主「美味しいものを食べてもらいたい、少しでも自分の腕を磨きたい……その思いで一身に努力を続ける姿に感動するし、魅力的なライバルたちに勝っていく。それがこの手の作品の魅力だね。

 そしてその3つの要素がすべて混ざっているのが、料理漫画の金字塔である『美味しんぼ』である

 

カエル「とりあえず料理漫画を元に料理のもつ意味を3つほどあげていったけれど……それは当然本作に関係するんだよね?」

主「もちろん!

 この作品はこの3つの要素が見事に絡み合いながら、過不足なく混在している。料理バトルはないけれど、職人の意地は見事に感じられる作品に仕上がっている」

 

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家族の団欒としての料理の姿ももちろんある

小さい頃かこんないいものを食べるなんて、時代を考えても役得だなぁ

(C)2017 映画「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」製作委員会
(C)2014 田中経一/幻冬舎

 

監督・キャストについて

 

カエル「監督はアカデミー賞監督の滝田洋二郎だね。

 ピンク映画からキャリアをスタートさせて、大作邦画をたくさん撮り続けてきた人だけれど……」

主「アカデミー賞監督だけれどさ、そんな感じがほとんどないじゃない?

カエル「……というと?」

主「世界に評価される監督というと、是枝裕和とか、河瀬直美とか、北野武とか……古いところでは黒澤明もそうでけれど、強烈な作家性や芸術性が感じられる。自分は彼らが評価されるのはよくわかるけれど、エンタメではないじゃない?」

カエル「娯楽ばかりの作品とは言いづらい監督たちだね。日本だとイマイチ評価されにくいというか……そこまで大ヒット連発な監督ではないね」

 

主「滝田洋二郎のすごいところって『陰陽師』撮って、歴史物ばかり撮るのかなぁ? と思ったら『バッテリー』撮って、『おくりびと』撮って、そして『釣りキチ三平』でしょ?

 で、また『天地明察』で歴史物に戻って、アカデミー賞監督らしい芸術性あふれる作品を多く撮るのかな? と思ったら、今作が出てきたわけだ」

カエル「今作はエンタメではあるけれど、芸術性とかはそこまで感じなかったかなぁ……料理はとても美しいけれどね」

主「このエンタメに特化した立ち位置なども不思議な監督だよね。次の『北の桜守』で今度はどんな作品を生み出すのか、楽しみだな」

 

映画「おくりびと」【TBSオンデマンド】

滝田洋二郎といえばやはりこの作品が最も有名……なのか?

 

 

カエル「そしてキャストだけれど、ファンが多い人たちなので言葉を選んでね!」

主「悪口は出ないよ。ただ、ちょっと意外な人選だったな、ってだけで」

カエル「……意外?」

主「同じ嵐のメンバーの中だけで考えてもさ、この役はニノのイメージに合っているとは思えないんだよねぇ。どちらかというとコメディ寄りの印象が強い。

 この役をやらせるなら……同じ嵐でも他の人の方がイメージが近いかなぁ」

カエル「そこはほら、色々とキャスティングの事情もあるだろうし……」

主「本作においてニノの味が出たという印象はあまりないし、ニノでないとできない役だったとも思わない、というのが本音かな。西島秀俊の方が出番が多いんじゃない? と思うこともあるから、簡単には言えないけれどね」

 

カエル「他のキャストに関しては?」

主「文句なし。

 作品を邪魔するような演技の人もいなかったし、しっかりと涙腺を刺激してきた。中国人の役者は日本人の連想する中国人らしさがあったしね。

 中々良かったよ」

 

以下ネタバレあり

 

 

 

2 王道のスタート

 

カエル「では、ここからはネタバレありで語っていくけれど……」

主「何度も言うけれど、本作の最大の魅力はその料理の描写である。

 そしてそれがうまくいっているからこそ、本作は傑作となっている。

 本作の説明では料理漫画を多く取り扱ったけれど、それはこの作品がそれらの王道の要素を組み合わせているからなんだよね」

カエル「スタートの色々な依頼をこなしながら大金を稼ぐというのは『ザ・シェフ』そのまんまだよね……」

 

主「主人公が苦難に陥っている理由、そして凄腕だけれど店を持つことができない理由をつける場合、この『借金』というのはかなり多い。

 なぜならば、お金のために行動するというのは誰にでもわかりやすい理由で納得もしやすい。

 以前、このブログでも紹介した『二ツ星の料理人』という映画も全く同じだ。ちなみにこの作品も中々面白いよ」

 

二ツ星の料理人(字幕版)

 

blog.monogatarukame.net

 

 

 

カエル「ふむふむ……」

主「本作は料理ものが持つ様々な魅力を複合しているというのは先に述べたけれど、それは冒頭からすでに発揮されているわけ。

 では、ここからは本作と料理の関係性について考えていこうか

 

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本作の『主役』たち

美しい姿に要注目!

(C)2017 映画「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」製作委員会
(C)2014 田中経一/幻冬舎

 

料理の持つ意味

 

カエル「まずは、何から語るの?」

主「本作の料理とは、まず文化の象徴なんだよね。

 楊が最初に不満を漏らしていたけれど、あれは当然の反応なんだよ。中国人からしたら山形という人間は中国の文化である満漢全席を超える料理を作りに来た、文化的侵略者なわけ。

 これは日本人でもわかるでしょ?

 寿司を超える日本料理を、懐石なんて大したことじゃない、なんて中国人がやってきたらいい気持ちはしない。

 つまり、料理というのはその国、民族の誇りであり、それらを象徴する存在でもあるわけだ

 

カエル「だけれど、そこで山形は『民族を融合する料理を作ろう』と意気込むわけだよね」

主「これも料理の特性だよね。その国の食材、調理法を用いて日本との融合をはかる……あの軍国主義の時代には数少ないであろうリベラルな態度だ。

 それを象徴するのが山形の態度なわけ。カエルは、料理人の世界というとどういうものを想像する?」

カエル「え? やっぱり……厳しい業界だよね。すぐに怒られたりさ……」

 

主「そのはずなんだよ。時代のこともあって、自分もかなり違和感があったんだけれど、この映画を見ていてわかったのは、山形が優しいのはその民族融合を願っていたからだろう。

 つまり、軍国主義である三宅などと対比した存在になっている。

 軍国主義による満州国の設立……色々な見解はあるだろうけれど、武力を背景とした独立に対して、山形たちは料理という文化による日中融合を目指していた。

 だからこそ、この2つは激しくぶつかったわけだ」

カエル「料理と武力の対立かぁ……」

 

主「それは単なる日中だけの問題ではない。中盤でロシア料理が……ロールキャベツを日本風に調理するシーンがあったけれど、その意味を考えるとさ、やはり国境を超えた、武力を背景としない友好的な態度があるわけ。

 これが料理の特性②である、メッセージとしての料理。本作における楊も、ソ連のホテル支配人も日本の敵国である。だけれど、その敵国でさえも包括してしまおうというほどの気合いがあるのが、本作なわけだ」

 

【シアターカルチャーマガジンT36】(ラストレシピ ポストカード付)

本作の主演を務めたニノ

画像は探したけれど見つかりませんでした……事務所の影響かぁ……

 

 

 

 

 

情熱と歴史

 

カエル「だけれど、その道のりだって簡単なものではなくて、山形には大きな悲劇があるけれどみんなが止める中で1人で料理を続けたわけで……」

主「あれが単なる国家の象徴となる料理を作るというプロジェクトであったら、そこまでやらなかっただろう。

 だけれど、その先に誰もが喜べる国境を超えた友愛の時代があると信じていたし、彼は料理人であるからあのようなことしかできないわけだ。

 その彼らの情熱の先にあるものこそが、あのレシピにつながっていく

 

カエル「そう考えるとすごい話だよねぇ。

 満州のことを考えると、あの後は歴史的に色々と複雑なことになっていって、軍部が暴走したりなんだりってこともあって……ややこしいことになるわけじゃない?

 結局山形さんもああいう形になってしまうし……」

主「だけれど、その思いを引き継いだのが敵国であるソ連の人間と、中国共産党の人間だ。その人物たちの手を渡り、そのレシピは色々な経歴の後にあるべき人の元へと渡る。

 つまりさ、山形の思いは通じたんだよね。

 世界の友愛の先に繋がれたもの、軍国主義でも、武力でも潰せなかった思い……それがあのレシピだ」

 

カエル「感動的な話だね」

主「自分に言わせて貰えば料理というのは『世界一寿命の短い芸術』なんだよ。どれほど丹念に作られた一皿であっても、1日放置することはまずありえない。大体5分もすれば誰かが食べ始めて、いつかは消えてしまう……そう運命付けられた芸術なんだ。

 だけれど、その料理もまた時を超える時がある。

 それは開業百何年という老舗の味を守り続けたという話でもそうだし、毎日毎日継ぎ足ししたタレの味、なども時代を超えて愛されることになっている。

 それはレシピも当然同様であり……あのラストの、EDの後の映像こそが『時代を超えて愛された芸術』の姿を現している。

  国境を超える友愛、時代を超えた願い、そしてその先に待つ継承……いや、大作映画として見事なものをみさせてもらったな」

 

 

 

最後に

 

カエル「今回は説明台詞以外に気になるポイントもなしということで、結構絶賛の記事になったね!」

主「途中の『似ているよ、お前とあの人は』みたいな発言とかは本当にいらなかったけれどね。そんなの、言われなくてもわかっているわ! って。

 今作に出てきた料理が本当に美人揃いで、いろいろと食べてみたくなった。あの鮎を三枚下ろしにした時の美しさ、スイカの赤、そしてきゅうりの緑……何でもないと言ったらあれだけど、一般的な食材の色だけで美味しさが伝わって来るんだから、たいしたものだよ」

 

カエル「映画における料理ってすごく難しくて、当然味は伝わらないし、匂いもわからない。結局視覚と聴覚だけで勝負することになるわけだけれど、本作はそこもうまく計算されていたね!」

主「好感が持てるのは二宮がちゃんと食べているんだよね。

 多くのアイドルが起用された映画やドラマでは食事シーンは、役者はほぼ食べないんだよ。食べても野菜だけとかが普通でさ、違和感がある。

 今作では吞み込みまではしていないから途中で吐き出しているのかもしれないけれど、鮎の料理を食べた時に湯気が立ち、そしてカリっとしっかりと音が鳴った。これが大事! 

 作り置きでないからこそできる音と味なんだ」

 

カエル「美味しいものを美味しそうに食べる、それは簡単なようで難しいことだよね」

主「いやいや、本作は思わぬ掘り出し物でした。今年の料理映画では……『人生フルーツ』という超強豪がいるけれど、ドキュメンタリーだからね。

 フィクションの料理映画では今年1番でしょう!

カエル「……何度目の今年1番だ?

 しかも結構限定されているし……」

 

 

 

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