物語る亀

物語る亀

物語愛好者の雑文

映画『海獣の子供』ネタバレ感想&考察 スタジオ4℃が描いた世界最先端の映像表現と、物語が示す本作の哲学的なメッセージとは?

 

今回は6月公開のアニメ映画ラッシュの中でもとりわけ評価の高い『海獣の子供』の記事になります!

 

 

 

 

試写会組の評判が異常にいいんだよな

 

 

 

カエルくん(以下カエル)

マスコミの方や評論家、アニメライターも含めて多くの方が絶賛しているよね。

 こういう映画の時はハズレがない印象でもあるけれど……」

 

「最近だと『若おかみは小学生』『この世界の片隅に』が試写会組に異常と言えるくらい大絶賛されていて、蓋を開けてみたら納得のクオリティだったな。

 もちろん、個人個人の合う合わないがあるだろうけれど、少なくとも変な作品ではないのだろう」

 

カエル「目の肥えた人たちが絶賛するということは、そういうことなんだろうねぇ。

 自ずと期待値は上がりますが、そのハードルを軽々と超えてきそうなことは予告編からも伝わってきます」

主「ちなみに、今回は迷った上で原作は未読で鑑賞します。

 原作に引っ張られることなく、この映画の……特に映像表現をしっかりと味わっていきます。

 では、記事のスタート!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 感想
    • スタジオ4℃について
    • キャストについて
  • 作品解説の前に
    • 今作を読み解くうえで強く影響を与えたと思うスタッフたちについて
    • あの名監督たちの影響も
  • 以下ネタバレあり
  • 作品解説
    • 今作が描いたものとは?〜今作を読み解くうえで参考にしたい2つの作品〜
    • 今作と比較対象になる『ピノキオ』
    • スタジオ4℃が描く鯨
    • ”祭り”が示す意味合い
    • うまく使われている対比表現について
  • まとめ

 

 

続きを読む

『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』ネタバレ感想&評価! ルパンと不二子の関係性や魅力に引き込まれる、大人向けシリーズ屈指の神回!

 

今回は大人向けルパン三世シリーズの最新作である『峰不二子の嘘』のレビュー記事になります!

 

 

 

ほぼ年1くらいのペースになるのかね

 

カエルくん(以下カエル)

『次元大介の墓標』『血煙の石川五エ門』もハードボイルドで原作準拠のルパン三世が見れてよかったよねぇ。

 特に『血煙の〜』に関してはゴア表現もあったけれど、それが生々しくて眼を覆いたくなるようなシーンでもあって、近年のファミリー層向けのルパン三世のイメージが強いと面食らうような作品になっていたね」

 

「最初にルパンシリーズという作品について軽く語ってしまうけれど、宮崎駿の影響が強いシリーズでもある。それはハードボイルドな第1シリーズもそうだし、今のルパンの人気を確固たるものとした第2シリーズ、そして『カリオストロの城』などもある。

 もちろん自分のルパン入門もファミリー層向けルパンだし、そういう人が9割だろう。

 だけれどそれは原作を大きく改変したものであり、コアな……特に原作のルパン三世を愛する人には苦々しい気持ちだってあった」

 

カエル「それこそ原作と大きく改変されて人気がでたシリーズ作品として真っ先に連想する部分もあるよねぇ」

主「それはモンキーパンチ先生の懐の深さで許されてきたけれど、このような作品も生まれている一方で、ファミリー向けのルパンも継続する。

 良いバランスが取れているシリーズだよね。 

 声優交代もうまく行ったし、今後何十年も愛されるシリーズになる土台ができている。

 その中で本作がどのような”新しくも懐かしいルパン三世像”を生み出すことができ流のか注目していきたい

 

カエル「ファミリー向けルパンのイメージからすると新しいけれど、むしろ原作を知るとこちらの方が懐かしいとなる珍しいシリーズだね。

 それでは、感想記事のスタートです!」

 

  • 感想
    • 峰不二子を描く難しさ
    • 沢城みゆきの表現力に圧倒される
  • 以下ネタバレあり
  • 作品考察
    • 部屋の広さと心情表現
    • 峰不二子の”嘘”とは何か?
    • まとめ

 

 

続きを読む

絶賛!『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ネタバレ感想&評価! モスラ、キングギドラ、ラドンの美しさが映像に惚れる、シンゴジラと並ぶゴジラ映画の傑作登場!

 

今回は今年の大作洋画の中でもうちは一番注目している”ゴジラ キングオブモンスターズ”の感想記事になります!

 

 

 

……今回はどうなのかね?

 

 

カエルくん(以下カエル)

「うちは面倒くさいタイプのゴジラファンでもあるので、どうしても日本のゴジラを引き合いに出して語ってしまうところがあります」

 

「ゴジラファンなら当然のことだろうけれどね!

 特に今作は『シン・ゴジラ』以降初の実写のゴジラ映画ということで、注目度もとても高いだろうし。

 アニゴジ? そんなものはなかった!」

 

カエル「……まあ、いろいろな評価があるってことで……

 ちなみに、前作の評価はどうだったの?

主「う〜ん……イマイチかなぁ。

 映画として、怪獣映画として悪いわけではないんだけれど、ゴジラである必要性が皆無だったし、熱くはなるけれど暗いシーンも多くて単純に見づらかった。

 観たいのはゴジラであって人間ドラマでもムドーでもないわけでさ、そこがどうしてもイマイチになってしまった印象がある。

 ただ、悪い作品だとは思わないよ

 

カエル「ふむふむ……今作に対する期待値は?」

主「半々かなぁ……だいたいキング・オブ・”モンスター”ズって時点で少し不満。だからゴジラはゴットでもあるわけで”モンスター”ではないって何度も言っているんだけれど、そこが受けれ入れらないのかねぇ。

 ただ予告編を見ないようにしてまでずっと待っていたから、今作についても全力で受け止める準備はできています!」

カエル「というわけで、感想記事のスタートですが……最初に少しだけ。

 今作は絶対に最後まで立ち上がらないようにご注意願います

 

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 感想
    • マイケル・ドハティ監督について
    • シン・ゴジラとKOM
    • 圧倒的な美しさが延々と続く
  • 以下ネタバレあり
  • 今作を語る上での3つの視点
    • 宗教映画としての本作
    • 怪獣映画としての本作
    • ゴジラ映画としての本作
    • まとめ

 

 

続きを読む

映画『空母いぶき』ネタバレ感想&評価! パトレイバー2の伊藤和典が脚本を務めた意義がよくわかる自衛隊だからできるミリタリー作品登場!

 

今回は漫画原作の自衛隊を描いた映画『空母いぶき』について語っていきましょう!

 

 

 

 

……これはどんなものなんだろうな

 

 

カエルくん(以下カエル)

「ちなみに、鑑賞前にはこんなTweetもしています」

 

 

 

「厳しいようだけれど、伊藤和典が脚本を務めた自衛隊を扱った映画というと『パトレイバー2』があまりにも強すぎるんだよ」

 

カエル「もう30年近く前の作品になるけれど、今でも通用するどころか、今だからこそ突きつけられているような難しい問題を主題に据えており『自衛隊の立ち位置とテロ』を恋愛を絡めたドラマとして言うまでもない名作だから、比べるとかわいそうだけれどね」

主「なんかさ、自衛隊を真正面から扱った作品でパト2を更新したなって作品はなかなか出てこないんだよねぇ。

 もちろん、このテーマは日本が敗戦国であること、憲法9条とそして自衛隊を抱える以上解消されることはないとはいえ、いい加減現代風に更新する映画が生まれてもいいと思うんだけれどね」

 

カエル「なかなかの無茶振りだよねぇ」

主「その点、今作の企画に携わっている福井晴敏と脚本の伊藤和典、そして原作者であり直接的に映画にどこまで関わっているかはわからないけれど、かわぐちかいじには高い期待をしています!

カエル「という訳で、感想記事のスタートです!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 感想
    • 様々な意見に対する私見
    • 自衛隊の協力を得なかった問題について〜映画のリアリティラインの問題〜
    • エンタメ性が強い作品ではない
    • 役者について
  • 以下ネタバレあり
  • 作品考察
    • 各キャラクターたちの配置
    • コンビニの描写のうまさ
    • 魅力的な小道具〜サンタの靴の存在感〜
    • 本多記者のメッセージ
    • ”戦争”の持つ様々な意味
  • まとめ

 

続きを読む

映画『プロメア』ネタバレ感想&評価! TRIGGERと今石&中島コンビらしい熱さと外連味に満ちたエンタメ大作が登場!

 

今回はトリガーを代表する今石洋之監督の最新作『プロメア』の感想記事になります!

 

 

 

 

 

熱いドラマとアニメ技術に期待が大きい作品だな

 

 

カエルくん(以下カエル)

 「特に今作は久々の今石監督、中島脚本という組み合わせだから、アニメファンの注目度は高い作品だよね!」

 

『天元突破グレンラガン』『キルラキル』にハマった人であれば、あの熱さに期待するところも大きいだろうな」

 

カエル「うちもグレンラガン、キルラキルなどの今石監督作品は鑑賞しており、TRIGGERの前に在籍したガイナックスの作品から、気がついたらずっと追いかけてきたということになるもんね」

主「そして今石監督作品としては『グレンラガン』はテレビシリーズの総集編の趣も強いことを考えると、オリジナル劇場アニメは初になるんだもんなぁ。

 これは期待値が高いし、大規模試写会なども行われていて興行的にも盛り上がって欲しいね

カエル「という訳で、そんな期待値MAXな今石監督作品の感想記事のスタートです!」

 

 

  •  作品紹介・あらすじ
  • 感想
    • 圧倒的な絵の力に魅了される
    • 声優陣について
  • 少しだけネタバレをすると……
  • 物語上の問題点
  • まとめ

 

 

続きを読む

『蒼穹のファフナー THE BEYOND』 劇場先行上映1〜3話までのネタバレ感想&評価! 期待と不安が半々くらいかなぁ

 

今回は新シリーズが制作された『蒼穹のファフナー THE BEYOND』の感想となります!

 

 

 

 

今作はテレビアニメなのかな? それともOVA方式なのか?

 

 

カエルくん(以下カエル)

 「今の所、自分たちが調べた限りでは『先行上映』とだけあり、公式がどのような形態で放送するのかまで発表していないような状況のようですので、どちらとも受け取れるような形となっています。」

 

『順次』という言葉もあるから、この先も映画館でも上映するのか?

 イマイチよくわからない方式だな」

 

カエル「でも、ファフナーは固定ファンの多い作品ではあるし映画館で上映してくれるならば……もちろん近くの劇場でやるならば、という前提だけれど、お金を払ってども観たい! という人はいるんじゃないの?」 

主「少なくともうちは最後まで行くつもりではあります。

 ちなみに自分はテレビシリーズは1期からリアルタイムで追っかけていて、ドラマCDまではチェックしきれていないくらいのファンですが、2期は2015年のアニメ作品の年間ランキングでも上位につけるくらいはまっています。

 それでは、早速になりますが感想記事のスタートとなります!」

 

  • 感想
    • 混迷を増すファフナーの物語〜少しだけ過去作品を振り返る〜
    • もはやシリーズファンでもついていけないほどの混迷した物語に?
    • ネタバレをしながら語ると……
    • まとめ

 

続きを読む

映画『居眠り磐音』ネタバレ感想&評価! 松坂桃李の色気炸裂!若い人にも時代劇ファンにもオススメしたいバランスのとれた作品です!

 

今回は松坂桃李が主演を務めていることでも話題の時代劇映画”居眠り磐音(いねむりいわね)”の感想記事になります!

 

 

どうしても時代劇って年配の方向けって印象があるのかなぁ

 

カエルくん(以下カエル)

「公開初日の朝一の回で鑑賞してきたのですが、平日の午前中ということもあるでしょうが劇場内には年配の方しかいなかったね」

 

多分、製作サイドは若い人を集めたいという思惑もあるはずなんだよ。

 後々語るけれど近年の時代劇って面白い試みもたくさんあるんだけれど、イマイチ若い人に伝わっていない感もある。色々と難しい部分……時代考証などもあって江戸の空気感を伝えるのが大変になっているけれど、それでも時代劇の灯火を消さないようにと努力しているんだよね。

 だから、本作を通して若い世代が時代劇に興味を持ってくれると嬉しいな

 

 

カエル「色々語って入るけれど、うちも古い時代劇をそんなに見ていますか? と言われるとそうでもないもんね」

主「特に白黒だったりすると見るのが辛いという気持ちもわかる。今はもうテレビでも時代劇がほとんどやっていなくて、なかなか見に行くチャンスがないというのも同意。

 だからこそ、こういう作品に触れて面白い世界があると知ってもらうことは大事。

 その意味では今作の監督を務める本木克英の試みは大事だと思うよ」

カエル「そのあたりも踏まえながら感想記事をスタートしましょう!」

 

 

  • 作品紹介・あらすじ紹介
  • 感想
    • 司馬遼太郎と池波正太郎〜キャラクター映画としての本作〜
    • 本木克英監督の時代劇
    • 役者について
  • 以下ネタバレあり
  • 作品考察
    • 序盤の喋りすぎ? の展開の問題について
    • 演出上の見所
    • 住む世界の物語
    • 終盤と希望について
    • まとめ

 

 

続きを読む