通勤途中に小説を〜短編小説『海と夕日』

もうすこしで夏も終わろうとしている。 台風が過ぎ去ったばかりの海はこの時期にしては珍しく人もまばらで、地元の人間である僕にとってはありがたいことだった。うるさくないし、道路も混まないし、何よりもゆっくり海を眺めることができる。叔父さんがやっている海の家は台風が去って風も収まってきた夕方から開店したが…