物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『ぼくの名前はズッキーニ』感想 世界中の子供達に向けられた真摯な思いが胸を熱くする、今年1番の感動作! ネタバレなし

カエルくん(以下カエル)

「今回語る『ぼくの名前はズッキーニ』は、実は1年前から気になっていた作品なんだよね。昨年も行われたTAAF(東京アニメアワードフェスティバル)の長編部門コンペションに出ていた作品だった時から気になっていて……」

 

ブログ主(以下主)

「残念ながら仕事の状況などから行くことはできなかったんだけれど、是非とも鑑賞したい1作の1つだったね。結局グランプリは逃したけれど……評判はかなり良かったから気になっていたんだ」

 

 

カエル「その時は『ズッキーニと呼ばれて』というタイトルで、今でもこっちで覚えているから最初の感想tweetでもタイトルを間違えてしまったというね。

 僕は『ズッキーニと呼ばれて』の方が情緒もあるような気がして好きだけれど『ぼくの名前はズッキーニ』だと子供も簡単に覚えられそうで、こちらの方が広く多くの人に見てもらう興行向きの名前なのかもね」

主「この手の作品はどうしても宣伝の関係もあるのか、あまり話題にならないで終わってしまいがちだからなぁ。

 なんとか工夫は凝らしているだろうし、名前の変更もその一環だろうけれどアニメーション映画好きとしてももっと注目を集めてほしい! と心から思う作品だね

 

カエル「というわけで、そんな以前から注目していたズッキーニがようやく公開されたので、感想記事の始まりです!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • パペットアニメーションの味
    • 実際に作られたものの味
    • 生きて動くズッキーニたち
  • 2 彼らのおかれた境遇
    • 子供らしさが溢れる暖かい作品
    • 逃げない物語
    • 最後に

 

 

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映画『今夜、ロマンス劇場で』感想 設定自体はいいのに、それを活かしきれなかった印象が残る…… ネタバレあり

ブログ主(以下主)

「では、今年初になるのかな? テレビ局主導の大作邦画の感想と行きますか」

 

亀爺(以下亀)

「映画について語った映画ということで、期待値もそれなりに上がっておるのじゃが……」

 

主「やっぱり『映画について語った映画』は自分の中でも刺さるものが多いんだよね。表現論でもあるし、とても強く興味があるものでもある。

 だからこそ、半端なものを出してきた時は大批判になるだろうけれど、さて今作はどうなるかな?」

亀「……テレビ局主導というだけでなんとなくどんな話かはわかるがの」

主「3連休ということもあって多くの映画が公開されるこの週でも、特に注目を集める作品ではあるけれど……さて、どうなるでしょうか?

 では感想記事を始めましょう!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 感想
    • 褒める点として
    • 役者について
  • 以下作中に言及あり
  • 改善点をいくつか
    • 脚本で語りすぎ問題
    • 名作映画の影響があるのならば……
    • 映画について語った映画なのに
    • 最後に

 

 

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映画『十二人の怒れる男』感想&考察 シンプルな脚本と演出が最高の法廷劇を見せてくれる! ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「おお……ついにこの作品の記事を書くんだね。

 苦節2年ちょっと……いつも書こう書こうと思っていて、結局書くことができずにいた名作を扱うときがくるなんて!」

 

ブログ主(以下主)

「以前に旧作を扱うよ、と告知した時に白黒作品も扱うよ、といったけれど、その時に頭にあったのがこの作品で……もう語りたいことがたくさんあるけれど、思いが強い作品で語りにくい作品でもあって……」

 

 

カエル「名作中の名作だからね。

 下手なことを言うと罵声が飛んできそうだし、多くの書籍などで、それこそ世界中の人が語り尽くしている映画でもあるし」

主「旧作の中でも特に語りたいのが、実は白黒映画であって……

 え? 古い映画? と疑問に思ったり、または難しく考えてしまう人もいうかもしれないけれど、そんなに構えなくても大丈夫。娯楽作としても一級品の内容だから。

 そしてこの当時の作品の多くの名画が演出が凝っていて、しかも今と違ってCGなどもないから、ごちゃごちゃしていない。

 分かりやすい巧さに満ちている。

 この手の映画を観ることは、脚本や演出の勉強をするには特に大切だ

 

カエル「古典から学ぶことの意味、だね」

主「まあ、そんなことを考えなくても、なぜこの単純な物語が面白いのか? それはとても工夫された演出や脚本にあることがシンプルにわかる作品でもあるだろう。

 というわけで、12人の怒れる男の解説記事を始めていきます。

 あと、もう50年以上前の映画なので平然とネタバレしています」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 圧倒的な脚本のうまさ
    • 本作最大の工夫〜登場人物について〜
  • 2 各場面を見ながら演出や脚本について考える
    • 序盤の構図
    • 法廷劇として重要なこと
  • 3 演出の妙
    • 最大の名シーン
    • ジャケットの意味
    • 本当のことは?
    • 最後に

 

 

 

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映画『ロング・ロングバケーション』『ジュピターズ・ムーン』ネタバレなし感想

カエルくん(以下カエル)

「今回は『ロング・ロングバケーション』『ジュピターズ・ムーン』の2作品を合同でレビューします」

 

亀爺(以下亀)

「久々の2作品レビューじゃの。

 最近は大規模公開映画が中心になってきてしまっておるから、このような作品を大事にしていきたいところじゃな」

 

カエル「旧作もやって、新作もやってだとどうしても割りを食いやすいからね。

 一応小規模映画も変わらず観ていきますが、レビュー数は減るかも……」

亀「この2作品も都心以外ではなかなか鑑賞しづらい映画ではあるが、どちらも一見の価値がある作品ではあるの。

 では、早速感想記事を始めるとするかの」

 

  •  ロング・ロングバケーション
    • 作品紹介・あらすじ
    • 感想
    • 映画とヘミングウェイ
  • ジュピターズ・ムーン
    • 作品紹介・あらすじ
    • 感想
    • あの映画に近い印象も
    • 最後に

 

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映画『羊の木』感想&解説 吉田大八が描き出すヒューマンドラマの美しさ! 後半ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「では、羊の木の感想記事となりますが……この作品っていがらしみきおなんだね」

 

ブログ主(以下主)

「意外だよねぇ。やっぱり代表作って『ぼのぼの』とか『忍ペンまん丸』になってくるだろうし」

 

カエル「ホラーは苦手だからあんまり手を出さないけれど、そういう作品も書いていたり多作な作家なんだね」

主「ぼのぼのは好きでずっと読んでいるだけれど……アニメも見ているくらい好きなんだけれど、あのシュールな世界観を醸し出せるのはいがらしみきおの作風が大きいのかもしれない。

 そう考えるとこの映画って確かにいがらしみきおの作品に出てきそうなキャストばかりだよね」

 

カエル「松田龍平とか市川実日子みたいなキャラクター、ぼのぼのにいた気がするもんね。

 そんないがらしみきおが原作の映画の感想記事のスタートです!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 吉田大八監督について
    • 演出の注目点
  • 2 仮出所で出てくることの意義
    • 刑務所を出た後の問題点
  • 以下ネタバレあり
  • 3 今作の魅力
    • 結界の演出
    • ノロロ様について
  • 4 結界の演出が意味するもの
    • 今作の示したテーマ
    • 少し苦言を
    • 最後に

 

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映画『スリービルボード』感想&考察 なぜ『3枚』の看板なのか? ここに隠された意味とは? 後半ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「アカデミー賞関連の作品が次々に公開される時期になりました!

 日本でも全作品公開してからだと、もっと盛り上がるんだろうけれど……」

 

ブログ主(以下主)

「まあ、日本で全作品公開される頃には発表もとっくに終わっているんだろうけれどね」

 

カエル「アメリカで1番いい映画を決める賞だから、注目度も高いしもっと興行的に盛り上がると面白いんだけれどね」

主「……う〜ん、アカデミー賞ってアメリカで1番いい映画を決める賞なのか?

カエル「え? そこから疑問なの?」

主「いや、単純な話でさ『良い映画』って色々な基準があるわけじゃない?

 それこそ面白い、泣ける、感動する、倫理的、メッセージ性や社会性が強いとか、いろいろある中で、アカデミー賞というのは『ハリウッド映画界が世界に向けて最も発信したいメッセージを含んだ作品』に贈られる賞なわけですよ。

 で、ハリウッド関係者の9割が民主党支持者層と言われている中で、うがった見方をするとどんな映画がアカデミー賞を受賞するのか、なんとなく想像ができてしまうというね」

 

カエル「……つまらない物の見方をしているわけだね」

主「それでいうと、まだ全然アカデミー賞ノミネート作品を見れていないけれど、本作は作品賞本命だと思う。

 そしてデルトロが監督賞をとって、多分バランスを取るんじゃないかな?」

カエル「……まだほとんど作品も見ていないのにそこまで言いきるとは……

 では、アカデミー賞の中でも最有力候補の呼び声高いスリービルボードの感想記事になります!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • マクドナー監督について
    • マクドナー監督が愛する日本人監督
  • 2 ミズリー州という場所について
    • 演出の注目点
  • 以下ネタバレあり
  • 3 宗教的な演出について
    • 署長の決断
    • 色の演出
  • 4 本作のテーマとは?
    • レッドの存在
    • あのラストシーンについて
    • 最後に〜ここまで褒めておきながら〜

 

 

 

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2018年1月公開新作映画ランキング! 今月はハイレベルな中、選んだ5作品はこちら!

カエルくん(以下カエル)

「2018年1発目の月間振り返り企画ですが……今月はいきなりちょっと異例のことになっています」

 

亀爺(以下亀)

「いつもは月間ランキングとしてベスト5として発表するわけじゃが……今月はいきなり5選となっておる」

 

カエル「2018年1発目からレベルの高い作品が並んでいるために、ランキングとして選ぶことができませんでした

亀「しかも、この1月でとんでもなく高い評価が飛び出したNetflix限定の『デビルマン crybaby』は当然のように除外しておっての、この作品群じゃらかの……例年では1月は新年ということもあって、そこまでビックネームは並ばないように思うが……今年はいきなりとんでもない月になったの」

 

カエル「ちなみに、今月は『長編アニメーションの新しい景色』というアニメーション映画のイベントに参加していたため、劇場公開作品は若干少なめの本数になっています」

亀「その中でも当たりの作品が多かった。

 そのイベント上映された作品は除外ではあるが、中には日本で公開される作品もあるであろうから、その時はレビューしていきたいの。

 では、記事の始まりじゃ」

 

  • 対象作品
  • 1作品め
  • 2作品め
  • 3作品め
  • 4作品め
  • 5作品め
    • 1月のまとめ
    • 最後に〜2月の映画について〜

 

 

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