カエルくん(以下カエル)
「いよいよ3月のライオンのアニメが放映されたね!」
ブログ主(以下主)
「今期は今の所10本ちょっとチェックしているけれど、早くも当たりが多くて大変だわぁ……その中でも3月のライオンもやっぱり事前評価に違わぬ作品だったよ」
カエル「1話ごとのアニメ記事の感想はあまりやらないけれど、今回はおもわず筆をとってしまったねぇ」
主「こんなことならリアルタイムで観ておきたかったなぁ……この感動を誰かと共有したかった……」
カエル「シャフトとの相性もバッチリだったしねぇ」
主「今期の激戦区でも、トップクラスの評価になると思う。ただ『トップだよ!』と言い切れないのが今期の恐ろしいところでもあるけれどね」
カエル「それじゃ、感想を書いていこうか」
1 スタッフとキャストの話
カエル「じゃあ、まずはキャストの話からしようかな」
主「キャストを決めるのってすごく大変だと思うんだよね。読者の中でそれぞれの零くんの声、あかりの声とかってやっぱりあるからさ。そこのすり合わせもしなければいけないし。
だけど、今回は……あくまでも個人的にだけど、違和感がなかったなぁ。
ちなみに、自分の脳内ではあかりは茅野愛衣だから文句のつけようもないというね。もちろん、花澤香菜も久野美咲も文句無し……というか、今は幼女はとりあえず久野美咲にお願いしようかって流れがある気がしてくるよ」
カエル「零ちゃん役の河西健吾もあっていたよね」
主「鉄血のオルフェンズの三日月役でしょ? あっちも感情をあまり出さない役だったけれど、いい演技をしていたしねぇ。この先、感情をどうやって表現していくのかも楽しみだよね」
カエル「他の役者を見ても錚々たる面子だし。1話でいうと大川透、千葉繁、櫻井孝宏、井上麻里奈がメインキャストではでてきたけれど、違和感ないしね」
主「香子って難しいところだよなぁって思うのよ。ネタバレしないように語ると難しいけれど……ある種の魔女的な要素も持つけれど、それだけじゃないじゃない? ここを井上麻里奈がどのように演じるかがすごく楽しみだわ」
カエル「そして岡本信彦だよねぇ。将棋ものと言ったら、やっぱり過去の経歴含めても岡本信彦は外せないというか、いて欲しいね」
主「あまり作品に直結する話ではないかもしれないけれど、アマチュア三段で棋士を目指した人だからさ、そういう人がいるというだけで、キャストやスタッフに注目する人間には嬉しいものだよねぇ」
スタッフの話
カエル「まずはシャフトという制作会社の話をしようか」
主「もうアニメを日常的に見ている人たちではお馴染みであり、知名度も非常に高い制作会社だな。初期こそ色々な人が監督をしていたけれど、もはや新房監督専用のスタジオじゃないか? って思う時もあるし」
カエル「『月詠-MOON PHASE-』を見た時は衝撃だったねぇ……こんなアニメがあるのか!? ってなったよ」
主「そこから先はもう代表作もたくさんあるし、近年は『物語シリーズ』の映画化だったり、これから西尾維新のデビュー作である『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』のOVAもあるから、なんとテレビアニメシリーズは1年振りときたもんだ」
カエル「こんなに期間が空いていたんだねぇ」
主「でも独特な演出はさすがの一言に尽きる。もう冒頭から目がクギ付けになってしまったね」
カエル「主が注目したスタッフというと誰になる?」
主「絵コンテの笹木信作(劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語の絵コンテも担当)などの注目すべきスタッフもいるけれど、個人的には美術設定など手がける名倉靖博に注目かな」
カエル「最近だと『スペース☆ダンディ』の21話(悲しみのない世界じゃんよ)を手がけた人だ」
主「そう。ムーミンが大好きということもあって、元々注目するクリエイターでもあるんだけど……本作はキャラクターも当然だけど、背景もすごく重要な意味を持つじゃない? 物語やキャラクターだけでなく、背景などの絵が語る部分もすごく多くてさ……そこに名倉靖博を配置したというのは、さすが! と両手を挙げて喜んだんねぇ」
カエル「あとは音楽の良かったよねぇ」
主「これは後から説明するけれど、1話の冒頭の……5分くらいかなぁ? その間は会話がほとんどないんだよね。そこを退屈にさせないように、音楽と絵だけで魅せるといういう演出がすごく良かったよ!」
カエル「もちろん、音楽ではBUMPの音楽も素晴らしかったね!」
主「ファイターからして世界観に見事にマッチしているからなぁ」
2 一話の作品感想
カエル「そして感想に入るけれど、これは原作について語った時に同じことを言ったけれど、1話は特別な構成をしているんだよね」
主「そう。原作の1話も7ページほどを会話もなく、環境音などの文字はなく絵だけで進行していくんだよね。
そこで零が何も持たないという寂しさを、絵だけできっちりと表現したけれど、それをアニメでも見事に再現したよ!」
カエル「まず、あの特徴的な絵で今の零くんのグチャグチャな内面を描き、そして音楽に載せて東京の街をしっかりと見せていたもんね。そこで都会の冷たさと、零くんの孤独を見事に絵に落とし込んだよね!」
主「これはアニメだからこそできる、素晴らしい表現だった! 背景の明るさと、零や橋の黒さの対比だったり、光と影の演出がしっかりとなされていたからこそ、そのあとの……川本家の暖かさが余計に引き立つんだよ」
カエル「そして将棋会館について、先に座ると絵柄が相当変わるんだよね」
主「対戦相手の……義理の父親が来ると、さらに絵柄が変わって、ザラリとした、鉛筆画のような絵に変わる。こういうのはシャフト特有の演出だよねぇ。
あとは窓の外から流れ込む光と、入り口の方の暗さとか、ここでも零の心理を見事に表現しているわけだ。だからこそ、すごく引き込まれるんだよね」
川本家の描きかた
カエル「一方で対局を終えた後で川本家に行くと、それが変わるんでしょ?」
主「夕方ということもあって、少しずつ暗くなるところにメールが届く。そして夜になって川本家に行くと、零の周辺は暗いのに家の中から灯りが溢れているんだよね。
ここが零の抱える孤独と、川本家の暖かさの対比になっているんだよ。
そこから先は一転して、それまでと変わって明るい室内になるんだよね」
カエル「そこから色々な川本家の食事シーンの日常が出てくるわけだけど、そこでその前の暗さを払拭して、エンタメとしての面白さと、キャラクターの魅力があるんだよね」
主「そうそう。だけど、零が自分の思考に潜る時は、やっぱり暗くなる。この心理描写の対比がすごく強く出ている。
そしてこの先は、チャプター2になるとドタバタなコメディ要素が増すわけじゃない。この2つが……暗い零の内面と、それを取り巻く川本家という大切な要素が2つ、しっかりと強調されて描かれていたからさ、1話としては完璧じゃない?」
カエル「元々ファンだったということもあるけれど、これだけの作品を描いてくれたら文句のつけようがないよねぇ」
主「OP、EDもいい絵になっているし、NHKで全国放送というのもあるのだろうけれど、気合が入りまくった1話だった。これはこの先も大きな期待ができると思うね。あとはどこまでやるのかなぁってところ以外は心配していないよ。
本当に丁寧な出だしだった!」
最後に
カエル「というわけで3月のライオンの1話について語ってきたわけだけど……」
主「エンドカードも今回は『ベルセルク』の三浦建太郎だったしね。同じ雑誌で連載中だからなんだろうけれど、毎週誰になるのか楽しみだな」
カエル「しかし、今期はこのクラスの作品がいろいろあるから、覇権作品もいくつか分かれそうだねぇ」
主「しかも劇場版クオリティで仕上げてきている作品もあるからな。まあ、どこも1話は気合を入れてくるのは当然だとしても、今のアニメ業界のレベルの高さなどが浮き彫りになると同時に、ここまでしないと売れないのかぁというヤバさが伝わってくるよ」
カエル「さあ、今期は何本感想記事を書くことになるのか? そして何本完走できるのか? 乞うご期待!」
主「……これだけ多いとなぁ、完走するだけで大変だよ」
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今月のダヴィンチ(2016年11月号)は3月のライオン大特集! 羽海野チカのインタビューが8ページに加えて、新房監督、河西健吾、花澤香菜、実写版監督の大友啓史監督、西尾維新のインタビューも収録!
ライオンファンには必読の1冊となっています!
(声優と本の特集もあるよ。櫻井孝宏、神谷浩史、小野大輔、中村悠一などが本の話をしています)
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