物語る亀

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物語愛好者の雑文

アニメの感想を語ることの難しさ

 さて、当ブログも開設してからすでに5か月めとなっている。連続更新も続いており、先日100記事を突破したところだった。

 

 なぜそれほど書く題材があるのか? と問われたら、それは当ブログを読んでいただければわかるのだが、媒体等を問わずに多くの『物語』を扱うブログだからである。今はテレビをつければアニメ、ドラマは毎日放送されているし、映画は毎週何本も封切りを迎えている。

 漫画や小説も毎月毎月読み切れないほどの作品が刊行されており、その中で幾つか選んで感想、考察記事をあげたところで、ネタは尽きるどころか増えて行くばかりである。

 今回はその中でも、アニメを語ることについて考えていきたい。

 

 

 

アニメ鑑賞のメリット

 ではここで、当ブログで取り上げたジャンルをカテゴリー別に分けたものを見てみよう。(物語と関係ないものは除く。一部重複あり)

 

 アニメ 48

 映画 27

 漫画 22

 本 18

 ドラマ 7(ほぼ真田丸)

 

 このデータを見れば一目瞭然、当ブログで数が多いカテゴリーはアニメ(ほとんどがテレビアニメ)ということになる。

 これは元々私がアニメが好きということも当然あるのだが、何よりも大きいのは

 

『無料で』

『大多数の人間』

『短時間で鑑賞できる』

 

ジャンルだということである。

 

 私のブログで閲覧数が多いのは映画なのだが、なるべく封切りに行き、早くアップしようとしているために検索数が増えている傾向がある。だが、映画を見るためには1800円の映画料金を払わなければならず、これはやはり出費として痛いものだ。

(最も、ブログを書いていなければただの趣味の出費だったが、今はある程度回収できることを考えれば、少しは得したような気持ちになる)

 

 アニメであれば基本的にはテレビで放映するから無料で鑑賞できるし、視聴者数も多い。視聴者が多いということは検索する可能性が高いということでもあり、このような吹けば飛ぶような泡沫ブログであろうとも、閲覧数が伸びる可能性が十分にあるわけだ。

 毎週欠かさずに放送してくれるし、感想を書く素材として非常に重宝している。

 

 

アニメ感想のデメリット

 しかし、アニメ感想を書いていくには大きなデメリットも存在する。

 

完成の遠い媒体

 テレビアニメは毎週放送することを前提としている作品が多く、ギャグアニメや日常系アニメでもなければ1話で完結している作品はあまりない。

 例えば今期で大人気の『甲鉄城のカバネリ』などは前回から次回へと続いているストーリーものなので、見逃した場合には話の流れが理解できなかったり、重要な伏線を見逃すことになるかもしれない。

 

 こういったストーリーものは作品が完成した時にようやく全容が把握できるものなので、あくまでも毎週の展開や、そこまでの流れや伏線などをを書いていくことが中心となる。私はある程度キリのいいところで感想記事を書きたいので、3話や4話ごとに感想記事をあげるようにしている。

 どうしても途中までの流れで感想を書かなければいけないので、明らかに疑問符の浮かぶような展開だったり、意味不明な設定も伏線である可能性が十分にあるから、それも考慮して書かなければいけない。

 

1話完結作品の場合

 もちろん、ストーリーものではないアニメもある。

 今期で言えば『ふらいんぐうぃっち』や『田中くんはいつもけだるげ』『ぼのぼの』などは1話ぐらい見逃しても次の週には殆ど問題ない場合が多いし、今週から見始めても何となくついていける。

 極端なことを言えば1話と最終話だけを見ても、理解できるだろう。

 

 こういった作品はキャラクターの可愛さに依存している場合が多く、ギャグなども面白いけれども、感想となると「面白かった」「可愛かった」などに終始しがちになってしまう。

 簡単に言えば語りづらい作品群なのだ。

 

脚本で語ることは正しいのか?

 さて、ここまで長々と書いてきたが、私が言いたいのは実はこれだけである。

 

 今期の作品は感想記事が書きにくい!

 

 例えばカバネリに注目してみると、絵は本当に素晴らしくて拘りが強く感じることができるのだが、シナリオはというと取り立てて言うことはない。

 これは脚本家云々というよりも、作品の方向性が『演出やアニメーションで映えるものを重要視する』という方針なのだろう。だから脚本の整合性や、伏線などよりも、とにかく面白い勢いのある絵を作る方を優先しているというのが伝わってくる。

 

 別にこれはこれで間違いではない。例えば脚本に難アリで整合性のない名作というのは数多く存在していて、『ルパン三世 カリオストロの城 』や『時をかける少女 』などは冷静に考えると突っ込みどころ満載なのだが、それでも名作という評価は揺るがない。

 アニメは絵が動くということが最大の長所だから、そこを重要視するのは当然であるし、また監督というのはアニメーターや演出出身者が多いので、やりたいことも自然に演出方面に傾くのもよくわかるのだ。

 

 

 だが、私みたいな脚本で語る人間には評価しづらい。

 カバネリで言えば、確かに6話はよく動く神回なのは同意するが、カバネとの戦いのゴールも見えなければ、目的地に着いたらどうなるのかという最終終着点が未だに見えてこない。

 逃げました、助かりました、バンザーイで終わる話とは思えないし、そこは楽しみな一方で不安な部分でもある。(話の大筋がここ3話で動いた気がしない)

 あとは一度主人公達をピンチにしたいのはわかるけれども、無名の独断先行だったり、意外とあっさりと助かったりと、もう少し何とかならないのかなぁ……なんて思ったり。

 

blog.monogatarukame.net

 

 他の作品でいうとは『迷家-マヨイガ-』は、そもそもジャンルがわからないから、どのように語ればいいのか今だにわからない。

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キズナイーパーにしろ、クロムクロにしろ、敵(障害となるもの)の目的や、主人公達の目標がはっきりとしないから、モヤモヤする展開が続いてしまっている。

 

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 それが明かされるのはこれからなのだろう。

 そのような疑問を持たせることはなんら間違ってはいないものの、終わっていない作品を語る難しさを痛感している。

 

 今期1番コンスタントに感想を言えるのは『機動戦士ガンダムUC』であるが、これは既に完結した物語であるからという理由が大きい。伏線や新しい発見があるので書けるのだが、これも連続テレビアニメであれば、感想を書きづらいものになってしまったかも。

 

 かといって普通にあらすじ紹介だけでは、twitterまとめサイトで十分だし、何よりも自分が満足できない。

 

 

 そういうわけで、とりとめのない記事になってしまったが、それほど今期は非常にアニメの感想記事に難儀しているのである。途中までしか語られていない物語を語るということは、本当に難しい。

 今が起承転結で言うところの承であるから、ここから語りやすくなるはずなのだが、さてどうなるか。

 

 

 

小説 甲鉄城のカバネリ 暁

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