昨日行われた『コミティア119』について。
皆様本当にありがとうございました。
作品を購入していただいた方、手にとっていただいた方、コミティアに行くことはできないけれど応援していただいた方など、多くの方に御礼申し上げます。
色々と拙い部分も多々あると思いますが、暖かい目で目を通していただけると幸いです。
今回はコミティアの感想や、見えてきた改善点などをまとめて、今後の展望などを含めて色々と書いていきたいと思います。
ブログ主「よし、とりあえずこんなもんでいいだろう」
カエル「こんなもんなんて言わない!! 営業経験も皆無だし、こういうお礼の文章とか慣れないかもしれないけれど、言葉は選ぶでしょ!」
主「本当にありがたく思っています。
言葉にすると誰にでもはける簡単な言葉だけど、それは間違いない。
それは全てのサークル主などが思っているよ。
『シメシメ、馬鹿がまた買っていったわい』なんて悪役みたいな売り手って、実際はいないんじゃないかな? 多分それは大手も小規模も同じ」
カエル「みんなの『好き』が詰まった場だしねぇ。
今回主が印象に残ったことは何?」
主「売る側として色々と思ったことはこれから書くとして……今回は緊張していたのか、早起きしたんだよね。サークルの運営の方もコミティアへの出店は初体験だからと待ち合わせしていたけれど、集合時間の1時間前についてさ。晴れた暖かい日だから外で待っていたけれど、予報通り雪だったら大変だったね」
カエル「それぐらい余裕を持つのも大事だけどね」
主「それでイベントに向かう人を眺めていたけれど……女性が結構多かったのね。コミティアは女性向けも多いって聞いていたし、同日に似たようなイベントが行われていたこともあっただろうけれど……
そこで思ったのが、女性だと同人イベントに行きそうとかってパッと見じゃわからないよね。
垢抜けているというかさ」
カエル「男性はいかにもって人が多いのに、女性だとそのまま繁華街を歩いていてもおかしくなさそうな人も多いかも……」
主「あれってなんなんだろうね? 男オタクと女オタクのルックス偏差値の差って相当でかいなぁって改めて痛感したよ」
カエル「じゃあ、馬鹿話はここでおしまいにして記事の内容に入るよ」
1 今回の感想
カエル「ではまず感想からだけど、ザックリと言って今回は成功なの? 失敗なの?」
主「そりゃ1万部刷って6千部出たら成功なんじゃない?」
カエル「……分かりやすい嘘を吐くな!!」
主「同人イベントだし、売り上げとしては赤ですよ、当たり前だけど。今回は色々と慣れないこともあって、試作でもお金かけちゃったこともある。
小冊子形式にしたいからコンビニで印刷していたけれど、なんで毎回1部まるまる印刷していたんだろ? レイアウトチェックならせいぜい4ページもあれば十分なのに、余計なお金を使ったなぁ」
カエル「……それは慣れ云々以前の問題な気もするなぁ」
主「実際、お金はかかるよ。
儲かる仕組みになっていない。
一部の有名サークルは年収千万を超えたなんていうけれど、そんなの尾田栄一郎が年間何十億円稼いでるっていうのと同じで、トップは稼ぐけれど下はそんなに稼いでいない。特に同人イベントは印刷代のみならず、交通費などの諸経費も考えるとほぼ9割のサークルは赤字でしょう。
だから『儲けたい!』とかいう人には絶対に不向き。
やる意義は皆無です。それならブログか、noteでもやって有料記事で稼ぐほうがいいんじゃない? コストも圧倒的に安いし」
カエル「まあそりゃ稼ぐためにやっていますって人はほとんどいないだろうしねぇ」
主「あくまでもみんなの『好き』が集まった場であるというのは頭に入れておきたい。好きには値段はつけられないから。その意味ではアニメ業界と似たようなものかもね。収益化できていない構造だけど、好きだから存続しているってことでさ」
カエル「オタク文化ってそういうところあるよね。趣味だからお金の話をしたくない、とかさ」
状況説明
カエル「じゃあ、やっぱり失敗だったの?」
主「……そもそもさ、今回は呼ばれていったから出店が成人漫画ブースだったんだよね。多分通りがかる人も批評とか小説に興味ある人は少なかったと思う。
コミティアだから漫画メインだし。
さらにアニメ映画とはいえ、文章の映画批評って同人イベントでも決してメジャーとは言い難い。やっぱりイラストや漫画が多いし、強いよね。初参加ということもあって、その意味ではあまり参考にならないかも……」
カエル「周囲にあれだけ上手い人がいて、その人達でも苦戦しているのにコピー本を手にとってもらおうっていうのは難しいよねぇ。題材も昨年9月公開の映画だし、ブームはすっかり落ち着いているし」
主「他の人たちとどうしても比べた場合、じゃあ買いますか? と言われたら厳しいねぇ。もちろん、文章には自信があるし、お金を取る価値はあったと自負しているよ?
だけど、コミティアに来たお客さんが足を止める材料になるかというと、すごく弱かった。それは仕方ない
あとはこの表紙を見て欲しいけれど……
これって書店とかの本を参考にしたけれど、これだけだと小説なのか、イラスト集なのか、美術本なのかっていうのが全然わからない。もう1冊は批評って書いてあるからいいけれどねぇ」
カエル「戦略の失敗だ。こればっかりは慣れなどもあるけれど……」
やって良かったこと
カエル「じゃあ、やっぱり失敗だったの?」
主「……いや、成功だと思うよ?
やって良かった。
それは経験として、ということもあるけれど、それ以上に大きいのが読者の方と交流ができたこと。これは同人イベントの醍醐味の1つだよね」
カエル「その作者に会えるから来ました! って人も少なくないだろうしね」
主「ブログだとさ、やっぱりアクセス数が人気度を大きく表していると思うけれど、それって数字でしかないんだよ。何万PVブロガーです、100万PVありますって確かにすごいけれど、でもそれがどんな意味があるのか? って言われるとよくわからない。
だけど、その1アクセスには必ず読者がいる。ブログだとそのことを自覚する機会ってあまりないし」
カエル「今回『主さんに会ってみたい』って人もいて、嬉しかったね!」
主「そんな人がいるなんてあまり思っていなかったら『あ、あ、あふぃがふぉう』みたいな対応になってしまったけれど、本当に嬉しかったです。
あとは離席中に買いに来てくれた方もいて、本当に申し訳ないなぁと。
(今度からは離席時間などは予告します)」
カエル「そういう『数字じゃない読者』と顔を合わせられるだけでも、結構大きいメリットかな」
主「だから『メリット・デメリット』で語るとデメリットの方が多いかもしれないけれど、それこそプライスレスな魅力はすごく多い。直接会話することで見えてくるものもたくさんあるし」
カエル「趣味でやるなら確かにすごく面白いイベントだったね」
2 反省点など
カエル「かといってこれで浮かれていられないっていうのも事実で……」
主「そうなんだよ。
元々全てはけるとは思っていないけれど、今回で見えてきた課題もたくさんあったから。その中の1つに確かに売れたは売れたけれど、その多くがこのブログを見て来てくれた方や、付き合いで買ってくれた人が多いんだよね。
このコミティアで初めましての方には1部もはけていないわけで……」
カエル「その意味では『ブログで宣伝して売る』というコンセプト自体は正しかったと言えるんだけどね。自作小説なんてそのまま売っても(ブログでアップしても)そうそう読まれることはないだろう、っていう意図はやっぱり正しかったという話で」
主「大目標としての戦略はある程度正しかったけれど、コミティアでの戦略に関しては完全に失敗している。まあ、これはコピー本で出している時点である程度予想されることでもあるから、レイアウトや表紙の問題もあるけれど……
それ以前の問題もあるよねぇ」
小説、批評のデメリット
カエル「今回結構出歩いたりしていたけれど、その意味はちゃんとあるんでしょ?」
主「もちろん。まず、開始直後の状態……つまり最もそのサークルの代表が準備を終えて、理想とする状態で売っている状況(本の並べ方など)というものを見てみたかった。
やっぱりみんな馬鹿じゃないから、レイアウトも凝っているよね。どのようにしたらお客さんが来てくれるか、立ち止まってくれるかということを考えている。陳列とかって当たり前だけどすごく大きいことだから。
その中で目立つというのはすごく難しいよ……どれも魅力的なイラストとか、装丁をしているから。自分だって今回、買い手側としたら心惹かれた商品は多かった。
『欲しい!』と思ったものを全て買っていたら、多分1万円ぐらい使っていたんじゃない? 500円の商品20個と考えるとあっという間だよ」
カエル「そんな中で小説、批評を売らなくてはいけないというのは、結構大変な事だよねぇ」
主「まあ、コミックメインのコミティアで売るというのが少し考えものなのかもしれないけれど……特に小説コーナーに行った時に色々と思った。どれも本屋さんで並んでいるような、しっかりとした装丁をしていて、キャラクターイラストなんかついていて……それこそ電撃文庫とかで発売していてもおかしくないような作品も多い。
だけど、じゃあそれが売れているのか? って言われると……どうだろう。やっぱり辛いものがあるんじゃないかな?」
カエル「小説も批評も結局は情報量が少なすぎるんだよねぇ。漫画とかは目で見て『面白そう!』とか『絵が好み!』になるけれど、文字媒体は読んでもらわないとわからない部分が多すぎるというか……試し読みができないというか……冒頭だけで判断することが難しい分野でもあるし」
主「どうやって目をつけてもらうか、というのがすごく難しい印象だなぁ」
小説、批評のメリット
カエル「でもメリットがないということでもないんでしょ?」
主「まずは何と言っても印刷コストが安い。それこそ何百ページあっても基本白黒印刷だから、表紙以外はそんなにお金がかからない。それは強みだよ。値段にそのまま反映できるし」
カエル「もちろん限度はあるにしろ、本屋さんで並んでいる本とそこまで変わらない作品がたくさんあったしね」
主「さらに言えばイラストが描ける人はすごく有利だと思うよ。今回自分で回っていて目を引いた作品は装丁からしてすごく気を使っている。実際の人間以上に見た目が大事じゃない?
……こんなこと言うとなんだけどさぁ、映画のポスター問題があるじゃない? 日本のポスターはゴチャゴチャしているとか、オリジナルへの敬意がないって言われるけれど、あれもすごく制作側の苦悩が理解できるんだよね。
観客がその映画を知るきっかけになりやすいポスターが映画館などでたくさん並んだ場合、どのようにすれば観客の目を引くのか? という視点で考えれば、ゴチャゴチャしているとか、情報量が多いとかの批判はあるにしろ、そうでもしないとそもそも注目すらされない。
情報を詰め込めばああなるのは必然なんだよ」
カエル「同人イベントでいうと漫画やイラストの中に入ると埋もれる可能性があるけれど、これが文学フリマなどであれば目を引く可能性はあるってことだね。まあ、誰もがそうやっているのかもしれないけれど」
速効性の魅力
主「あとは、今回これは大失敗したけれど、同人イベントだったら『ブームに乗る』ということができると思う」
カエル「ブームに乗る?」
主「例えば今回は『聲の形』だったけれど、正直この作品は今そんなに注目されていない。公開からもう少しで半年になるしね。
だけど、これが仮に……そうだなぁ、今なら『伊藤計劃原作映画、3作品批評』であればもう少し売れたかもね。
これが昨年の夏コミのタイミングで『シンゴジラ批評』をだしたら、結構売れたんじゃない? ブームにすぐに乗ることができるというのは大きな魅力だなぁって思った」
カエル「絵にしなければいけない漫画とか、イラストと違って文字さえ書ければすぐに作ることができるし、著作権の問題もクリアしやすいというのは大きなメリットかな」
主「批評ってどうしてもパッと見の情報量が少なくなるけれど、こうやって作品の魅力をより高めるような批評が書くことができれば、それが大きな情報量になる。
つまり『シンゴジラ』だとしたら、それについて語っているだけでイラストに負けない魅力を得ることができるんだよ。
これが1番批評のメリットとして大きいものだと思う。その意味では君の名は。この世界の片隅に、シン・ゴジラがあった2016年に初めておけば、もっと大きなものが見えたかもしれないけれどね」
カエル「それはタイミングの問題だから仕方ないねぇ」
3 今回の戦利品
カエル「ちなみに、主が今回買ってきた戦利品はどれ?」
主「まずは……Merca(アニメルカ)の細田守などの批評本で、この本は素晴らしいよ。さすが氷川竜介などの有名批評家が名前を連ねている意味があると思った。
批評として本を出す、ということのレベルはここまでのものが重要なんだなぁって思い知ったね。
1000円で『ちょっと高いかな?』と思ったけれど、すぐに買っちゃったし。それだけの素晴らしい批評になっている。
特に『レッド・タートル批評』は良かったねぇ。自分もこの視点から語れば良かったのか、という正解をもらった気分だよ」
カエル「あとは?」
主「それから『謎探りは紅茶』の『秋葉原のオシャレなバルで飲みませんか?』は衝動買いした。やっぱりこの手の食事系の作品は読みたくなる。美味しそうな食事が並んでいるだけで情報として抜群だよね。
500円だけど、全編カラーでどうやってやっているんだろう? って結構疑問にも思った。これなら是非とも欲しくなるよね。書店に並んでいてもおかしくないし」
URLはこちらhttp://nazo.spawn.jp
主「それからTwitterで活躍している片陸遼助さんの『えらそうな人がえらそうにえらそうなことを言う本。』ね。
Twitterという宣伝媒体をフルに活用した素晴らしい本だと思う。これもイラストの強さだよねぇ」
カエル「主も140文字で何かやったら? 小説書くとか、名言集を載せるとか……」
主「最近は聞いてないけれど、吉田尚記のラジオでそんな企画あったなぁ……でもそれも有効な宣伝手段だよね。
そういうのも面白いかもね」
主「その他にも恋川はやとさんのポストカードとか
恋川です。
— 恋川はやと @コミティア119 v14a (@koikawa01) 2016年10月4日
古めかしい色使いで、昭和初頭をテーマに
イラストや漫画を描いています🍂
次回は冬のデザフェスに参加する予定です!#絵描きさんと繋がりたい
#秋の創作クラスタフォロー祭り pic.twitter.com/00QU6cuNXY
あとは華唄カルタのかにたまころっけさんの日本酒祭り2という日本酒擬人化本とか
RaptさんのART WORKS なども購入」
カエル「結構買ったねぇ……」
主「行く前よりも荷物が増えるというね……そんなこんなで完全に赤だったけれど、すごく楽しかった。いい体験でした」
最後に〜これからの予定〜
カエル「じゃあ、最後にこれからの予定だけど……」
主「まず、今回発売したものは通信販売します!
ただ、こちらも1から始めることになるので、いろいろと準備をさせてください。もう少しお待たせすることになるかもしれませんが、ご了承ください。
おそらくネットショップでの販売になると思います。
そして今後は実際に会ってお話をいただいたように『シン・ゴジラ』の批評本を出します!
ただ、時期はいつになるかわかりません。5月の文学フリマもすでに申し込み締め切りになったので、少し遠いお話になるかも……
(コミティアも検討中ですが、単独のサークルで始めるのかも含めてどのように行うか、検討します)」
カエル「小説の方は?」
主「出すよ! 需要がないかもしれないけれど、頑張って出すよ!
ブログもそうだけど、こういうのは継続が1番大事だからね。
1回目で結果につながることはほとんどない。何回も繰り返して、継続してようやく需要を生み出していくものだからね」
カエル「それじゃ、今後も継続して参加していくということで」
主「今回は事前準備がいろいろとできずにこのような形になったけれど、次はもっと準備して、色々と勉強してやっていこうと思います!
正直『無料ブログだから読んでいる』とか『お金を払う価値はない』と思っている方もいるかもしれませんが、少しでも内容を向上させていくように努めていきます。
これからも末長くお願いします」
カエル「まずは通販の準備と、溜まった映画などの評とアニメレビューに……やることいっぱいだぁ!」
主「3月末には大きな小説新人賞の締め切りラッシュだし……ああ、忙しいなぁ、もう……」
カエル「さぁ! 休まずキリキリと働け働け!」