物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『ラプラスの魔女』ネタバレ感想&評価 ……これは完全に騙されたわぁ(棒)

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4月は洋画大作が注目を集めたけれど、5月は邦画大作が注目を集めそうだね

  

ここで邦画の底力を見せて欲しいところたけど、先陣を切るのは三池崇史からか

 

 

カエルくん(以下カエル)

「今回は嵐の櫻井翔など、キャスト陣も豪華だから注目度もそれなりに高そうだね」

 

「三池崇史監督が撮るミステリーがどう出るのか? 楽しみ以上に不安しかないけれど……期待していきますか」

カエル「では、早速感想記事の始まりです!」

 

 

 

作品紹介・あらすじ

 

 映像化も相次ぐ人気作家、東野圭吾の同名小説を三池崇史が監督を務めた作品。脚本を務めるのは『陸王』『下町ロケット』などのテレビドラマで活躍する八津弘幸。

 主演は人気グループ嵐のメンバーである櫻井翔が地球科学の専門家の役を演じるほか、事件を追う謎の少女に広瀬すず、重要な情報を知る青年に福士蒼汰など、注目を集める面々が顔を揃えている。

 

 

 温泉地にて硫化水素中毒で死亡する事態が発生した。現場検証を行っていた青江修介(櫻井翔)は屋外での犯行は不可能として事件性を否定する。しかし、数日後に被害者の知人が同じく硫化水素中毒で死亡し、再び事件性を疑われる。

 2つの中毒死に多くの関連性があり、偶然としては出来すぎているものの、事件を起こすのは不可能なようにも思われた。

 そんな時、謎の少女羽原円華(広瀬すず)が現れて、これから起こる自然現象を見事に言い当てていた。

 果たしてこの2つの中毒死は事件なのか、事故なのか?

 羽原の能力の秘密とは何か?

 その謎を追ううちに、驚くべき事実を知ることになる……

 

 

 


「ラプラスの魔女」予告

 

 

 

 

 

1 感想

 

 

それでは、Twitterの短評からスタートです!

 

 

変な話……物語を見る自信がなくなったわ

 

 

カエル「この作品を観て色々と考えさせられることも多いんだよねぇ……いや、悪い方になんだけれど……」

主「なんだろう、ちゃんと観ていたのに話が全く意味がわからない瞬間もあって、なんでそこでそんな選択になったのだろうか? という疑問が湧いてくる。

 何か大事なことを見逃しているのか、それとも何か設定を忘れているのか? と思いながら観ていたけれど、世間評価も同じようなものでちょっと安心したというか……

 何ていうかさ、ここまで酷いと不安になってくるんだよね

 

カエル「……不安?」

主「いや、自分も結構批判するときもあるよ?

 でもさ、それはストーリーと個人的な心情が噛み合わなかったり、流れや演出に疑問があったりと、説明ができる時も多い。

 本作は単純に理解不能なんです。

 あまりにも自分の予想と違いすぎて……野球を見に球場に行ったら、競技かるたの試合が行われていたような……あまりにも理解ができなくて、自分がおかしいのか? と思うほどついていけない作品だったかな」

カエル「えっと……例えの意味もわからないけれど、それくらい混乱した映画だと受け取ってください」

 

ラプラスの魔女 (角川文庫)

 

おかしな点がありすぎる

 

カエル「ちょっとネタバレをしない感じで、おかしな点を上げていくとどういうところなの?」

主「全部の意味がわからないけれどさ、もう何がしたいのか、意図すらも全く理解できない作品なのね。

 だってさ、東野圭吾が原作で、あの予告編を見れば誰だって『不可能犯罪を暴くミステリー』と思うじゃない?

 ガリレオみたいな作品だと思うじゃない?

 これ、出来の悪いアベンジャーズなんです。

 いつキャプテンアメリカが登場して、広瀬すず演じる羽原円華を救いだすのか? と思いながら鑑賞していたからね」

 

カエル「最近、アベンジャーズ作品の新作公開もあって盛り上がっているから連想しがちなのもあるけれど、あの能力などを考えると絶対アベンジャーズが欲しがる逸材だよね……」

主「別にミステリーにおける鉄則とされている『ノックスの十戒』とか『ヴァン・ダインの二十則』を絶対守りなさい、とは言わないよ。

 言わないけれど……でもあの展開にするならば、そもそも予告の作り方が観客を騙そうとしているとしか思えない。

 いや、確かに広告なんていかに顧客を騙すかの勝負なのかもしれないけれど、これはヘイトを集めるだけじゃない?」

 

カエル「……それだけスタッフ側も観客を呼ぶことに必死だったんだよ、きっと。

 何せジャニーズ主演だしさ。絶対コケたくないだろうし」

主「とにかく徹頭徹尾おかしいの。

 映画が下手とか、そういう以前の問題で……やる気が全く感じられない。誰もこの物語をコントロールできていないようにしか見えないからさ……ツッコミどころしかないんだよね」

 

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それでも役者陣は頑張っていた……と言えるのかな?

(C)2018 映画「ラプラスの魔女」製作委員会

 

役者について

 

 

今回の1番の注目を集めているであろう役者についてはどうだったの?

 

 

う〜ん……これは言葉に困る

 

 

カエル「大人気のジャニーズだから言葉を選ぶってこと?」

主「う〜ん……確かに櫻井翔などの演技もそんなにうまくない。うまくないんだけれど、これってもうこの映画に出ている人全員が下手なんだよね。

 リリー・フランキーのあのやる気のない演技なんなの? 抑揚が全くなくて、眠くなるだけの演技じゃない?

 広瀬すずは頑張ってはいるけれど、これじゃあまり良さが活きていないよね……

 今作は全体的に、全員ダメ。

 特定の役者云々ではなくて、演出や演技プランなどのコントロールができていないじゃないの?」

 

カエル「広瀬すず、リリーフランキーはいつもその演技力を絶賛しているけれど、それがここまで否定的になるということは、やはり色々ともっと根本的な部分で問題ががあるのかもしれないね……」

主「そもそも役がとっ散らかっていいる部分もあってさ……

 誰がどのような考えを持ち、何を目的として、どのような意図を持って言動を発しているのか? それが全く伝わってこなかった。

 多分、役者も理解していないし、誰も正解が見えていなくて……戸惑っていたんじゃないかな?

 役が悪すぎて、役者がどうしようもないから……何かを語ることはできないよね。

 ただ、1個だけ言わせて欲しいことがあって……」

 

カエル「え?  何?」

主「日本のアイドルが演者になった時って本当にご飯食べないよねぇ……

 玉木宏がそばを2口すすっている間に、櫻井翔はそばを口に入れて飲み込みもしない……多分、カットが入ったら吐いている。もちろん体型維持のための炭水化物カットかもしれないけれどさ」

カエル「……そこ、こだわるよね」

 

主「気になるんだよねぇ……

 食事描写で食べない、飲み込まないって、キスシーンでキスをしていないくらい致命的なことだと思うけれど。

 それが許されるのはプロレスだけですよ。拳が当たっていないのにダメージは食らうんだから、彼らが如何に気を張って戦っているかわかる」

カエル「うん、彼らもきっと気で食べているんだよ」

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

2 ツッコミどころ満載すぎて……

 

序盤から迷走中

 

 

では、ここからネタバレ込みで語っていきます

  

 

……語ることが難しい

 

 

 カエル「まずはどの辺りから不安を抱き始めたの?」

主「序盤からかな。何だかさ、作りが適当だな、と思うところがあったのね。

 例えばスタートに関してだけれど

 

  • 青江修介(櫻井翔)の現場検証
  • 大学に警察からの協力依頼
  • 現場で説明

 

 という流れになっている。で、問題はこの構成に何の……回想と示すものがなかったのね

 

カエル「例えば『○時間前』のテロップを挟むとか、あとはちょっと画面をモノクロにするとか、そういうわかりやすい描写だね」

主「だからさ、鑑賞中に『あれ? さっきまで現場検証していたのに、何で警察から電話がかかることに疑問を持っているんだ?』という謎が生まれた。

 回想じゃないよ、と言うコメントが来たけれど、正直『え? そうだったの?』というレベルかな。

 このように、そもそも映画としての見せ方が下手で……時系列の移動を見せるならば、何らかの工夫がないとただただ混乱するだけなのだけれど、本作はそれができていないから意味がわからないんだよね

 

シネマスクエア vol.100 [櫻井翔『ラプラスの魔女』] (HINODE MOOK 507)

 

時系列の並び替え方

 

カエル「他にもあるの?」

主「中盤かな? 甘粕謙人(福士蒼汰)が羽原円華(広瀬すず)に傘を渡すシーンがある。『40秒後に雨が降るよ』と言って、福士蒼汰はすずに傘を渡してバスに乗り込む。

 すずは不思議そうな顔をしていると、本当に雨が降ってくる……というシーンだ」

カエル「能力で天候がわかることを象徴するシーンの1つだね」

 

主「その後に傘を返すんだけれど、2人とも全く同じ衣装なんだよ。

 そして太陽が出ていて、同じように日中である。

 だからさ、その傘を返すのが後日なのか、それとも福士蒼汰がその日のうちに帰ってきたのかよくわからない。

 せめて夜にしてくれると、時間経過が分かるんだけれどね……」

 

カエル「なんだか、バスに乗ってすぐに戻ってきて傘を返してもらったかのような流れに見えてしまったよね……」

主「この映画って時系列の並び替えをかなり行っているのに、それを魅せようとしていないから訳が分からなくなってくる。

 だったらそんなことしないで、時系列通りに見せたほうがいい。

 同日公開の『アイトーニャ』という洋画があるけれど、それと比べると、本作の時系列変更がとても下手なのがよくわかるよ」

 

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流れがよく分からないシーンが多すぎる……

(C)2018 映画「ラプラスの魔女」製作委員会

 

設定の違和感

 

 

なんていうか……設定がよくわからなかったんだよね

 

 

コメディにしか思えない設定ばかりだからね

 

 

主「例えばさ、甘粕才生(豊川悦司)が『100年に1人の天才映画監督』と言われているけれど……それって現実世界だと誰だと思う?」

カエル「え? ……日本だとやっぱり黒澤明とか?」

主「でも黒澤明を100年に1人の天才だって言っているのを聞いたこともないんだよね。もちろん、作中の記事に書いている煽り文句だからさ、気にする必要がないのかもしれないけれど……なんだか、この設定に違和感がある。

 いや、単純にその設定が出来の悪いライトノベルみたいじゃない?

 さらにさ、その才能の凄さを映像として一切見せてくれない。脚本で説明しているだけ」

 

カエル「あれって、ただの売れっ子映画監督とかでもいい設定だよね」

主「あと天才と奇才は違うしね。

 本作って設定はとてつもないけれど、それに対するキャラクターの厚みなどが一切なくて、本当に『設定』になってしまっている。

 『小説家になろう』というネットの小説投稿サイトがあるけれど、そこにあるライトノベルよりも酷い設定ばかりだったよ」

 

 

推理の元になるものが……

 

カエル「捜査中、何で甘粕に注目したのか、というのもよくわからなかったかなぁ」

主「何が面白いってさ、ミステリーとして推理の基本になる証言などがあるわけじゃない? 

 アリバイとか、あとは証拠とか……本作で重要な証言になるのが甘粕のブログなんだけれど……いや、ブログはいいけれど、それをあまりにも信用しすぎていて……

 

カエル「『あのブログにはこんなこと書いていなかった!』って言われても、所詮ブログだからね。

 なんでそれをそこまで信用しているのか、全く意味がわからなくて……」

主「家族がうんたらかんたら、だけれど実は……というシーンがあるけれどさ、いやいやブログですから。

 そりゃいいところしか見せないし、本当のところはあまり書かないよ。

 芸能人や文化人などは特にね。

 それを周囲の目撃情報とか、知り合いの供述だとかさ、もっと他のものに変えれば少しは説得力につながるかもしれないけれど、それもないしね。

 バカしかいねぇ……と愕然とした

 

カエル「すずちゃんが追われている時も、なんで急に櫻井翔が逃走に協力するのかも意味不明だったしね」

主「これは大作邦画に多い現象だけれど、みんな台本を読んでいるのがありありとわかるのよ。

 そりゃあ、映画ですからみんな台本を読みますよ?

 だけれど、次に誰がどんな行動をして、それに対して自分がどのような反応をするのか、というのをわかりすぎている。

 だからなぜそのような行動になるのか、全く観客には伝わってこない。

 元々決まりきっている台本だから、そうしましたというだけにしか見えないんだよ」

 

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何だかやる気を感じさせないシーンばかりだったぁ……

(C)2018 映画「ラプラスの魔女」製作委員会

 

終盤の理解不能なことの連続

 

カエル「そして犯人が明らかになり……ということになるわけですが」

主「……そもそも、なんの事件を追っているのかもよくわからん。

 目的が一貫していないから、全部が意味不明なんだよなぁ。

 まあ、あの人が犯人だとして、それを追っているとして……そこまで来たけれど、ある人物に危害を加えました……まではいいけれどさ。その後が全く理解できないんだよ。

 廃屋になった屋敷に行って犯人と対峙をする。

 そこを選んだのには大きな理由があるけれど……なぜか犯人がそこを指定した、みたいなことになっているんだよなぁ

 

カエル「色々計画を実行するために準備をしていたようだけど、あれだと結構突発的に選んだことになるよね?」

主「犯人が銃を隠しているけれど、そのためには元々あの廃屋を面会場所に指定しないと不可能なわけでさ。だけれど、廃屋を選んだのは犯人ではないはずなんだよ。そうでないと、話が意味わからなくなってしまう。

 何をどう考えているのか、どうなっているのか全く意味がわからなくて……見ていて辛くなってくることの連続です

 

カエル「何か見落としているのか? それとも自分の理解力がないのか? と不安になることの連続だったね……」

主「あまりにも意味がわからない。

 対面する相手が犯人を知る理由の1つも『自分が犯人だと自白しているシーンを聞いていたから』ということだけれど、そんなミステリーある? いやいや、そこは推理しようよ、と突っ込んでしまい……

 そもそも、本作ってミステリーじゃないよね。

 犯人探しの『フーダニット』でもなく、不可能犯罪の手口を探す『ハウダニット』でもなく、動機探しの『ホワイダニット』でもない。

 じゃあ、この映画ってなんなのですか? と言われたら……めっちゃ出来の悪いアベンジャーズとしか言いようがないんです

 

BARFOUT! 272 櫻井翔 (Brown's books)

 

動機について

 

カエル「一応、本作の見せ場であるメッセージ性が詰まったクライマックスについてはどう思う?」

主「いや、別に何かを語ることもない。邦画の悪癖である全てをペラペラ話しておしまい、とかさ、本当に何を言っているんだか全くわからなくて……真実とは何か? みたいなお話だけれど、ここまでがあまりに適当だから、別にそれがテーマになっていないんだよねぇ。

 ただの狂人の妄想話にしか見えない。

 まあ、妄想話なんだけれどね」

 

カエル「能力に対する落とし所もよくわからなかったしね……」

主「政府は重要人物として追っています、だからある人物は逃げています……それはいいんだよ。

 だけれど、その能力を持つのって1人ではないわけで、もう1人の方は普通に生活しているんだよね……意味がわからない。

 なんだろう? ツッコミどころが多すぎて、本当に自分は映画を見ていたのか、それとも大きな何かを見逃しているのか? 不安になってくるんだよなぁ

 

 

 

 

まとめ

  

 

 なんか『本当にそんな映画あるの?』という記事になっているね

 

 

映画として成立していないからね

 

 主「う〜ん……もうこの映画って評価をしたくてもできないよね……

 面白いつまらない以前の問題でさ……演出もすごく凡庸だったし、ここまでの作品は久々に見たかもしれない」

カエル「もっとアクションとして売り出せばまた話は変わったかもしれないけれどね」

主「なんか……邦画の未来について心配になってくる、そんな作品だったなぁ……」