物語る亀

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物語愛好者の雑文

映画『無垢の祈り』ネタバレ感想 たった一人の幼い少女は救いを求めて祈りを捧げた

亀爺(以下亀)

「この作品は一部の映画通の中で話題になっていた作品じゃな」

 

ブログ主(以下主)

「この手の映画はソフト化もされない例があるから、名画座とかでの上映の際に見に行かないと一生見れないかもしれないんだよね」

 

亀「この作品はR18であり、しかも映倫などを通さない自主制作映画じゃからの。原作者の平山夢明と、様々な映画、ドラマなどを撮ってきた亀井亨の実績や名前があっても映像化が断れてしまった作品じゃの」

主「亀井亨ってホラーを中心に色々と撮ってきた人で、自分はホラーが苦手だからあまり見ていないけれど、結構な多作の監督でさ。業界人とのつながりも相当ありそうな監督だけど……そんな人でも難航するような交渉で……

 結局資金繰りから何からと全部自分でやったという作品。

 新人監督みたいなことをしないと撮れない作品でもあって……その理由は観て貰えば一発でわかる」

 

亀「じゃが、あまり劇場で公開されないから観に行く機会もそうそうないの」

主「もしかしたらこの映画を語ったブログってそんなにないかもしれない……といういうとさすがにそんなことはないか。結構映画好きの中では評判の作品だったし。

 ちなみにこの日は『イノセント15』という作品も鑑賞したんだけど、これが意外とリンクすることも多くて……なので後半は『イノセント15と無垢の祈り』についても記事にしたいと思います」

亀「本来は2作同時レビューにしたいのじゃが、それだと文字数があまりにも多くなりすぎてしまうからの。

 それでは感想記事の始まりじゃ」

 

  • 作品紹介
  • 1 感想
    • 暴力映画の『哀』
  • 以下作中に言及あり
  • 2 スタートのうまさ
    • 福田美姫の演技
  • 3 子供の世界
    • フミの冒険
  • 4 イノセント15と無垢の祈り
    • 最後に

 

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映画『イノセント15』感想 思春期の様々な思いを鮮やかに描ききった1作

カエルくん(以下カエル)

「いきなり衝撃のスタートだけど、今回は初の試みで、2作同時レビューをしてみようと思ったんだけど……やはり語ることが多くて断念してしました!」

 

ブログ主(以下主

「不思議なことに、本当に偶然、同じ映画館でやっていたから……というだけなんだけれど、物語が繋がることってたまにあるんだよね」

 

カエル「名画座とかならリンクするように映画2作を組み合わせるだろうけれど、この作品はそういう意図はないだろうしね。もしかしたらあの日のアップリンクでも『イノセント15』『無垢の祈り』を連続で見た人って他にいないかもしれないし」

主「いてもおかしくはないけれど……

 この2作は描きたいことは似ているけれど、そのアプローチが全然ちがうからこそ面白い部分もあって……内容的に面白いと言っていいのかわからないけれどね」

 

カエル「ブロガー視点で語ると小規模公開映画ってあまり語る価値はないかもしれないけれど……」

主「アクセス数を稼ぐなら大作映画中心になるけれど、小規模公開映画って違う面白さもあって……特に邦画の場合、監督やキャストが直接反応をもらえたりする。

  これは怖いことでもあるんだけど、それでも語りたいことが直接伝わるというのも面白いよ。あとは、単純に語りたいことが多い2作でもあるし!」

カエル「普段大作映画で稼いだアクセス数などを、こういうあまりメディアで話題になりにくい小規模公開映画に還元できたら嬉しいなぁ」

主「地方の方などは見に行けないかもしれないけれど、もしかしたら後々ソフト化するかもしれないし、何かの拍子で思い出してもらえたらなぁ、という意味もある。

 それじゃ、『イノセント15』の感想を始めるよ」

 

 

  • イノセント15の作品紹介
  • 1 ざっくりとした感想
    • 15歳という年齢
  • 以下作中言及あり
  • 2 想像させる余地
    • 似ている2人
    • 結局あの2人は?
  • 3 イノセント15と無垢の祈り
    • 最後に

 

 

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映画『劇場版 Free!-Timeless Medley-絆』感想 初見でも楽しめた1作!

カエルくん(以下カエル)

「じゃあ、ここで人気アニメの劇場版『Free!』の記事をかくよ!」

 

ブログ主(以下主)

この映画ってアニメ2期の総集編だったのね……2作公開されるという話だったから、当たり前のように1期と2期の総集編だと思ったのに……」

 

カエル「結構複雑……というのかわからないけれど、色々な展開をしているからね。

 『Free』がテレビで1期が放送。そのあとに劇場版で原作を映像化した『ハイ☆スピード』が公開されて、そのあとに『Free!-Eternal Summer-』というテレビ版の2期が放送されて、今回の劇場版2部作はテレビ放送版の総集編であって……」

主「……前回の劇場版と今回の劇場版はまた違うの? 前回のは1期の総集編とかじゃないの?」

カエル「違うみたいだね。全ての物語の大元になるのが『ハイ☆スピード』で、これはいわばEP0の扱いで、今回のはテレビアニメ版2期に総集編だから……

主「アーー!! ややこしいわ!

 

カエル「……これでもスターウォーズとかアイドルマスターに比べれば相当わかりやすいんじゃない?

 アイマスなんて765メンバーのオリジナルがあって、765メンバーと新キャラがいる『アイドルマスターミリオンライブ』があって、こちらが今度アニメ化が発表されている。

 その前に765メンバーのアイマスもアニメ化されているけれど、さらにその次にアニメ化されたのは『アイドルマスターシンデレラガールズ』の方で、こちらは765メンバーは登場しないでしょ。で、『ぷちます』は765メンバーを2頭身ミニキャラの織りなすコメディ漫画のアニメ化で、今放送中の『シンデレラ劇場』はシンデレラガールズのミニキャラ化。さらに女性向けに男性キャラばかりの……」

 

主「アーーーー!! 意味わからんわ!

カエル「ファン向けコンテンツというのはややこしさを増していく一方なので、初心者は迂闊に近寄れなくなっていくものだからなぁ……

 まあ、何が言いたいかというと、特に予習も何もせずにこの作品から『Free』の世界に入った人間なので、あまり目くじらを立てないでください、ということで……

主「一切事前情報が皆無の人間の感想ですがあしからず。

 ではスタート!」

 

  • 1 総集編映画として
    • キャラクターについて
  • 2 光る演出
  • 3 響け! と比較した場合
    • 最後に

 

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リトルウィッチアカデミア 16話感想と考察(14、15話も込み) 物語は新たな展開へ!

カエルくん(以下カエル)

「ではアニメ映画の感想記事といきますか!

 リトルウィッチアカデミアも2クールに入ってからは初の感想記事になるね!」

 

ブログ主(以下主)

「そろそろ4月からはじまったアニメも色々と感想を書いていきたいなぁ……」

 

カエル「主はやっぱり今期もそこまで感想を書けないの?」

主「……やっぱりと言われると心外だけど、まあ、うん……

 オリジナル作品を幾つか感想書けたらいいなぁ、とは思うけれど、GW中に色々見て決めようかな? あんまり増えすぎると追うだけでも大変だしね」

カエル「もちろん、リトルウィッチアカデミアも継続で感想を書いていきますよ!

 そんなわけで……今回は手短に! 感想記事を始めるよ」

 

  • 1 2クール目に入って
    • 敵のいない物語
    • OPからわかること
  • 2 魔法の素晴らしさ
    • アーシュラの魔法
  • 3 16話について
    • 4話と対になる物語
    • 最後に

 

 

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映画『3月のライオン 後編』感想と考察、批評(前編から通して感想) 今年度トップクラスの邦画が登場!

カエルくん(以下カエル)

「それでは3月のライオンの後編の話だけど……なんだか興行は苦戦しているという話だよね?」

 

ブログ主(以下主)

「あんまり興行に興味ないからわからんけれど、ランキングにはあまり絡んでこないね」

 

カエル「う〜ん……やっぱり前後編の長尺とかが関係しているのかな?

主「たぶんね。最近だと前後編の『サクラダリセット』は似たような層を対象とした映画(PとJK、ひるなかの流星)が並んだということもあるけれど、やっぱり興行的には苦しかったらしくて、後編の公開前に上映を終了した映画館もあったとか。

 本作もコアな映画好きや3月のライオンファンは見に行くかもしれないけれど、フラリと映画館に入って、どれを選ぶかと決める際には前後編だと選びづらいというのもあるのかもしれないね

 

カエル「気持ちはわからないでもないかも……進撃の巨人とかは評判はイマイチだけど、興行的にはある程度当たったみたいだけど」

主「原作人気が全然違うし、あの当時の巨人フィーバーってかなりのものがあったから。学生が友達を誘って行きやすいし……ライオンはみんなでみよう! という映画ではないじゃない? 

 この辺りは山師と一緒だよね。当たるか当たらないか、原作の人気と支持層を見極めて予算とかを決めていく感じとかさ」

カエル「あとは大友監督作品だと『るろうに剣心』は大当たりしたけれど、あれは1本完結を作った上で、さらに『前編、後編』とつけずに『京都大火編』とかつけたのもヒットに関係あるかもね」

主「あまり前後編という意識を持たずに行ったかもしれないなぁ……

 さて、では3月のライオンの後編のお話に入りますか」

 

 

  • 1 後編の感想
    • 150分のクライマックス
    • 大友監督の『3月のライオン』
  • 以下ネタバレあり
  • 2 原作の違和感について
    • ひなたの問題について
  • 3 複雑なストーリー展開
    • 追記 高木と香子
    • 『凡人』の辛さ
  • 4 それぞれの大人達
    • 宗谷という無の名人
    • 後藤について
  • 5 川本家について
    • 全てが繋がる時
    • 演出のうまさ
    • 最後に

 

 

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映画『美女と野獣(2017年 吹替え版)』感想 吹き替え俳優陣の演技力が抜群の映画!

カエルくん(以下カエル)

「今月1番の注目作! ディズニーの最新作実写映画がここにきて登場だね!」

 

亀爺(以下亀)

「名作と名高い『美女と野獣』の実写化だからの、これは今月トップクラスの動員は約束されたようなものではないかの?」

 

カエル「亀爺は美女と野獣のアニメ版って見た事あるの?

 僕はやっぱり『アラジン』とか『ライオンキング』の方が好きかなぁ……こう、気持ちが高ぶるよね!」

亀「……どちらも水気のない砂漠地帯のお話で、カエルと亀は干上がってしまいそうじゃな。

 美女と野獣はわしも見た事あるぞ。20年以上前になるかもしれんが、孫と一緒に見ておったわい。やはりあの当時のディズニーは黄金期でもあっての、作られる作品のどれもが名作というほどのクオリティだったのを思い出すの」

カエル「……え? 亀爺って20年前に孫がいたの? 今何歳?」

亀「鶴は千年、亀万年というからの……自分の歳なんてとうの昔に忘れてしまったわい」

 

カエル「それってボケ……」

亀「それでは実写版の感想記事を始めるぞ。

 ちなみに今回は日本語吹き替え版で鑑賞してきたのじゃが、こちらも素晴らしい出来じゃ。どちらで鑑賞するか迷っている時は、吹き替え版だと魅力半減ということはないということは頭に入れて欲しいの。

 わしはこの吹き替え版のクオリティは字幕を超えておるのでは? と思ったほどじゃ

カエル「それも後々に触れようかな」

 

  • 1 ざっくりとした感想
    • 吹き替え版について
  • 以下ネタバレあり
  • 2 疑問点はあるものの
    • ガストンについて
  • 3 母性の不在
    • 理想の王国へ
    • 最後に

 

 

 

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映画『真白の恋』感想 今年NO,1の邦画! 真白の思いと製作陣のメッセージに胸を打たれる……

カエルくん(以下カエル)

「今回は小規模公開映画の『真白の恋』の感想だけど……主はこういう映画をどうやって見つけてくるの?」

 

ブログ主(以下主)

「1つはTwitterだよね。映画が好きで色々な映画についてつぶやいている人がいるから、その人の評価を聞いたり。

 この映画の場合は……なんだったかな? 多分Yahoo!映画レビューだったような気がする。適当に劇場で公開する映画を調べていたら、偶然引っかかったのがこの作品」

 

カエル「ああいう大手レビューサイトとか、アマゾンレビューって色々言われているけれど信用できるの?」

主「そこまで信用度は高くないよ

カエル「……やっぱりそうなんだ」

主「いや、構造上しょうがないんだよ。誰もが面白いと思う映画が高評価だと思いがちだけれど、映画の面白みって色々あるじゃない?

 例えばファン向け映画の場合はお約束とかさ、ファンしかわからないようなことがあるわけ。それでファンは高評価をしたけれど、初見が映画としてみた場合にも面白いかと問われるとそれはまた別の問題であるわけでさ。

 あとは『シンゴジラ』とか『聲の形』とかは賛否両論あるけれど、ハマった時は大ホームランという作品もある。『桐島、部活やめるってよ』もそうかな?

 そういう作品の満足度の平均をとると大したことないというのはしょうがないんだよ」

 

カエル「じゃあ、あんまり役に立たないんだね……」

主「だけど、ある点ではすごく参考になる。もうこれは間違いないと言ってもいい」

カエル「え? そんなことあるの?」

主「この手のレビューサイトで2,0を切っていたら、みんなが認めた駄作ってことだから、クソ映画マイスター以外は近づかないのが吉だね

カエル「……あ! 先に言っておくと真白の恋は映画レビューサイトの評価が素晴らしく高いです! 勘違いしないでね!」

主「では感想を始めます」

 

 

  • 作品紹介
  • 1 邦画に求めるもの
    • 優れた箇所
  • 以下ネタバレあり
  • 2 本作の最大の特長
    • 『普通』の物語
  • 3 それぞれの立場
    • 雪菜の描き方
  • 4 テーマの描き方
    • 演出、音楽について
    • 1+1=1
    • 個人的な違和感
    • 最後に

 

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