物語る亀

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物語愛好者の雑文

『僕のヒーローアカデミア(既刊21巻)』ネタバレ感想! 熱い! けれどヒロアカの欠点も出てきしまったか?

 

 

 

もしかしたら2018年で1番? ハマったかもしれない漫画『ヒロアカ』の新刊が発売されました!

 

まあ、今更ハマったの? って話なんですが

 

カエルくん(以下カエル)

「8月に公開された映画版からの影響から約20巻一気読みして……と考えると、相当なハイペースではあるけれど……」

 

ちなみに一番好きなキャラクターはジェントルです!

 20巻は本当に感動した……過去のお話全てを含めても、1番好きだね。

 特に悪役好きにはたまらないキャラクターでした……」

 

カエル「悪い人すぎず、さらに出久がたどるかもしれなかった未来を体現していた人だから、余計に思い入れがあるのかもしれないね。

 では、ここから最新刊である21巻のネタバレ感想と、最近のヒロアカに対する思いなどの記事をスタートさせていきましょう!

 

 

 

 

 

 21巻のあらすじ

 

 誰もが認める圧倒的なNo1ヒーロー、オールマイトの引退によってヒーロー界は動揺を隠せずにいた。一般大衆もまた今後のヒーロー界、そして治安悪化などを危惧しているような状況だった。

 そんな中、半ばトップの引退による繰上げでNo1の座を得たと目されているエンデヴァーは、No2ヒーローであるホークスと共に街で話し合いをしている最中に敵である能無(のうむ)に襲われてしまう。

 エンデヴァーをもってしても苦戦必至の圧倒的な力を持つ脳無に対し、2人は今後のヒーロー界、そしてエンデヴァーは家族のためにも立ち上がる!

 

 

 

感想

 

今回は何と言ってもエンデヴァーのお話だよね

 

熱い漫画だよねぇ

 

カエル「これはネタバレにはならないと思うけれど、コミックス派の人が楽しみにしているであろうから詳細は伏せますが、今巻の影響もあってホークス、エンデヴァーは最新の人気投票で上位になりました!」

主「それも納得!

 特にエンデヴァーはそれまで……この漫画はどうしてもオールマイトを絶対的な正義と書くから、No2であるエンデヴァーは若干嫌な人にならざるをえなかった。

 だけれど、今作ではそのタガが外れたことによって、だいぶいい人感が増してきたし、何よりも正当に”熱い男”になっている

 

カエル「この辺りはNo1であり、ある意味では憎悪……というと言葉が強いかもしれないけれど、かなり強い思い入れがあったオールマイトが引退したことによって、キャラクターが成長したと言えるかもしれないね」

主「それによって、人気キャラクターである轟をはじめとした一家の確執も描けるし、プロ側を描きながらも、本筋である子供達側の両方を描けるという意味で、やはりエンデヴァー周辺は重要な描写になってくるんだろうな」

 

カエル「そしてホークスですよ。

 まさかあのような展開になるとは、思ってもいなかったというか……」

主「……なんとなくコナンの百億の男を思い出すかな?」

カエル「昔から人気の出るタイプのキャラクターだよね。

 それこそ、スパイという意味ではエヴァならば加地さんかな。なんだろう、なんでこんなにスパイって惹かれるんだろうね?」

主「しかもホークス自体が飄々としているカッコイイキャラクターだし、個性もわかりやすくてスマート。

 これは人気が出るのも納得ですよ」

 

 


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そして物語は組別対抗戦へ!

 

後半はまた学園パートに戻って、A組VSB組の対抗戦になっていくね!

 

……ここは正直、漫画の難しさを感じたかなぁ

 

カエル「漫画の難しさ?

主「自分は雑誌のジャンプを読んでいるので、単行本の先の展開も知っているけれど……当然この記事で、今後の展開は言わないけれど、この作品の持つ長所と短所が一気に出てきてしまったかな、という思いが強い。

 作者の堀越先生が減ページに対する謝罪などもあったけれど、特に昨年から今年にかけてはヒロアカはかなり大きな動きが多すぎたようにも思える」

 

カエル「映画、テレビアニメ、ゲームなどもいろいろあったからね。

 特に映画は深く関わっているし、お休みなんて元々ないような週刊連載だから、さらに過酷なスケジュールになっているであろうことは、想像できるけれど……」

主「いくら合併号などがあるとはいえ、ある程度の……それこそ20巻を超えるほどの長期連載をしてきた作家陣には、もう少しコンスタントに休養を与えた方がいいのではないか? という思いもあるけれど、漫画家は個人事情主だからそれも難しいのかなぁ。

 話が逸れたけれど、そんな中でこれだけのB組の多くの”個性”を考案し、描いてきたのは単純に素晴らしいと思う。

 一方で、本作の欠点にも繋がっているような気がしてくる

 

 

 

 

ヒロアカの難しさ

 

……欠点?

 

と言うよりも”学園モノ””特殊能力バトル”を描く難しさになるのかな?

 

カエル「それはどういうところになるの?」

主「単純に対抗戦になると、キャラクター数が多すぎるよね。

 その分、個性も膨大なものになる。

 A組は多くのキャラクターが個性がすでに発表されているし、見せ場もあったキャラクターも多い。だけれどB組は一部を除いて個性があまり出てきていなかった。

 今回はB組の個性の披露目の要素があるけれど、単純に個性が一気に出すぎてこんがらがる部分がある

 

カエル「ずっと深く追いかけてきた人には問題ないかもしれないけれど、僕たちのような今年から追いかけ始めたライトファンには辛いところなのかなぁ?」

主「これは物語論として、多すぎるキャラクターは扱いづらい。

 学園ものだから仕方ないけれど、キャラクター数は1クラス20人であり、その個性やキャラクター像をしっかりと描いている。ただし、当然のことながら全てのキャラクターにスポットライトが浴びているわけではなく、中には活躍の度合いが低い、半分モブキャラのような人物もいるわけだ」

 

カエル「20人も同じクラスでいたら、名前を聞いても『誰だっけ?』となり、顔を見て『ああ、いたなぁ!』と思うキャラクターだってどうしても出てきてしまうよね」

主「それは当然なんだよ。

 むしろ20人全員をきっちり描いたら、収拾がつかなくなる。

 ワンピースだって麦わらの海賊団は9人と人数が抑制されている。それでも最近は敵、その章限定の仲間、名前ありの強力なキャラクターも登場して収拾がつかなくなってきているけれど……

 個性や強力な能力を描かなければならない一方で、学園モノとして多くのキャラクターを登場させる。その両者を同時にこなすのは相当に大変な行為で、不可能とも思える。

 それでも相当頑張っているけれど……ここで小出しにすることなく、B組全員を出すことが果たして適切だったのかは、ちょっと疑問が残るかなぁ

 

 

ヒロアカといえばスターウォーズパロディが多いことでも有名

どことなくSWの影響を感じさせる構図も多い

 

 こちらでもヒロアカの記事を寄稿しています

よければご一読ください

mag.comee.net

 

能力バトルものの難しさ

 

そして、能力バトルのものだからこその問題もあるというお話だけれど……

 

能力バトルの描き方って難しいよなぁ

 

カエル「少年漫画の王道ではあるよね」

主「例えば同じジャンプで語ると、能力バトルもので上手いなぁと思うのはワンピース。

 悪魔の実の設定を当たり前のように受け止めているけれど、よくよく考えるとあれは相当考えられている。

 つまり得られる能力、現象自体はとてもシンプル。

 体がゴムになる、バラバラになる、動物に変身できる、炎になる、雷になるなどね。まあ、最近はかなり複雑になってきて『なにそれ?』って能力もあるけれど……

 そして能力を語る悪魔の実の名前もシンプル。とてもわかりやすいじゃない」

 

カエル「”ゴムゴムの実””バラバラの実”なんて語感からしてどのような能力か分かりやすいしね

 最近のは……ちょっと悪魔の実が多くなりすぎた弊害はあるだろうけれど……」

主「ただ、逆にわかりづらい例として……これはもう能力バトル云々の問題でもないかもしれなけれど『ハンターハンター』は、ここまでいくと酷いとすら言える。

 各キャラクターの念能力に様々な設定がつきすぎるし、制限もあるにはあるけれどそれがあまり機能しているとは言い難い。ほぼ何でもありな状況になっている。

 それでも面白いからすごいけれど!

 でも普通の漫画家志望者が真似してはダメなタイプの作品だよね。

 能力はシンプルに、読者にわかりやすい方が絶対いいわけだし」

 

カエル「それでいうとヒロアカは?」

主「基本的にはわかりやすいものの、能力に対する応用力を描こうとしすぎて、ちょっと複雑になっている印象もあるかなぁ。

 例えば梅雨ちゃんなんて自分も大好きなキャラクターだけれど”カエルっぽいこと”って曖昧だし、応用力が高すぎる。彼女個人の機転のよさなども含めて、割と万能すぎるキャラクターとして作者も持てましてない? って感もあるほど。

 何が言いたいかといえば、個性の応用力が高すぎて、何でもありになり始めていること。

 そして……何よりもアクションが読みづらい!

 

カエル「特に最近のヒロアカの戦闘描写はわかりづらいところがあるかなぁ」

主「読者側がまだ個性を把握仕切れていないというのもあるんだろうけれどね。

 特にこの模擬戦は何がどうなっているのかわかりづらいなぁ、と思う部分がさらに増えてきてしまった感もある

カエル「その原因としては?」

主「やっぱり上記の2つで”個性の描きかた””キャラクター数が多すぎる”に行き着くんじゃないかなぁ。

 特に普通の戦闘であれば敵も多くても10人弱、強力な敵になるともっと少なくなる。だけれど、今回は20VS20だし、個性をつかみ始めたらすぐに試合も終わってしまうからなぁ。

 B組をしっかりと描きたいのはわかるし、ヒロアカの特徴として”モブをあまり生まない”というクラスメイト全員を描こうという意思は感じるけれど……それがこの巻あたりはちょっと空回りしている印象もあるね

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

ではこの記事のまとめです

 

  • エンデヴァー、ホークスなどの魅力を発揮した巻!
  • ただし模擬戦は面白いものの、読みづらさがあるか……
  • キャラクター数が2クラスで40人(プラス1名)は多すぎ?

 

もちろん、面白いし今後につながりそうではあるけれどね

 

主「あとは、よく言われることだけれど”短期目標の不在”は確かに気になるとこる。

 長期的にはNo1ヒーローになること”オールフォーワン”を倒すところだろうけれど、もっと身近の目標が欲しい」

カエル「特に模擬戦はヴィラン連合も絡まないし、味方側もコロコロと変わってしまう(1試合終わると注目すべきキャラクターが変わる)ということもあるのかなぁ」

 

主「あれだけ重い救出話の後だから結構平和な話が続いているけれど……ジェントル、文化祭、模擬戦と続き、エンデヴァーたちのお話には子供たちは轟以外ほぼ絡んでこない。

 そろそろ出久たちが活躍する、シリアス色が強いお話が欲しいところかな

カエル「今後も注目の作品です!」

 

 

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