物語る亀

ネタバレありの物語批評

谷口悟朗ファンが語る、アクティブレイド6話までの感想 

 アニメにおける6話というと、大体1クールの半分にあたる。二クールならば4分の1であり、大体お話の起承転結でいえば起、承の部分が終わり、大体どのような作品かわかるところである。

 なので中間まとめとして感想と考察を書いていきたいと思う。

 まずはアクティブレイドから。

 

 

 1話感想はこちら 

monogatarukame.hatenablog.com

 

 

 さて、ここまでの展開を見てまず一言で表すと

 悪くはないんだけどなぁ

 

 

 1 6話までの作り 

 まず1話から3話まではわかりやすいお話の導入だったと思う。まず第1話において世界観とこの作品の見どころ(ロボットによる戦闘描写と組織的な味方の陣営紹介)をギャグを交えながら重ね、4話で瀬名の過去や未来を暗示させ、5話で円、6話で船坂をフューチャーし、7話ではるかを取り上げるようだ。その見方をすると、2話は状況説明と共に、ヒロインであるあさみとボスである凛の深掘りをしたと言えるだろう。

 ギャグを交えて脇役を深掘りすることでお話の土台を固めている印象がある。これは当然悪いことではなく、2クールあるからこそできる丁寧な作りだろう。おそらくこの流れからすると8話で協会さんの話が来るのだろう。

 特に6話は昔ながらのスーパー系ロボットを思わせる敵と味方の大立ち回りがあり、王道の展開などの熱い描写が続いていた。音楽や演出、博士のキャラクターデザインなどもそれを意識したようなものが多く、ギャグとしてもロボットものとしても中々秀逸なものがあった。

 これの作りは同じ谷口監督でいえばガン・ソードに近い。

 伏線とキャラクターを次々と紹介して、敵もどういうことをしようとしているか、ギャグを含めながらも少しずつ開示していく。そしてOPに出てくるキャラクターも黒塗りされていたのが、少しずつ色がついていくという演出もあり、お話が進んでいる感があった。

 それに比べるとだいぶギャグ色は強いが、作りは似ていると思う。

   

 2 ここが惜しい

 まず第一に今作では不思議なほど主人公が空気なのだ。

 空気というほどの活躍していないわけでもないが、黒騎が不自然なほどに情報を開示してこない。今の所わかるのが、彼が無鉄砲でガサツな人間であるという、戦隊物でいえば典型的なレッドの人格であるということのみだ。

 本来では視聴者が最も大事な主人公の情報が一切開示されないというのも、ここではガンソードと似ているような気がしている。なぜかぎ爪の男を探しているのか? かぎ爪の男は何をしようとしているのか? その情報が公開されたのはそこそこ後になってからだった。

 なのでこの作品の欠点はやはりガンソードと被る。あの作品は後半の展開は非常に熱いのだが、前半は1話完結の話も多く、少し勢いが足りないような気がしていた。その原因は主人公の目的があまり開示されないこと(かぎ爪の男を探しているのはわかるが、その理由が開示されない)、その相手の意図や規模がわからないことだ。

 今作も敵であるロゴスの目的がイマイチはっきりせず、愉快犯のように見える。吉祥寺に何かがあるらしいので、これが後々重要な伏線になるのだろうが、おそらく全てが終わって一から見直さなければ、この前半の意味はわからないのかもしれない。

 

 この主人公と敵の描写の薄さはやはりこちらとしてもモヤモヤ感が残ってしまう。戦闘描写もいいし、ギャグとしても面白く、特に6話においてスーパーロボットの話を書いた後、CMで伝説的スーパーロボットアニメ、ガオガイガーのCMを入れるなど小ネタにも力を入れている。だから決して工夫のない、つまらない作品ではないのだ。

 

 3 ここから先の予測

 ここから先は感想から外れるのだが、このお話の展開から察するに、おそらくロゴスとの戦いが続いていくと思う。私としてはロゴスのトップのように振舞っているミュトスは単なる傀儡に過ぎず、誰か黒幕がいる、その黒幕は瀬名になるという展開を希望している。やはり一番の相棒が、一番最後の敵であるというスクライドやガングレイヴのような展開が大好きなのだ。

 ただこれは妄言だとしても、ガンソードの面白さは圧倒的な絶対悪であるブレないかぎ爪の男のキャラクター性が重要だった。その無茶苦茶なやり方で世界を幸福にしようという盲信的な思想と、そんな世界なんか関係なく単なる自己中心的な復讐を遂げようとするヴァン(主人公)の戦いが非常に面白かった。

 アクティブレイドの場合は現状、主人公はこれから26話ある中で少しずつ深掘りしていけばいいが、しかしあまり描写がないとはいえミュトスにはそれほどのボス感がない。だから敵組織を魅力的に描こうとした場合、ミュトスはせいぜい右腕ぐらいの格でしかないように思える。彼がこのままラスボスになったとしたら、ここからさらに魅力的になるような思想性、計画性を魅せなければ視聴者もついていきづらいだろう。

 

 とりあえずここまでは覇権だ! と言われるほど大きな影響力は獲得しているとは思えないが、だが良作と呼べるほどの丁寧な作りはしていると思う。多分今期の中でトップ5には多くの人が入れるような気がしている(当然趣味にもよるが)

 ここから先の展開に期待したい。まだ四分の一だしね。