物語る亀

ネタバレありの物語批評

甲鉄城のカバネリ 最終話(12話)終了したのでまとめて感想

カエル君(以下カエル)

「終わったね……」

ブログ主(以下主)

「終わったな……」

 

カエル「今期はスタート時は豊作と言われていたけれども、やっぱり1番人気はカバネリでよかったのかな?」

主「まあ、カバネリでいいんじゃない? 少なくとも絵のクオリティは1番だったし、ノイタミナということもあって注目度も相当高かったし。1話終了時において期待値は一気に跳ね上がったって印象だな」

カエル「問題はそのハードルを超えたか、ということだけど、これは多分賛否分かれるだろうね」

 

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 1 本当の敵は誰か?

主「3話時点での感想記事でも書いたことだけど、もう一度引用する」

 

 

 ゾンビものになぜB級映画が多いかといえば、そのゴールが見えないことにある。

 中略

 ではゾンビ映画のお終いとは何か、ということを考えると、一番のハッピーエンドはゾンビを駆逐して全て丸く収めることであるが、街一つが壊滅するほどの大量に増えてしまったゾンビ相手に全部を駆逐するというのはほぼ不可能である。

 

 

主「結局のところ、この作品における敵って誰なのよって話なのよ。それは襲い掛かってくるゾンビであるはずで、決して人間ではないでしょう。そもそも人間で争っている場合じゃないし」

カエル「でもゾンビものとか、結構人間がラスボスって作品も多いよ?」

主「それはある程度尺があるからできることでさ。漫画ならばむしろ引き延ばしがあるような雑誌があるぐらいだから、話を膨らませるために派閥争いなり、人間同士の闘争を描いてもいいとは思う。だけど1クールと短いカバネリの中では、やっぱり人間同士で争いあう展開は尺が短すぎる

 

カエル「うーん、まあね……少し展開が早かった印象はあるかな」

主「結局最終話を迎えてもカバネは増える一方で、それに対して逃げるしか策はない。じゃああの後どこに逃げるのよ? 上様もあれでいなくなったということは、あの国の中枢部がほぼ崩壊したってことで、1番大きい街が壊滅したって認識で合っているならば、逃げ場がどこにあるのかね?

 合体したでかいカバネが襲ってくるのであれば、もうどこに逃げても同じだろうに。最後は呑気に笑いながら逃げているけれど、あれ、状況としては1話2話の撤退戦と何ら変わりはないはずじゃん

カエル「まあねぇ……ハッピーエンドみたいに見せているけれど、実際はあてのない逃避行の始まりだからねぇ」

 

主「あとは最終話で『撃つ相手を間違えないで!』みたいな台詞があったけれども、それも『私たちの疑う心です!』というのは聞こえはいいんだけど、いや、その銃はカバネに向けろよっと思ったりね」

 

 

 

2 ゾンビものの難しさ

 

主「まあ、文句というか、脚本の整合性なんかを言いだすとキリがないんだけどさ、とにかく思ったのがゾンビものの難しさだな」

カエル「難しさ?」

 

主「そう。ゾンビ物のアニメっていうとパッと思いつくのは『がっこうぐらし!』とか『学園黙示録HIGHSCHOOL OF THE DEAD』(そういやこれも荒木哲郎監督か)あとは漫画では『アイアムアヒーロー』なんだけど、街どころか世界中がゾンビだらけになっていそうな状況におけるゴールって何? と思うわけよ。

 これが例えば公開間近な『ゴジラ』の場合、強いけれど数が少ない敵を倒せば一応の勝利を迎えることができる。だけど、ゾンビは一体一体はそこまで強くないけれど、数が多い上に増えると来たもんだ。そして特効薬もない作品が多い。

 となると、基本的にゾンビとの戦いは消耗戦であるわけで、人間が生き残るためには敗北条件を満たさないための『負けない戦い』を強いられるわけだ。これは敵を倒せば終わる『勝つ戦い』よりもキツいよね。勝ち目ないし」

 

カエル「でも名作映画とかもあるんじゃないの? ほら、ロメロとか」

主「ホラー映画が苦手だから人から聞いた話になるけれど、ロメロってゾンビ映画を撮っているようで実は主題は人間なんだろ? ゾンビという存在を生かして差別問題とかを扱ったっていう。多分、ゾンビってのはメタファーとして意味合いを持たせて、そこにメッセージ性を込めれば名作になり得る題材なんだと思う。昨日『桐島、部活やめるってよ』の記事を上げたけれど、ホラー映画を題材にしたのはスクールカーストのメタファーがあるって書いたし。

 でもゾンビをそのまま敵として採用してしまうと、どうやっても勝ち目がない。基本殲滅戦ができないから、撤退戦しかないんだよね

 

カエル「だから途中から人間が敵になっちゃうのかな?」

主「そうだろうね。カバネリだったら美馬がいたけれど、あのクーデター後の美馬を倒せば全て丸く収まるかっていうと、そんなはずはない。ないんだけど、一応の決着は着く」

  

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3 脚本重視か、演出重視か

主「結局、カバネリという作品を語るときは8話の感想でも書いたことを繰り返すことになるんだけどさ、アニメだけじゃなくて、表現において脚本と演出、どちらを大事にするかによって、カバネリの評価も変わると思うんだよね」

カエル「そうだよね。絵のクオリティは文句つける人もあんまりいないだろうし」

 

主「もっと上を探せばあるだろうけれど、週一放送のアニメにおいてこれだけの絵を動かすのは本当に素晴らしいことだと思う。けどさ、それが名作の条件かって言われるとそうでもないよなって話で。

 荒木監督はアニメ監督には多いように、演出出身の監督で、演出時代の過去作品を見ても名作が多い。特に『GUNGRAVE』は人生で1番好きなアニメだから悪口言えないし。でもこれは演出やアニメーターに多いけれど、演出や絵に拘りすぎてお話がおざなりになりがちだと思う。

 ただ『アニメは絵の動きだ』っていうのはその通りだと思うけれどね。多分、オリジナルをやるよりも原作付きを担当した方がいい監督だと思う」

 

カエル「脚本の責任は脚本家にあるのかな?」

主「外からじゃそれはわからないね。脚本家の知り合いに聞いた話だけど、一発OKは基本ない、本人には改悪としか思えないものが求められる時もあるって話だし。シリーズ構成の大河内一楼も最近は微妙な評価の作品も多いけれど、谷口監督と組んだ『コードギアス 反逆のルルーシュ』や『プラネテス』は名作だし。

 結局、組む監督の意に沿う脚本を書くという、脚本家としては当たり前の仕事をしているだけのような気もするけどね」

 

 

最後に劇場版の話

 

カエル「劇場版も決まったね」

主「総集編かぁ……ただでさえ走った気がするけれど、どんな風にまとめるのかね? 楽しみ半分、不安半分ってとこだけど」

カエル「でも公開初日に観に行くんでしょ」

主「多分ね。それまでこのブログが続いていたら、記事にするよ」

 

 

 

続いていたので記事にしました 

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