物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『スターウォーズ 最後のジェダイ(EP8)』考察と批評 本作が示した『救世主伝説』とは? ※ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「では、スターウォーズEP8のネタバレ付きの考察記事になります。

 ちなみに、本記事は感想記事とはまた別の記事です。分けた理由は長くなるからです」

 

ブログ主(以下主)

「そういや、昔はこうやって2つに記事を分けていたんだよねぇ。最近はめっぽうやらなくなったけれど」

 

カエル「ブログ業界の裏事情を少しだけ話すと、やはりGoogleさんに高く評価されるコツとしては、長文で読み応えのある記事を書くこと、というのが1つの鉄則になっているからね。

 だから近年の映画ブログ業界もかなりの長文化が進んでいるのが現状です」

主「でもさ、ぶっちゃけ、長文記事は読みづらいだろうなって思っていたのよ。

 今思えば『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』とか『ブレードランナー2049』は分けた方が良かったね。長文化が過ぎるとも思う」

 

カエル「というわけで、スターウォーズも2記事になります。

 ちなみに、今回の語り口はちょっと特殊で、他のEPも含めてキリスト教とスターウォーズという観点から語っていきます。

 なお、過去のEPは基本的にすべて、EP8に関してもネタバレ記事になるので、そこはご承知おきください。

 また、そんな考察はいいから単純にスターウォーズとしての感想記事を読みたい! という人は以下の記事を読んでください

 

blog.monogatarukame.net

 

主「多分、この視点から語っている人はEP8に関しては、日本でも初になるんじゃないかな?」

カエル「多くの人に納得してもらえるといいね。

 では考察、批評記事のスタートです!」

 

  • 1 映画とキリスト教の関係
    • 割れる評価
  • 2 スターウォーズはなぜ流行ったのか?
    • 宗教的観点からのスターウォーズ
    • スターウォーズとキリスト教
  • 3 EP8と聖書
    • 本作の最後の戦いの意味について
    •  赤い大地とユダ
  • 4 EP4の名シーンと本作の類似性
    • 作品としての評価
    • アメリカ社会が生んだスターウォーズ
    • 最後に

 

 

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映画『スターウォーズ 最後のジェダイ(EP8)』感想 評価がバラけるのも納得!?  ※後半ネタバレあり

カエルくん(以下カエル)

「さあ、始まりました! すでに毎年の風物詩として定着した感もある、スターウォーズ祭りの始まりだよ!」

 

ブログ主(以下主)

「……ディズニーのスターウォーズかぁ」

 

カエル「最初にスターウォーズシリーズは劇場版は全て鑑賞済み、そして小説版もさわりだけは知っていて、昔あった毎週発売されていた週間スターウォーズも30号くらいまでは買っていたくらいにはファンであるということを伝えておきます

主「……それだけ聞くと、すっごい微妙なファンだよね。コアな人はアニメ版も全て見ているもんだし……」

カエル「これだけファンがいて、しかも伝説的な……それこそ映画業界で1番人気のシリーズと言っても過言ではないだけに、何を作っても文句は出ると思うよ。

 それだけに監督する側はドキドキだよね……まだジョージ・ルーカスが制作陣にいるから躱せる非難も多くあるだろうけれど」

 

主「その点は差し引いて考えてみるとしても……EP9までのシリーズかと思ったら、結局EP12まで発表されてさ。

 元々は、それこそ新3部作と呼ばれるアナキンのシリーズが制作中の2000年前後では作ってもEP8まで聞いていたけれど、やはりディズニー資本が入るとねぇ。これだけのドル箱コンテンツ、そうそう簡単に手放したりしませんか」

カエル「……ちょっとキナ臭い話になってきたので、感想記事を始めます!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • スターウォーズEP7について
    • ディズニーが手掛ける実写作品について
  • 以下ネタバレあり
  • 2 本作の突っ込みどころ
    • キャラクターについて
    • 褒めるポイント
  • 3 EP5を引き合いに出すと……
    • カイロ・レンについて
    • 過去と未来と……
    • 最後に

 

 

 

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『劇場版魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』感想と解説 まどマギが語り尽くした愛の深さ

カエルくん(以下カエル)

「では、ここ数年でも大きな注目を集めたアニメ映画作品について語っていきましょう!」

 

ブログ主(以下主)

「もうすでに語り尽くされた感もあるけれどね……」

 

カエル「2013年に公開だったから、もう4年になるんだね。

 公開当初の盛り上がりは本当にすごくて、ネットやオタク界ではこの映画が話題の中心にあって、誰もが語っていた記憶があるなぁ。

 当時の興奮そのままに伝えられたら、相当熱い記事になるんだろうけれど……」

主「まどマギに関してはやっぱりみんな思うところがあるのか、その感想がかなり深みを増している。

 当時考えたことを今再び思い返そうと思っても、それは中々難しくて……その意味では新鮮味があまり無いような記事になるかもしれませんが、ご容赦ください」

 

カエル「ちなみに主はテレビアニメ版のまどかマギカはそこまで高く評価していませんでした

主「いやいや、だから語弊があるって。確かに面白いし、多くの人を魅了したのはわかるけれど、あの当時は確か木曜日の深夜に放送されていたんだよね。

 で、自分はその裏で放送されていた、ノイタミナの『放浪息子』にどハマりしていたの。その余韻が抜けきらないでまどマギを見たから、ちょっと評価がしづらかった。

『なんでみんな放浪息子を見ないんだ!』って気分だったし」

カエル「そんな人間が一気に評価を覆したのも、やはり劇場版があったからで……

 では、ここから先の感想などを語っていきましょう!」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 蒼樹うめのキャラクターデザイン
    • スタッフの味
  • 2 本作の補助線となる作品
    • まどマギの構図
    • 魔法によって引き起こされる奇跡
  • 3 そして劇場版へ
    • そして物語は未知の領域へ……
    • 最後に

 

 

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『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズのシナリオがどのように作られているか、考えてみる

 まどかマギカのテレビ版、映画版についてシナリオ解析の内容を書いていきます。 

 元々は2016年の1月に書いた記事なのですが、リテイクを兼ねて再構成しています。


 まどかマギカという作品を考える際に、その魅力は多岐に及んでいるために複合されすぎていて考察が難しいものになりがちなように思います。作画、演出、キャラクター、演技、音楽……その他様々な要素がたまらなく魅力的でありますが、今回はそのシナリオのみに注目していきます。 

 なお、だいぶ前の旧作ということで、がんがんネタバレをしているので、ご了承ください 。

 

 

  • 『魔法少女アニメ』におけるまどかマギカの立ち位置 
    • 魔法少女の歴史
    • 戦う魔法少女の変化
  • 『魔法少女まどかマギカ』のシナリオの特異性
    • まどかマギカの脚本構成
  • まどかマギカが言いたかったことは? 
    • そして劇場版へ……

 

 

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『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』(ガルパン)感想 みんなでここからパンツァーフォー!

カエルくん(以下カエル)

「いよいよガルパンの新作が公開したよ!

 今回もすごい賑わいで、劇場ではチケットがバカ売れしているらしいね!」

 

亀爺(以下亀)

「特に聖地である立川シネマシティでは初日のチケットが全て完売するという快挙も成し遂げたらしいの」

 

カエル「公開初日とはいえ、予約の段階で完売って聞いたことがないなぁ。

 ないことはないんだろうけれど、どれほどの人気を誇る作品なのか、よく分かる話だよね!」

亀「今回は50分と非常に短い尺ということもあって、回転も非常に早いしの。鑑賞料金は1200円均一と安めに設定されておるが、映画館側としたら稼ぎどきのドル箱コンテンツではないかの?」

カエル「それから、これは運もあるけれど今月ってアニメオタクが好むような大きなアニメ映画もないし、ボーナスシーズンでお金もいっぱいあるだろうし……

 その意味では男性オタク狙い撃ちのキラーコンテンツがこの週で登場したのは、とても大きな事なのかもしれないね

 

亀「……という事は2章の公開は来年の6月くらいかもしれんの」

カエル「いや、ボーナスシーズンってだけでは決めないでしょ。

 でも、ちょうど2章を公開するには半年くらいの間だとファンも待ちぼうけをくらう事なく、制作側も力をいれられる期間なのかもしれないね。

 そう考えると……もしかしたら3年間続く祭りになるのか……」

亀「『Fate』といい、しばらくこの熱狂は続きそうじゃな。

 では、感想記事の始まりじゃ」

カエル「今回は1章ということもあって、簡素な記事になります」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 感想
    • 劇場で公開する意味
    • 本作のキャラクター構成について
    • 本作が描こうとしているものは?
    • 最後に

 

 

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映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』感想 結局、この作品がやりたかったことって…… ネタバレあり

 

映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」オリジナル・サウンドトラック

 

 昨夜は吐いた息も白く凍えるようなほど寒い日だった。

 雨も降りしきり風も吹き荒れていて、いよいよ本格的に冬将軍の訪れを予感させていたのだが、一晩明けると空にはぽっかりとした太陽が再び顔を出し、アスファルトには水たまりどころが濡れた様子すら全くないほどのいい陽気だった。

 スニーカーの底に小さな穴が空いているほどボロボロだったことを忘れて、いつものように雨が染み込んできて、靴下が濡れて目も当てられないことになるところだったが、それは回避することができたようだ。

 

 昼下がりの公園は若干冷えるものの、陽気のおかげでだいぶ暖かく、まだ外でぼーっとしているのも短時間であればちょうどいいかなぁ、と思うような気候だった。僕は手に買ったばかりの肉まんと飲み物を持ちながら、ベンチで一人でじっとスマホを見つめる彼女の元へと駆け寄る。

「お待たせしました」

 そう声をかけると、スマホから顔を上げてこちらに小さく頭を下ろす。

 ボロボロな僕の靴と違って黒のキッズローファーがキラリと光っていた。小学生女子の服装なんて何も知らないけれど、あのお義姉さんのことだから、身なりなどに関しては相当気にしているはずで、彼女の着ているトップスの金額だけで僕の財布は空になってしまうかもしれない。

「ありがとうございます」

 

 彼女が小さな手をそっと差し出すので、僕はあったか〜いお汁粉と半分に割った肉まんを渡した。

「……半分、ですか?」

「全部渡してご飯が食べられなくなったら、こちらが怒られますから」

「いえ、私は大丈夫ですが……おじさんのお腹が満たされないかと」

 

 その小さな手はポケットの中からヒモでしっかりと落とさないようにパンツに結び付けられた財布を取り出すので、僕は慌てて財布を引っ込めさせる。

「さすがに小学生から受け取れませんよ。大丈夫です、お父さんからお金は預かっていますから」

「……でも、おじさんに悪いので」

「いや、本当に。むしろ私のことを思うなら、その財布をしまってください。

 それから……おじさんはやめてください」

 

 そう告げると彼女は不思議そうに小さな首をかしげた。

「何故です? お父さんの兄弟はおじさんでしょ?」

 その呼び方をされるのがデリケートな年齢であるのと、ちょっと法律と倫理的に怪しい気がしてくるのだが、そんなことをこの子に伝える必要もないので口をつぐむことにした。

 彼女がスマホで調べていたのは、どうやら今日見た映画の記事のようだった。

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 感想
    • 山崎貴監督について
    • 原作付きの多い山崎貴
    • 山崎貴がやりたいこと
  • 以下ネタバレあり
  • 2 本作がやりたかったこと
    • 後半のシーンについて
    • その視点で見ると……
    • 最後に

 

 

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映画『オリエント急行殺人事件(2017)』感想 超有名トリックを鮮やかに蘇らせた1作!

カエル助手(以下カエル)

た、大変だよ!

 電車の中で殺人事件が起きたって!」

 

亀探偵(以下亀)

「ほう……それは大変じゃな」

 

カエル「……え? いや、もっと驚き方があるんじゃない? さすがに行く先々で殺人事件が発生して、もうそんなの慣れっこだよ、って感覚マヒしてそうな探偵でも、そこまで簡素ではないんじゃないの?」

亀「まあ、密室モノや列車ものというのは王道であるからの。

 本作だって発売されたのは1934年と80年以上前の話じゃからの。もうエンタメ作品の中では古典の部類に入る作品じゃな」

カエル「いや、だからってそんなに軽い反応ってことある?

 あ、あとこの手のミステリ作品では当然だけれど、絶対に犯人やトリックについてのネタバレは無しだからね!?

 

亀「……別に構わんのではないか?

 むしろ、この映画を観に行く人の8割くらいはトリックを知っているものじゃと思うが……

カエル「ダメ! 確かにミステリーの名作であって、もうどこもかしこもネタバレしているけれど、知らないで観に行く人もいるんだから!

 そういう人の楽しみを奪うようなことは絶対ダメ!」

亀「はいはい、わかっておるよ……

 では、本作の感想記事の始まりじゃ」

カエル「……あれ? 殺人事件の話はどこにいったの?」

 

  • 作品紹介・あらすじ
  • 1 感想
    • 本作のこだわり
    • 難点として……
  • 以下ネタバレあり
  • 2 原作との改変点
    • 挑戦的な演出
  • 3 本作が示したテーマとは?
    • 本作で大事な存在
    • 最後に

 

 

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