今回は実写映画『映画 文豪ストレイドッグス BEAST』の記事になります!
実はかなり期待している作品でもあるの
カエルくん(以下カエル)
「今週は某蜘蛛男ばかりになってしまっているけれど、こちらも予告を見た段階から、結構期待している作品なんだよね!」
亀爺(以下亀)
「新しい形の実写邦画を見せてくれるかもしれんかもしれんからな」
カエル「この記事では以下の点について語っていきます。
では、記事のスタートです!」
- 全体的な感想→ストロングポイントのはっきりした作品!
- 良かった点→アクション・キャラクター・役者
- 今後の課題→役者・背景の統一感と物語
感想
それでは、Twitterの短評からスタートです!
#映画文スト
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2022年1月7日
舞台版キャストを揃えた2.5次元であり特撮でもある漫画原作映画として見応えがあるシーンも
特に芥川龍之介役の橋本祥平のアクションは見事、CGも組み合わさり面白い映像体験に!
漫画原作の実写化の1つの答えではあったのではないでしょうか pic.twitter.com/INFgU2v2Rg
文豪である意味があまりなく昭和の文豪、特に無頼派好きとしては苦笑することも多いシリーズではありますが今回は文学要素もちらほらとありその視点では及第点といったところでしょうか
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2022年1月7日
ただし物語の展開などはあまり好きじゃない要素が出てしまったのと物語がゴチャゴチャすぎなので若干×総合点で○
あとは課題としては役者の質がバラつきすぎですね
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2022年1月7日
アクションができる人とできない人の差は男女差もあるため仕方ない面もありますが、モブキャラとの名前有りの役者のキャラや演技力に差があり違和感に繋がります
背景も現実的なところではキャラのコスプレ感が強くでてしまい共感性羞恥も…
ただしまだまだ実験的要素が強いと思うので課題が出たのはむしろプラス材料かと
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2022年1月7日
なによりも2.5次元の面白さが疑似体験できたのは楽しかった
新しい映画体験の1つの形として注目する価値あり!
全体的にはアクションとキャラクターが○と言ったところかの
カエル「実は最近、2.5次元系作品に注目していることもあって……それこそ『刀剣乱舞』の舞台版を劇場公開とか、実際に観劇するのは……値段もあるし、倍率もあるし、そこまでのハードルは高いなっていう気持ちもどこかにあるんだよね。
それでも、映画館で見る分にはとてもハードルが低くて、面白いので、それは活用しようと思いますが、今回もその流れもあって、見に行ったんだよね」
亀「この手の作品は今後、ますます増えていくじゃろうな。
まだ2.5次元の舞台をモチーフとした作品としては先発の部類じゃろうが、その中でもしっかりと爪痕を残すことができた。全体としては映画としてはケチがつくところもあるし……あるいは、これはうちがあまり良くないのかもしれなんが、この原作に対してやはり疑問点もある部分もある。
しかし全体としては、決して悪い作品ではない。
むしろ、今後の活躍を期待したい作品と言えるのではないかの」
漫画原作の実写映画の新たなる形に?
今作を注目する大きな理由の1つが、新しい映像体験の提供ができるのではないか? ということです!
特に漫画原作の実写映画の形になるのではないかの
カエル「今でもいくつかの漫画原作の実写映画が制作されていますが、大きく分けて以下のように分類されていると思います。
- 実写寄りな作品で監督などの作家性が強い作品(例 海街diary、子供はわかってあげないなど)
- 実写寄りな作品で漫画・アニメ的なケレン味が強い作品(例 るろうに剣心、賭ケグルイなど)
- ファンタジー的な作品でCGを多めに実写化する作品(例 鋼の錬金術師など)
超超超おおざっぱにまとめているけれど、こう言った作品があるわけだよね。
その中でも”2.5次元的にアプローチをする”というのは、新しい試みでもあるのではないでしょうか?」
亀「漫画原作の実写邦画は色々と作られているが、中には『漫画原作実写映画はクソばかり』という人もいるじゃろう。まあ、ダメ映画として名前が出やすいの。
その理由も色々あるが……わしとしては
- 画像→映像の変換の難しさ
- 原作知名度が高くて目立ちやすい
- 実写化には難しい設定などがある
といったような、ハードルがあるものと考えておる。
特に今作のようなアクションメインで、日常的なものが少ない独特な世界観の作品は難しい印象じゃ。その壁を壊すために色々な挑戦があるが、今作もまた、1つの実写映像化としての方向性として重要なものになると感じておる。
もちろん、これが主要になるとまでは言わんが……CGとの組み合わせなども良かったし、その点においてはかなりの可能性と結果を見せてくれたので、わしは大きな満足感も得ているぞ!」
以下ネタバレあり
今作の長所① アクションとCGの見せ方
では、まずは今作の長所から上げていきましょう!
なんと言ってもアクション&CGじゃな
カエル「独特な設定としては異能と呼ばれる特殊バトルなんだけれど、これが本当に違和感が少なく、そして映像的に魅了するような出来だったよね。
中には特撮映画のような撮り方も実践されていて、2.5次元と特撮のいいところを掛け合わせたような映画になっていました!」
亀「わしはこのアクションに関しては、邦画としては加点法ではかなり満点に近い出来だったのではないかと思う。
まあ、減点法では満点といかないが、そこまで望むのは酷じゃろう。
それくらい見ていて楽しかったし、爽快感を得られたしの。
冒頭の孤児たちを巻き込んでしまった戦いで、銃を乱射されても生きている描写などは確かに違和感じゃが……『この作品のリアリティラインはここだよ』と告げる、いいスタートだったと思う。若干重々しい部分であったり、荒唐無稽な……流石にその傷では生きているのがおかしいだろう! などのツッコミどころがあったが、それもまた作品独特の味わいとなっておった。
このアクションとCGの融合の特撮譲りの見せ方、これを高く評価したい」
今作の長所② キャラクターの良さ
なんといっても今作で大事なのはここだと思います!
アクションとキャラクターさえ良ければ、この手の作品は成立するからの
カエル「極端な意見かもしれないけれど、でもこの作品は2.5次元の役者であったり、漫画原作のキャラクターを見に来ているもんね。ここがダメだったら、全部がダメなんだけれど今作はかなりそれが良かった!」
亀「厨二感が溢れているが、それもかえって良かったしの。
キャラクターが立っていると物語というのは必然的に面白くなってくる。
特にわしは芥川、織田作之助が好みじゃったの。まあ、この2人と太宰治、中島敦が基本的に物語を動かしているので、他のキャラクターよりも魅力的に動かすのは当たり前といえば当たり前じゃが、その当たり前すらできない作品も多いからの。
今作はその意味で、大変素晴らしい出来であったの」
カエル「あとは……このシリーズってあんまり文豪要素が少なくて、文豪である必要がないじゃん! って、それが結構不満だったんだけれど、今回は文豪要素が出てきたしね」
亀「物語的には中島敦が『山月記』のような悩みを抱くのも良かったし、あるいは有名なbarのルパンが登場し、太宰治と織田作之助の重要な会合場所になるのも良かったの。実際、ルパンは無頼派の人々には象徴的な場所の1つであるし、太宰の有名な写真も残っているところじゃからな。
わしも1度は行ってみたいものじゃが、映像で見れて大変満足しておるぞ」
今作の長所③ 役者の動き
そのキャラクター・アクションを支えるのはなんといっても役者ですが、そこも今回はほめです!
特に芥川龍之介役の橋本祥平は、うちの2022年の主演男性キャラクター賞にノミネート決定的じゃな
カエル「あまり2.5次元の役者さんには詳しくないので、ほとんど初めましてなのですが……とても印象的な演技を披露されていました!
いやー『刀剣乱舞』の時の鈴木拡樹と言い、この分野は人材豊富だよね! 実写映画を追いかけているだけでは知れない、魅力的な役者さんが次々出てくるよ!」
亀「特に今回はアクションが多い橋本祥平と中島敦役の鳥越裕貴が目立った形じゃったな。
特に橋本祥平は多人数アクションもしっかりと魅せてくれていて、ポートマフィアにカチコミに行くシーンでは……ここはわしはエキストラの悪役の演技のうまさもほめたいのじゃが、橋本祥平とやられ役の演技のうまさによって、かなりの迫力のあるクライマックスへの序章となっておった。
役者に関してはキャラクターを支える根幹であり、2.5次元で慣れているのもあるじゃろうが、役が胴にいっており、大変良かったのではないかの」
今作の課題
今作の課題① リアリティバランスの難しさと役者の演技の統一
一方で今作で見つかった課題についても考えていきましょうか
これはやはりバランスの難しさがあるじゃろうな
カエル「こればっかりはどうしようもなくて……現代っぽくないキャラクターだから、どうしてもコスプレ感が出てしまうわけじゃない? それでも、なんとかしようとセットや雰囲気のある場所を背景として撮影されるとすごくマッチしているんだけれど……
でもさ、横浜とか、実際にある有名な場所とか、日常的な場所が舞台となると、途端にチープに見えるというか、コスプレ感が出てしまうんだよね……」
亀「そのあたりの世界観とキャラクターの統一というのは、1つの課題じゃろうな。特撮であればそれも1つの味わいとなっているのだが、本作の場合は単なるコスプレに見えてしまいかねないからの。
また、残念ながら役者の演技の統一化もなかなかできておらなかった。
例えば冒頭の孤児院の子供たちとの場面では、橋本祥平の演技はよく作られたキャラクター演技であり、見応えがあった。しかし他の子供たちが日常的な存在で、そのような芝居をしていたらか、下手に見えてしまうのじゃな。
この辺りのバランスのチグハグさもある。2.5次元の舞台の演技と、映画の演技はまた、異なるものじゃしの。
アクションに関しては得意・不得意もあるし、男女の身体能力差もあるから魅せ方1つの問題になるかもしれんが……やられ役のモブの演技も完成した映像の想像ができなかったのか、シーンごとに倒れ方のクオリティなどが異なる印象があった。
まだまだ実験的な要素もあったのじゃろうが、うまくいったシーンが本当にハマっていただけに、このあたりのキャラと背景のリアリティラインや、役者の演技の質などは課題となるじゃろうな」
今作の課題② 物語
これはもう、ホント相性なんだけれど……物語があっちこっち行き過ぎなんだよね……
ここは原作者も密接に関わっているという話なので、根本的に文ストの物語にわしが向いとらんのかも知れんがの
カエル「ちょっとここは文句をいえば箇条書きになるくらい多くって……キャラクターを多く見せたい! というのはすごくわかるんだけれど、そのために物語があっちこっちいったりとか、芥川の話をやりながら太宰の話を並行することで、物語の流れが迷子になったり……
時間軸を遡りとかも何度もやるし、場所もすぐに切り替わるしで……まあ、これはロケ地の問題などもあるだろうけれど、色々と思うところが多かったです」
亀「この辺りはファンの方がどう思うか、みたいなところではあるがの。
わしとしてはまず主役が芥川であれば、芥川の物語を1本の太いメインラインとして魅せて欲しい。しかし今作は太宰、中島敦、織田作といったようなキャラクターも複雑に入り乱れる他、色々なキャラクターが出たり入ったりを繰り返すので、本線となる物語がなんなのか整理ができていなかった印象じゃな。
あとは……これは某大作洋画にも言えるが、マルチバース的な展開というのは、わしは映画としてはかなりの悪手だと感じておる。漫画、映画、舞台と設定が異なるのを説得力ある形で説明したいのじゃろうが、これはメタ的な要素を含むために混乱の元じゃな」
最後に
後半に色々言いましたが、ストロングポイントのしっかりとした作品だったと思います!
全体的にはわしは褒めたいところが非常に多い作品となっておるの
カエル「あとは本作を気にいるかどうかは、ファンの方の判断と個人の好み次第ではないでしょうか!」
亀「大変見どころがあるし、今後の漫画原作実写映画に影響を与えそうなだけに、注目しておく価値があるかと思うぞ!」
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