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物語る亀

ネタバレありの物語批評

91Days 3話までの感想と禁酒法時代の簡単な説明

カエルくん(以下カエル)

「今期も色々始まったけれど、やっぱりこのブログで一番注目の作品と言えば、91Daysだよね」

亀爺(以下亀)

「何と言っても硬派な雰囲気で女性キャラが皆無、それでいながら女性向けではない禁酒法時代のマフィアという設定……しかもオリジナルとあれば、主が嫌いな要素なんて一つもないからの」

 

カエル「まずはさ、登場キャラクターに女性がほとんどいないっていうのが凄いよね。今の所名前ありで登場しているのは、政略結婚させられたお姉ちゃんくらいじゃない?」

亀「キャラクター数も決して少ないわけではないが、ほとんど男ばかり……それでいながら男同士の友情やら、そういういわゆる『腐』の要素はほとんどないからの。やれやれ、本当にディスクを売る気があるのか疑問になるわ。そんな91Daysが大好きなんじゃけど

カエル「今回は3話までの動きなども含めて、色々と感想を書いていきつつ、マフィアものあるあるネタなどを交えていけたらいいね! それじゃ、感想スタート!!」

 

 

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 1 復讐劇のメリット

カエル「最近のアニメでは復讐劇って珍しいよね。昔からあるジャンルではあるけれど、アニメではあまり見ないというか」

亀「基本的に復讐劇というのは目的もはっきりしておるし、それこそ『モンテ・クリスト伯』……巌窟王といった方がメジャーかの、そういう古典的名作もあるようなよくあるジャンルなのじゃが、アニメでは最近は少なかったの。ガン×ソードGUNGRAVEもあるが、どちらも10年以上前の作品じゃ」

 

カエル「あとは『コードギアス 反逆のルルーシュ』も一応復讐劇になるよね。映画の『ONE PIECE FILM Z 』も主人公のルフィよりも元海軍大将のZの方が目立っていたから、Zが主人公とすれば復讐劇になるのかな。後半の『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』も復讐劇と言えばそうだけど、ここにあげた作品はどれも主人公サイド(ワンピースは微妙だけど)の方が悪の一面が強調されているよね

亀「やはり近年のアニメの王道は『復讐なんてやめて、過去を振り返らずに生きていこう』という趣旨のものが多い。それこそ戦闘モノで復讐にこだわる作品はそこまで多くはないじゃろう。

 これはやはり、アニメという文化と日本の思想……つまり『復讐は悪い事だ』という水に流す文化が影響しておるのかもしれんな。

 

復讐劇自体は

  1. 目的がわかりやすい
  2. 達成過程がわかりやすい
  3. 視聴者が納得出来る動機がある
  4. 達成感がある

 

 という面白い作品を作る条件に合致しておるし、何よりも単純な構造だからこそ、娯楽性が高くなるのじゃろうな」

 

 

2 禁酒法時代とマフィアという設定

カエル「この時代設定もなかなか良いよね。現実の禁酒法時代はさすがに酷いものだったとは思うけれど、物語の設定としての禁酒法時代は最高の舞台だよ

亀「これは日本でいうと戦国時代や幕末もそうであろうが、血で血を洗うような悲惨な時代というのは、確かに現実ではあってはいけないものではあるが、物語の舞台ではこれほど面白い時代はない。

 戦争映画がいつまでも廃れない理由と同じじゃの」

 

カエル「男がその腕と悪知恵でのしあがっていき、一瞬先もどうなるかわからないという緊張感があるからね」

亀「判断を一つ間違えるとそのまま死に直結するような時代じゃから、当然のように緊張感があるし、誰が死んでもおかしくない。そう言った部分が人気の理由でもあるんじゃろう」

 

禁酒法って何?

カエル「そもそもさ、禁酒法って何?」

亀「書いてその名の通り、酒が禁じられた法律じゃ。これにはもちろん、様々な理由がある。大きいのは宗教的な理由、つまり『アルコールを摂取することは倫理的におかしいのではないか』と教会が主張したからということがあるの。現にイスラム系は今でも酒を禁止しておるじゃろ? 酩酊状態であったり、酒のせいで始まるトラブルというのはいつの時代も多いものじゃ

カエル「今でも飲酒運転とかもあるからね」

 

亀「じゃが、それだけではない。当時は第一次世界大戦の真っ只中、アメリカの敵はドイツじゃった。だからドイツのメーカーが強い酒造業界にダメージを与えて、間接的に攻撃をしようという思惑もあったらしい。

 敵国の酒を飲めるか、という市民感情も含めて禁酒法は成立した」

カエル「これで公にはお酒は飲めなくなったんだね」

亀「それでもみんな酒を愛する気持ちは変わらん。その結果、地下で隠れて酒を飲み、マフィアなどの非合法な組織が一気に力をつけてしまった」

  

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余談・禁酒法時代とカクテルの話

カエル「そうか……じゃあ、酒の製造や文化もそこで一度途絶えたんだね」

亀「普通はそう思うじゃろ? 公に製造が中止されたら、酒を作る技術などは途絶えるものじゃ。じゃが、酒の歴史には禁酒法は欠かせない法律でもある

カエル「というと?」

 

亀「元々、西部劇の時代では樽に酒を入れて売っていた。それを買いに来るのが荒くれ者たちばかりだから、店側は酒樽に近づけないように板を貼って守ったのじゃ。その板から『Bar』という名前はついた。その板がいつしかテーブルに変わったのじゃ。だから今だに『Bar』と呼ばれる店では、テーブルの内側……バーテンダーがいる側に酒があって、勝手に客が触れないようになっておるじゃろ? 」

カエル「へえ、でもそれは禁酒法とは関係ないよね?」

 

亀「そのまま時代が過ぎたが、禁酒法時代が来て酒を隠して売らなければいけなくなった。現代でもBarのドアは重く、厚くできていて入りづらい店もあるが、あれはその時代の名残でもある。

 そして何より大事なのは見た目じゃ。酒を売るときに明らかに酒を売っていると警察にすぐにバレてしまうために、牛乳など色々なものに混ぜて酒を販売していた。これには酒を少しずつ使って量を誤魔化す、また粗悪品の味を誤魔化すという意味合いもありそうじゃが……れで出来上がったのが今のカクテル文化じゃ

 

カエル「じゃあ、カクテルって禁酒法があるから大きく発展した文化なんだね」

亀「そうじゃの。規制というと色々と締め付けが強くなるだけだと考えがちじゃが、一部ではこのように工夫によって新しい文化が生まれることもある。

 これ以上の言及は避けるとするが、それだけ魅力ある時代ということじゃな」

 

3 3話までの脚本構成について

カエル「どう? 少しはこの先の展開だったり、脚本構成が見えた?」

亀「……まだ、スタートしたばかりということもあって、そこまで見えてきてはいないの。ただ、1話においてパラフィンを使った科学的な知識で驚かせ、2話においてそのラストでこちらを揺さぶってくる。

 そして3話になると復讐対象と旅に出たりと、順調に話が進んでおる。どの方向に話が進んでいくのか、オリジナルということもあって予想もできずにいるから相当楽しんでみておる

 

カエル「サスペンスとしても面白いけれど、結構ミステリーとして面白いよね。あの父親の仇を教えた人は誰なのか、とか」

亀「そうじゃの。大枠としてファミリー間の抗争があり、さらにそれぞれ一癖も二癖もあるような面々ということになっておる。実は意外な人物が……ということもまだありそうじゃな。ちなみにわしはコルテオが怪しいと思っておる」

 

カエル「鏑木ひろ監督はこういった作品よりが得意なのかな? と思ったら、経歴を見ると案外こういった男臭いマフィアもののような、ダークな印象のある作品が多いわけでもないんだね」

亀「むしろシリーズ構成の岸本卓の影響が強いのかもしれんの。僕だけがいない街』や『ジョーカー・ゲーム』という漫画、小説の良質なサスペンスの脚本のシリーズ構成をしていたから、このオリジナルでそこまでのノウハウを出している、という感じかの」

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4 禁酒法時代やマフィアを扱った映画について

カエル「91Daysもそうだけど、この手の作品は結構禁酒法時代などを扱った映画とか、マフィア映画の影響というか、オマージュが散見されるよね」

亀「まず、2話の冒頭の結婚式などは『ゴッド・ファーザー』のオマージュと見ていいじゃろう。

 特にこの作品の場合は、マフィアものでは歴史的な傑作だから、どうしてもマフィアものをやるときは本作の影響があるの

カエル「ゴットファーザーというとその結婚式のシーンが終わってからがすごいよね。あ、マフィアはこんなに怖いんだ、ということがよくわかった」

 

亀「それから、何と言っても『アンタッチャブル 』も禁酒法を描いた映画としては欠かせないの。こちらもサスペンスとして一流の出来じゃ。91Daysにもコックが首になるシーンがあるが、あのドンの強大な権力によって被害を被る一般人というのは、アンタッチャブルの中でも理容士が髭を剃るシーンがあるように映画のあるあるを見事に再現してくれておる」

カエル「あの食事風景とかもマフィアものではお馴染みだよね」

亀「個人的には禁酒法時代を描いた映画として『お熱いのがお好き』あたりも当時の雰囲気がよくわかってオススメじゃの」

 

 

最後に

カエル「いやぁ、久々のマフィアものとということもあって、すごく楽しんでみているよね」

亀「やはり1期に1作はこういう作品も欲しいもんじゃの。ハーレム系や萌え系、ロリ系があってもいいが、こういう無骨な作品もあっていいの」

 

カエル「91Daysの感想というよりも、その周辺の時代のまとめみたいな内容になったね」

亀「それだけこの時代が面白いということでもあるし、まだまだ息もつかせぬ作品という事じゃろう。まだまだ息を抜く事が出来ん」

カエル「ここまでは中々いい出来できているから、この先も楽しみだね」

 

 

 

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