物語る亀

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物語愛好者の雑文

<辛口>映画『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』ネタバレ感想&評価! アニメーションの変換がうまくいっていない?

 

今回は『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』の感想記事になります

 

いよいよモルカーの新作映画が公開されたの

 

PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX ぷい!ぷい!MAX!

 

カエルくん(以下カエル)

先に言っておきますが、今回は辛口の記事となるので、褒め感想を読みたい人にはオススメしません

 

亀爺(以下亀)

それから、この記事はアニメーションの特性などについてほぼ語っている記事になるぞ

 

カエル「結構特殊な記事になると思いますが、読んでいただけると幸いです。

 それでは、感想記事のスタートです!」

 

 

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ChatGPTによるこの記事のまとめ

  • パペットアニメーションの暖かみや素材感をCGアニメーションで再現するのは難しく、それぞれの個性が異なる。パペットは質感と可愛らしさ、CGは高速で迫力ある動きが特徴。変換には技術やコストが課題で、無理に変えると作品の魅力が損なわれる可能性がある。
  • パペット人形の暖かい素材感やカクカクした動きが、CGでは無機質で滑らかな動きに変わり、魅力が薄れているなど全体としてパペットからCGへの移行がうまく機能していない印象を受ける
  •  短編から長編への移行で、モルカーが喋らない制約が物語やセリフ量に影響し、中途半端さが目立つ。CG化に関してアイディアは良いが、物語として昇華されず、キャラクターの魅力に頼り切った印象がある。
  • 結論→CGならではのモルカーを作り上げるため、さらなる創意と練り込みが必要だと感じられる。

 

 


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Xの短評

 

 

 

Xに投稿した感想

『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』

 

う〜ん……ごめんなさい、単純に面白くない💦

 

人形を使ったアニメーションで話題となったプイプイモルカーの新作はCGでアニメーション化をしていますが……ストップモーションアニメーションでは量産が難しいのはわかりますが、CGの良さがあんまりないですね

 

例えば登場人物が人形のように動きが少ないのですが、それはストップモーションだからこそ面白い表現であるわけで、CGだったら単純に面白くないんですよね…

CGになったからできることもあると思いますが、ストップモーションの持つふわふわな感触がなくなり、CGの動きの派手さも抑えられているので単純に相性が悪いというか…

 

また物語も5分前後であれば動きだけで面白くできるのかもしれませんが、60分以上の映画となるとドタバタコメディだけでは成り立たないので大塚明夫などが声を当てますが、そうすると原作モルカーの良さも発揮されていないし、全体的に物語が成立していないような気がする……

 

次回作もあるとのことですがキャラクターだけでなく魅せ方を工夫しないと、結構厳しくなるような印象を抱いてしまいました

 

 

 

感想

 

それでは、感想からスタートです!

 

これは……ワシとしては高評価することが難しい作品じゃな

 

カエル「キャラクターアニメとしてとても高い評価と人気を獲得したモルカーシリーズですが、その最新作の映画版は、うちとしてはかなり厳しい評価ということになったんだね……」

 

亀「申し訳ないが、クオリティだけで言うと今年ワーストに近いかもしれんな。

 嫌い、とかではなくて単純に作品の出来に疑問がある。

 しかし……これは一方で誰かが悪いとか、技量が足りないと言うよりは、今作が抱える特殊な事情が大きく絡んでいるといえるかもしれん」

 

 

そもそも作品としての制作難易度が高いという指摘なんだね

 

今作は過去に例の少ないことに挑戦しているからの

 

カエル「つまり、ストップモーションアニメーション(パペットアニメーション)からCGアニメーションに翻案というか、変化させるということですね。

 モルカーシリーズは元々見里朝希が作り上げた人形を用いたアニメーションであり、それがTV放送を経て人気になりました。ただ、この手法は量産には向かないので、CGアニメーションにする必要があったのでしょう」

 

↓TVアニメーション版の第1話の公式アップ動画はこちら↓

https://www.youtube.com/watch?v=L_o2VrBJQPQ

 

そこが課題となっている印象じゃな

 

亀「ここからは、そのアニメーション手法の違いについて考えながら語っていこうとするかの」

 

 

 

 

アニメーションの特性の違い

 

アニメーションの種類のおさらい〜アニメとアニメーション〜

 

まずはここで語る前に、初見の人でもわかりやすいように一言でアニメ、ないしはアニメーションと言っても種類があるよ、という話をしましょう

 

まずは”アニメ”と”アニメーション”の違いについて語っておこうかの

 

カエル「近年でも一般的にはアニメとアニメーションはあまり区別されていませんが、ライティングや研究の世界だと明確に区別されています」

 

アニメーション → 動かない物(絵や人形など)が動いて見える表現手法

アニメ → 日本独自に開発・発展したアニメーションの総称

 

この辺りは複雑な歴史があるので、大雑把じゃが上のように認識してほしい

 

カエル「日本生まれのアニメーションというと『ジャパニメーション』という呼称もあったけれど、それはすでに廃れたものになって、今ではアニメ・ANIMEという呼称が一般的になっています」

 

亀「この辺りは『漫画とコミック』の違いに近いの。

 コミックは絵で表現された書籍じゃな。吹き出しがあって……というものじゃ。一方で漫画は大きく分けるとコミックに該当するが、基本的には日本で生まれた作品、あるいはそれに類似したスタイルのことを指す。

 アメコミとはいうが、アメマンとは言わん。

 このようなことは他の分野でもあり、例えばベースボールと野球もそうじゃろう。日本国内の野球は高校野球、プロ野球のように野球表記じゃが、同時にMLB(メジャーリーグ)をアメリカ野球とも基本的には呼称しない。

 同じ競技じゃが日本と世界では呼び方が異なるわけじゃな。

 それと同じような違いじゃな

 

この記事内では手法として”アニメーション”を使いますが、日本で生まれた独自のアニメーションスタイルに関しては”アニメ”と称します

 

ややこしいようじゃが、このように呼称したほうが説明しやすいのでな

 

 

 

 

アニメーションの種類のおさらい〜パペットアニメーションとCGアニメーション〜

 

手法としてのアニメーションにも色々あるよ、という話をしていきます

 

一般的に「アニメ」というと、絵が動く手法が思い浮かぶが、それはあくまでもアニメーションの中の1つの手法でしかない

 

カエル「ざっくりとまとめるとこのようになるかな」

 

ポイント!
  • 手書き(作画)アニメーション → アナログ・デジタルを問わず紙に描いた絵を用いたアニメーション
  • CGアニメーション → CG(コンピューターグラフィック)を用いたアニメーション
  • ストップモーションアニメーション → 動かない物を少しずつ動かして撮影する手法

 

本当にざっくりとした分類じゃな

 

カエル「手書きアニメーションは一般的に”アニメ”と言われて思い浮かぶようなアニメーションです。日本だとこの手書きアニメーションが主流ですね。

 色々な手法がありますが『紙に絵を描いて動いているように見せる』という共通点があります。

 CGアニメーションは今作のモルカーもそうですし、近年のディズニー/ピクサーの作品も一般的なので、説明不要でしょうか」

 

亀「説明が必要なのは”ストップモーションアニメーション”かもしれんな。

 これらは物を動かして撮影を重ねるスタイルの作品じゃ。

 動かす物によって細かな呼称も変わり、モルカーのように人形を動かすと”パペット(ドール)アニメーション”。

 砂を動かすと”サンドアニメーション”

 粘土を動かすと”クレイアニメーション”などのように呼称される」

 

サンドアニメーションの例(ポプテピピック1期8話より)

 


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クレイアニメーションの例

『ピングー』や『ニャッキ』など日本でも馴染みがある作品がある

 

色々な種類があるんだね

 

ちなみに「サンドアート」と「サンドアニメーション」は厳密には別物じゃが、ここでは解説はしないでおこう

 

カエル「このように”動かない物を動いているように見せる”という手法がアニメーションであり、それを絵で行うのか、CGで行うのか、あるいは物体で行うのかという違いがありますよってことだね」

 

亀「そしてそれぞれに個性ともいうべき特性がある。

 わかりやすいのがクレイアニメーションとドールアニメーションで、どちらも物を扱うという意味では同じじゃが、クレイ(粘土)を扱うのでクレイアニメーションの方が体などが伸縮自在で動きにバリエーションがある。

 上にある動画じゃと『ニャッキ』がまさにそうじゃな。

 モルカーのようにパペットアニメーションは人形の持つ素材のふわふわ感などが味わえるが、自由度はある程度制限があるというのも特性じゃな」

 

 

 

 

アニメーションの変換の難しさ

 

パペットアニメーションとCGアニメーション

 

ではここまでの話を前提とした上で、ようやく今作の説明にいきましょう

 

パペットアニメーションをCGアニメーションに変換するというのは、決して簡単なことではない

 

カエル「近年だとアメリカのスタジオライカというアニメーション制作スタジオが『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』などでストップモーションアニメーションに挑戦していますが、CGを同時に活用しているんだよね。

 CGを併用している例はあるけれど、CGに変えたという話はあまり聞かないかも……」

 

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(字幕版)


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blog.monogatarukame.net

 

ワシの感覚として……ストップモーションアニメーションをCGアニメーションに変換するという試みは、少ないのではないじゃろうか

 

カエル「探せばあるにはあるんだろうけれど、思いつかないかなぁ」

 

亀「先ほどからなぜアニメーションの種類などの話をしているかというと、それぞれを同じ”アニメ・アニメーション”と呼称していても、個性が全く異なる。

 そうじゃなぁ……乱暴な例えをすると、麺類は全部同じかというと、そうではない。うどん・蕎麦もあればラーメン、にゅうめん、そうめん、パスタなどもあるじゃろう。

 ではミートソーススパゲッティが美味しいからと言って、ミートソース蕎麦を出してしまったら、その個性を壊してしまうのと同じじゃ」

 

……わかるような、わからないような例えだね

 

では、ここからはうちがなぜ今作を”良くない”と語るのか、という説明をしていこう

 

 

パペットアニメーションの特徴

 

まずは旧作のモルカーのようなパペットアニメーションの特徴について語っていきましょうか

 

なぜモルカーがヒットしたのかというと、パペットの可愛らしさが大きいわけじゃな

 

カエル「車とモルモットがくっついたというのもあるけれど、そのパペット(人形)の見た目の良さは絶対あるよね。

 誰もがあの人形を欲しくなるような可愛らしさに溢れたデザインになっています」

 

 

パペット、人形の持つ本質的な可愛らしさが動いているわけじゃな

 

亀「パペットアニメーションというのは、この動かす物が持つ質感というのが重要になってくるわけじゃな。

 人形といっても色々な人形があるが、モルカーの場合はふわふわした質感を活かした作りになっている。

 そのため、アニメーションの動きとしてはかなり動きが少ないものになっており、滑らかさはないのじゃが、それが却って味わいとなってパペットの良さを引き出している

 

動きを楽しむのではなく”パペットが動いている”という可愛らしさを楽しむアニメーションなんだね

 

他にも近しいところでドールアニメーションについて説明しよう

 

カエル「まずはこちらの動画を見てください。XやTikTokでもバズった動画なので、見たことがある人は多いかも?」

 

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この動画はドール(球体関節付き人形)の特性を活かしたアニメーションとなっている

 

カエル「ここは諸説ありますが、うちではパペット=関節などがなく動かない人形ドール=球体関節などがあり動く人形という意味で使っています」

 

亀「モルカーと比較すると一目瞭然であるが、ふわふわとした質感のモルカーのぬいぐるみと違って、こちらはドールの持つ硬さが感じられる。

 一方でそれらが実際のプロレスラーが繰り出すような、柔らかい動きをしていることに魅力を感じるわけじゃな。

 明らかに固そうな物が柔らかく動く、そこにアニメーションの快感が生まれる。

 一言にストップモーションと言っても、様々な特徴があるんじゃな」

 

 

 

 

CGアニメーションの特徴

 

一方でCGアニメーションにはどんな特徴があるの?

 

やはり高速で動くなどの動きに特徴があると言えるかもしれん

 

カエル「もちろんアメリカをはじめとして世界中で大資本で作られているので、ストップモーションアニメーションとは練度といいますか、予算と人員が全く異なるので単純比較も難しいのですが、CGアニメーションは作り込まれた映像美の他に、動きとしては高速の迫力のある動きも特徴の1つになるのではないでしょうか」

 

亀「動きに関しては色々な動きができるのでこれということは難しいが、見た目の印象としてはCGはどちらかといえば無機質的な印象を与えることが多い。

 なので初期のCGは『トイ・ストーリー』のようにおもちゃ、つまり無機物を動かすことによってその無機質感を逆手にとった映像となった。また同じように日本ではロボットや戦艦、車などのような無機物の機械にCGを使うことが増え、今では戦闘系のロボットに関してはほぼ CGが8割なのでは、というくらいまでCGが使われている」

 

CGはどうしても素材がツルッとしたものになるから、パペットなどが持つ素材の暖かみを出すのが難しいのかな

 

もちろん、現代ではその方向性も可能ではあるがの

 

カエル「結局はお金と技術があれば……という身も蓋もない回答になってしまうけれど、この場ではCGは無機質的、あるいは高速に動くなどの迫力のある映像に向いている、という1つの方向性がある、ということだね」

 

亀「日本では手書きアニメーションに近づけるようにセルルックアニメーションなどもあるが、そこまで話を広げると大変なため、今回はそこは割愛しよう」

 

 

 

パペットアニメーションとCGアニメーションの相性の悪さ

 

違い① 見た目の違い

 

ここまで長く話してきましたが、ここからが本題です

 

今作はパペット→CGという移行が、あまりうまくいっていないのではないかという感触じゃ

 

カエル「つまりこういうことだね」

 

ポイント!

パペットアニメーション(旧モルカー)→ 暖かみのある素材、動きはカクカク

 ↓

CGアニメーション(新モルカー)→ 無機質な素材、動きがなめらかで派手

 

 

こう考えると、真逆とも言えるわけじゃな

 

カエル「ふむふむ……その旧来のパペット→CGへの移行がうまくいっていないのでは? と」

 

亀「例えばモルカーのデザインは同じでも、その映像を見ると全く異なるものになってしまう。

 2つの画像を比較した場合、やはり印象は大きく異なるのではないじゃろうか。

 CGはツルッとして、パペットは毛の1本1本が柔らかく暖かい。

 この差は大きいのではないかの」

 

(C)見里朝希/PUI PUI モルカー製作委員会

第2話 白塗りモルカーの逆襲

 

違い② 動きの違い

 

ふむふむ……それが動きにも出ていると

 

パペットのモルカーの動きというのは、パペットアニメーションだからこそ映える動きなわけじゃ

 

亀「その動きをCGでそのままやっても、やはりパペットのような暖かみのある動きにはならない。

 むしろ、無機質で低予算な作品にも見えてしまうわけじゃな。

 もちろん、今作は低予算だからNGというわけではない。むしろ、意図的にこのような動きにしているという意味では、予算云々は関係ない。

 本来はCGの強みである滑らかな動きが、パペットアニメーションに近づけようとして封じられてしまっている……ワシにはそんなふうに見えたかの

 

 

 

 

違い③ 人物などのキャラクターの違い

 

そしてCGとパペットの変換の難しさを感じたのが人物だと……

 

これは仕方ないとはいえ、CGの強みを描けていない

 

カエル「パペットを用いた旧モルカーでは、人物は一部を実際の人間が演じていますが、モルカーと一緒に画面に映る際は簡素な人形が映し出せれます。

 そして今回の映画もそれを踏襲している形になっています」

 

旧来の人物表現 (c)見里朝希JGH・シンエイ動画/モルカーズ

 

今作の人物表現 (C)見里朝希/PUI PUI モルカー製作委員会

 

顔ものっぺらぼうだったりするわけだね

 

亀「旧モルカーは人物の匿名性があるので、人間は全員モブということもでき、主役はモルカーであることを強調する。

 また、旧モルカーはあえて人間が人形であることを強調することで、モルカーがパペットであることを強調され、より可愛らしさが強調されている。

 そしてCGもそれを踏襲しているのは当然といえば当然なのじゃが、その匿名性や動きがCGの強みである多様なキャラクター性を失わせて、より無機質さを強調するような形になってしまっているわけじゃな

 

違い④ 短編から長編へ〜セリフの問題〜

 

そして尺も1つの問題となるということですが……

 

短編から長編になったことで、物語性を宿す必要が出てきたわけじゃな

 

カエル「その中で問題となることの1つがセリフということだけれど……」

 

亀「旧モルカーは基本的には会話は少なく、セリフで説明するパートばかりではなかった。何よりもモルカーが喋らないが、それでも動きや表情で簡単な物語を作り上げており、それを短編として発表していたわけじゃな。

 しかし今回は60分超えの1本の長編となる。

 そこで”モルカーは喋らない”という制限を守った結果、人間役の大塚明夫などがずっと喋ることになったわけじゃ

 

大塚明夫の演技などが悪いという話ではなく、そのセリフの有無が大きいということだよね?

 

セリフの量はドラマに制限がかかるからの

 

カエル「ただ、海外のアニメーション映画になりますが、現在公開中の『ロボット・ドリームス』などのように、会話やセリフが少なくても成立する物語もあるんだよね。もちろん、難易度は爆上がりですが」

 

亀「それでいうと今作はあまりにも中途半端……というと制作陣が可哀想じゃが、モルカーが喋らないことで画面には大量に出てはいるが、物語を動かすことに制限がかかってしまっておる。

 基本的には人物が理解して、動かすわけじゃからな。

 短編ならば人がちょっとセリフで解説して、基本はモルカーたちのわちゃわちゃの日常劇で良かったものが、長編となりドラマを作らなければいけない……そこでセリフの有無を含め、苦心した印象じゃな」

 

 

 

 

違い⑤ 物語面について

 

ここは違いというよりも、今作の物語について思うところも含めます

 

アイディアはいいのじゃが、そこがうまく発揮されているとは思えなかった

 

カエル「そのアイディアというのは、CGを用いたアニメーションということで、モルカーが自動運転の車になっていくという設定を組み合わせたことだよね。

 CGアニメーション=AIモルカーということで、新しい技術で変化するモルカーというテーマのアイディアが良かった

 

亀「しかし、それがアイディアに留まってしまい、物語にまで昇華することができなかった。

 単なる映画オマージュのたくさん入った、ドタバタ劇になってしまい物語の核がなくなってしまった。本当にモルカーというキャラクターのみに焦点を絞ってしまった結果じゃな」

 

 

 

 

結論〜練り込み不足と制作を急ぎすぎた?〜

 

そうなると、この記事の結論はどうなるの?

 

やはり制作を急ぎすぎたのではないか、という思いはどうしてもある

 

カエル「モルカーという物語を量産する上で、CG化そのものは避けられなかったんだろうね。もしかは大資本がお金を投資してパペットを量産するとかの方法もあるだろうけれど、クリエイターは一朝一夕で生まれるものではないし」

 

亀「そうなるとCG化は必要じゃったが、しかしパペットアニメーションをCGアニメーションにするという前例が少ないことの上に、その練り込みがうまくいっておらん。

 重ねていうが、アイディアそのものが悪いとは言わん。制作陣が悪いとも、誰かが足を引っ張っているとも、CGが悪いというつもりもない。

 しかしその変化をする上で、どのようにしてCGモルカーを生み出すのか……その練り込みが足りておらんように思える

 

考え方によってはモルカーというキャラクターのみが重要であれば、このような出来でもいいじゃろう

 

亀「しかし……ワシはやはり、CGならばCGだからこそのモルカーを作り上げることが必要なのではないか、と考えてしまう。

 少なくともパペットを単純にCGにした今作は、の特性によってお互いの長所を壊しているようにしか感じなかった。

 ここをクリアしない限りは、せっかく産まれたモルカーというIPの魅力を壊していくことに繋がりかねん」

 

モルカーの良さを守りつつ、 CGのモルカーを作り上げる必要性かぁ

 

とても難しいことであるが、そうなって初めてモルカーの魅力が高くなっていくのではないかの