物語る亀

ネタバレありの物語批評

ゴジラシリーズを分析してみる〜名作映画をリメイクする難しさ〜

カエル君(以下カエル)

「いよいよゴジラシリーズの最新作が今月末に公開だね!!」

亀爺(以下亀)

「……カエルはゴジラが楽しみなのか?」

 

カエル「当たり前じゃない!! 日本が誇る大ヒーローで、アメリカでも大人気、ハリウッドでもリメイクされているし、最初の作品が作られて60年以上過ぎているのに、監督も特技監督も代わっても制作されるくらい愛された作品なんてどれだけあると思ってるのよ!?」

亀「……珍しく熱いの」

カエル「え!? 亀爺はそんなに楽しみじゃないの!?」

亀「……いや、楽しみは楽しみかもしれんが、少し懸念があるのもまた事実でな。じゃあ、今回は名作をリメイクするということも含めて、ゴジラシリーズのリメイクの難しさについて語ってみようかの」

 

 

 ゴジラシリーズ=名作?

亀「いきなり怒られそうなことを言うがの、ゴジラシリーズとはそこまで名作か?

 

カエル「……あっ?」

 

亀「ほれ、そう青筋を立てるでない。ゴジラシリーズはお主のような声の大きいファンであったり、一般の視聴者の思い出があって名作のように語られるが、その全てが名作だとは限らん」

カエル「いや、そりゃ全てのシリーズが名作なんてまでは言ってないし、そんな作品は『スターウォーズ』くらいじゃないの?」

 

亀「どれほど信頼性があるかはわからんが、客観的データとしてYahoo映画を使おうかの。

 Yahoo映画の映画レビューは星が5つで満点となっており、投稿者の平均点で星が決まっておる。食べログなどと同じやり方じゃの。簡単に説明すると

 

 星4つ以上=名作(誰でも面白い、楽しめるレベルの作品)

 星3,5以上=良作(人は選ぶかもしれないが面白い作品。人によっては星4つを超える作品も)

 星3以上=佳作(映画として不満点もないではないが、見られる映画。好きな人は好き)

 星2,9以下=駄作(映画として面白くない、致命的欠陥がある。特に2,0以下は誰が見てもわかる駄作)

 

 と大体なっておる」

 

 

ゴジラの評価

亀「ではゴジラシリーズをその視点で見ると、まだ公開前のシン・ゴジラを除くと以下のようになっておる(ハリウッドは除く)」

 

 

 

カエル「意外と名作と評価されている作品は少ないんだね」

亀「大体星3つに固まるのは映画として当たり前のことで、おそらくトータルで見てもここが一番多いじゃろうな。

 もちろん、この評価が全てではないがの。主が好きなゴジラVSデストロイアなどはここの評価で妥当と思う一方、ゴジラVSビオランテ、ゴジラ対ヘドラなどはファン人気も高く、この評価は少し低いようにも思うなど、ファン濃度や個人の感性によって変化するからの」

 

blog.monogatarukame.net

 

ゴジラとは何か?

カエル「亀爺にとってゴジラって何?」

亀「ここが難しい話じゃな。元々の作品、第1作目のゴジラは街を破壊する化け物として扱われている。当然のように軍事兵器は効かず、人間達を次々と襲う存在として描かれておる。

 この時代のゴジラは反核ということもあって、小学生が学校の授業としてみる映画、つまり教育映画としての側面も持っていたわけじゃな」

 

カエル「そう言うと今は相当変わったよね」

亀「松井秀喜の相性が『ゴジラ松井』じゃったが、当然のように『街を破壊する凶悪な存在』という意味ではない。強力なパワーを駆使する、子供達のヒーローという側面が強かったのは言わずもがな、といったところか。

 ある時期からゴジラという存在は子供達の憧れの対象であり、ヒーローのひとつとして扱われた。同じ特撮でもウルトラマン、ガメラなどは最初から地球の守護者として登場するから、そこが違いかの。

 それではカエル。次のゴジラはどっちになってほしい?」

 

カエル「え? え、え〜っと……やっぱり初代の方かな? でも慣れしたんだヒーローとしてのゴジラも捨て難い……」

亀「ゴジラシリーズの難しさというのはここにある。原点回帰というならばゴジラは悪役じゃが、多くの映画においてゴジラは正義の存在として扱われておる。明確な正義ではなくとも、キングギドラ、ビオランテ、スペースゴジラなどの敵はやはり地球を侵略しようとしている存在だったり、地球に害をなす存在として描かれておる。

 ゴジラに対して明確に敵対し、正義側(人間の味方)というとモスラと一部のメカゴジラくらいかの。ミレニアムシリーズなどはより、悪としてのゴジラが強調されておったが、どれも低評価じゃ」

 

カエル「ミレニアムシリーズは他の要因もあったとはいえ、やっぱり正義のゴジラと悪の怪獣の構図から離れたことも不人気の要因かもね」

亀「あとは子供向けにするのか、大人向けにするかの違いもあるからの。難しい問題じゃ」

 

blog.monogatarukame.net

 

名作シリーズの難しさ

亀「もちろん、それに加えて観客の思い出補正もあるから大変じゃの。それに、もう一つ大変な思いをすることがある」

カエル「それは何?」

亀「結局のところ、昔のフォーマットがいいのか、今のフォーマットに変えるべきなのかという問題が発生するのじゃ

カエル「……というと?」

 

亀「もう昭和の頃に人気を博したゴジラシリーズだから、その『ゴジラらしさ』というべきストーリーラインや演出というのは時代に遅れておる。今ではCGもあるからの。じゃが、ゴジラをゴジラたらしめている要素は必ずあるから、そこを変えると文句も出るじゃろうな。

 わしも本音を言えば、古臭い特撮や着ぐるみを駆使し、CGを排したゴジラを見たいと思う。思うが、それは現代では難しいじゃろうな」

カエル「……じゃあ、どうするの?」

亀「いっそのこと、白黒にするくらい古臭くするか、全く別物のゴジラを作り上げるかの2択じゃろう

 

カエル「……また極端だね」

亀「じゃが、そのいいとこ取りをしようとしたら中途半端な作品になる。その結果がミレニアムシリーズとわしは見ておる。

 ゴジラシリーズに緻密な脚本も派手な演出も、そこまで必要かと言われると少し難しいところがある。批判を恐れずに言えば、結局は大怪獣が暴れ回るという『トンデモ映画』であり、『B級映画』の大ヒット作に過ぎんからの

 

blog.monogatarukame.net

 

庵野監督、樋口特撮監督について

カエル「主は今回の監督発表の時、すごく喜んでいたよね。その意図って何かな? やっぱりオタクの気持ちがわかる人だから?」

亀「それもあるが、やはり樋口真嗣といえばガメラシリーズの実績もあるし、CGに関しては日本で一番熟知している監督の一人じゃろうな。山崎貴監督がジュブナイルのような映画を撮り続けておれば可能性もあったじゃろうが、今や人情物の監督となったからの」

カエル「でもね……問題作も多い二人だよね」

 

亀「庵野監督の場合はエヴァのことが言われるのじゃろうが、わしはエヴァは完成しないことに意味があると思っておるから、いつまでも延期してくれて構わん。むしろ、この方がエヴァらしいとすら思うし、作品のクオリティで言えば成功作品の方が多いくらいじゃ。樋口真嗣監督といえば『進撃の巨人』が大不評なものの、これは監督作品じゃからまた別。

 大体、初代ゴジラの監督の名前を言える人間がどれだけおるのか、わしは疑問じゃ

カエル「え? 円谷英二じゃなの?

 

亀「違うわ! 

円谷英二は特技監督、監督は本多猪四郎じゃ! パシフィック・リムのラストにも書かれておったろ!」

 

カエル「知らなかった! そうなんだ!」

亀「……多分日本人でもパフィック・リムで初めて知った人も多いじゃろうな。

 今回のゴジラはその2人1組という意味では初代に戻ったとも言える。これもまた、期待値が上がる要因かの。

 もちろん、ゴジラとなれば周りがうるさいし、作りたいものが作れるとも思わん。その結果見るも無残な作品になる可能性もある。じゃが、わしはゴジラを託すには文句のない、完璧な人選だとすら思っておる

 

 

最後に

カエル「なんだ、亀爺も結構楽しみにしてんじゃん」

亀「当たり前じゃ。日本におけるゴジラとはまさしく日本の象徴、オリンピックの開会式に出てきてもおかしくないくらいじゃ。わしとしてはゴジラのモニュメント登場、その口から出る火によって、聖火点灯でもいいと思っておる

カエル「世界的にも人気のキャラクターだし、クールジャパンアピールになるし、批判の声はアイドルとかミュージシャンが歌うよりも少ないんじゃないかな?」

亀「まあ、どうなるかは見てからのお楽しみかの。おそらくわしも最速上映で観に行こうと思っておるからの。あと数週間、本当に楽しみじゃの」

 

カエル「同じ両生類だしね! 多分!」

亀「……イヤイヤ、ゴジラは爬虫類じゃよ」

カエル「ええ〜、絶対両生類だよ!」

亀「イヤイヤイヤ、公式設定でも爬虫類とするものもあるしの……」

カエル「そんなの関係ないよ! ゴジラは僕の中では両生類なんだ! 仲間なんだ! ふ〜んだ、亀爺なんて大っ嫌い!!」

 

亀「……そんなプリプリせんでも。これだから熱狂的ファンというのは」

主「馬鹿野郎!! ゴジラは恐竜から進化したからな、爬虫類とか両生類とかそんな次元の話じゃなくてな……!!」

亀「……バカはほっとこうかの」

 

S.H.モンスターアーツ シン・ゴジラ ゴジラ (2016) 約180mm PVC製 塗装済み可動フィギュア