カエルくん(以下カエル)
「……打ち上げ花火があまりにも酷評続きだねぇ」
亀爺(以下亀)
「あまりの酷評続きで主は気にしすぎてしまい、ぐったりしておったからの。
『そこまで悪い作品なのだろうか? 自分の感性の問題なのだろうか?』と悩んでおったわい」
カエル「いや、まあ感性の問題だろうけれどさぁ、自分が作ったわけでもない映画の出来不出来でそこまで悩むものなの?」
亀「ありがたいことに、このブログを見て映画を見に行こうとする人もおるみたいじゃからな。もしもダメな作品を褒めてしまったら……とか考えておるのじゃろう」
カエル「……逆に『全ての作品評価が私と同じです!』って言われたらそれはそれで怖いけれどね。いや、もうちょっと何かあるでしょ? って気分になるというか……
でもさぁ、これだけ叩かれると悔しいところもあるじゃない?」
亀「では、批判意見に対してはっきりと言わせてもらおうかの」
カエル「そうだ! 言ってやれ! 反撃だ!」
亀「批判意見の多くは間違ってないとわしも思う」
カエル「そうだそうだ! お前らの意見は間違ってない……え?」
亀「テンプレートな流れをありがとう。
今回はこのブログでは称賛した『打ち上げ花火』であるが、それがなぜ賛否両論……というよりは、否定意見が多くなってしまったのか、ということについて考えるかの。
ちなみに前の記事と被るところもあるでの。そこは承知して欲しい」
カエル「冷静になって考えた結果、ということでよろしくお願いします。
あと直接的なネタバレはしないですが、なんとなくお話がわかってしまうような記事になると思いますので、そこは申し訳ありません」
絶賛の感想記事はこちら
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1 脚本について
カエル「じゃあ、まずは1番叩かれている脚本についてだけれど、この映画の脚本を手掛けた大根仁は、原作に対する愛が非常に強くて『モテキ』の中でも聖地巡礼を実際にやっているような人じゃない?」
亀「そうじゃの。おそらく、プロデューサーの川村元気の年齢……まあ、アラフォーといったところかの、その年代の人はリアルタイムで同じような年齢であったじゃろうから、あの青春物語が現実味を持っていたのかもしれん。
大根仁は川村元気よりも10歳ほど上になるが、映像関係の仕事をしていたと考えると、やはり熱心に研究していたのじゃろう。映像に対する感性も一般人よりも鋭いはずじゃろうし、作品の魅力がダイレクトに伝わったのじゃろう。
ファンは多い伝説のドラマであることは間違いないじゃろうな」
カエル「で、原作に対する愛もあって、確かに中盤以降はオリジナル要素も強いけれど、約1時間の作品を伸ばすということを考えれば、そのオリジナル要素は絶対必要だったと思うんだよ。
問題はなぜこの映画が『脚本が弱い』と言われてしまう結果になったのか、ということだけれど……」
亀「まず間違いないのが年齢を1歳引き上げたことによる違和感かの。
原作の打ち上げ花火の方は小学校6年生という設定じゃが、わしの目には典道役の山崎裕太と祐介役の反田孝幸は、もう少し幼いようにも見えた。調べてみると子役の年齢は全員小学生というわけではなかっようじゃな」
カエル「そりゃ数年の誤差はあるけれど、たった1年の差がとても大きい時代だからね」
亀「同級生の子供たち……特に奥菜恵のなずなと典道が同じ年には……わしは全く見えんかった。でも、それでよかったんじゃよ。それで子供らしさが出たし、奥菜恵は大人っぽいクラスのマドンナになっておったからの」
典道、祐介は幼い同学年に見えるけれど、なずなは大人っぽい実写版
キャラクターデザインの問題
カエル「それでいうとさ、本作は……高校生に見えるシーンもあるよ」
亀「本作の登場人物が『物語シリーズの主人公とヒロインみたい』という意見はよく見かけるし、実際わしもそう思った。しかし、考えて欲しいのは物語シリーズは高校生の物語じゃろう。
つまり、キャラクターデザインが中学生にしては大人っぽすぎる。そして広瀬すずの演技が大人の色気を感じさせる演技を求められたからこそ、なずなはさらに成長してしまった。
それに拍車をかけたのが祐介のキャラクターデザインであり……わしには祐介は中学1年生には全く見えんかった。同級生ではなく、上級生に見えてしまったかの」
カエル「ドラマ版だと祐介ってむしろ同級生の中では子供っぽいんだよね。だからこそ、あの……ある種の子供っぽさというか、身勝手な雰囲気がすごく合っていたわけだけれど……
『この映画は中学生が主人公だ』という意識がなかったり、ドラマ版を知らないと高校生に見えちゃうよね」
亀「高校生が小学生のように振舞っているように見えたことが1番の問題じゃと思う。だから子供っぽさが、サイコパスに感じられた。
このビジュアルの問題は結構致命的じゃの。もともとこの手の萌え系の絵柄に対して、抵抗のある人もいるじゃろう。それでも見に来る人が、よりポカンとしてしまう。わしも下調べやドラマ版を見ておらんかったら……大批判をしていたかもしれんな」
カエル「小学6年生→中学1年生の1歳だけの変更のはずが、同級生たちのバランスから見たらもしかしたもっと……3歳くらいあげたように感じられる可能性もあるわけだ」
亀「もちろん、小学生の物語を中学生にあげるだけでも問題かもしれんが、さらにキャラクターデザインの年齢が上げられたことにより、多くのことに生々しさが生じてしまった。
それを1番食らったのが脚本で……例えばセクハラシーンは子供のいたずらではなくてエロ親父のように見えてしまうし『なずなを見たらうんこがしたくなった』というのは、もっと別の……非常に下品な下ネタに感じられたかもしれん」
カエル「前回の記事でいうところの『大根仁の脚本はオヤジくさい』という部分だね」
亀「近年の別作品のキャラクターデザインでは『放浪息子』や『月がきれい』が中学生のあどけなさを見事に残していた。それと比べてしまうと、やはり大人びて見えるところはあるかの』
キリッとした表情も多く、身長も少し高めなために中学生より大人に見える
2 ドラマ版について
原作の脚本について
カエル「でもさ、序盤から結構原作には忠実ではあるじゃない? 少なくとも、原作を意識しているシーンは多く感じられたけれど……」
亀「ここで挙げるのが、前回の記事でも書いたがの……このブログでは『岩井俊二は映像作家としては一流だが、映画監督としては疑問がある』という評価じゃ。そして『物語性をあまり感じない』とも書いた。
これはドラマ版もそうじゃとわしは思っておる」
カエル「ドラマ版は伝説的名作でしょ?」
亀「すべての名作の脚本が素晴らしいわけではない。脚本はハチャメチャな名作は、実はそこそこあるんじゃよ。
ドラマ版の打ち上げ花火に関して、わしは疑問点が多い。例えば、典道が主体的に行動したシーンは、IFの起こる直前のみ。それ以外は全て周囲に流されておるか、もしくはなずなに引っ張られる形で行動を起こしている」
カエル「多分、そのまま映像化したら美少女キャラクターが引っ張ってくれる『オタクの妄想』になったかもねぇ」
亀「むしろ、アニメ版は典道の主体性が……特に後半になるに連れて積極的になっている。IFのシーンは全て典道が決意してタイムリープしているわけじゃからな。
そもそも、元々原作からしてなずなは振り回す女の子であり、典道は巻き込まれる男の子じゃ。これは主人公として扱いづらいところがある。
アニメの方は中学生どころか、さらに成長してしまったように見えるために、なずなは男を振り回す性悪な女になってしまい、典道は優柔不断の男になってしまったかの。
しかし、それをカバーするようになずなの弱さも描いておるし、典道の主体性もあげたのじゃが……そこがチグハグしている、歪と言われてしまう原因となってしまたのではないかの」
カエル「ドラマ版のシーンだけれど、電車で急に『切符買ってくるね』からの『何のこと?』ってやり取りにはかなり驚きがあるもんね」
亀「わしはあのシーンを見たときに『はて、何が起こったのか?』と目が点になってしまったの。まあ、そのシーンにももちろん意味はあるわけじゃが……」
世界一の美少女になっていた奥菜恵
ドラマ版の演出力
カエル「だけれどさ、子供が主人公でありながら、その脚本の難点はカバーできていたんだよね?」
亀「それが岩井俊二の映像作家としての腕の見せ所かの。
例えばわしが唸ったのは『スーパーマリオワールド』を典道たちがやっておるシーンじゃな。あの時代では最先端の機種であるスーパーファミコンから流れる、あの独特の音楽。これは当時のことを連想させる力がある。
例えば80年代音楽が流れると当時の思い出が蘇る……などというが、音や音楽には時代性が宿るんじゃよ。それをうまく活用したのが、『SING』や『怪盗グルーシリーズ』のイルミネーションエンターテイメントや、新海誠じゃ。
『秒速5センチメートル』の第2章、コスモナウトでLindbergの『君のいちばんに……』が流れると、その時代を思い出す。その時代の流行歌、流行した音というのは時代を象徴するもので……一気にその時代に引き込むものなんじゃな」
カエル「特にあの特徴的なゲームサウンドは印象に残るよね。大ヒットゲームだし……
それでいうと主題歌の『Forever Friends』のかかるタイミングも完璧だし、音楽に強みを最大限に発揮している」
亀「MV出身監督らしい強みじゃの。もちろんそれだけではない。
子供たちの撮り方であったり、奥菜恵の映し方などが際立って美しいからこそ、このドラマは名作として成立しておるのじゃろう。演技は子役演技であり、脚本は大して何か大きな事件が起きたわけでも、それを解決したわけでもない。
奥菜恵の発言には色々と仕掛けはあるが……脚本としての技はそこまで感じなかった。
夏の思い出という、なんてことのない日常を扱った作品であるがゆえに……ドラマ版からして脚本がそこまでメリハリがついておるわけではないからこそ、リメイクの際に構造的に脚本は弱くなってしまうわけじゃな」
カエル「ドラマの脚本と映画の脚本……さらにいえば実写とアニメの脚本ってまた違うだろうしねぇ」
亀「結局は30分のドラマ2本分を……短編2つをくっつけただけだとも言えるかもしれん。
それを90分に伸ばすのじゃから、それなりに大変なことになるじゃろう」
3 アニメの売りが逆効果に……
カエル「これも前回の記事でも語ったことをさらに詳しく解説するけれど……」
亀「この映画は『奥菜恵の復活計画』であり、それは同時に『世界一の美少女を生み出す』ということにもつながっておる。
しかし、それはアニメなんじゃから、当然のように2次元の、アニメの世界で行わればいかん。そしてシャフトはそれまでも……それなりに過激な方法で女性キャラクターを描き出していた」
カエル「『物語シリーズ』とかってすごく過激なシーンもあったよね。ドキドキしちゃう、結構直接的な下ネタ描写もあるし」
亀「それをシャフトの味と受け取れたり、普段アニメに慣れ親しんだ層にはたいしたことないんじゃろうが……アニメに見慣れん層には過激なオタク向けのエロチックな、ドン引き描写になってしまうじゃろう。
しかし、一方でなずなは世界一の美少女として……そして『少女から大人への変貌』を遂げることになる。さらに原作のように能動的に典道を引っ張っていこうとするために、ビッチ化が進んで見えるわけじゃ。
これがドラマ版の奥菜恵であればまだあどけなさを残しておってから良かったかもしれんが、残念なことに本作は典道と比べても……他の同級生と比べてもなずなは成長してしまっているからこそ、余計に悪女に見えてしまうわけじゃな」
カエル「これも大根仁の女性像の味が出ちゃったよねぇ。
実は弱さもあるし、可愛らしい夢も持つ普通の女の子なんだけれどねぇ」
結局はかわいすぎるなずなが問題なのかも……
アニメ的表現の諸刃の剣
カエル「アニメ的表現が目立った作品でもあるじゃない? 例えば大げさに顔を赤らめるとか、コメディ調のビジュアルの変化とかさ」
亀「それが余計に本作を悪い印象をもたせてしまった。元々大根仁はアニメや漫画のような、少し現実離れした演出やセリフを入れることによって味を生み出しておる作家ではあるが……それが1番出たのが『バクマン。』であるじゃろう。しかし、それがアニメとして表現されて、しかも過剰に演出されたことで、より『アニメ的』なものになってしまった」
カエル「このアニメ的表現やファンタジー描写って『打ち上げ花火』という作品が持つ、繊細な美しさと合っていない気がするんだよね」
亀「アニメでも実写に負けない……むしろ、実写に勝るリアリティを獲得する時がある。それは昨年の『聲の形』が証明しておるとわしは考えておる。
じゃが、本作はあくまでも『IF』の物語じゃ。そしてそのIFは空想の物語である。それはあのタイムリープ設定や、世界が切り替わるというのも、球が回るシーンで説明しておる。しかし、それでも急にリアリティや現実感が失っていったように感じてしまう観客が多いのじゃろう」
カエル「実はリアリティの欠如って色々なところで出ていて、背景が淡い色使いになったりということで表現はしているけれど……それが伝わってないような気がするなぁ」
亀「この映画はタイムリープものといっておるし、それは間違いではない。しかし、より具体的に言えば『現実感のない世界へのワープ』という方が正しいのじゃよ。
タイムリープというと『現実の(同じ)世界を繰り返す』というのが多いがの、本作はそうではない。徐々に虚構性が増していくのじゃが、それが伝わっていない。だからリアリティがないとか、急におかしなことになっていると思われてしまう。
そしてこういうのはアニメ的表現を見慣れておらんと伝わり辛いところがあるのじゃろう……多くの一般の観客にはわからんじゃろうな」
カエル「本作ってカップルや家族連れも結構いたんだよ。だから一般層にもかなりアピールは成功しているんだけれど……それが却って仇になったのかなぁ」
亀「まとめると本作は
- 萌えを意識したキャラクターの美的(性的)描写
- 記号的なアニメらしさを増してしまう表現
- ご都合主義のように見えるファンタジー描写
の3点がアニメ表現としてのデメリットになってしまっておる」
カエル「一方でアニメオタクからするとなずなの性格設定がきつく見えてしまったり、声優が微妙に思えてしまったりということでこちらものめり込めないと……」
亀「はっきりと一言で表すと『岩井俊二とシャフトの相性が悪い』ということに尽きるし、また『大根仁とアニメの相性が悪い』ということにつながっているわけじゃな。じゃからきつい」
4 本作が再評価される日は来るのか?
カエル「で、気になるのはさ、この映画ってこの評価のままで固まってしまうのか? ということだけれど……」
亀「ある程度は固まるじゃろうな。しかし、それもずっととは限らん。
例えば『イノセンス』などの押井守作品は公開当初賛否がはっきりと分かれておるし、中には作者が怒りを表明した作品もあった。しかし、今となってはそれも多くが名作と扱われておる。
時代が過ぎれば映画は評価が変わる。当時は名作と言われたのも風化することもあるし、逆に賛否が割れた作品が名作と言われることもある。再評価のチャンスはずっとある。
しかし……少なくとも今年いっぱいはこの評価は覆らんじゃろう」
カエル「……で、でもさ! ウルトラCもあるじゃない!?
湯浅政明監督の『夜明け告げるルーのうた』も興行こそは振るわなかったけれど、アヌシー賞を受賞しているし!」
亀「海外で受けるというのも日本の戦い方の一つではある。特に押井守、今敏などは海外での評価が高い監督じゃし、興行的にはそこまで売れてはおらんが評価は非常に高い監督じゃな。湯浅政明もそうじゃな。海外で高い評価を受ければ、日本の評価も覆るじゃろうが……まあ、難しいじゃろう」
カエル「……このクオリティをもってしても?」
亀「クオリティ関係なく、このアニメ映画は海外ではオタク以外相手にしない。
なぜならば、なずながオタク寄りすぎるからじゃ。なぜ湯浅政明が海外で高い評価を受けるのか? と言われたら、彼が日本のアニメの文脈とは違う、独特のアニメを作っておるからじゃろう。
日本のアニメのキャラクターデザインなどはオタク向け過ぎる。それは海外アニメーションを見ればよくわかるじゃろう」
カエル「……日本のガラパゴス化かぁ」
亀「海外で評価されるには、先にあげたアニメのデメリットが大きすぎる。そしてそれが本作の味じゃったのじゃが……それは多くの日本の大衆に拒否されてしまった。
それはもう仕方ないが、あとは時代が過ぎるのを待つしかないかもしれんの。この映画の先進性や実験精神は10年過ぎんとわからんかもしれんしの」
カエル「う〜ん……伝わらないものかなぁ」
亀「主は気にしとるようじゃが、レビューはレビューじゃ。
押井守なんてYahooレビューだけで見たらクソ映画監督じゃよ。このブログでも扱ったした『たまこラブストーリー』も評価が低いしの。伝わらん人には伝わらん」
特徴的な海外アニメーションのキャラクターたちはフォルムからして全然違う
上は『ブレンダンとケルズの秘密』
下は『父を探して』
どちらも世界的評価が高く、アカデミー賞長編アニメーション候補作
『君の名は。』と本作について
カエル「最後に、みんな語るから言及するけれど、君の名は。と本作の関係についてはどう思う?」
亀「まず、君の名は。の2番煎じを狙ったと言われておるが、わしは今回、今作をこれだけの大規模公開で上映したことについては特に疑問に思っておらん。東宝としても作品が完成する前に劇場を押さえたということもあるじゃろうし、今は怒号が飛び交っておるかもしれんが……しかし、それでもある程度は成功すると思っておる」
カエル「これだけ悪評が並んでいるのに?」
亀「そもそも君の名は。が異例の大ヒットを記録しただけあって、夏休みアニメ映画の需要はある。それは新海誠だけではなくて、細田守の大ヒットでも見て取れるじゃろう。ジブリ→細田守→新海誠と繋がってきた夏休み単発アニメ映画の系譜の実績もある。
そしてさらに言えば、徐々に公開規模や上映館数を増やしていった細田守が大規模公開されるのはわかるんじゃが……新海誠が昨年あれだけの規模で(前作の約10倍の上映館数)上映する方が博打じゃ。
それでも成功しておるのは、もちろん作品の素晴らしさやRAD、神木くんの集客力などもあるじゃろうが、それだけ夏休みにはアニメ映画を見ようという文化が定着しつつあると言える。
その文化が本物であれば、レビュー評価はそこまで関係ない……と思う。現に、レビュー評価がダメな作品が全て売れていないわけではなく、そして逆にレビュー評価がいい作品が売れているわけでもない」
カエル「確かに、細田守は徐々に名前も売っていったからあれだけれど、新海誠と新房シャフトってどっちが有名かというと……少なくとも『君の名は。』公開前の新海誠と本作公開前の新房シャフトなら、新房シャフトの方が有名だよね?
『まどマギ』の大ブームもあったし……」
亀「オタク層だけの人気かもしれんが、君の名は。公開前の新海誠も同じようなもので一般層への知名度なんて全くないじゃろう。それでも300近い数字を叩き出し、見事に埋めることができた。
これは東宝やジブリが築いてきたその流れがあるからじゃろう。
しかもシャフトアニメじゃから、アニメオタクもある程度は行くじゃろう。
もちろん、200億は絶対行かん。30億も厳しいじゃろう。しかし、ある程度の合格ラインは行くとわしは見ておる」
カエル「……行って欲しいという願望だけれどね」
最後に
カエル「こうやってまとめてみると、けっこう厳しい評価が並ぶのも納得な気がしてくるね」
亀「まあ、こういうこともあるじゃろうな。
逆にこのブログも好評な作品に対して文句をいうこともあるじゃろうし、表現とはそういうものじゃよ」
カエル「確かにこのブログでも酷評をしてしまった作品も多いけれど、実はここまで叩かれた作品って過去になかったんじゃないかな? ここまで言われるのは年間でもそんなにないかも。
かなり叩かれているから余計気になっちゃうのかも知れないけれどさ、感想は個人個人あるというのは前提としてあるけれど『打ち上げ花火は叩いてもいい雰囲気』が形成されてしまっているような気がする」
亀「否定しやすい作品があるのは事実じゃからな。例えば『ゲド戦記』や『進撃の巨人』『実写版デビルマン』などは叩いてもいい雰囲気というものが出来上がっておるようにも思う。それはそれで……問題といえば問題じゃがな。
世間の評価と個人の評価が食い違うということは、珍しくない。特に今作は万人受けするような内容ではないからの。
わしも本作のレビュー評価や3前後であれば『まあ、そうであろうな』と納得した。しかしここまで悪評を重ねられると、さすがにそれは言いすぎじゃろうと反論したくもなる」
カエル「個人評価はそれぞれだけれど、こうやって声を上げていくことも大事だしね。ちゃんと傑作だと言ってくれる人もいるわけだし……」
亀「粗はある。
ダメなところもある。
今年TOPではない。
しかし、それでも酷評するほどの作品ではないし、むしろ良い面も多いにある作品じゃと、声を高くしたいの」
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