物語る亀

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物語愛好者の雑文

アニメ『3月のライオン』15話の感想 香子が抱えた思い、二海堂の思いが伝わって来る……

カエルくん(以下カエル)

「久々の3月のライオンの記事だね」

 

ブログ主(以下主)

「今年入ってから初、10話以降ずっとためていたからなぁ」

 

カエル「もっとコンスタントに更新したいよね」

主「毎回ってわけにはいかないけれど、もう少し書かないと」

カエル「……香子が出る回に限定していない?」

主「そんな意識はないけれど、結果的にそうなっているなぁ。できれば13話くらいで島田さんが登場した回あたりで1記事書いておいた方が良かったわ。

 ここから先は将棋の話がしばらく続くだろうから、結構書きやすいだろうし」

 

カエル「じゃあ、今回は15話だけでなく、ここまでの重要なポイントも含めて書いていこうとしようか」

主「そうね。そこも織り交ぜて色々と語っていくよ。

 じゃあ、感想スタートで」

 

 

 

ここまでのあらすじ

 

 後藤との対決まで後一歩まで迫りながらも、目の前の相手である島田を見えていないことにようやく気がついた零。自分より格上のA級棋士を侮ったという事実にショックと恥ずかしさを受けて、脱水症状になるまで落ち込んでしまう零。

 それでも、依然として日々は過ぎていき、ギリギリの出席日数を抱える学校生活を送りながら将棋漬けの日々を送っていた。

 一方、名人ある宗谷との挑戦権を手にするためにぶつかり合う後藤と島田。この2人の殴り合いのような対決の果てにあるものとは……?

 

 

14話までの感想

 

カエル「少しだけ遡りながら感想を書くけれど、ようやく島田さんが登場したね!

主「この漫画の重要人物でもあるし、島田さんを演じるのが三木眞一郎というのもまた シャフトっぽいなぁって笑ったよ。井上麻里奈とか、三木眞一郎とかシャフトによく出てくる印象があるから、やっぱりそれだけ使いやすいんだろうね」

カエル「これで斎藤千和とか神谷浩史とかが出てきたら、もういつものシャフトって感じだよね。神谷浩史は……宗谷名人を演じる可能性がまだあるよね?

主「まだ宗谷名人って発表されてない……はずだから、1チャンあるんじゃないかな?」

 

カエル「そんな中の人談義もそこそこにして、零ちゃんの抱えた思いと、その暴走には胸が痛かったなぁ……13話がすごく辛いところで終わったからさ、自分の恥と直視しなければいけないって、結構辛いものがあるよねぇ……」

主「いやぁ、あれは気持ちがすごくわかるよ。因縁の相手との決着が目前になったら、そっちばかりに目が向いちゃう。

 だけど、そこはやっぱり非情な勝負の世界で……タイトル戦を獲得するってことは、そういう余計なことと言ったらあれだけど、自分の感情などを突き放す必要があるんだろうなぁ

 

カエル「トーナメントだもんね。甲子園とかもそうだけど、エースを温存して敗北したら意味がないわけで、次の試合や対局のことを意識しすぎていると、あっさり負けることがある。そして負けてしまうと何の意味もない。だけど、ここで次の対局も視野に入れていないと、やっぱり準備不足になってしまいかねない。

 この部分が難しいよねぇ」

主「あとは……これって原作読んでいる時もそうだけど、島田と二海堂が向き合っている時って、あまりにも身長差がありすぎるのと『坊』というあだ名もあって、二海堂とは思えなかったんだよ。

『あれ? これ二海堂ぽいけれど、明らかに子供だよな?』って思ったりねぇ。今にしてみるといい笑い話だよ」

 

 

 

15話の感想

 

カエル「じゃあ、いよいよ15話の感想だけど……まずはいつものように香子について語っていこうか

主「……今回ではっきりと思ったけれど、香子の抱えたものってすごく複雑で大変だよなぁ

カエル「あんな過去があったら零ちゃんが意識してしまうことも当然だよね」

 

主「香子の好みの男って、多分父親のような『将棋の強い男』なのかもね。だけど、その何よりも憧れた将棋という世界と、そして父親に自分を否定されたトラウマに加えて、その決定打を作ったのが零というのが大きな傷を与えている」

カエル「……香子って零に対して恋愛感情というよりも、もっと特別な何かを向けている」

主「そう。じゃあ、何で後藤だったのか、というと父親の弟弟子として昔からよく知っていたし、香子の身近にいた中では最も将棋が強い男だったことに加えて、さらにファザコン気味だから年上趣味ということもあるんだろう

 

カエル「……なんかさ、零と香子って今はお互い嫌い合っているから、一歩引いて向き合っているけれど、この2人がそういうことがなく向き合ってしまった場合、共依存に陥ってどっちもダメになる気がする

主「そうかもね。まあ、でもさ、将棋がダメになるくらいじゃないと零では香子を繋ぎ止めることはできないだろうし、それだと零に執着する理由もなくなるだろし、と考えると、泥沼な関係なわけで……

 あれ? この2人が満足する道ってやっぱりないのかな?」

カエル「……もっと大人になればまた違うだろうけれど、高校生と女子大生だったらまだ若すぎて難しいかもねぇ」

 

 

 

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勝負した零

 

カエル「ひなも語っていたけれど『挑戦した』ということ、この1点が本当に素晴らしいことで、弾き飛ばされたことなんてそんなに考えなくていいことだよ!

主「まだ高校生だし、むしろあそこで戦慄していた人たちは高校生の頃プロでやっていたかと言われると、それはわからんわけで……あの年で社会に出てやっていくわけだらか、そりゃ恥を掻くことも多いわな。

 あのおじいちゃんが言う通りでゴチャゴチャ言うだけの奴より、よっぽどマシな人生だ!

 

カエル「あの言葉、零ちゃんに聞かせてあげたかったねぇ。それだけでどれだけ救われるのか」

主「負けたってことは、戦ったということでもあって、その恥をかくような挑戦の果てにしか勝利はない。それはどの業界でも、なんでも一緒で、笑われた経験が後に糧になるという、ここは羽海野チカの決意やエールも感じた場面だったな

 

カエル「あの『そんなカッコ悪いことかな?』の場面のひながまた可愛いよね。背景が和菓子が回っていたりして、独特な雰囲気な中、花澤香菜のふんわりとした声もうまく乗っかっていてマッチしていたよね」

主「そこも見どころだったな。この場面では光にふんわりと当たっている川本家と、体育座りで零のことを考えている時に、少しだけ背景などが暗くなるひなの体育座り、そして暗い川面に体育座りをしている零という対比がうまく働いていたね」

 

 

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頭をかち割られた二海堂

 

カエル「この話で語りたい部分はここだよね!」

主「つまりさ、この場面において過去の二海堂と現在の零がリンクしているというのがいい親友関係であり、ライバル関係だ。

 本作において零のライバルと言える人は、やっぱり二海堂だろうけれど、この2人の関係性を強化するいいエピソードだった」

 

カエル「天狗になる時期ってやっぱりプロになるぐらいの神童だと普通にあるんだろうね」

主「そりゃあ、そうでしょう。むしろ、天狗になるくらいの自信家でないと、プロにはなれないということでもあるんじゃない?

 過去の話で『自分を慰めながら、奮い立たせながら1人で歩むしかない』という意味の言葉があったけれど、これもまさしくその通りで、自分より強い人間がいる、自分のことを過大評価してしまう瞬間があって、それが間違いだと気がつくこと成長し、さらに歩むことができる。

 その奮い立たせる原動力はやっぱり『自信』だろうし、その自信が傷ついた時は自分で自分を慰めるしかないんじゃないかな?

 

 

最後に

 

カエル「あとは、新EDもいい感じだよね!

主「これもまた素晴らしい出来になっているな! しかも、今回は米津玄師の音楽もいいけれど、何よりも名倉靖博が1人で絵コンテ、演出、原画などを担当していて、独特の作家性溢れたものになっている。

 それが曲ともこの作品の世界観とも見事にマッチしている! 素晴らしいEDだよ」

 

カエル「だけど……これってどこまでやるのかな? このスローペースだと26話で終わるとはとても思えないけれど……」

主「もしかしたら1年くらい続けるのか? いや、さすがにシャフトも劇場アニメも抱えているから、そこまではしないか?

 でも2017年はマジでシャフトの1年になる気がする。

 今年は色々な発表があったし。2016年は京アニの1年だったと思うけれど、ここでシャフトがさらに存在感を見せに来るんじゃないか?」

カエル「賛否はあるけれど、尖った演出は他を圧倒するものがあるし、これから先もどのような表現が出てくるか楽しみだね」

 

 

 

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