物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(ノゲノラ)』感想 さあ、ゲームをはじめよう

カエルくん(以下カエル)

「……あー、またラノベ原作のアニメ映画の感想記事かぁ

 色々言われやすいんだよなぁ。

 少し苦言を呈するとファンから怒られるし、褒めると『あんな作品を?』と言い出す人もいるし……普通の映画とはまた違う緊張感があるんだよなぁ」

 

ブログ主(以下主)

言いたい人には言わせとけばいい。

 そういう人は『ソードアート・オンライン』の豪華さ、今年のアニメ映画だけでなくて、洋画を含めてもトップクラスの音楽と絵の融合などを見逃していくんだよ。

『君の名は。』に負けないほどの派手で意欲的な大傑作だったよ。

 他にも『同級生』の持つ繊細さや『黒執事』のエンタメ性なども知らずに損するだけだけだから」

 

カエル「いや、でも原作かアニメ版を全部見てから行けという至極まっとうな意見もあるわけだけど……」

主「自分はそうは思わないんだよね。

 例えば、これが上下編とか第1章などだったら確かにその通り。2本で1作だから、下から見始めたら意味ないじゃんって。

 だけど、基本的に映画はその1作で完結していることが重要なわけで、予習必須というのはお客さんを限定してしまうからね。

 しかも、劇場版ってその作品への入門編としてはうってつけじゃない。自分は先の『ソードアート・オンライン』も原作、アニメ両方とも見ていなかったし、他にも『響け! ユーフォニアム』『Free!』や、あとは古いところだと『ラーゼフォン』なども劇場版から入ったけれど、面白かったよ。

 そこから入門して過去作を見たりしたし」

 

カエル「入り口としての1作ねぇ」

主「総集編とかはまさしくうってつけだよね。これ1作で大体分かるよっていうのはありがたい。全部で13話、26話もある物語をこれから見ようというのは難しいところがあるしさ。

 ファン以外が楽しめないならDVD購入特典でいいじゃない。OVAとかさ。それを劇場で公開するんだから、特別な意義があると考えるのは、少数派なのかねぇ」

カエル「これ以上語ると色々問題がありそうなので、さっさと感想記事へと入りましょう」

 

  • 1 感想
    • ファン向けなストーリー
    • 本作の魅力
  • 以下ネタバレあり
  • 2 前半について
    • 圧倒的な後半のカタルシス
  • 3 本作の魅力
    • 平和のための戦い
    • テーマ曲について
  • 4 三回観て気がついた丁寧な作り
    • 光の使い方
    • チェスの映画〜勝利条件の発見〜
    • 最後に

 

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映画『カーズ クロスロード(カーズ3)』感想 最ッッ高の物語になれるはずだったのに……

カエルくん(以下カエル)

「さて、ではここでピクサーが手がけるカーズの新作映画だけど……」

 

ブログ主(以下主)

「来たねー、ピクサーの新作! やっぱりこれがあるのとないのとでは全然違うから! ディズニーとピクサーで年2作は観ることができるって、中々贅沢な状況だよ?」

 

カエル「いつもはディズニーとピクサーは技術的には完璧に近い素晴らしい作品だと語るけれど、実は好きか嫌いかで言われると、そんなに好きではない作品が多いんだよね」

主「でもカーズは別!

 すっっっっっごく好きな作品で、どうしてもポリコレに配慮してしまいがちで教育的な面が強く出て来やすいディズニー、ピクサー作品だけど、本作も教育的な面や物語を作る技術が非常に高いというのもあるんだけど、カーズという作品自体がちょっと対象年齢が高めなんだ。

 だってさ、ED曲が奥田民生だぜ!? しかもベストマッチなんだから!

 2がPerfumeだったことを考えると一気に対象年齢を上げてきたな」

カエル「そこも詳しい話は記事中で語るけれど、実はおじさん向けの映画でもあるんだよね。もちろん、メインのターゲットは子供やファミリー層であるのは当然だけど」

 

主「そのカーズの最新作にして……おそらく今作で最後になるんじゃないかな?」

カエル「実際、本作の内容どうのこうのではなくて、3まで作るとその先が惰性になってくるところもあるしね。お約束化しちゃうというか……」

主「ピクサーでは『トイ・ストーリー』が4の制作が発表されているけれど、この先どうするんだろうね?

 あのテーマをやってしまった以上、次の作品は難しいような気もするけれどなぁ」

カエル「ピクサーならうまくやってくれるんじゃない?

 じゃあ感想記事を始めるよ」

 

 

  • 1 ネタバレなしの感想
    • カーズ1、2の解説
  • 以下ネタバレあり
  • 2 カーズ1からカーズ3へ
    • スポンサーの商品
  • 3 特訓シーンについて
    • 中盤について
  • 4 不満点その1
    • もっとも重要な不満点
  • 5 スタッフについて
    • 最後に

 

 

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『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』感想 原点回帰な1作でオールドファンを狙い撃ち!(2017年度ポケモン映画)

亀爺(以下亀)

「今年もポケモンの季節がやってきたの」

 

ブログ主(以下主)

「毎年恒例の世界的キャラクター作品だから、注目度も高いね」

 

亀「子供たちもたくさんいたし、みんなDSを手にしているの。配信されているポケモンのマーシャード狙いの子も多いのじゃろう。

 昔からミュウだったり、セレヴィなどを配布しておったが、これもまた動員につい良い理由なのかもしれんな」

主「そう考えるとポケモンって元祖デジタルおまけ配布作品作品だよね。最近はスマホ系作品がオーブ的なものだったり、キャラクターや強力なアイテムを配布していたけれど、その元祖がポケモンだと思うと中々セット販売だ! って批判もしにくいというか……」

亀「悪いことではないしの。今作は大人の姿も多く見られたが、カップルなどもおって子供向けキャラクター映画であるのは間違いないないが、コナンなどのように大人にもファンが多い1作になっておるのじゃろうな

 

主「20年だもんね。

 当時……10歳までがポケモンをやっていたと考えても、今は30歳。お父さん、お母さんとなって小さな子供とポケモンを楽しんでいてもおかしくはない。

 そう考えてみるとポケモンもドラえもんやコナン、クレヨンしんちゃんなどのように、親子で楽しむことができるキャラクターコンテンツとして根強い人気があるんだな

亀「ふむ……ここ数年で将来的にそうなりそうなコンテンツというと……妖怪をウォッチくらいかの? そう考えてみるとあの当時はポケモン、デジモンなどのお化けキャラクターコンテンツがたくさん出ていたんじゃな」

主「おもちゃアニメが全盛の時代でもあったんだろうな。

 それでは今年は最新作の『キミにきめた!』の感想を書いていこうか」

 

亀「その前に1つだけ宣伝じゃが……昨年の『機巧のマギアナ』の記事もよろしくの。

 おそらく、マギアナに隠された2016年らしい裏のテーマに気がついておるのは、このブログだけじゃろう。

 話半分でもなかなか面白い発見があるはずの記事なので是非目を通して欲しいの」

主「マギアナも面白い映画だったし、テレビ放送はされたけれど DVDなどで見て欲しい1作だよ」

 

blog.monogatarukame.net

 

 

  • 1 原点回帰の物語
    • オールドファン歓喜の作品
  • 2 キャストについて
  • 以下作中に言及あり
  • 3 名作エピソードが登場
    • 挑戦的な姿勢
    • ポケモンで描いてきたもの
    • 最後に

 

 

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映画『銀魂(2017年 実写版)』感想 銀魂の実写化としては100点、映画としては……賛否両論かなぁ

カエルくん(以下カエル)

「さて、実写版の銀魂の公開だよ!」

 

ブログ主(以下主)

「めちゃくちゃ楽しみにしていた作品がいよいよ公開だ!

 この週は夏休みに入る直前ということもあって注目作が目白押しで『カーズ』『ポケモン』『パワーレンジャー』などもあるわけだ。

 そんな注目度の高い作品が多く並ぶ中で、ジャンプでも歴史に残る人気作の実写化はどこまで興行成績を残せるのか!?」

 

カエル「歴史に残るって……でも、まあ確かに売上は他作品と比べても卓越したものがあるのは当然だけど……」

主「ジャンプ作品の実写化ということもあって賛否はあるだろうけれど、自分はすっごく楽しみにしていたんだよ!

 Twitterでも公開前にこんなツイートをしていて……」

 

 

主「さすがに年間ランキングベスト10は言い過ぎかな? って思いつつも、それだけのポテンシャルを秘めているのではないか? と期待していた作品でもあるわけだ!」

カエル「……具体的になんでそこまで期待したのかは本筋で語るとして、ここまでハードルが上がったのは理由があるの?」

 

主「今週のジャンプを読んでよ!

 あの状況で〇〇が出てきてさ! 〇〇があんなことになって、だけど〇〇達がみんなでわーっとなって、そして〇〇が〇〇になって、最後は〇〇がドーンだよ! 

 このタイミングで空知は攻めてきたなって褒めるしかないじゃない! 誰よりも、何よりも援護射撃をしているのが空知だよ!」

カエル「えー、さすがに原作のネタバレ部分のため誤魔化しておりますのでニュアンスだけお楽しみください。

 それでは本記事のスタートです」

 

  • 1 期待した理由
  • 2 感想
    • 紅桜編の実写化
    • キャストについて
  • 3 シリアスとコメディ
    • 最後に

 

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書評『蜜蜂と遠雷』感想 本屋大賞と直木賞のW受賞も納得! 恩田陸の集大成にもなる作品では?

亀爺(以下亀)

「それでは、久々に書評と行くかの」

 

ブログ主(以下主)

「ここ最近は全く書いていなかったかなぁ。映画ばかりで小説を読む頻度も減っていく一方だし」

 

亀「発売からだと半年以上、直木賞も本屋大賞も当の昔じゃからの。旬もとうに逃しておる。全く、勿体無い話じゃの。

 しかも購入したのも1月の寒い時期じゃったと記憶しておるから……すでに半年は読み終えるのにかかった計算じゃの」

主「ほら、映画を見るのに忙しかったから!

 ブログを書いたりさ、色々とやることが多かったんだよ!

亀「そうやって時期を逃していき、いい作品を語る時期を逃してしまうわけじゃな。

 しかも直木賞と本屋大賞のW受賞というこれ以上ないくらいの話題作であるはずなのに……」

主「これを機に映画レビューサイトから書評サイトへと変化するか!」

亀「その読む時間がないから2時間で確実に終えることができる映画を論評している記事が多いのではなかったかの?」

 

主「本作は読み終えるのにかなりの月日が必要としたしなぁ。

 元々ノベルス形式は好きなんだけれど、ちょっと読むのに時間がかかるからね……」

亀「元々長い作品じゃしの。

 2段組のノベルス形式でもあり、それが500P以上となったら読み終えるのに時間はかかるのもわかるんじゃがな。それにしても半年はかかりすぎじゃな」

主「いい作品だから一気にまとまった時間をとって読みたかったんだよ! だけど、それだけの長さを読み切る時間がなかなか取れなくてさ……そんなこんなを繰り返しているうちに、かなり時間が経ってしまった。やっぱりあれだね、読める時に読んでいかないと読まなくなるね」

亀「では半年かけた作品の感想をこれから書いていくかの」

 

  • 1 感想
    • 音楽を言葉にするということ
  • 2 構成について
    • キャラクターの描き方
    • 精神的なつながり
  • 3 表現のお話
    • 最後に

 

 

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映画『ライフ(2017、SFホラー作品)』感想 あいつの造形が……すっごくいい!

カエルくん(以下カエル)

「この作品はさ、結構予告編などでも伏せられたところが多いみたいで、秘密が多いから、ネタバレなしにパートはどこまで語っていいのか迷うところだねぇ」

 

ブログ主(以下主)

まあ、なんかあるんだよ。なんかあって、宇宙にいる6人の男女が大変な目にあうんだよ」

 

カエル「……うん、まあ、何も間違ってないけれど、その説明って『エイリアン』『ゼロ・グラヴィティ』『スターウォーズ』も同じような映画ってことになってしまうよね?

 基本的に物語って『何かトラブルがあって、それを解決するために(目標に向かって)頑張る』ってものだし……」

主「その意味では本作は『エイリアン』だけでなく『スターウォーズ』や……もしかしたら『ガメラ』などの系譜にある作品かもしれない。いや、1番近い作品は『もやしもん』なのか? いやいや『プラネテス』も相当近いぞ?」

カエル「……うん、頑張って煙に巻こうとしているのは伝わってくるよ」

主「若干マジで言っているところもあるんだけどなぁ。

 それにしてもさ、ライフというタイトル自体は悪くないけれど、同じ名前の作品があまりにも多すぎるから困るよね」

 

カエル「近いところでは『光』もそうだよね。今年だけで何作『光』が出てくるんだ? って思ったし」

主「検索するときも大変だし、本作が歴史に残る大傑作だとしても『どのライフの話をしているの?』ってことになりかねない。

 原作のままのタイトルなんだろうけれど、これだけは考えたほうがいいかもしれない

 ……別に誰が悪いって話でもないんだけれどさ」

カエル「じゃあ、感想記事を始めるよ」

 

  • 1 ネタバレなしの感想
    • キャストとあいつについて
  • 以下ネタバレあり
  • 2 序盤について
    • 少し疑問に思ったところ
  • 3 あいつについて
    • フォルムについて
    • 最後に

 

 

 

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映画『ジョン・ウィック チャプター2』感想 圧倒的なアクションの魅力は増しているけれど、前作に比べると……?

カエルくん(以下カエル)

「ジョン・ウィックかぁ……どうせ前作見ないで観に行くんだろうなぁ」

 

亀爺(以下亀)

「いや、一応見てから行っているからの。1作しかないからの、それなら見ることもできるし、結構評価の高い作品みたいじゃな」

 

カエル「面白い作品だよね。

 前作の感想はまた後で語るとして……

 この手の作品って1番語ることが少ないんだよねぇ。結局主演がかっこいい、アクションがすごい! で終始しちゃうからさ。あらすじ丸々語って単なるネタバレにしても面白くないし……

亀「その意味ではすごく映画的だということもできるかの。映画館やDVDで映像としてみることにのみ意義があって、文章で面白さを伝えることは相当難しいものじゃの」

 

カエル「一言で表したら『映画館で楽しく鑑賞してね!』ぐらいしか魅力を語れない作品ってこと?」

亀「『アクションすごいよ!』
『キアヌ・リーブスすごいよ!』

『アクションすごいよ!』

 簡単に言ってしまえばそれでおしまいじゃな。脚本的などうのこうのとか、メッセージ性とかが特別あるわけではないから……まあ、そんなものを求める作品ではないけれどの」

カエル「そういう映画の語り口もそろそろ見つけないとね」

亀「ちなみに本作は冒頭で前作の大まかなあらすじを語ってくれるから、初見の人でも大丈夫な仕様になっておる。安心して劇場へ向かって欲しいの。

 というわけで、感想記事を開始するぞ」

 

  • ネタバレなしの感想
    • アクションの一方で脚本は……
    • キャラクター映画の見本か?
  • 以下ネタバレあり
  • 目立ったところ
    • 最後に

 

 

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