物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』ネタバレ感想&評価! 白組らしい3DCGだからこそできるドラクエのアニメ映画が登場!

 

今回は『ドラゴンクエスト YOUR STORY』の感想記事になります!

 

 

 

いよいよドラクエも映画化かぁ……

 

 

 

カエルくん(以下カエル)

「ちなみに、ドラクエってどれだけやったことあるの?」

 

「そこそこプレイしている……と言っても1、2、3、6とモンスターズくらいかなぁ。

 この映画の基になった5はある程度のストーリーは知っているけれど、やったことはないね

 

 

カエル「ということは”原作と比べてどうのこうの〜”ということはできないんだね」

主「RPGはテイルズばっかりやっていたかなぁ。

 ただ、さすがにこれだけの知名度を誇る作品だからほとんど知っているというか……当時は衝撃の展開だったかもしれないけれど、今では語りつくされてしまった感もある。

 そもそも、ドラクエってそこまで凝りに凝ったストーリーが売りってわけでもないし……」

 

カエル「1〜3の流れなんかは感動したけれど、当時のゲームの容量を考えればそこまで凝ったことはできないというのは当然あるとはいえね」

主「まあ、ドラクエにわかファンですらない人の意見を聞いてもいいんじゃない?

 5の製作時期を考えると、この映画を見に行く大人層はともかく、子供達にも浸透しているか微妙なところだし……

 あと、自分は今でも『ダイの大冒険』の再アニメ化待ってます!

 思い入れの強いジャンプ漫画だから、今のクオリティで最後まで見てみたいなぁ……」

 

カエル「それでは、早速レビューのスタートです!」

 

 

 

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作品紹介・あらすじ

 

 国民的RPGとして国内はもちろん、世界的な人気も獲得しているRPGの代表格でもある『ドラゴンクエスト』シリーズの5作目に当たる『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』を基にした3DCGアニメ映画作品。

 総監督・脚本には2019年に今作を含めて3本の作品が公開予定の山崎貴、監督には八木竜一、花房真の『STAND BY ME ドラえもん』で中心的な活躍を果たした2名が務める。音楽にはドラクエシリーズを彩ってきたすぎやまこういちの楽曲をオーケストラで演奏し、豪華に盛り上げている。

 キャストにはリュカ役に佐藤健、ビアンカ役に有村架純、フローラ役に波留が演じるほか、坂口健太郎、ケンドーコバヤシ、山田孝之、松尾スズキ、古田新太、吉田鋼太郎などの芸能人キャストが声を当てる。

 

 

 ゲマ率いる魔物たちは封印された大魔王であるミルドラースを復活させるためにリュカの母であるマーサをさらってしまう。父であるパパスとともに冒険を繰り広げ、母を取り戻すための旅を続けるのであったが、魔物たちとの激闘と卑劣な手段によってパパスが非業の死を迎えてしまう。

 その10年後、立派な青年に成長したリュカは母を取り戻し、ゲマを倒して世界を救うために”天空の剣”とそれを扱うことのできる勇者を求めて、道中で出会う人々との交流を深めながら冒険を始めるのだった……

 


「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」予告②

 

 

 

 

感想

 

では、Twitterの短評からスタートです!

 

 

これは賛否が割れるかもしれませんが、自分は賛辞を送りたい!

 

 

カエル「もともとドラクエの映画化って無理があると思うんだけれど、今の現状の技術を考えればベストだったんじゃないかな?」

主「そもそも、ゲームの映画化ってかなり難しいのよ。

 当然のことながらプレイすることが前提で作られている物語だし、ドラクエ5くらいになるとお話が壮大で、しかも世代や時間すらも長い期間にわたる。それをたった2時間弱にまとめるだけでも、相当難しいわけだ」

 

カエル「もともとは山崎貴総監督も『ゲームと映画の相性が良くない』ということで断ろうとしていたことを明かしています」

主「実際、ゲーム原作の映画って何作もあるけれど、決定的な名作って何かあったっけかなぁ……

 もちろん『バイオハザード』などもあるけれど、あれはアクションゲームだから可能だった部分もあるわけで、今作の場合はRPGじゃない?

 しかもファンの熱意もあるから”あそこはこうしろ、ああしろ”って言われてしまうし……」

 

カエル「愛が深い作品は大変だよねぇ。

 だからと言って闇雲に長くすればいいというわけではないもんね……アニメの制作期間は相当長いし、今作でも数年がかりで制作されているわけだし……」

主「それを考えると今作は相当難しかったけれど、自分は満足度が相当高い。

 その中でもただの”ゲームのアニメ化”ではなくて、映画としてどのように見せるのか? ということも考えられていて……自分はこの挑戦に賛辞を送りたいね」

 

ドラゴンクエスト ? 天空の花嫁

 

白組のアニメ映画について

 

今回、ドラクエファンではないうちはどこに注目しているの?

 

やっぱり白組の高い技術力に期待大だね

 

 

カエル「白組は山崎貴監督作品には欠かせない、高いレベルのVFXを作り上げる会社であり、日本でも有数の技術力を誇っています」

主「近年は日本でもたくさんのCGアニメ映画が作られているけれど、正直に言ってしまえばディズニー/ピクサーなどの海外製のアニメーション映画との差は広がる一方にも見えてしまう。

 また、日本は2Dの手書き表現が豊富だから、CGアニメに関してはまだまだ多くの課題があるように見受けられる。

 その中でも白組が制作したCGアニメは極めてハイクオリティで、自分が見る限りでは1枚も2枚も飛び抜けている印象があるな

 

カエル「だけれど、アニメ自体はそこまで大量に制作しているわけではないよね?」

主「今でも悔しい思いをするのが『GAMBA ガンバと仲間たち』で、この映画のCGクオリティは日本屈指のものだと思うし、世界基準で見ても見劣りしないものでは? という思いがあった

 

GAMBA ガンバと仲間たち

 

主「他のCGアニメ映画というとカクカク感が目立ったり、均一的な表現が目立ったりした印象だけれど、それもあまりない。だけれど、このあまり売れなかったんだよねぇ……

 だからこそ『映画は売ることが大事』と語る山崎貴が総監督となり……まあ、自分はかなり名義貸しの意味合いが強いと見ているけれど、売れるってことが大事だと思わされた。

 自分はもっともっと白組のアニメ表現が見たいから、今回は制作してくれるだけでも非常に嬉しいし、ドラクエの責務と看板、そしてアニメ化の難しさはしっかりと背負いながらも、その映像クオリティは抜けている印象があったな

 

 

 

 

CGアニメとしての魅力

 

CGでないと表現ができない作品へ

 

じゃあ、本作の3DCGアニメとしての魅力について考えていきましょう!

 

基本は娯楽大作として見れるところにあると思うんだよ

 

主「あくまでも個人的には、だけれど……日本において『CGアニメでないとできない作品』という意味合いがある作品はほとんどないのではないか? という思いがある。セルルックなどの努力もあるけれど、それならばセル画でいいんじゃないの? と思うこともある」

カエル「どうしてもCGの硬質的な感覚が画面に出てしまって、それが違和感となる作品もあるよね……特に日本のアニメキャラクターデザインだとその印象が強いかも。

 アメリカだと、それこそ『トイ・ストーリー』がその硬質感も活かしながらCGであるからこそ活かせるおもちゃの世界を表現していたよね

 

主「それでいうと、自分が見る限りではCGアニメであること自体に意義があった作品というと硬質的なキャラクターが意味を持つ『宝石の国』くらいかなぁ……あとは手書きアニメでもいいんじゃないの? って思いが強くなってしまう作品も多かった。まあ、そんな簡単な話ではないんだけれど。

 だけれど、今作は別。

 もしかしたら、初めて”3DCGで作られる意義があるアニメ映画”になったかもしれない

カエル「今作は”なぜ3DCGアニメで表現されたのか?”という問題に、しっかりと回答した作品に仕上がっていると思います」

 

 

トイ・ストーリー4 (オリジナル・サウンドトラック)

blog.monogatarukame.net

 

 

リアルとデフォルメの間に

 

今作のグラフィックやキャラクターデザインを見ると、リアル過ぎずデフォルメも効かせているよね?

 

映像の美麗さだけで言えば、当然ディズニー/ピクサーの完勝かもしれない

 

カエル「だけれど、それだけでは表現できないものがあると?」

主「最近はCG表現もアニメ表現も”よりリアルに”という方向性を目指しているように見受けられる。特にゲーム業界はそうで……例えば『メタルギアシリーズ』とか、最近自分がやったからあげるけれど『ザ・ラスト・オブ・アス』なんてのは、人物表現が時に実写化と見紛うようなほど精緻に作られている。

 そのリアルな映像美をそのまま映画にした『KINGSGLIVE FINAL FANTASY ⅩⅤ』もあったわけじゃない」

 

KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV(吹替版)

 

blog.monogatarukame.net

 

 

カエル「顔のシワの1つ1つまで再現されていたりして、びっくりするよね」

主「だけれど、これは新海誠作品でも語ったけれど、徹底的にリアルなのがいいのか? という問題もあって……それでいうとやはりアニメ的なデフォルメのバランスがアニメ表現としての快感を生むと思う。

 それでいうと今作は抜群!

 ドラクエらしさを感じさせるデフォルメ具合に、時折見せる魔法などのリアルなエフェクト、派手なアクションや身体表現、そしてある演出などでのデジタル表現などは特筆すべきものであったのではないだろうか?

 

カエル「ここはさすが白組! という点だったのかな」

主「少なくとも、この映像表現を見るためだけに映画館に行くのもアリだと思うよ」

 

 

 

 

キャラクター表現の柔らかさ

 

そういえば以前『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』の時も語っていたけれど、キャラクター表現の方さについてはどうだったの?

 

自分はここを大絶賛したいんだよね!

 

 

blog.monogatarukame.net

 

 

カエル「もちろん、先ほども述べたように原作を知らないorそこまで思い入れがない人の意見となることはご承知ください」

主「ドラクエVの見どころの1つが”結婚問題”にあるのは間違いない。だけれど、映画の場合はビアンカとフローラ、この2人を時間をたっぷりとかけて描くことはできないんだよ。

 映画ではどちらを選択するのか? というのは見てのお楽しみにしてほしいけれど、必ず片方は負けヒロインになってしまい、そこまで活躍することがないというジレンマがある

 

カエル「だけれど、片方はいらない子だからといって描写を浅くすると、ドラクエ5の魅力であり最大の論争のポイントとも言える結婚問題の悩みが描けなくなるよね」

主「だからこそ”わずかな時間で印象に残る活躍”を描く必要があるわけ。これは非常に高難易度だけれど、見事に白組はやり遂げた。

 例えば成長したビアンカが登場した後に、フローラと主人公のリュカの恋路を応援するようなシーンがあるけれど、そこで一瞬のためらいがちな動きや表情があった。そしてフローラもまた同様にリュカに恋い焦がれる少女としての表情など、大きな見所がある。

 CGの、特に人間のキャラクター表現はまだまだ問題があるのかなぁ……という印象だったけれど、今作の場合はリアルと漫画的表現のデフォルメの加減が見事に感じた

 

カエル「他のシーンでもしっかりとコメディをやっていたし、本来はかなり重たい話なんだけれど、今作の場合は明るく楽しい映画になっていたよね」

主「そしてきっちりとキャラクターに対する、キャッチーな”萌えポイント”があった。

 ビアンカとフローラの結婚問題は、やはりこの映画でもしっかりと描かれていたけれど、おそらくどっち派であっても不満が出にくいようになっていたのではないだろうか?

 そしてその他のキャラクターもきっちりとキャラクター芝居のコミカルさもありながらも、パパスの力強さやかっこ良さ、モンスターたちの毛並み、背景の美しさなども含めて全体がとてもレベルが高いものに仕上がっていたのではないだろうか?

 

 

声優について

 

いろいろ言われがちな声優についてはどうなの?

 

基本的には賞賛でいいんじゃないかな?

 

カエル「お、上から目線ながらもお褒めの言葉が入りました」

主「自分はアニメオタクだから、今作のようなアニメアニメしたキャラクターの演技には、もっとアニメっぽい演技ができる声優の方がいいのでは? と最初は思った。

 特に子供時代の役が子役だったから、子役演技が苦手な自分には辛い部分もあったけれど……イヤイヤ、叫ぶ演技などは見事だった!

 プレスコ方式で先に声を撮ってから、映像を制作したらしいけれど、それが見事にハマった形になったんじゃないかな?

 役者陣がアニメっぽさもありつつも、迫力と生っぽさのある演技を披露していたと思うよ」

 

カエル「特に今作で語りたいのは?」

主「これがねぇ……有村架純!

 個人的には最初に声優陣が発表された時に不安があったけれど、ものすごくあっていたと思うよ。

 ビアンカの溌剌さと気の強さ、その中にある優しさなどが入り混じった演技でもう絶賛!

 やっぱりこの子って天性の明るさを持っていて、それが声にも出ているんだなぁ……と納得した。

 これはビアンカじゃない! と言われてしまうと……それは知らんがなってなってしまうけれど、ゲーム版が基本声が出ない中でみんな色々なイメージがあって難しいけれど、その中でもしっかりと”映画版のビアンカの声”になっていたのではないのかな?

 

カエル「もちろんそのほかのキャストもよくて、ベテラン陣はアニメ声優経験も豊富なため心配いりません!

 あとは安定のケンコバがまたいいコミカルリリーフになっています!

 他にも山ちゃんがスライムの声を担当しており、さすがの職人芸を披露しています!」

 

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

作品考察

 

物語は大きな問題点をいくつも抱えている……

 

では、ここからはネタバレありで語っていきましょう!

 

まずは物語について語っていこうか

 

カエル「本作にはいくつもの大きな粗があるということだけれど……」

主「いくつか挙げてみると、このようになる」

 

  • 物語がゲームのまとめのようでありダイジェスト的
  • 次の目標が会話で示される
  • 半ばご都合主義にまみれた物語

 

カエル「いつも批判するポイントといえばそうなんだけれど、特に今回は酷かったのかなぁ」

主「ただし、この辺りはゲーム原作だからこその難しさでもある。

 例えばドラクエ5でも仲間になるだけでも主人公、ビアンカやフローラ、ヘンリー、サンチョなどの他にモンスターもおり、その1人1人のキャラクターの描き方やバックンボーンなどの物語の描き方に工夫が求められる。

 だからこそダイジェストになってしまうのは致し方ないというか……もう、原作にある程度以上忠実にしようとしたら、それ以外に方法はあまりない

 

カエル「何十時間、何百時間を掛けて物語やキャラクターの変化を楽しむのがゲームだもんね……

 先にも語った”ゲーム原作の難しさ”だ」

 

CGWORLD (シージーワールド) 2019年  08月号 vol.252 (特集:映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』、アニメ『ULTRAMAN』、VTuberドラマ『四月一日さん家の』、映画『アルキメデスの大戦』)

 

ゲーム原作ならではの問題点

 

他にもゲーム原作ならではの問題点というと、どういうことがあるの?

 

やっぱり”次にやるべき行動を示唆する”ということになるのかなぁ

 

カエル「例えば以下のようなパターンだね」

 

 

 街に到着村人から『モンスターを倒してほしい』とお願いされる

 ⇩

 そのモンスターを倒すためのアイテムを手に入れる

 ⇩

 モンスターを倒すと、次の目的地が明かされる

 

 

 

主「これはゲームでもよくあるように、プレイヤーが次の目的地ややることを迷わないように誘導しているわけだ。

 だけれど、これって物語としてはすごく不自然であって、できれば最初に目的だけを表示しておいて、その途中にあるトラブルをその都度解決していく、というようにしておきたい。

 今作のような物語の作り方だと”そのトラブルが起こる原因と解決策がわかっている”から、全部ご都合主義っぽく見えてくるんだよね。

 でもこれらを全て無くしてしまうと、それはそれでRPGらしさがなくなってしまう……

 だから難しいのよ、ファンタジーRPGの映画化って」

 

 

それこそ何十回とプレイしたコアなファン相手ならば説明は全くいらないけれど、ドラクエをプレイしたこともない子供も劇場には行くだろうからねぇ……

 

全くドラクエ5を知らない人もいるんだから説明は絶対に必要だし、王道とはいえ日常生活とは一切関係ないファンタジー世界だからねぇ。

 

 

主「主人公への説明=観客への説明、という風にはなっている。それが説明過剰にも思えてくる。今作って言ってしまえば”ファン向け映画”の部分もあるけれど、どこまでバランスをとってうまくやるかが問題なわけだ」

 

カエル「『ドラクエくらいみんな知っているよ!』という意見もありそうだけれど……」

主「う〜ん……でも原作自体はもう何十年も前の作品だからなぁ。

 リメイクもあるとはいえ、直撃世代は今のアラサー以上だしなぁ。

 結局、先に挙げた ”RPGっぽさも含めたドラクエっぽさ”を残せば残すほど、映画らしさは無くなっていく。

 何せ元々主人公がほとんど喋らないって時点でキャラづけからやらなければいけないわけで、それもファンと初見さんでは意見が割れる。

 でも映画らしさを追求すればするほど、ドラクエである必要はなくなる。

 さて、その答えはどうするのか?」

 

 

 

 

今作が見せた大どんでん返し

 

その答えがあの大どんでん返しなんだね

 

あれは、まあ、反則といえば反則だよ

 

カエル「言ってしまえばそれまでの物語を全てひっくり返すお話だもんね……」

主「うまくいけば『レゴムービー』になるし、むしろそれを狙ったのだろうけれど……だったらあのパートは実写で撮らんと意味がないんですが、まあその辺りは予算等の限界ということもあるのかね」

 

カエル「実際、賛否割れていますがどう考えているの?」

主「普通に考えたら無しじゃないかなぁ……

 ちゃぶ台返しにもほどがあるって怒るかも。

 でも自分はあれはあれで楽しめたんだよ。なぜならば、その前に色々と映像的には伏線を張っていたから

 

カエル「スタートのゲーム画面であったり、あるいは”本当の自分”を知るときの映像だね」

主「あの映像表現はCGである理由があった。

 0と1のゲーム原作であり、今作もデジタル要素が強くてパソコン上で作られているCGアニメだからこその表現だったと思う。

 ここは自分は褒めるし、あのまま素直に終わっていたら毒にも薬にもならない映画になっただろうね。

 言ってしまえば『ドラゴンクエストなんて全部偽物だ!』ってことなんだけれど、それはそうなんだよ。誰もドラゴンや魔王が本当に存在するなんて思っていない。

 でも、その遊びを共有した思い出は一緒だ! というのは確かにその通りだし。嘘の全肯定だよね。だから自分は大好きなのかも」 

 

カエル「でもさ、色々と粗があったのはそうだけれど、それを全てチャラにしてしまうわけじゃない? なんていうか……ズルくない?」

主「ズルいし、やり方は下手だけれど、でも上手くはまらなかったからこその味だとも思うんだよね。

 うまい映画、整った映画だったらあのようなラストはできないしさ。

 ただし、やり方が強引すぎる上にうまくはないから、そこが考えものだというのもわかる

 

ピアノ曲集 「ドラゴンクエストV」 天空の花嫁 オフィシャル・スコア・ブック すぎやまこういち 監修 (楽譜)

 

ゲームなどを取り巻く社会状況

 

あとは……ゲームなどを取り巻く社会状況などを考えると、あのどんでん返しの意味ってあるのかなぁ

 

やっぱりさ、ゲームって一定の市民権を獲得した趣味であるとはいえ、まだまだ偏見はあるよ

 

カエル「この辺りはオタクの人がよく知っているんじゃないかなぁ」

主「例えば最近も重度のネットゲームのユーザーで引きこもりだった息子を、父親が殺害したという事件もあった。その報道の論調や反応では『この息子ではその選択もやむなし』というものもあった。

 各々の反応はあるにしろ”引きこもり””ネットゲームのユーザー”分かりやすい理由付けになってしまったのではないか? という思いもある」

 

カエル「別に引きこもっていなくても、ネットゲームユーザーでなくても亡くなられた息子と同様の発言をする人はいるだろうしね」

主「その偏見を助長する材料として”ゲーム”というものが使われている。

 やはり、ネットやゲームというのはこの令和になっても”どこかいかがわしいもの”という風潮、あるいは無駄なものという風潮があるのではないだろうか?

 その中でも”嘘であること、虚構である事”を最大限認めつつも、それをプレイした経験などを肯定したのは、自分はアリだと思うし映画的なメッセージ性も獲得したと考えているけれど……まあ、やり方が強引だし、それを望んでいなかったという人の気持ちもわかるかなぁ……」

 

 

 

 

まとめ

 

では、この記事のまとめです!

 

  • ドラクエファンにも初見にも見やすいバランスの良い作品だったのでは?
  • 特に白組の映像表現が圧巻! CGアニメだからこそできる映画に!
  • キャラクター表現の豊かさにも注目!
  • 声優陣もプレスコ方式もあって作品にマッチしたのでは?

 

とりあえず、こんなところですね

 

主「たぶん、不満がある人もいると思う。それだけ愛があるし、ファンも多いから全員を納得させることは不可能。予算もあれば時間も無限にあるわけではない中で、これだけの作品を取捨選択の結果生み出せたのは賞賛に値すると思う。

 個人的にはやはり八木、花房両監督を褒め称えたいね」

 

 

 

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