物語る亀

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物語愛好者の雑文

2017年4月度 オススメ映画ランキング! 

カエルくん(以下カエル)

「それでは4月分のランキング記事の発表だけど、今月はいつもより少し早めだよ!」

 

亀爺(以下亀)

「残り少なくなったGWも映画を行く人も多いじゃろうし、少しでも参考になれば嬉しいの」

 

カエル「3月は大作映画に良作が多くて『楽しい、面白い』作品が多かったよね。

 一方で4月は『幸せな映画体験』が多かった印象かなぁ」

亀「3月度にどのような映画を評価したのか、というのは過去記事を見てもらうとしても、今月は邦画を中心に良作が多かった印象じゃの」

カエル「まあ、それも洋画で評判のいい『バーニングオーシャン』『ワイルドスピード アイスブレイク』を見ていないからなんだけどね!」

亀「残念ながらこれから先も観に行く予定はないかの……

 バーニングオーシャンはともかく、ワイルドスピードを1作も見ていない人間が見てもの」

 

カエル「……それ、今更言う?」

亀「アニメなどは色々と語りたいことがあるのじゃが、迫力満点のアクションが得意なブログでもないからの……」

カエル「まあ、好きにしたらいいと思うけれど……

 じゃあ、ランキングを発表するよ!

 

 

 

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対象作品

 

4月公開で記事にした作品

 (文字リンクをクリックすると該当記事に飛びます)

 

暗黒女子

レゴバットマン ザ・ムービー

ゴースト・イン・ザ・シェル

夜は短し歩けよ乙女

LION 25年目のただいま

はじまりへの旅

劇場版名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)

クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ

美女と野獣

3月のライオン 後編

劇場版 Free!-Timeless Medley-絆

無限の住人

帝一の國

 

以上13作品

 

4月公開で記事にしていない作品

 

『はらはらなのか』

『そうして私たちはプールに金魚を、』

『RE LIFE リライフ』

『PARKS パークス』

『スィート17モンスター』

『笑う招き猫』

 

以上6作品

 

公開3ヶ月以内で記事にした作品

真白の恋

 

以上の20作品がランキング対象記事になります

 

 

ランキング対象外で映画館で鑑賞した作品

 

イノセント15

無垢の祈り

『退屈な日々にさようならを』

『ミツバチのささやき』

 

以上。

 

『第3の愛』

『作家、本当のJTリロイ』

『バーフバリ 伝説誕生』

 

 あたりを近日見に行こうかと考えています

 

 

 

第5位

 

 美女と野獣

 

美女と野獣 オリジナル・サウンドトラック - デラックス・エディション-<英語版[2CD]>

 

作品紹介

 誰もが知るディズニー映画の名作、美女と野獣を実写化した作品。主演はエマ・ワトソン、歌唱はアリアナ・グランデなど。

 ミュージカルシーンも多く、大人も子供も楽しめる1作に仕上がっている。ディズニー映画らしく人種や多種多様な嗜好にも対応したシーンが各国で物議を醸し出すが、それもディズニーブランドの持つ影響力の強さを物語る。

 日本語吹き替え版も素晴らしく、昆夏美などミュージカル俳優を多く起用し、こちらも字幕版に負けない歌唱力を発揮している。

 

 

カエル「やっぱりディズニーは入るよね。日本でも大ヒットしている作品だけど……」

亀「何と言っても安定感が素晴らしいの。

 ファミリームービー、デートムービーとしても最適、老若男女にお勧めできる作品に仕上がっておる。今月、面識もない趣味嗜好も何も知らない人に1作映画を紹介しろと言われたら、わしはこの映画を選択する。それくらい万人に受ける作品じゃ」

カエル「記事の中では細かいディティールに関して色々と言ったけれど……」

亀「細かいことを考えれば色々と突っ込みどころや疑問があるぞ?

 じゃがな、細かい整合性を気にするような映画ではないじゃろ? それが本作の魅力でもあるのかもしれんの。何も考えずに映画を見るというのもそれはそれで大切なことじゃろう。

『異世界を、非日常を楽しむ』ことが映画の魅力だとしたら、この映画は最もそれをしているかもしれんの

 

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第4位

 

劇場版名探偵コナン から紅の恋歌

 

劇場版 名探偵コナン「から紅の恋歌」オリジナル・サウンドトラック

 

 作品紹介

 春のおなじみ、名探偵コナンシリーズの第21作目。今作は京都を舞台に服部平次と遠山和葉を中心としたラブコメが描かれている。

『ちはやふる』に影響された原作者の青山剛昌がかるたの物語を提案、所々にちはやふるの影響をうかがわせる描写があるのもご愛嬌。関西を舞台ということで終始関西弁が飛び交い、京都出身のクイーン役には京都出身のゆきのさつきを起用するなど方言映画としても楽しめる1作

 

カエル「今年のコナンはよかったね! ここ最近はアクション重視で、今作も結構アクションをやってきたような気がするけれど、でもミステリーパートもちゃんとあって……」

亀「少し切ないお話であったの。ミステリーとしても犯人がわかる人も多いようじゃが、制約の多いアニメ映画ということも考えるとなかなかいいミステリーじゃったようにも思うの」

カエル「何と言っても平次のかっこよさですよ!

 巷では『誰もが平次の女になる!』なんて言われたりもして、この作品に黄色い声が上がるとか!」

亀「あの言葉は原作でも使われたようじゃが、わしもドキドキしてしまったわい。

 倉木麻衣のラストの曲もなかなかの名曲じゃったの。子供向け映画と思われがちじゃが、楽しめた1作じゃの」

 

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第3位

 

帝一の国

 

「帝一の國」オリジナルサウンドトラック

 

作品紹介

 頭のいいバカ達という矛盾に満ちたようで実はどこにでもいるありふれた男達が、総理大臣への第一歩として日本有数の学園の生徒会長を目指すというコメディ作品。しかし笑いの裏に学閥をはじめとして、実弾という名のワイロや裏切りの世界などという政治批判にも満ちたメッセージ性も込められている。

 普段はイケメン役ばかり演じるような男優達がバカを熱演。そして何よりもヒロイン役の永野芽郁の可愛らしさが光るので、EDは最後までしっかり見よう!

 

カエル「いやー、もしかしたら今年1番バカ笑いしたかも! コメディとしてもよくて、イケメン俳優ばっかりだから女性向けと思われがちかもしれないけれど、実は男性向けの傑作だよね!」

亀「笑いの裏にも政治に対する批判精神もあり、単なるゲラゲラ映画では終わっておらん。伏線や父と子の物語でもあるなど、色々な方面で見てもしっかりと出来ておる練られた物語じゃったの」

カエル「原作者の先生も『映画の方がいいと思う場面もある』みたいな話もあったし、誰もが楽しめる1作に仕上がっているんじゃないかな?」

亀「題材が題材なだけに子供やファミリー層は倦厭しがちじゃろうが、わしは実はどの層が観ても楽しめる作品になっておると思うぞ」

 

カエル「ちなみに、ここまでの3作品は全て『細かいことには目を向けないで!』という映画なので、ぜひ何も考えないでボケっとアホ面を晒しながら見てください!

 話の整合性とかを気にしすると何も楽しめないので!」

亀「楽しい映画であることは間違いないの」

 

 

 

TOP2の発表、でもその前に!?

 

カエル「じゃあ、閑話休題ということで……今月は旧作の3作がすごく印象に残っているんだよなぁ

亀「『無垢の祈り』『イノセント15』じゃの。

 一応このランキング記事は『公開3ヶ月以内、劇場で鑑賞した作品』という制約を設けておる。そうでないと今更ローマの休日が1位です! なんて言われてもみんなそりゃそうだ、ってなるからの」

カエル「あとは3ヶ月以内というのは公開直後に見る機会の少ない小規模公開映画も対象にするためなんだけれど……それがあるから『真白の恋』も対象になっている。

 無垢の祈りとイノセント15は一般公開自体はだいぶ前だから対象にはならないけれど、今回は対象外でよかったなぁ」

 

亀「今月はこの2作+DVDで鑑賞した『灼熱の魂』が素晴らしかったからの。灼熱の魂はDVDじゃが、この3作がランキング対象だったとしたら、大激変じゃ。3位の帝一の国すらも一気にランキング外決定じゃ」

カエル「ここまで『楽しい』映画が多かったけれど実は印象に残った『幸せな映画体験』というのは『無垢の祈り』『イノセント15』『灼熱の魂』とこの TOP2を合わせた5作品の形容詞であって……

 この5作品はそれぞれ違う魅力に溢れているのでランキングすることができません。

 なので、対象作品の2作品は同率1位です

 

 

 

同率1位

 

真白の恋

 

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作品紹介

 富山県を舞台にした、アラサーの女性と東京から来たカメラマンの恋愛を静かに描いたい作品。

 

 主人公、真白は兄の結婚式に出かけた際に東京から来たカメラマン、油井と知り合う。偶然撮られた写真に写っていた真白に興味を抱いた油井は真白と仲良くなっていくが、そのことに真白の家族の反応はあまり芳しいものではなかった。

 実は真白にはある事情があったのだ……

 

 

カエル「真白の恋、小規模公開映画なのが勿体無い名作だったと思うなぁ。2016年も邦画大豊作の年だったけれど、ここまでストレートでありながら、素晴らしい恋愛映画はなかったんじゃなかな?」

亀「『ムーンライト』が小規模公開からアカデミー賞まで輝いたが、わしはこの作品は日本のムーンライトになる可能性すらも秘めておると思っておる。脚本もさりげないうまさに満ちておるし、2人の関係性の深化を示す映像と音楽の力にも溢れておった

 

カエル「思わずサントラも買ったんだけど、その中に収録されている主題歌の『真白の恋』もすっごいいい曲で……この映画を見た後だとさ、涙が出てくるんだよ。このタイトルからもわかるけれど、映画のために作られた歌だからこそ深くリンクするように作られていて……

 特にCメロっていうのかな? 2番が終わった後の歌詞で『あ〜!!』って号泣するようなことが歌われていてさ」

亀「つまりはそういうことなんじゃなぁ……

 この映画が描き出したのは『普通である』ということじゃ。普通であるというのはドラマになりにくい分、最も描きにくいものでもある。それを見事に切り取り、普遍的な物語にした坂本監督の手腕というのは絶賛されるべきものじゃろう。

 しかも残虐な描写、痛い描写、エログロが一切ない。

 ここ最近はそういうキャッチーな要素を詰め込んだ邦画も多いが、今作はそんな描写がないのじゃよ。それでいながら引き込まれる映画に仕上がっておる。

 もっと評価されるべき名作じゃと、わしは思うの

 

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同率1位

 

3月のライオン

 

映画『3月のライオン』オリジナルサウンドトラック

 

作品紹介

 羽海野チカが手がけた人気漫画を大友監督が2部作として制作。将棋に生きる少年、桐山零の戦いと孤独を描ききる。

 2部作ということ前後編合わせて5時間弱と大作に仕上がっている。原作者の羽海野チカも絶賛する本作は、大友流3月のライオンとして原作12巻分のエッセンスをギュッっと詰め込まれている。

 主演の神木隆之介をはじめとして、伊藤英明、有村架純などの豪華俳優陣の演技合戦も魅力の1つ。

 

 

カエル「ライオンは興行的には苦しいと言われているし、5時間もあるし、賛否も分かれているけれど……でも名作に仕上がっていると思います!

 元々3月のライオンは漫画、アニメ、映画も全て記事を書くくらいに好きだという贔屓目があることも否定しませんが、それだけの作品です!

亀「漫画原作であり、しかも大規模公開の大作映画じゃからの。それでいながらキャッチーな描写はあまりなく、辛い描写が続くから、一般受けはしないかもしれん。わしも『オススメは?』と言われると、少し推しづらいのも事実じゃ。

 じゃがな、わしも羽海野チカと同じように、漫画原作映画としてこれほどの作品はないじゃろうし、これぞまさしく3月のライオンの魂をギュッと5時間に集約した作品じゃと思っておる

 

カエル「記事でも語ったけれど女性作家の羽海野チカが生み出した3月のライオンという物語を、男性監督の大友監督が男の3月のライオンに再構成している。大友監督って『男の世界』を撮ってきた監督だと思うけれど、この作品はまさしく桐山零という1人の棋士の意地と勝負を描いていたよ

亀「羽海野チカが作り上げた3月のライオンという器に、大友監督の作風などが山盛りにトッピングされておる。じゃがな、その全体像は間違いなく3月のライオンなのじゃ。これは漫画原作映画の理想形じゃと思わんかの?」

 

カエル「本当は後編の記事以上に語りたいことがすごくたくさんあったんだよ。群像劇としても素晴らしい作品だし、人生における3月を……夜明け前の1番暗い時期を過ごしていた零ちゃんや川本家、幸田家に『春の歌』が鳴り響くという愛の込もった演出も涙が出てくるようで……」

亀「『真白の恋』は真っ当に普通であることを描いてきた『普通』の物語だとしたら、3月のライオンは『普通になれなかった家族』の物語じゃ。みんな、ただ普通に、平穏に暮らしたいだけなのに、それでも人生にトラブルは絶対に襲ってきて、それに抗うことは何者であってもできない。

 じゃがな、それに負けることなく戦う姿……それこそが人生というものでないか?

 そしてその姿勢が最も尊いものではないかの?

 

 

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総評

 

カエル「じゃあ、総評だけど……今月は閑話休題でも述べたように5作品が圧倒的だったから、他の作品の印象があまり残らなかったかなぁ」 

亀「素晴らしい名作ばかりじゃったからの。

 簡単に話すと『無垢の祈り』『イノセント15』児童虐待をテーマにした映画じゃ。その結末や見終わった後の感想は180度違うものであるかもしれんが、それでもこのような子供達に対する『祈り』は同じようなものじゃった。

 そして『灼熱の魂』は……衝撃のラストというのはこの作品のようなものを言うのかもしれん。じゃがの、ただのビックリではいおしまい、ではなくて……やはり母の愛というのがこれでもかと詰まった名作じゃった」

カエル「そう思うとこの5作品って『家族』の物語でもあるわけだね」

 

 

亀「他の作品に言及すると……『PARKS パークス』はとても好きな映画なのじゃが、橋本愛、吉祥寺、音楽などという好きな要素がてんこ盛りで、わしを狙い撃ちにしたような映画での、少し冷静になりきれん部分があったの。

 あとは『夜は短し歩けよ乙女』なども湯浅節の効いたなかなかの良作じゃったし、『そうして私たちはプールに金魚を、』は約30分という短い映画じゃが、中学生の息苦しい、真綿で首を絞められる絶望感を見事に表現しておった」

カエル「バラエティに富んだ作品が多かった印象かなぁ。

 特に見に行った映画が邦画が多かったこともあるけれど、今月は邦画が当たったかな?

亀「アニメも安定の面白さを生み出しておったしの。大外れの作品は……0とは言わんが、そこまで引かなかった印象じゃの」

 

カエル「5月も楽しみな映画があるし、期待できるね!」

亀「意外な掘り出し物を探したいものじゃな」

 

 

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