カエルくん(以下カエル)
「今期のアニメは豊作でみたい作品がたくさんあるね。特に原作から有名な作品や、人気シリーズの2期も多いし」
ブログ主(以下主)
「オリジナルもユーリをはじめとして好調だし、今年では1番活気があるんじゃないの?」
カエル「その中でも、ダークホースだったのは世間的にはユーリと言われそうだけど、主からしたら何?」
主「やっぱり、この作品だよね。
バーナード嬢曰く!!」
カエル「……まあ、今回はタイトルからしてこの作品の話をするわけだから、想像はしていたけれど……」
主「いや! テレビでやっていなくてさぁ! 完全に見逃していたよ。ニコニコでアニメカテゴリーを見ていたら『なんだこのアニメ?』と思って見始めたけれど……危うく見逃すところだった!」
カエル「特に本が好きな人は間違いなくハマる内容だもんね」
主「5分アニメ……OPを除けば実質3分アニメだから、興味があれば是非すぐにでも見るべきだよ! すごく面白いから!」
カエル「じゃあ、アニメ版の感想も交えながら原作の紹介を始めるよ」
【2016年秋放送開始!】TVアニメ『バーナード嬢曰く。』PV
あらすじ
町田さわ子……自称『バーナード嬢(誰もその名で呼ぶものはいない)』通称ド嬢は読書家に憧れる高校生。しかし、彼女は本を読むことが目的なのではなく『読書家』を周囲にアピールしたいだけだった。
そんな彼女の周囲には本好きの友達がいつもいて、本にまつわる話を繰り広げる毎日を送っていた……
登場人物紹介
町田さわ子(CV喜多村英梨)
本作の主人公。自称バーナード嬢、通称ド嬢。
読書家に憧れて人前で様々な本を読むふりをしているが、ほとんど読破したことがない。相当読むのは遅い方、と初期では紹介されているが、友人たちに勧められた本を読んでいくうちに、それなりの読書家になっている模様。
読書家に見せかける小細工はすぐに思いつくなど、馬鹿キャラのようであるが物覚えもよく、言うほど馬鹿でもない。
神林しおり(CV小松未可子)
さわ子の友人。本物の読書家であり、古典、新作、 SF、純文学と問わず色々な本を読んでいるものの、本の話を始めると若干めんどくさい。いわゆるオタク気質な女子。
初めは本のウンチクを垂れるだけで作品をあまり読まないさわ子に対して、苛立ちを見せていたがすぐに仲良くなる。
古本屋でセドリ屋ができるほどに本の知識に精通しているが、その性格が災いし友人は少ない模様。すっかりさわ子と仲良しになる。
遠藤(CV市来光弘)
今作唯一の男子高校生にして、本作の語り部のような役割も担う。
さわ子に対して並々ならぬ視線を送り、周囲からはストーカーと思われるレベルでもあるが、恋愛感情は一切ない。これは断言できる。もう一度言う、恋愛感情は一切ない!
単なる珍獣を見るような気でさわ子に注目する一方で、いい話し相手にもなってあげている。
趣味は一昔前に流行った本を読んでみること。案外、いい趣味だなぁ……と主も思っていたり。
長谷川スミカ(CV洲崎綾)
図書委員であり、いつも図書室にいる人。
実は遠藤をじっと見つめており、こちらは恋愛感情がある模様。しかし、一向に発展せず、おそらく今後そのような描写も一切ないだろう。
ストーカーのストーカーを自認しており、若干危ない性格をしている。本に対する知識は豊富で、しおりと並ぶほど。
アニメ版の絵はこちら。さすがに漫画よりも洗練されている
1 漫画版の感想
カエル「まずは何よりも、本好きあるあるに満ちている作品だよね!」
主「もうさ、何度も『あるある』ってうなづいちゃったよ! あらすじだけ読んで読んだ気になるとかさ、海外文学における登場人物の名前がすぐに変わるとか……身に覚えがありすぎる!
自分も『百年の孤独』を読んでいた時があったけれど、頭がひっちゃかめっちゃかに
なってさ、読破できなかったんだよね。そのことも思い出したよ」
カエル「他にも……翻訳問題だったり、原作と映画の関係とか、自作の名言集を作ったりとか、なんとなく薄い本から読んでみたりとか、あるあるだよねぇ」
主「そりゃ『失われた時を求めて』とか『レ・ミゼラブル』とかの、誰もが認める名作だけど、長編すぎて読破することすら難しい作品群だから『こんなの誰が読むんだよ!』って気になるよなぁ。
レミゼラブルとか、銀の燭台を盗むところまでが長すぎて飽きちゃった記憶があるし。しかも、映画とかも見たから『これでいいかぁ』って気がしていて、未だに読みきったことはないんだよね」
カエル「……で、こうやって海外文学の名作の名前を出して『自分、結構本読んでますんで』アピールをするのも忘れない、と」
主「語るだけならいくらでもできるしね。タイトルを言っておけば、なんとなく読破していなくても知っているだけで読破した雰囲気が出ているし。
そういう作品が多いなぁ……なんか言われたら『ニーチェが……』とか言っておけば、誤魔化せそうだし」
カエル「……主もド嬢とあまり変わらないのね」
SFファンの扱い
カエル「読書家あるある漫画というと、やっぱり『今日の早川さん』が連想されるけれど、あちらも主人公の早川さんはSFファンだったもんね。やっぱり、読書家の中でもSFは別の扱いを受けているのかな?」
主「しおりは何でも読むけれど、基本的にはSFファンなんだよね。その扱い方もさ、なんとなくSFファンという……科学的な整合性だったり、時系列がどうとかめんどくさがられがちなSFファンっぽくていいよね。
そして、一時期は大流行していたけれど、今は結構人気が離れていっている分野だからさ。それもあって、SFファンというのは……読書家の中でも特別な立ち位置にいるね」
カエル「今はSFはラノベ中心になっていて、ハードなSFを愛好する若い人って少ない印象だしね……伊藤計劃が生きていたら少しは復権の可能性もあったかもしれないけれど……」
主「SFもアニメ化はたくさんするけれど、小説で大ヒット! というとあまり聞かないからなぁ。今、若いSF作家で大人気という人もあまり聞かないし。
どうしても過去の名作とかの話が増えてしまうな」
カエル「色々新作も出てはいるんだろうけれどね、ライト層は漫画やラノベで十分ってなるから、結構厳しい分野なのかな?」
主「でも……良し悪しはわからんけれど、それがかえってファンの中でも特別な立ち位置になっているのは面白いんじゃない?
これがミステリーファンとか、ラノベファンだったら、この作品のテイストも大きく変わるだろうしさ」
2 アニメ版の感想
カエル「ついでにアニメの感想も話すけれど、今は7話まで配信されているね」
主「自分はアニメから入ったから、原作の絵に回帰した時にあまりにも……粗々しかったから、少し敬遠する部分もあったんだよね。だけど、内容が面白いから読み進めていくうちに、徐々に慣れてきてさ……作者の技量や描き方も若干変わったのか、読みやすくなったんだよ。
あの崩した顔などはやっぱりキャラクターの愛らしさなどを増しているし、ゆるい面白さに溢れているよね。
アニメ版はしっかりとキャラクターデザインがされている分、原作のゆるいよさがすこく失われているような気がするな」
カエル「でもあの漫画版のままだと映像化は難しいけれどね」
主「だけど、そのカッチリとした絵と、声が合わさることによってまた違う魅力が生まれている。
特に喜多村英梨の名演技だよ! あの脱力するような、それでいて早口でまくしたてるように会話によって、なんかよくわからないけれど説得力が生まれている!
そこに語尾の『よ〜ん』とか『ねぇ〜』とかの気の抜ける可愛らしさなどが加わってさ……なんとも言えない味が生まれているよね」
カエル「あの声と絵が組み合わさることで、広く受け入れられそうな可愛らしさに溢れているよね」
主「そうそう。それでいて内容も面白いから、毎週クスリと笑いながら楽しんでいるよ」
カエル「あとは小松未可子の早口演技もオタクらしさが出ているよね。時々出る、神林の圧の高いオタク語りもしっかりと出ていてさ」
主「本当、ベストなキャスティングだよなぁ……
……遠藤? あれ、そんなに出番あったけ?」
カエル「最近は一言だけってパターンが多いからね」
最後に
カエル「それにしても今期は5分アニメ枠が結構面白いよね!」
主「前々からある枠ではあるけれど、小ネタがきっちりと効いていてさ……バーナード嬢も30分は確かに長いんだよ。せめて15分はあったらなぁ……なんて思うけれど、5分だからこそ、これだけ魅力あるものになっているのかもね」
カエル「5分アニメだと続編も作りやすかったりするのかな? できればもっとアニメとしてみたいけれど……」
主「信長の忍びは原作本の売り上げ次第らしいから、バーナード嬢もそうだったりして!
まあ、大ヒットしやすいネタではないけれど、このアニメ化で自分みたいにこの作品を知って、手に取るファンが増えてくれると嬉しいね」
カエル「じゃあ、最後に主が思う読書家あるあるって何?」
主「……好きな本や作家を聞かれて
(誰もが知る名前、例えば東野圭吾とか宮部みゆきだと、にわかっぽしなぁ……じゃあここは少しマイナーな日本人作家か、文豪、もしくは否定のしようもない海外作家の名前でも……)
と色々と考えた挙句、結局『なんでも読むから一概には答えられないけれど……』と余計な前置きをした後でベラベラと5人くらい名前を挙げて相手の出方を伺う、かな」
カエル「……それさ、オタクあるあるの間違いじゃない?」
主「……本質的にはそんな変わらないでしょ!」