カエルくん(以下カエル)
「……ユーフォ……どうすんの? これ」
ブログ主(以下主)
「……まだ5話だよな? 6話最終回なんてことないよな?」
カエル「……いや、ありえないでしょ?」
主「普通はこのクラスの作画なんて最終回で……というか、最終回でもできないでしょ? なのに、この完成度で一気に勝負してくるとは……さすがは京アニといったところか……」
カエル「この会社の制作体制はどうなっているんだろうね? これだけの密度を込めるなんてこと、普通はできないと思うけれど……」
主「しかもユーフォだけ作っているわけではないだろうに……
もしかしたらこの先、ライブなどの音楽シーンとは違う描き方において、伝説となる回なんじゃないか?」
カエル「しばらくは話題を席巻するのは間違いないよね。
このクラスのアニメが深夜に放送されて一般層に知られないということが、あまりにも残念だよ……」
主「こういう作品がもっと広く知られて欲しいな。アニメ=萌えだけじゃないということを、もっと知ってもらわないと、アニメ業界の底上げにならないし」
カエル「じゃあ感想記事を始めるよ」
1 伝説の始まり
カエル「この小タイトルは何? ドラクエじゃないんだからさ」
主「……カエルは世界が変わった瞬間を見たことがあるか?」
カエル「……え? 急に何なの?」
主「ちなみに、自分はあるんだよ。いや、9,11とか3,11とかじゃなくてさ、あまりにも衝撃の強さに『これでこの業界が変わるんだろうな』って作品とか、アニメなら神回の中でも神回ってあるものなんだよね。
今年だと邦画界の『シン・ゴジラ』がそれにあたるかな」
カエル「……で、それは何?」
主「同じ京アニの代表作『涼宮ハルヒの憂鬱』の『ライブアライブ』の回だな」
カエル「ああ、あの『God knows…』の神回だ」
主「そう。今でこそアニメにおいて音楽と絵が合わさるというのは、そんなに珍しいことではないけれど、あの当時はそこまで多くなかったんだよね。しかも、当然のように楽曲と絵が合わさっていない作品も多かったからさ……あのレベルで動くということが、すごく衝撃的だった」
カエル「ハルヒはよくそう言われるよね」
主「あれ以降、色々なアニメが出てきて、今では毎期ひとつは必ずと言っていいほど音楽アニメやアイドルアニメがあって、歌と絵が一緒になって動くわけじゃない? OP、EDもそんな作品、たくさんあるね。
だけど……当たり前といえば当たり前だけど、そういった作品は結構、動の作画というか、派手なダンスやバンドの作品が多いわけだ。そっちの方が映えるしね」
カエル「音楽を流しながら動かすという意味では、そっちの方が正解だもんね」
主「でも、ユーフォは……オーケストラって特に激しく動き回るわけでもないし、演奏シーンもそこまで派手じゃない。エレキ担いで、歌うわけじゃないからさ。
それでも演出次第でここまで派手にできるんだなぁって感心したし、しかも6分くらい演奏しているわけじゃない? もしかしたら、この回もまた、新たなる伝説の始まりになるのかもね」
カエル「さらに言えば、劇場版の記事でも語っているけれど『フルでやったら神作だったかな』っていうのを、本当にフルでやってしまうからね!」
主「半ば無茶ぶりだったんだよ、あれは。だって、約6分間もそんな描写ができるはずないと思っていたし。それでも高いハードルを超えてきた京アニだから書いたわけだけど……適当なことを言って、本当に申し訳ないありませんでした、と謝罪の気持ちでいっぱいです」
2 背伸びをする葉月
カエル「あの演奏シーンは実際見てもらうことしかないということで……他のシーンでいうとどこが印象に残った?」
主「やっぱり、京アニは細かい演出がすごく上手いなぁ……って感心している。
例えば、あの電車のシーンだよね。葉月が背伸びをする場面があるわけだけど……そこで交わされた会話が『私を全国に連れてって』なわけじゃない?
この発言自体が背伸びをしていると考えれば、中々心にくるものがあるよね」
カエル「『チューバをもっと頑張る』とかのシーンだよね」
主「やっぱり、この時点における葉月の実力は全国っていうには厳しいものなんだろうね。だけど、目の前で全国に向けて頑張る友達を見ていると、やっぱり『自分も!』という思いになるんだろうな。
だから、この時点ではやっぱりまだ背伸びなわけ。足元がおぼつかないけれど、それでも必死に両の手を伸ばして、食らいついていこうっていう姿勢が伺えてさ……ここまでの頑張りを見ていると、心にガツンと来るんだよね」
乱雑な荷物
主「足元の描写というと、やっぱりあの本番直前の練習中に足元に転がった荷物もそうかな」
カエル「乱雑に散らかった荷物だよね」
主「そうそう。あの荷物がさ、やっぱりあの場面での全員の心情を表していると思う。もちろん、セリフでもあったよ? 『本当の意味で冷静な人は誰もいない』って。だけど、あの演出一つを見るだけで、その言葉が補完されていって、そこが良かったなぁ」
カエル「あの一連の流れだと、あすか先輩の檄もすごく良かったね」
主「そうねぇ……あそこでまた印象が変わったよ。いや、変わったわけじゃないけれど、芯の強さをより強く感じた。いいシーンだったね」
3 勝者と敗者
カエル「そしてコンクールが終わって結果発表があるわけだけど……」
主「いろいろと考えるよね……ユーフォは結構、勝者と敗者の話が繰り返されるわけじゃない?
今まで敗者でいた久美子や北宇治が、ここまで勝ち上がるためには色々な努力と、根性と、そして衝突があった。1期のトランペットソロの争いとかもそうだよね」
カエル「音楽は勝ち負けではない、というのもそうなんだけど、でも勝ち負けとしての音楽も確かに存在するしねぇ」
主「それでさ、最初に強豪校の演奏を見て、友達から電話がきて『すごいよね』と言われて『悔しいけどね』と返すわけだ。
ここで悔しいという言葉を返すということ、その力強さと、向上心……痺れるねぇ」
カエル「結果的に友達を蹴落としてさらに上を目指すわけだもんね」
主「まあねぇ……本作を勝者の視点で、弱者から勝者になり上がる人間の視点で見ているからこそ、勝った爽快感があるけれど、その下には敗北者も沢山いる……それが当たり前なんだけど、やっぱり思うところがあるかな」
カエル「あとは……タイトルについてだね」
主「そうね。今回のタイトルは『きせきのハーモニー』だけど、この描写を見ると……『奇跡』だけじゃなくて、ここまでの『軌跡』のハーモニーになっているというね。みんなの頑張りが、ここまでの演奏を生んだわけだよねぇ……
感慨深いなぁ」
最後に
カエル「これで北宇治も全国進出が決定したね!」
主「この上に、さらに全国クオリティがあるわけでしょ? これ以上のクオリティと言うものを、想像できないんだよね。爆発とかさせられるわけでもないしさ、どうやって演出していくのか……楽しみではある一方で、恐ろしくもあるよ」
カエル「あとは、またこれをまとめて総集編にして劇場公開してくれないかな?」
主「やっぱりユーフォって劇場クオリティだし、音も映画館向きだと思うしな。
ぜひとも劇場化して欲しい。初日に駆けつけるよ」
カエル「こういう作品ももっともっと流行って欲しいね」
主「いろいろ言われているアニメ業界だけど、そのクオリティの高さは折り紙つきなわけだからな……
もっと儲かる仕組みになって欲しいよ、本当に」
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